2024年2月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については、合理的に予見することが困難なため記載しておりません。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)製造を外部委託していることについて

 当社グループは、製品の開発、設計、品質管理及び販売に経営資源を集中し、製造については大部分を外部に委託するファブレス型のモデルを採用しております。RAIDの主要構成部材(コンポーネンツ)は、ハードディスク・コントローラ・メモリー・電源装置等いずれも高度に規格化・標準化された部品であり、当社グループは、これらの部材をそれぞれの専業メーカからの供給に依存しております。当社グループは、これら部材の調達を特定の会社に集中しないよう国内外のメーカとの間で資材調達ネットワークを構築しておりますが、将来、部材市況価格の急激な上昇や調達先の経営悪化、供給能力ダウン及び品質問題の発生等により当社の部材調達に支障が発生し、当社グループが適切な時期に製品出荷ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、現在、筐体の製作や製品組み立て等の加工作業を外注先に委託しております。当該加工作業については、作業の性格上代替先の確保に格別の困難は生じないと考えられますが、将来当社グループの外注先の経営悪化、製造能力及び品質問題の発生等により当社製品の出荷遅延又は停止等の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)主力製品への依存度が高いことについて

 当社グループのストレージ関連製品売上高は、2024年2月期の当社売上高の64.6%を占めており、同製品への依存度が高い収益構造となっております。

 当社グループの主力とする中規模ストレージ機器は、主に企業の情報処理システムの中枢を担うサーバコンピュータに接続する専用の外部記憶装置であることから、当社グループの業績は国内サーバ市場の動向に影響を受けます。従って、不況の長期化等により企業の情報関連投資意欲が減退して国内サーバ需要が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、ストレージ機器は技術革新が激しいため、製品のライフサイクルが1~1.5年程度と比較的短い傾向にあります。当社グループは、機動的な資材調達ネットワークの構築と需要予測に基づいたきめ細かな発注ロット管理により在庫を必要最小限にとどめるための諸施策を講じておりますが、需要予測の見誤り、他社新製品の投入等により当社製品在庫の陳腐化が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ストレージ関連機器は、デジタル社会の発展に伴うデータ量の増大と企業の情報処理システムが複数のサーバを使用した分散処理型に移行していくことを主要因として、今後の成長が期待される分野であります。現在のところ、中規模のストレージ機器を専業とするメーカは少数でありますが、将来大手メーカ等多数の競合会社が当市場に参入してきた場合には、その参入状況によっては当社の製品競争力・価格競争力が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替変動の影響について

 当社グループの仕入額のうち、輸入仕入が占める割合は低いものの、輸入仕入額の多くは外貨建てであります。

 今後輸入仕入の比率が高まった際は、外国為替相場の変動による外貨決済の影響を回避するため、仕入決済を実需に基づく為替予約等により為替リスクヘッジを行う予定ではありますが、すべての影響を回避することができず、当社グループの業績がその影響を受ける可能性があります。また、為替変動による輸入価格上昇により、価格競争力が低下し、販売活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、安定的な経営基盤の確保と将来の事業展開のための企業体質強化に配慮のうえ、業績に応じた配当を行うことを基本方針としております。

 当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としております。

 また、当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨及び「取締役会の決議により毎年8月31日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨定款に定めております。

 内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく研究開発活動及び設備投資に活用していく方針であります。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2024年4月12日

95,836

50.00

取締役会