人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,734名(単体) 4,114名(連結)
-
平均年齢46.1歳(単体)
-
平均勤続年数21.3年(単体)
-
平均年収7,838,000円(単体)
-
平均年収の
対前年増減率7.3%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社は、“「はかる」を超える。限界を超える。共に持続可能な未来へ。”を経営ビジョンとして掲げ、2030年度に連結売上高2,000億円の達成を目指しています。中期経営計画GLP2026では、5Gから6Gへの移行期を重要なマイルストーンと位置付け、6G領域に加え、「EV/電池」「産業計測」「医薬品」の新領域ビジネスの拡大と既存事業の高度化を推進しています。
これらの経営戦略を実現する上で、当社は人材を最も重要な経営資源と位置付け、人材戦略を経営基盤の中核として推進しています。また、会社と多様な従業員がベクトルを合わせ、事業(社会)貢献意識を持ち、仕事と私生活のバランスを取りながら生き生きと働いていることを目指す姿として共有し、当該考え方のもと人的資本の最大化に取り組んでいます。特に、新領域ビジネスの拡大に向けた人材の確保・育成・配置を重点課題と位置付けています。
具体的には、経営戦略に基づく人員計画のもと、経営層・経営戦略部門・人事部門が一体となり、重点領域への人材の戦略的配置と育成投資を推進しています。あわせて、Anritsu SKILLs Training Center(A-SKILLs)を活用し、新領域に必要な技術および営業スキルの育成を進めるとともに、エンジニア育成やリスキリング施策の展開により、技術革新に対応可能な人材基盤の強化を図っています。
また、成長・挑戦を後押しする組織風土の醸成、多様性の受容、働きやすさと働きがいの両立に向けた環境整備を進めることで、従業員エンゲージメントの向上を図るとともに、中長期的な企業価値向上に資する人材基盤の強化に取り組んでいます。これらの取組みの推進に当たっては、経営戦略会議および取締役会において定期的に進捗をモニタリングし、必要に応じて施策の見直しを行っています。加えて、これらの取組みにより、事業成長および生産性向上を通じて付加価値の拡大を図り、その成果を従業員をはじめとするステークホルダーへ適切に還元していくことにより、持続的な企業価値向上につなげていきます。
さらに、当社は人材戦略の推進に当たり、個人および組織の成果を踏まえた処遇運用を行っています。会社業
績や個人の役割・成果・能力発揮等を総合的に勘案し、給与および賞与に反映するとともに、外部水準も参考に
しながら報酬水準の適切性の確保に努めています。これらの運用を通じて、従業員の挑戦意欲やエンゲージメン
トの向上を図り、人材の確保・定着につなげています。
(2)【従業員の状況】
① 連結会社の状況
|
|
2026年3月31日現在 |
|
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
|
通信計測 |
2,469 |
(214) |
|
PQA |
856 |
(106) |
|
環境計測 |
458 |
(60) |
|
その他 |
287 |
(160) |
|
全社 |
44 |
(-) |
|
合計 |
4,114 |
(540) |
(注1)従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(注2)全社として記載されている従業員数は、各事業セグメントに帰属しない基礎研究に係る部門に所属している者及び一般管理部門のうち各事業セグメントに帰属しない本社管理部門に所属している者の人数です。
② 提出会社の状況
|
|
|
|
|
2026年3月31日現在 |
|
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
|
1,734 |
46.1 |
21.3 |
7,838 |
7.3 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
通信計測 |
934 |
|
PQA |
558 |
|
環境計測 |
118 |
|
その他 |
80 |
|
全社 |
44 |
|
合計 |
1,734 |
(注1)従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。
(注2)平均年間給与は税込額で、基準外賃金等諸手当及び賞与を含んでおります。
(注3)全社として記載されている従業員数は、各事業セグメントに帰属しない基礎研究に係る部門に所属している者及び一般管理部門のうち各事業セグメントに帰属しない本社管理部門に所属している者です。
③ 労働組合の状況
提出会社の労働組合は、アンリツ労働組合と称し上部団体の全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)に加盟しております。
2026年3月31日現在の組合員数は1,498人(出向者を含む。)であり、労使関係は安定しております。
④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は、使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容 ②従業員持株会を通じた譲渡制限株式を付与する制度」に記載しております。
⑤ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異
a.提出会社
|
当事業年度 |
||||
|
管理的地位にある労働者に占める 女性労働者の割合(%) (注1) |
男性労働者の 育児休業取得率(%) (注2) ※()内は対象者数 |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注3) |
||
|
全労働者 (注4) |
正規雇用労働者 (注5) |
パート・有期労働者 (注6) |
||
|
6.4 |
97.0 (33人) |
81.0 |
81.0 |
85.4 |
b.連結子会社
|
当事業年度 |
|||||
|
名称 |
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注1) |
男性労働者の育児休業取得率(%)(注2) ※()内は対象者数 |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注3) |
||
|
全労働者 (注4) |
正規雇用労働者 (注5) |
パート・有期労働者(注6) |
|||
|
東北アンリツ㈱ |
0.0 |
66.7 (3人) |
57.9 |
80.4 |
105.0 |
(注1)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。出向者を出向先の従業員として集計しております。
(注2)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。出向者は出向元の従業員として集計しております。
(注3)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。出向者は、出向先の従業員として集計しております。賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。なお、同一労働の賃金に差はなく、職位や職能等級別の人数構成の差によるものです。
(注4)全労働者は、正規雇用労働者とパート・有期労働者を含んでおります。
(注5)正規雇用労働者は、正社員およびフルタイム勤務の雇用延長者(65歳未満)を含んでおります。
(注6)パート・有期労働者は、雇用延長者を除く嘱託社員、パートタイマー、契約社員を含み、派遣社員を除いております。
c.連結会社
|
当事業年度 |
|||
|
|
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注2) |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注3) |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注4) |
|
当社及び連結子会社(注1) |
13.0 |
* |
74.7 |
|
当社及び国内連結子会社 |
6.3 |
95.2 |
72.8 |
(注1)「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社を対象としております。
(注2)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。出向者を出向先の従業員として集計しております。
(注3)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。出向者は出向元の従業員として集計しております。「*」は海外子会社の男性従業員育児休業取得率の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。
(注4)正規雇用労働者とパート・有期労働者を含む、全労働者の男女の賃金格差を集計しています。出向者は、出向先の従業員として集計しております。賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。なお、同一労働の賃金に差はなく、職位や職能等級別の人数構成の差によるものです。国内連結子会社については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。海外子会社の計算方法は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定と異なり、月平均による算出ではなく年度末平均による算出としています。
詳細については「第2 事業等の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人的資本」を参照ください。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティに関する方針
アンリツ株式会社(以下、「当社」という。)は2030年に向けて、2021年4月に経営ビジョンと経営方針を改定し、これに合わせてサステナビリティ方針を改定しました。本方針は、誠実な企業活動を通じてグローバルな社会の要請に対応し、社会課題の解決に貢献してこそ企業価値の向上が実現されるという考え方に立つものであり、2015年に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で掲げられた5つのP、すなわち「People」、「Planet」、「Prosperity」、「Peace」、「Partnership」の要素を包含しています。
サステナビリティ方針
私たちは「誠と和と意欲」をもってグローバル社会の持続可能な未来づくりに貢献することを通じて、企業価値の向上を目指します。
1. 長期ビジョンのもと事業活動を通じて、安全・安心で豊かなグローバル社会の発展に貢献します。
2. 気候変動などの環境問題へ積極的に取り組み、人と地球にやさしい未来づくりに貢献します。
3. すべての人の人権を尊重し、多様な人財とともに個々人が成長し、健康で働きがいのある職場づくりに努めます。
4. 高い倫理観と強い責任感をもって公正で誠実な活動を行い、経営の透明性を維持して社会の信頼と期待に応える企業となります。
5. ステークホルダーとのコミュニケーションを重視し、協力関係を育み、社会課題の解決に果敢に挑んでいきます。
(2) マテリアリティ(重要課題)
当社は、“「はかる」を超える。限界を超える。共に持続可能な未来へ。”という経営ビジョンのもと、「安全・安心なインフラを整備し、持続可能な社会の建設につながる産業の創造とイノベーションの促進に貢献する」を、社会課題解決におけるグループ全体の取組としています。この実現に向けて、「事業を通じて解決する社会課題」と「社会の要請に応える課題(ESG)」への対応を両輪とするサステナビリティ経営を通じて「グローバル社会の持続可能な未来づくりに貢献すること」を目指し、事業分野別とESG分野別に下記のマテリアリティを設定しています。
マテリアリティは、社会課題の重要度と当社の企業価値向上の2つの視点で適宜見直しています。2021年4月の経営ビジョン、経営方針およびサステナビリティ方針の改定と組織体制の変更、さらに2022年1月に㈱高砂製作所をグループに加えたことから、2022年度にマテリアリティを見直しました。2024年度から始まった3ヶ年の中期経営計画「GLP2026」においては、マテリアリティの更新が必要となるような社会や市場、顧客動向の変化は見られないと判断し、これまでのマテリアリティを継続することとしました。
<事業分野別マテリアリティ>
通信計測事業、PQA事業、環境計測事業およびセンシング&デバイス事業において、事業を通じた社会課題解決への貢献に向けて、各事業の特長や強みを踏まえたマテリアリティを設定しています。
通信計測事業:DX技術革新への対応、強靭なITインフラ整備
デジタル革新で新たな社会の変革を目指すお客さまをサポートし、安全・安心な通信インフラの構築に通信テストソリューションで貢献する
PQA事業 :食品ロスの低減、品質保証ソリューションの提供
安全で安心できる食品や医薬品の安定供給を目指すお客さまをサポートし、高信頼・高感度の検出機と品質管理制御システムで生産ラインの品質検査工程自動化や食品ロス低減に貢献する
環境計測事業:自然災害に対する防災・減災、脱炭素社会へ貢献する製品の提供
デジタル革新で新たな社会の変革を目指すお客さまをサポートし、情報通信ソリューションで新たなデジタル社会の変革、EV(電気自動車)や電池の評価ソリューションで脱炭素社会の実現に貢献する
センシング&デバイス事業:強靭なITインフラ整備、健康的な生活の確保
デジタル革新で新たな社会の変革を目指すお客さまをサポートし、光デバイス事業、超高速電子デバイスで安全・安心で快適な社会の実現に貢献する
<ESG分野別マテリアリティ>
サステナビリティ方針に基づいて設定した社会の要請(ESG)に応えるマテリアリティは以下のとおりです。
環境(E):気候変動への対応
世界的な気候変動は、洪水や干ばつなどの自然災害を引き起こし、人々の生活や経済活動に多大な影響を及ぼすことから、当社は気候変動への対応を最も重要なマテリアリティとしています。
当社の製造拠点である福島県郡山市の東北アンリツ㈱第一工場は、過去2回にわたり河川氾濫による浸水被害に遭いました。取引先さまも被災し、当社の調達・製造・物流のバリューチェーン全体に影響をもたらしました。
気候変動に大きく影響する温室効果ガスの排出量削減のため、当社は再生可能エネルギー(以下、「再エネ」といいます。)の自家発電・自家消費に優先的に取り組んでいきます。
社会(S):人権の尊重、多様性の推進(ダイバーシティ&インクルージョン)
複雑で変化が多く予測困難な現代において企業が成長を続けていくためには、多様な価値観を持つ人材の力が必要となることから、当社は人権の尊重と多様性の推進をマテリアリティとしています。また、個々人の能力向上が会社の成長に欠かせないことから人材の育成にも取り組んでいきます。
ガバナンス(G):経営の透明性維持
当社は社会の信頼と期待に応える企業になるために、経営の透明性維持をマテリアリティとしています。
コーポレート・ガバナンス強化のために取締役会の実効性向上に取り組むほか、リスクマネジメント推進や社会的責務である情報セキュリティの強化を進めていきます。
アンリツグループのサステナビリティ経営
(3)サステナビリティ共通の開示
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアンリツグループが判断したものであり、さまざまな要因により実際の結果と大きく異なる可能性があります。
①ガバナンス
当社は、取締役会がサステナビリティ経営を監督し、サステナビリティ推進担当役員が推進活動とリスク管理の責任者を務めています。主要な部門・グループ会社の代表者からなるサステナビリティ委員会が推進活動の主体となり、重点項目を明確にして情報を共有し、改善に向けた議論を行い、その内容を各代表者から各部門に展開・浸透させています。2022年4月からは、気候変動をはじめとするさまざまな課題への対応の重要性を踏まえて、グループCEOが担当役員となっています。サステナビリティ経営の進捗状況は、サステナビリティ推進担当役員が経営戦略会議および取締役会において報告し、議論しています。2025年度の取締役会では、25件のサステナビリティ課題に関する議論を行いました。
※上図は2026年4月1日現在のものです。
②戦略
アンリツグループは、サステナビリティ経営を通じてグローバル社会の持続可能な未来づくりに貢献することを目指しています。事業においては、コンピテンシーである「はかる」技術を事業における取組の核とし、4つのカンパニー(通信計測、インフィビス(PQA事業)、環境計測、センシング&デバイス)と先端技術研究所のコラボレーション、強固な財務体質を生かした積極的な成長投資により、既存事業の拡大と6Gおよび3つの新領域(産業計測、EV/電池、医薬品)開拓を通じて持続可能な社会づくりにおける貢献領域を広げ、2030年度に連結売上高2,000億円を目指します。ESG課題への対応は、環境や社会への悪影響を最小限に抑え、全ての人が生き生きと働き、暮らせる社会につながるものと捉え、中期経営計画(GLP)で目標を掲げて取り組みます。
また、製造会社である当社は、「強い“ものづくり”の会社」として調達能力向上・災害対策強化・生産の自動化を進め、労働生産性を高める働き方改革により社員の生活の充実を図ります。
これらにより“「はかる」を超える。限界を超える。共に持続可能な未来へ。”の経営ビジョン、サステナビリティ方針を実現し、グローバル社会の持続可能な未来づくりに貢献いたします。
6Gと3つの新領域を重点的に開拓
③リスク管理
当社は各事業部門、コーポレート部門、グループ会社がリスクと機会を構成要素の一つとするGLPを策定しています。経営戦略会議において、GLP策定時および毎年のレビュー時にリスクの低減と機会の実現・成長について審議し、取締役会に報告しています。
④ 指標と目標
当社は社会課題の解決に向けて、GLPでサステナビリティ目標を掲げて取組を進めています。GLP2026(2024年度から2026年度の3年間)の目標と2025年度の実績・進捗は、以下のとおりです。
|
|
目標 ※1 |
KPI |
2025年度実績・進捗 |
|
環境 (E) |
温室効果ガスの削減(Scope1+2) ※2 |
2021年度比 23%以上削減 (2030年度までに42%以上削減 ※3) |
31.0%削減 |
|
温室効果ガスの削減(Scope3) ※4 |
2019年度比 17.5%以上削減 (2030年度までに27.5%以上削減 ※5) |
26.6%削減(参考値) ※6 |
|
|
自家発電比率(PGRE 30) ※7の向上 |
14%以上(2018年度電力消費量を基準) (2030年ごろまでに30%程度まで高める) |
12.9%(参考値) ※8 |
|
|
資源循環(サーキュラーエコノミー)の実現 |
資源循環に対応した製品をリリースする |
ステンレス再資源化・調達の資源循環スキームを構築 |
|
|
プラスチックごみを100%マテリアルリサイクルする ※9 |
79.4% |
||
|
社会 (S) |
ダイバーシティ経営の推進 |
女性管理職比率15%以上 |
13.0%(2026年3月末) ※10 |
|
障がい者雇用促進:職域開発による法定雇用率 2.7%達成 |
2.8% |
||
|
働きがいのある労働環境の実現 |
エンゲージメント調査の働きがいポジティブ回答率:80%以上 ※11 |
74.5% |
|
|
グローバルなCSR調達の推進 |
サプライチェーンデューデリジェンスの強化:10社以上 |
12社実施 |
|
|
CSR調達に係るサプライヤーへの情報発信:3回/年、教育2回以上/年 |
情報発信:3回実施 教育:1回実施 |
||
|
ガバナンス (G) |
グローバルなガバナンス向上 |
取締役の多様性の推進:女性取締役比率 20% |
11% |
|
取締役会における経営課題の集中討議:6回/年 |
6回実施 |
※1 環境分野における温室効果ガス、自家発電比率に関する目標のバウンダリーは、当社および国内子会社、海外の製造子会社(米国、英国、ルーマニア、中国、タイ)。DEWETRON GmbH(オーストリア)は、期中(2025年10月)で買収したため、2025年度の環境負荷データの対象外。資源循環に対応した製品は、各事業における取組。マテリアルリサイクルの対象は、厚木地区、東北地区においてサプライヤーから購入する部材で使用されるプラスチック包装材、厚木地区の従業員食堂で使用される食品用のプラスチック包装材。社会分野における女性管理職比率は連結の目標値。エンゲージメント調査は当社および国内子会社の目標値。障がい者雇用促進は当社および特例子会社である㈱ハピスマを合算した目標値。サプライチェーンは当社の目標。ガバナンスは当社の目標。
※2 Scope1は、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)。Scope2は、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出。
※3 本目標は、SBTイニシアチブから1.5度目標の認定を取得済み。SBTイニシアチブは、企業に対し「科学的根拠」に基づく「二酸化炭素排出量削減目標」を立てることを求めている国際的なイニシアチブ。1.5度目標は、産業革命前と比較して気温上昇を1.5℃に抑える水準の目標。
※4 Scope3は、Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)。当社ではScope3のKPIにカテゴリ1(購入した製品・サービス)および11(販売した製品の使用)を採用。
※5 本目標は、SBTイニシアチブからWell-below2℃目標の認定を取得済み。Well-below2℃目標は、産業革命前と比較して気温上昇が2℃を十分に下回る水準の目標。
※6 第三者検証前のため、参考値として記載。検証後の数値については、サステナビリティWebサイトや統合報告書に記載。
※7 PGRE 30は、Anritsu Climate Change Action PGRE 30のこと。2018年度に0.8%だったアンリツグループの太陽光発電比率を、同年度の電力消費量を基準に、2030年ごろまでに30%程度まで高める施策。詳細は、(4)気候変動 に記載。
※8 Anritsu Company(米国)に設置している太陽光発電設備のメーカーの倒産により、発電量が3ヶ月間モニタリングできていなかった。このため、この間の発電量が推計値となり、第三者保証を得られず参考値として記載。
※9 マテリアルリサイクルは、廃棄物を材料として再利用する方法。
※10 当該事業年度より、海外拠点における時間限定勤務の女性管理職を含む。
※11 エンゲージメント調査における「ポジティブ回答率」とは、各設問に対して肯定的な回答をした従業員の割合。
なお、GLP2026における事業を通じて解決する社会課題のサステナビリティ目標は、通信計測事業でDX技術革新や強靭なITインフラ整備に貢献する製品のR&D費増、PQA事業で食品ロス低減に貢献する製品の売上比率向上、環境計測事業で市場シェア拡大、センシング&デバイス事業で新製品の開発を掲げて取り組んでいます。
(4) 気候変動
当社は、2022年に、2050年までにScope1+2における温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指す宣言を行い、国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)のRace To Zeroに参加しています。この実現に向けて、化石燃料の使用拡大につながる投資は行わず、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の自家発電比率の向上と省エネルギー(以下、省エネ)活動の徹底、再エネ電力証書の購入などを組み合わせた取組を推進し、事業活動で使用するエネルギーを100%再エネ化することを目指します。さらに、サプライヤーとの協働、顧客への省エネ製品の提供を通じてバリューチェーン全体で消費電力を低減していきます。
また、気候変動否定派や気候関連規制に反対するロビーグループへの資金提供を行いません。ステークホルダーとの対話を深め、環境課題に関する教育・研修を実施します。
これらの取組を通じて、持続可能な未来の実現に向けた取組を強化し、環境保護に貢献します。
再エネ自家発電の取組が、Anritsu Climate Change Action PGRE 30(以下、PGRE 30)です。当社は、事業遂行に必要な電力の一部を自社で発電し、消費することで温室効果ガスを削減していくことがSDGsの目指す姿に適うものと考え、2020年3月にPGRE 30を策定しました。主要拠点である厚木地区(神奈川県厚木市)、東北地区(福島県郡山市)、Anritsu Company(米国カリフォルニア州モーガンヒル)の3地区に自社消費用の太陽光発電設備を導入・増設することで、SDGsの目標7のターゲット7.2に掲げられた「2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再エネの割合を大幅に拡大させる」という目標達成に貢献してまいります。
<TCFD提言に沿った情報開示>
① ガバナンス
当社は、取締役会が気候変動全般に関する課題や取組を監督しています。各種活動の推進は、グループCEOおよびCFOが責任を負っています。リスクと機会の管理は、グループ全体のリスクマネジメントシステムに組み込まれ、環境総括役員がリスク管理責任者としての責務を負っています。環境総括役員は、グループ全体の環境戦略を担う環境・品質推進部を所管するとともに、国内グループの環境管理委員会の委員長、海外グループのグローバル環境管理会議の主宰者を務め、リスクと機会をグローバルに評価・管理しています。
取締役会は、経営戦略会議において審議されたSBTイニシアチブへの申請計画や、PGRE 30に基づいて実施する再エネ発電設備導入や省エネルギー設備導入などの投資案件を決議するとともに、温室効果ガス排出量削減目標やPGRE 30の進捗などを確認しています。また、気候変動に関する情報開示内容は、GLPの策定もしくはレビューとして毎年度経営戦略会議で審議・承認し、取締役会に報告しています。
役員報酬における短期インセンティブの報酬の算定には、各人の貢献度をはかる指標として、売上高、営業利益およびサステナビリティ目標の達成度を用いており、目標には気候変動関連の目標(温室効果ガス排出量の削減、自家発電比率の向上)が含まれています。
② 戦略
気温が1.5℃あるいは4℃上昇する場合のシナリオをベースに、短期(1年)・中期(3年)・長期(~30年)のリスクと機会を抽出し、気候変動に関する分析を実施しています。シナリオ分析ではバリューチェーン全体を含めた事業戦略と財務計画への影響を考慮しています。その結果、規制強化の影響や生産拠点の一部での物理的な影響を想定し、対応策を定めるとともに脱炭素社会に寄与するソリューション開発に取り組むこととしました。
|
タイプ |
要因 |
シナリオ |
想定シナリオの詳細 |
時間的視点 |
想定される影響 |
影響度 ※ |
対応策 |
|
移行 リスク |
炭素税の課税 |
1.5℃ |
温室効果ガス排出量への課税 |
長期 |
・事業活動に伴うコストの増加 |
やや大 |
・1.5℃目標でSBT認証を取得したScope1+2の削減 ・インターナルカーボンプライシングの導入 |
|
1.5℃ |
物価上昇で景気が停滞 |
中期 |
・顧客の投資が縮小・遅延して売上が減少 ・調達難や部材コスト増により利益が減少 |
中 |
・ソフトウエアベースの仮想化試験環境とソフトウエア無線を組み合わせたソリューション開発を推進し、部材価格の変動影響が少ないビジネスモデルを構築 ・効率化とグループ統一調達プロセスの確立による原価競争力の強化 |
||
|
物理 リスク |
自然災害の頻発化・激甚化 |
4℃ |
各地で異常気象が頻発化・激甚化 |
長期 |
・生産工場の操業や部材の調達に影響 |
大 |
・東北アンリツ㈱第一工場の生産機種を第二工場に移管し、河川氾濫による操業への影響ゼロを実現 ・海外製造拠点における浸水対策の実施 ・アンリツグループ内の生産拠点の連携による相互生産の推進 ・部材生産地をマップ化し、調達への影響を最小化 ・複数社購買可能な体制を構築 ・サプライヤー分散とAI・IoTを活用した需給・生産・物流の一体最適化による供給変動への対応力強化 |
|
長期 |
・気温上昇により、製造工程における品質保証が難しくなる |
大 |
・2023年度に外気温の変動に左右されない空調管理システムを導入し、運用を開始 |
||||
|
機会 |
エネルギーミックスの変化 |
1.5℃ |
再エネ発電比率が高まる |
長期 |
・太陽光発電設備の導入コスト低下 |
やや大 |
・PGRE 30の推進により自家発電比率を高め、電力料金を低減 2025年度はこれまで設置した3,125㎾の太陽光発電設備が稼働。東北アンリツ㈱第二工場では、メガソーラー級発電設備と蓄電池を組み合わせたシステムを運用 |
|
省エネ技術の進展 |
1.5℃ |
投資により新技術が普及 |
中期 |
・新たな省エネ技術の採用で製品の環境付加価値向上 |
やや大 |
・環境配慮型製品の開発推進で製品を省エネ化 ・省エネ部品を積極採用 |
|
|
市場の変化 |
1.5℃ |
高機能と環境性能を備えた製品の需要拡大 |
中期 |
・試作機不要の開発を望む顧客が増加し、仮想化等、シミュレーション試験環境の需要増 |
大 |
・ソフトウエアベースの仮想化試験環境ソリューションを提供 |
|
|
中期 |
・データセンターの省エネ化に必要な製品の需要増加 |
やや大 |
・次世代グリーンデータセンター向け光電融合デバイスの開発・製造向けソリューションを提供 ・低消費電力、高電力効率の光デバイス製品を提供 |
||||
|
長期 |
・EV普及により高効率パワートレインや電池の開発用評価機器の需要増加 ・社会インフラにおける再エネや燃料電池を効率的に活用するエネルギーマネジメントシステムの需要拡大 |
大 |
・高品質なパワートレインや電池の開発を効率化するテストソリューションを強化 ・パートナー企業との協働によりエネルギーマネジメントシステムの事業機会を獲得 |
||||
|
自然災害の頻発化・激甚化 |
4℃ |
気象の激甚化による食糧生産、需給環境の悪化 |
長期 |
・食品廃棄ロスのさらなる削減のため、原材料段階での異物検出や不良品のピンポイント選別の需要が拡大 |
やや大 |
・原材料段階で色、成分、虫、細菌、成分などの品質不良を識別できるソリューションの実用化 ・DX、AI、ロボットを活用した異物検出精度向上や生産ラインのモニタリング、不良品選別ソリューションを提供 |
|
|
各地で異常気象が頻発化・激甚化 |
長期 |
・防災投資が増加して河川や道路の監視ソリューションの需要増加 |
中 |
・パートナー企業と映像情報システム等、防災・減災ソリューションの対応力を強化 |
|||
|
長期 |
・少子・高齢化に伴うオペレーション人員不足をカバーする遠隔監視ソリューションの需要増加 |
中 |
・ICTシステムを活用したより高度な防災・減災システムの実現に寄与するソリューションを提供 |
※「影響度」は、売上・利益等の財務上の影響額とそのリスクと機会が顕在化する可能性を考慮して、「大、やや大、中、やや小、小」の5段階で当社独自の基準に基づいて判断したものです。なお、影響度の低い「やや小」と「小」の掲載は省略しています。
③ リスク管理
当社は、気候変動関連のリスクと機会を環境リスクの重要課題として位置づけ、グループ全社で総合的に管理するリスクマネジメントシステム(「3 事業等のリスク」に記載)に組み込んでいます。中期経営計画(GLP)の策定および定期的なレビューの過程を通じて継続的にモニタリングし、見直しを行っています。個別のリスクと機会については、各事業部門、コーポレート部門、グループ会社がGLPの策定及びレビューの過程で抽出しています。環境管理委員会は、これらのリスクと機会について、発生の可能性および事業や財務への影響度の観点から重要性を評価し、優先度の高い項目を特定したうえで、対応策を整理しています。抽出結果、評価結果および対応方針は、定期的に経営戦略会議で審議・承認され、その内容が取締役会へ報告されています。これにより、気候変動に関するリスクと機会は、アンリツグループの事業戦略策定および投資判断を含む意思決定プロセスに反映される仕組みとなっています。
④ 指標と目標
当社は、SBTイニシアチブから認証を取得した温室効果ガス(CO2換算)排出量(Scope1+2およびScope3)削減目標、再エネ自家発電比率を指標としています。Scope1+2では1.5度目標、Scope3ではCategory1、Category11でWell-below2℃目標の認証を取得しています。
|
KPI |
目標 |
2025年度実績・進捗 |
|
Scope1+2:温室効果ガス排出量の削減 |
2030年度までに2021年度比で42%以上削減する |
31.0%削減 |
|
Scope3:温室効果ガス排出量の削減 |
2030年度までに2019年度比で27.5%以上削減する |
26.6%削減(参考値) ※1 |
|
太陽光自家発電比率の向上 |
2018年度に0.8%だったアンリツグループの太陽光発電比率を、同年度の電力消費量 ※2を基準に、2030年ごろまでに30%程度まで高める(PGRE 30) |
12.9%(参考値) ※3 |
※1 第三者検証前のため、参考値として記載。検証後の数値については、サステナビリティWebサイトや統合報告書に記載。
※2 策定時に当社の100%子会社ではなかったATテクマック㈱(現アンリツテクマック㈱)、㈱高砂製作所、㈱鶴岡高砂製作所、㈱ハピスマ、DEWETRON GmbHの電力消費量は除く。
※3 Anritsu Company(米国)に設置している太陽光発電設備のメーカーの倒産により、発電量が3ヶ月間モニタリングできていなかった。このため、この間の発電量が推計値となり、第三者保証を得られず参考値として記載。
Scope1+2のCO2排出量の削減については、その大部分がエネルギー消費によるものであるため、再生可能エネルギーの使用拡大と工場やオフィスでの省エネを両輪とする活動を行っています。再生可能エネルギーでは、太陽光の自家発電・自家消費を重視しています。アンリツグループは2010年代から太陽光発電設備を導入しています。2019年度には、長期にわたって再生可能エネルギーの自家発電、自家消費を行い、CO2排出量の削減を進める取り組みとしてPGRE 30を策定しました。PGRE 30は厚木地区、東北地区、Anritsu Company(米国)で年間8,000MWhの発電量に相当する太陽光発電設備を導入し、2018年度に0.8%だった太陽光自家発電比率を、2030年ごろに30%程度まで高めることを目標としています。㈱高砂製作所、Anritsu Infivis (THAILAND) Co., Ltd.でも太陽光発電設備を導入しており、2026年3月末時点のアンリツグループ全体の太陽光発電能力は3,125kWです。東北地区では発電容量1,100kWの太陽光発電設備と定格容量2,400kWhの蓄電池を組み合わせた大規模太陽光発電システムを導入し、夜間に必要な電力の一部を蓄電した再エネで賄っています。再生可能エネルギー由来の電力を供給する電力会社との契約等によるCO2排出量削減にも取り組んでいます。
省エネ活動では、2023年3月に立ち上げた省エネ対策チームの下、適切な空調管理と実験室での節電などを継続しています。あわせて、本社および東北地区における建屋別・フロア別の電力使用量、電気料金を社内イントラネットで見える化しています。各部門は前年実績との比較や増減要因を分析し、その結果を環境管理委員会で共有・確認しています。これにより、現場主体の改善を継続的に促し、組織的な省エネ管理と従業員の意識向上を図っています。
この結果、Scope1+2のCO2排出量は2021年度比31.0%削減となりました。
Scope3では、Scope3総排出量の78.5%(2025年度参考値)を占める「購入した製品・サービス(Category1)」と「販売した製品の使用(Category11)」の削減に取り組んでいます。Category1排出量の削減では、主要サプライヤーを中心に、Scope1、Scope2およびScope3排出量の調査および情報提供の依頼を行うとともに、サプライヤーとの定期的な情報交換会等を通じて、温室効果ガス排出量の把握および削減に向けた取り組みへの協力を呼びかけています。これらの活動により、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出削減を推進しています。
Category1の排出量算定では、購入金額に基づく原単位計算を基本とし、主要サプライヤーの排出特性を可能な範囲で反映する方法により算定しています。購入金額の品目別集計に基づく排出量算定に加え、購入金額上位の主要サプライヤーを対象に排出量調査を実施し、サプライヤー固有の排出原単位を反映しています。
Category11排出量の削減では、環境配慮型製品の開発による低消費電力化の推進および、測定ソリューションのソフトウエア化の拡大に注力しています。環境配慮型製品の開発では、独自の基準により「エクセレント エコ製品」「エコ製品」を認定する制度を導入し、製品の消費電力低減に取り組んでいます。2025年度は、計測器の売上高に占める環境配慮型製品の割合は98%、エクセレント エコ製品の割合は92%となりました。測定ソリューションのソフトウエア化では、専用ハードウエアを必要とせず、汎用PCや汎用サーバー環境で利用可能なソリューションの開発・販売を進めることで、顧客におけるエネルギー消費の抑制にも貢献しています。
Category11排出量は、製品の消費電力、想定される生涯稼働時間および販売台数に基づき算定しています。製品分類ごとに設定した生涯稼働時間を用いて排出量を算定した上で事業別に集計し、さらに、事業別売上高上位の顧客を対象とした再生可能エネルギー導入状況を考慮することで、合理的な範囲で排出量算定に反映しています。この結果、Scope3(Category1+Category11)のCO2排出量は、2019年度比26.6%削減(参考値)となりました。
算定方法詳細およびデータに関する注記
注記1:Scope3 Category1 排出量の算定方法
Scope3 Category1排出量は、以下に示す方法により算定しています。
(Category1に該当する購入額)×(原単位排出係数)×(主要サプライヤーの排出特性を反映するための係数) = Scope3 Category1排出量
・原単位計算の方法
Category1に該当する購入金額の総額を品目分類別に集計し、これに対して、環境省公表の「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」に掲載されている、産業連関表ベースの排出原単位(GLIO:2005年表、購入者価格ベース原単位)を適用することにより、Category1の原単位計算排出量を算定しています。
・サプライヤーの排出特性を反映する係数の算定方法
本係数は、サプライヤーの産業連関表ベース原単位に基づく排出量とサプライヤー固有の原単位に基づく排出量の比率とし、以下のステップで算定しています。
まず、購入金額上位の主要サプライヤー約100社(購入金額ベースでCategory1購入金額全体の約6割)を対象として、各サプライヤーのScope1、Scope2およびScope3の上流部分にあたるCategory1~8の排出量を調査しています※1。これらの排出量は、各社Webページ上の公開情報および当社が実施したアンケート調査に基づき把握しています。
次に、調査した各サプライヤーの排出量および当該サプライヤーの売上高に基づき、Scope1、Scope2およびScope3 Category1~8それぞれのサプライヤー固有排出原単位を算出しています。
最後に、対象サプライヤー毎の購入金額に対して産業連関表ベースの排出原単位とサプライヤー固有排出原単位(Scope1、Scope2およびScope3 Category1~8)をそれぞれ乗算して、「サプライヤー原単位排出量」と「サプライヤー固有原単位排出量」を算出します。この二つの原単位排出量の比(サプライヤー固有原単位排出量/サプライヤー原単位排出量)を「サプライヤーの排出特性を反映する係数」として算定しています。
※1 サプライヤーのScope3排出量については、CDP気候変動スコアがB-以上のサプライヤーは開示されているScope3排出量を採用し、B-未満の場合は個社データを使用せず、業界平均値※2を採用しています。
※2 業界平均値は、JEITA、JEMA、CIAJ、JBMIAの4団体に加盟し、Scope3排出量を公表している企業を対象に、過去4年間の排出量の移動平均で算定しています。
注記2:Scope3 Category11 排出量の算定方法(詳細)
Category11排出量は、製品の使用段階における電力消費に基づき算定しています。製品ごとに消費電力(実測値ではなくカタログ値などを採用)および販売台数を把握し、製品分類別に設定した生涯稼働時間の想定値(約8,000~30,000時間)を用いて、「消費電力 × 生涯稼働時間 × 排出係数 × 販売台数」により排出量を算定しています。排出係数は、環境省が公表する電気事業者別排出係数一覧における全国平均係数を採用しています。
さらに、事業別の年間売上高上位10社の顧客の再生可能エネルギー導入率を調査しています。調査対象顧客は、事業別売上高ベースで約2割をカバーしています。再生可能エネルギー導入率は、対象企業のWebページ等における公開情報に基づき把握しています。調査対象企業ごとに、事業別売上高に対する当該企業向け売上高の比率から企業別Category11に相当する排出量を算定しています。これに当該企業の再生可能エネルギー導入率を乗じた排出量を、再生可能エネルギーによる排出量削減相当分としています。この削減相当分を事業別Category11排出量から減算することで、再生可能エネルギー導入の影響を反映しています。
注記3:使用データの年度差異および将来差異
Scope3 Category1およびCategory11排出量の算定に用いているサプライヤー排出量および顧客の再生可能エネルギー導入率については、調査時点で集計対象年度の情報が未公表である場合があるため、原則として集計対象年度の前年度に公表された数値を使用しています。一方、購入金額および製品販売台数については、集計対象年度の実績値を使用しています。なお、Scope3 Category1およびCategory11排出量は、統制の及ばない第三者から提供された情報、公開情報および一定の前提・仮定に基づく推計値であり、今後、サプライヤーや顧客による情報開示の更新、データ精度の向上、算定条件の変更等により、実際の排出量と差異が生じる可能性があります。
当社は、第三者データの入手経路および算定方法の妥当性について、環境・品質部門において内部レビューを実施するとともに、外部組織の審査による第三者保証を取得しています。
当社は、これらの取り組みを踏まえて、現時点で入手可能な情報に基づき、一般に合理的と考えられる範囲で算定した排出量を開示しています。
(5) 人権の尊重
当社は、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」が企業に求める人権尊重に対する責任を果たすために、2022年12月にアンリツグループ人権方針を制定しました。本方針をウェブサイトで公表するとともに、サプライヤー向けには、情報交換会の場で人権方針と人権尊重の取り組みを説明し、理解と賛同を要請しています。従業員に対しては、人権方針制定以来、理解向上を目的とした取り組みを継続的に実施しています。2025年度は、人権方針制定以来3年を経過したことを踏まえて、従業員に対し、改めて人権方針を再確認し理解を深めるための活動を実施しました。
アンリツグループの事業活動が人権に与え得る負の影響を特定・評価し、防止・軽減、対処していくために、人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、継続運用しています。また、広範なステークホルダーに対する苦情処理システムを準備し、人権デューデリジェンスを補完する形で、人権への負の影響に適切に対応する体制を整えています。
人権デューデリジェンスにおいては、NPO法人経済人コー円卓会議(CRT)日本委員会の協力の下、最初のステップとなる人権リスクアセスメントを実施し、「職場における多様性の受容」「労働環境や働き方の変化への対応」「部品・機器調達先の労働環境調査の推進」の3点を今後優先的に取り組む人権課題として特定しました。
「職場における多様性の受容」では、性的マイノリティへの取組を強化し、「Business for Marriage Equality」へ賛同し、同性パートナーシップ制度を導入しています。従業員への啓発活動も継続し、LGBTQをテーマとした講演会や映画上映の実施、従業員とその家族による関連イベントへの参加、などを行いました。これらの取組の結果、一般社団法人「work with Pride」が策定する「PRIDE 指標2025」において、2024年に続きゴールド認定を取得しました。
「労働環境や働き方の変化への対応」では、出産・育児に関する制度の充実、利用促進に取り組んでいます。法定を上回る休暇・休業・短時間勤務などの制度を設け、育児と仕事の両立が図れる環境を整備しています。これらの成果として、2025年3月に「プラチナくるみん」認定を取得しました。「プラチナくるみん」は「くるみん」認定企業の中でも、特に優れた取組を行う企業が認定対象となる制度です。男性の育児参加も後押しし、「男性の育児休業取得率 100%」を目標として掲げています。出産予定の申し出があった従業員には面談を行い、各種支援制度の説明や育児休業取得意向の確認を行っています。その結果、2025年度の育児休業取得率は、前年度の95.2%から97.0%に増加しました。
「部品・機器調達先の労働環境調査の推進」では、CSR調達ガイドラインへの取り組み状況のアンケート調査と、その回答に基づいて選定したサプライヤーの現地調査を行っています。2023年度からは人権リスクアセスメントで備えるべき人権リスクがあるとされた中国、タイの生産拠点の調達先を対象に加えました。2025年度は、過去2年間に一定の取引金額のあったサプライヤー316社を対象にアンケートを実施しました。305社から回答を得て、回答率は96.5%でした。現地調査は、日本・中国・タイのサプライヤー12社を対象にしました。これらの調査を通じて、いずれのサプライヤーにも人権・労働、安全衛生について重大なリスクがないことを確認しました。
今後も国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った人権尊重の取組を充実させていきます。
(6) 人的資本
経営環境がめまぐるしく変化している今日、既存事業の拡大と新規ビジネスの創出に資する源泉は“人”であり、多様性であると考えています。下記の人材ビジョンのもと、会社と従業員がサステナブルな未来を共有し、社会課題の解決を目指す、“人”と“組織”づくりを推進しています。
人材ビジョン
会社と多様な従業員がベクトルを合わせ、事業(社会)貢献意識を持ち、仕事と私生活のバランスを取りながら生き生きと働いている
① ガバナンス
人的資本については、当社の取締役会の監督の下、人材戦略を推進する人事総務担当役員および人的資本に関する課題に取り組む各委員会の担当役員が各々の領域において責任を負っています。人事総務部門および各委員会が取り組む重要課題やKPIの進捗については、担当役員の報告をもとに経営戦略会議および取締役会で議論され、必要に応じて取締役会が適切な関与・監督を行っています。
人事総務部門および各委員会が取り組む人的資本に関する課題は以下のとおりです。
・人事総務部門 :成長事業・重点領域の人材確保と育成、若年/リーダー層の積極採用と育成、およびシニア層活躍強化、経営/人材ビジョン実現に向けた職場風土醸成
・サステナビリティ委員会:人権およびダイバーシティの推進
・企業倫理推進委員会 :各種ハラスメント防止や36協定違反等のモニタリングと改善
・採用委員会 :採用計画の策定・実行・採用当否判定・レビューを通じた求められる人材の量的・質的確保の継続
・管理職登用委員会 :管理職の登用審査、その当否判定を通じた事業の発展に資する管理職の輩出継続
・研修・表彰委員会 :従業員のエンゲージメント向上および研修を通じた人材の育成
役員の指名および報酬については、社外取締役を委員長とする指名委員会および報酬委員会を設置し、役員の選任、解任と報酬の妥当性および透明性の確保をはかっています。
※ 上図は2026年4月1日現在のものです。
② 戦略
当社は、2030年度連結売上高2,000億円企業を目指し、既存事業の拡大とともに、これまでの概念にとらわれず、“「はかる」を超える” 新規事業領域の開拓に取り組むという経営戦略のもと、GLP2026で人材戦略を策定し、人的資本を最大化するための取組を進めています。
GLP2026 人材戦略
<成長事業・重点領域の人材確保と育成>
(2024年4月公表 中期経営計画 GLP2026資料より抜粋)
当社は、GLP2026において「新領域ビジネス(産業計測、EV/電池、医薬品)の重点的な拡大」を掲げており、そのための人材確保と育成を人材戦略の最重要課題としています。この実現に向けて、経営層、経営戦略部門、人事部門が一体となり、トップダウンで経営戦略からカンパニー横断の人員計画を策定する「人財戦略レビュー」を実施し、より戦略的な人材確保、配置、育成を実行しています。
また、新領域でのビジネス拡大に向けた人材育成強化に向けて、2024年4月に「Anritsu SKILLs training center(A-SKILLs)」を立ち上げました。A-SKILLsは、EV/電池や汎用計測器に関する技術知識および販売スキルを向上するための教育の企画・実行を担い、3年間で新領域ビジネス人材を2倍に増強することを目指しています(図1)。
このほか、開発力強化を目的としてエンジニア育成を専門とする組織を2024年4月に立ち上げ、AIリテラシー教育を実施するなど、AI活用を推進しています。また、2025年には中堅/ベテランエンジニアのキャリア形成やリスキリング施策の検討を進めました。今後はその結果を踏まえ、より戦略的にエンジニアを育成していきます。
(図1)Anritsu SKILLs training center(A-SKILLs)について
(2024年4月公表 中期経営計画 GLP2026資料より抜粋)
<若年/リーダー層の積極採用と育成、シニア層活用強化>
当社は、新卒採用数の変動が大きかったことにより、現在の人員構成は30代後半~40代前半が最も少なく、50代が最も多い状況となっています。そのため2030年に向けて事業推進のコアとなるリーダー/管理職層の不足、60代以上のシニア層の増大が予測されており、「若年/リーダー層の積極採用と育成」によるコア人材の確保と「シニア層活用強化」による事業推進力の維持・向上を重要課題としています。
「若年/リーダー層の積極採用と育成」においては、リーダー層から管理職層をターゲットとしていた経験者採用を若年~中堅層にも広げ、積極的な採用活動を推進しています。育成では、階層別研修により段階的育成を行う仕組みづくりを行っていることに加え、「若手ソフトウエアエンジニア育成プログラム」によりソフトウエアエンジニアを目指す新入社員に対し3年間の集中的な育成を行っています。
「シニア層活用強化」においては、50代の従業員を対象としたキャリア研修を導入し、60代以降のありたい姿や貢献領域を考えるプログラムを実施しています。今後もリスキリング施策の導入や配置転換を進め、従業員が長く生き生きと活躍するための取組を推進します。
○階層別研修
当社は、従業員のステップアップの動機づけと成長支援を目的として、リーダー研修とサブリーダー研修を実施しています。階層別研修は、国内アンリツグループ合同で実施しており、組織を超えた横のつながりを作り、お互いに触発しあう機会としています(図2)。
2025年度は、次世代リーダーの育成強化を目的として、従来のサブリーダー研修を見直し、「若手社員向け研修」と「サブリーダー向け研修」に再編しました。サブリーダー向け研修を次世代リーダー育成の前段階に位置づけ、早期に自己の成長課題を認識し、実践を通じて能力開発を促進する仕組みとしています。
(図2)キャリアパスと教育プログラム全体像
○若手ソフトウエアエンジニア育成プログラム
当社は、変化する事業環境の中で、さまざまな製品開発に対応できる経験を積んだエンジニアが必要であるとの認識から、「若手ソフトウエアエンジニア育成プログラム」を導入しています。
ソフトウエアエンジニアを目指す新入社員は、エンジニアリング本部(各カンパニーのソフトウエア開発、AI/クラウド/データ分析等の先端技術開発を担当するカンパニー横断のシェアード開発部門)に配属され、3年間さまざまな製品開発プロジェクトで経験を積み、ソフトウエアエンジニアとしての基礎知識とスキルを身に付けます。カンパニー横断の開発業務に携わることで、各カンパニー内技術のサイロ化防止とイノベーション創出、将来的な人脈づくりにつなげていきます。育成プログラムはOJTと集合教育で構成され、当社独自のスキル標準で成長目標を明確化し、一人ひとりの育成計画をデザインしています。OJTは、原則1年ごとに担当をローテーションし、技術指導担当のトレーナーと会社生活全般の相談役となるメンターがサポートします。集合教育は、実践に役立つ技術教育、先輩社員を交えたコミュニケーションやリーダーシップ等の研修のほか、有志の勉強会も開催されており、同世代エンジニアと学び・教えあう交流の場にもなっています。育成プログラム修了後、各人の適性やキャリア志向に応じてカンパニー等への配属先を決定するため、働きやすさや働きがいの向上にもつながると考えています(図3)。
(図3)若手ソフトウエアエンジニア育成プログラム構成
<経営/人材ビジョン実現に向けた職場風土醸成>
ⅰ 成長・挑戦の促進
当社は、“自らの壁を取り払い、新たな領域に好奇心を持って取り組む人材、ステークホルダーや他社と共に社会課題の解決を目指す人材を育成する。”を掲げる人材育成方針のもと、経営ビジョンおよび経営戦略の実現に向けて目標・期待役割共有の徹底による挑戦・成長意欲の向上をはかっています。
そのための取組として、2022年度に「役割共有面談」制度を導入し、部門方針・課題と各人の役割・期待を共有する面談を年2回実施しています。
また、階層別研修のリーダー研修およびサブリーダー研修に「経営方針・キャリアパス教育」を組み込み、各階層で会社方針と期待役割の理解促進を行っています。
従業員一人ひとりが自発的に自らの強みを一層磨き、壁を取り払い、レベルアップし、会社とともに成長していく風土・環境づくりを推進していきます。
ⅱ 多様性の受容促進
当社は、“価値観や考え方も含め多様性を持つバラエティに富んだ人材が混ざり合い、多様な視点と強みを活かし新たな価値を創造する。”を掲げる人材多様性推進方針のもと、女性活躍推進、経験者採用強化、障がい者雇用推進などを重点的に進めています。これらの活動は一定の成果を上げていますが、引き続き「多様性の受容度の向上」を重要課題とし、経験者採用時の受入支援策の充実をはじめとした、多様な人材の受入体制強化を行います。
○女性活躍推進・経験者採用に関する取組
当社およびアンリツグループ会社は、女性活躍推進において、新卒採用、経験者採用の強化に取り組むとともに、生活と仕事を両立しながら働き、事業の成長と企業価値向上に貢献できるキャリア形成支援に継続して注力しています。自分のライフステージ、ライフスタイルに合わせて働くことができる管理職コースや、妊娠、出産、育児期間中の在宅勤務制度の導入により、ライフワークバランスをより重視したキャリア形成が可能となっています。2023年度末の管理職に占める女性の割合は国内3.8%、連結11.2%でしたが、これらの取組により2025年度末は国内6.3%、連結13.0%となりました(表1)。2026年4月1日付で新たに8名の女性が管理職に昇進し、女性管理職比率は国内7.6%、連結13.5%とさらに増加しています。採用活動の更なる推進やリーダー育成を継続し、GLP2026で目標とする「女性管理職比率連結15%以上」の達成を目指します。
当社は、女性活躍に関する取組状況が優良な企業であることを示す「えるぼし(3段階目)」の認定を2023年3月に取得しています。
経験者採用は、多様なバックグラウンドを持つ外部人材、新規事業領域に取り組む人材の獲得、並びに、女性管理職および管理職候補の採用を目的として2020年度より活動を強化しています。2025年度の当社の経験者採用における女性比率は、34.4%となりました(表2)。
(表1)管理職に占める女性の割合 (女性管理職数÷全管理職数)(単位:%)
|
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 ※1 |
|
日本 |
2.8 |
3.1 |
3.8 |
6.2 |
6.3 |
|
米州 |
21.6 |
17.4 |
22.7 |
23.0 |
24.5 |
|
EMEA ※2 |
20.3 |
20.3 |
17.3 |
17.1 |
18.6 |
|
アジア他 |
23.7 |
22.3 |
21.6 |
19.6 |
22.4 |
|
連結 |
10.9 |
10.5 |
11.2 |
12.0 |
13.0 |
※1 当該事業年度より、海外拠点における時間限定勤務の女性管理職を含む。
※2 EMEA(Europe, Middle East and Africa):欧州・中近東・アフリカ地域。
(表2)新規採用者に占める経験者の割合および女性の割合※1 (単位:%)
|
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
|
経験者採用比率 ※2 |
44.2 |
36.5 |
28.8 |
37.8 |
45.7 |
|
女性経験者比率 ※3 |
32.4 |
30.4 |
70.6 |
47.1 |
34.4 |
※1 当社を対象に集計。
※2 経験者採用比率は、経験者採用数÷新規採用数。
※3 女性経験者比率は、経験者採用のうちの女性採用数÷経験者採用数。
○LGBTQへの対応や取組
当社は、2024年度に導入した同性パートナーシップ制度の運用、社内研修等による理解促進、LGBTQの方々に寄り添い、支援する従業員(ALLY)を増やす施策などを実施しています。その結果、LGBTQなどの性的マイノリティが働きやすい職場づくりに関する評価指標である「PRIDE 指標2025」において、前年に続き2年連続でゴールド認定を獲得しました。
ⅲ ライフワークバランス、就業環境整備
当社は、「働き方改革」を経営戦略の一つとしており、“「生活と仕事のバランスを考えて、働きやすく人生を楽しめる会社」と「労働生産性が高く働きがいがある会社」の両立に向けた制度・環境を整備する”という環境整備方針のもと、多様な従業員が生活と仕事を両立しながら、生産性を高めることができる環境づくりを推進しています。労使による「両立支援推進委員会」を適時開催し、在宅勤務制度の導入、育児・介護などによる在宅勤務の日数拡大、男性の育児休業利用推進、ライフイベントに応じて柔軟な勤務が可能な管理職コースの新設など、働き方やキャリアの多様化に向けた施策を行っています。
○育児に対する支援
当社は、妊娠中・育児中の従業員に対し、法定を上回る休暇・休業・短時間勤務制度の提供や在宅勤務日数の拡大等を行っており、育児と仕事を両立できる環境を整備しています。
近年は男性の育児休業利用促進に注力しており、「産後パパ育休」の施行に合わせた全管理職に対しての研修や、男性育児休業取得推進の意識付けなどを行っています。この結果、2022年度に45.2%だった当社の男性の育児休業取得率は2025年度には97.0%となりました。
当社は、2015年、2018年、2020年、2025年に厚生労働大臣から「子育てサポート企業」と認定され、2015年、2018年、2020年に「くるみんマーク」、2025年には「プラチナくるみんマーク」を取得しました。
○エンゲージメント調査による状況把握
当社および国内グループ会社では、全従業員に対するエンゲージメント調査を毎年実施し、「働きやすさ」と「働きがい」の現状把握、組織課題の抽出を行っています。調査結果は社内イントラネットで全従業員に公開するとともに、各部門にフィードバックし改善に活用しています(表3)。
(表3) エンゲージメント調査の結果 (単位:%)
|
|
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2025年度 |
|
回答率 |
97.2 |
98.3 |
97.1 |
94.7 |
95.2 |
|
働きやすさ満足度 |
90.4 |
89.5 |
88.7 |
88.4 |
90.8 |
|
働きがい満足度 |
75.0 |
71.9 |
71.1 |
71.8 |
74.5 |
○健康経営の推進
当社は、「働き方改革」の基盤を従業員の健康と考え、「アンリツグループ健康経営方針」のもと健康経営を推進しています。
アンリツグループ健康経営方針
アンリツグループは、社員一人ひとりが健康で活き活きと働いていることが、企業価値の源泉であると考えています。全ての社員が健康について関心を持ち、自身の健康上の課題を認識し、健康保持・増進に向けて自律的な取組を進めている状態を目指し、アンリツグループ各社とアンリツ健康保険組合が一体となり、健康経営の実現に向けた活動を進めます。
具体的な取組として、年1回の定期健康診断における法定項目を超える検査の実施、集団歯科検診や女性特有疾患検診の実施など、各種検査の拡充を行っています。また、定期健康診断結果のフォローアップを重視し、精密検査対象者の受診促進、高リスク者への個別面談等を実施しています。これらの取組により疾患の早期発見に繋げ、予防に向けた施策を拡充することにより、従業員の健康リスク低減をはかっています。
当社は、経済産業省と日本健康会議が主催する健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門において、「健康経営優良法人」の認定を2016年度以降10年連続で取得しており、その内7回(2016年度、2017年度、2018年度、2019年度、2020年度、2023年度、2024年度)「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けています。今後も、健康経営のさらなる推進に取り組みます。
③ リスク管理
当社は、アンリツグループの力を最大限に発揮して既存事業の拡大と新領域開拓を目指す上で、人材不足や生産性の悪化による事業遂行力の低下が最大のリスクと考えています。経営層、経営戦略部門、人事部門が一体となって行う「人財戦略レビュー」で、採用計画や後継者育成状況等をレビュー、ディスカッションし、経営戦略実現に向けた人材戦略を推進しています。カンパニー制を採用している当社ではカンパニーごとに人事責任者を置き、密に連携することで人材状況の把握と問題への対策を行っています。
④ 指標と目標
当社は、人的資本において下記の目標を掲げています。GLP2026サステナビリティ目標は、ダイバーシティ推進や働きがい向上など、サステナビリティの観点から実現すべき目標です。人材戦略に関する目標は、事業成長に必要な人材の採用・育成、リーダー層強化、シニア活用、職場風土づくりなど、具体的な取り組み内容を定めています。
|
目標 |
KPI ※1 |
2025年度実績・進捗 |
|
|
サステナビリティ目標
|
ダイバーシティ経営の推進 |
女性管理職比率 15%以上(連結) |
13.0% ※2 |
|
障がい者雇用率 2.7%達成(当社および特例子会社である㈱ハピスマの合算) |
2.8% |
||
|
働きがいのある労働環境の実現 |
エンゲージメント調査の働きがいポジティブ回答率 80%以上(当社および国内子会社計) ※3 |
74.5% |
|
|
グローバルなガバナンス向上 |
女性取締役比率 20%以上 |
11.1% |
|
|
人材戦略に関する目標 |
成長事業・重点領域の人材確保と育成 |
新領域ビジネス人材数 2倍(連結) |
国内グループにおける対象者の77%が新領域ビジネス関連教育を受講
DEWETRON GmbHの完全子会社化により人材数増加 |
|
若年/リーダー層の積極採用と育成、およびシニア層活用強化 |
新規採用者数に占める経験者採用者割合 30%以上 |
45.7% |
|
|
新卒採用者確保率 80%以上 |
103.3% |
||
|
経営/人材ビジョン実現に向けた職場風土醸成 |
エンゲージメント調査の成長・挑戦ポジティブ回答率 80%以上(当社および国内子会社計) ※3 |
75.9% |
|
|
エンゲージメント調査の多様性受容ポジティブ回答率 90%以上(当社および国内子会社計) ※3 |
94.0% |
||
|
エンゲージメント調査のライフワークバランスポジティブ回答率90%以上(当社および国内子会社計) ※3 |
85.1% |
||
|
PRIDE指標「ゴールド」認定の取得 |
認定取得(2024年11月、 2025年11月) |
||
|
「健康経営優良法人(ホワイト500)」認定の継続 |
2024年度:健康経営優良法人(ホワイト500)認定取得 2025年度:健康経営優良法人認定取得 |
||
|
プラチナくるみん認定の取得 |
プラチナくるみん認定取得(2025年3月) |
||
※1 算出基準について、特に記載がないものは提出会社のKPI。連結会社ベースの算出としていない項目については、各社・各地域の独自性あるいは法令に合わせた運用を実施。
※2 当該事業年度より、海外拠点における時間限定勤務の女性管理職を含む。
※3 エンゲージメント調査における「ポジティブ回答率」とは、各設問に対して肯定的な回答をした従業員の割合。
多様性に関する指標は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」にも記載しています。その他、人的資本に関する目標は「(3)④指標と目標」にも記載しています。