2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    6,573名(単体) 106,545名(連結)
  • 平均年齢
    43.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.9年(単体)
  • 平均年収
    9,211,552円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    1,095,000,000.0%(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況等】

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

<人財戦略>

 当社グループは、長期ビジョンおよび中期経営計画の実現に向け、人的資本を経営戦略の実行および変革と価値創造を推進する中核的な資本と位置付けています。

 現在、当社グループはAIエコシステムを成長の軸とし、事業ポートフォリオの進化と新たな価値創出を加速しています。こうした経営戦略の実現は、単に事業や技術の選択にとどまらず、それを具体的な成果につなげる「人」と「組織の力」に強く依存しています。特に、変化の激しい事業環境において持続的な競争優位を確立するためには、これまでも培ってきた外部環境に左右されない「自力」をさらに高めるとともに、多様な人財の力を掛け合わせることで、品質、生産性、技術力、実行力を継続的に強化していくことが不可欠です。

 この認識のもと、当社グループは人的資本を単なる資源ではなく、Transformationを実現する主体そのものとして捉え、経営戦略に応じた最適な人財投資の配分と、組織能力の高度化を一体的に推進しています。


●Human Capital as Change Driver(変革の原動力としての人的資本)
 当社は、人的資本を変革を具現化する原動力として位置付けています。経営戦略の実行にあたっては、環境変化を起点に自ら構想し、実行に移すことができる人財、すなわち、

・変革を牽引する「実行力」

・新たな価値を構想する「未来構想力」

・変化を機会に転換する「変革力」

を兼ね備えた人財の育成と活用が重要となります。

そのため当社グループは、戦略上の優先度に応じた人財配置と役割の明確化に加え、採用・育成・配置・評価・報酬を一貫した思想のもとで運用し、人財マネジメント全体を「変革を継続的に生み出す仕組み」として進化させています。

●Value Creation through TDK United(価値創造を生む組織と文化)
 当社グループの価値創造は、技術力に加え、多様な人財がつながり合い、相互に価値を高める組織の在り方に支えられています。グローバルに多様なバックグラウンドを持つ人財が集う中で、当社グループは「TDK United」、すなわち、個性あふれる融合体を目指し、

・ベンチャースピリット

・多様性の尊重

・機能対等

という独自の文化を基盤とした組織運営を推進しています。

また、長期人財戦略「TDK United HR」のもと、権限委譲とオープンなコミュニケーションのガバナンス方針を原則として、個々の人財が主体的に挑戦し、価値創造に参画できる環境を整備しています。これにより、短期的な業績向上にとどまらず、中長期的に新たな事業機会を創出する組織能力の強化を図っています。

●Advancement in Technical Capability(戦略実行に資する能力の高度化)
 当社グループの競争優位は、材料、プロセス、ソフトウェア、AI・データなど、複数の技術領域を横断した統合力に基づいています。とりわけ今後の成長領域であるAI関連分野やソリューションビジネスの拡大に向けては、

・ソフトウェア・AI領域に精通した人財

・イノベーションを推進する人財

・顧客価値を起点にソリューションを構築できる人財

の強化が不可欠です。

このため当社グループは、経営戦略に基づき必要な能力を明確化したうえで、人財ポートフォリオの設計を高度化し、専門性の深化に加えて異分野をつなぐ構想力を備えた人財の育成を通じた、将来の競争力の源泉となる能力基盤の構築を進めています。

 

<従業員の給与等の決定方針(提出会社)>

 当社グループは、社員一人ひとりによる価値創造の総和が企業の価値を形成するとの考えに基づき、社員一人ひとりがその個性や能力を最大限に発揮できるよう、個々の社員により向き合った人事制度および報酬制度の整備を進めています。

 これらの環境整備の一環として、人財・組織マネジメント変革(HR Empowerment)に取組んでおり、現場をリードする管理職が部下一人ひとりの役割や成果を踏まえた評価・処遇をおこなえるよう、報酬分配の一部を現場で決定できる仕組みを導入し、権限委譲を進めています。これにより、柔軟な人財マネジメントの実現に加え、各部門の実態に即した納得度の高い処遇の実現を目指しています。

 今後、管理職の権限を拡大する一方で、ポジションごとの期待される役割と報酬を明確に結び付ける仕組みを導入し、処遇決定プロセスの明確化と透明性の確保を図っていきます。

 非管理職の報酬制度では、社員の経験、専門性、業務範囲等を踏まえてグレードを設定し、各グレードで求められる期待役割を明確にすることで、人財育成の方向性を示すとともに、役割や貢献度に応じた処遇につなげています。

 月例給与は、各グレードに応じた基準賃金をベースに構成しています。また、賞与については、主として会社の業績および個人の業績等を勘案し、支給額を決定しています。

 報酬水準については、日本国内における労働市場の競合企業群をベンチマークとし、外部環境や他社動向を注視しながら、採用競争力を維持できる水準を継続的に確保するよう努めていきます。

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

事業の種類別セグメントの名称

従業員数(人)

受動部品

32,535

センサ応用製品

6,835

磁気応用製品

10,642

エナジー応用製品

49,507

その他

4,252

全社(共通)

2,774

合計

106,545

 

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前事業年度増減比率(%)

6,573

43.0

16.9

9,211,552

10.95

 

 

 当社における平均年間給与の増加は、定期昇給およびベースアップに加え、業績の着実な成長を踏まえた賞与水準の見直し等によるものです。また、管理職にも成果に応じた追加的な報酬制度の適用を開始するなど、役割および成果に応じた処遇の強化を進めています。これらの取り組みは、経営戦略の実現に向けて必要となる人財の確保および動機づけを目的とした人的投資の一環であり、人財の自律的な挑戦および価値創造を促進する報酬体系の高度化として位置付けています。 

事業の種類別セグメントの名称

従業員数(人)

受動部品

2,473

センサ応用製品

585

磁気応用製品

558

エナジー応用製品

236

その他

226

全社(共通)

2,495

合計

6,573

 

(注) 1.従業員数は就業人員です。

2.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。

 

③ 労働組合の状況

提出会社及び一部子会社に労働組合があります。

 

 

④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異

提出会社

 

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1、3

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

(注)5

うち正規雇用

労働者

うち非正規雇用

労働者

5.7

66.2

 72.5

72.3

63.5

 

 

国内連結子会社

 

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の
割合(%)

(注)1、3

男性労働者の

育児休業取得率

(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1

全労働者

うち正規雇用

労働者

うち非正規雇用

労働者

注)6、7

TDKエレクトロニクス
ファクトリーズ株式会社

1.8

71.0

78.4

78.2

89.5

TDKラムダ株式会社

6.0

72.7

60.6

73.4

55.1

TDKサービス株式会社

21.9

100

68.4

83.3

67.6

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業の取得割合を算出したものであります。

3.2026年4月時点で算出したものであります。

4.出向者は出向元の従業員として集計し算出しております。

5.提出会社であるTDK株式会社の労働者の男女の賃金差異については、報酬体系および処遇は男女同一ですが、女性に比べて男性における管理職比率が高い事が主な要因です。当社は女性活躍の機会拡大と女性管理職比率の向上を重要課題と認識しており、創業100年にあたる2035年にTDK株式会社の女性管理職比率を15%にすることを目標としており、DE&I推進の意義の浸透、各種セミナーやメンタリングプログラム等、インクルーシブな職場環境の醸成や女性リーダーの育成に向けた取り組みを継続しています。その結果、活動が始まった2020年から、女性管理職比率は2倍以上に向上しています。

6.TDKラムダ株式会社では、非正規雇用労働者の男女の賃金の差異が大きくなっております。これは、非正規雇用労働者に占める嘱託社員・契約社員の男性は主に定年退職後の再雇用者であり、賃金水準が高いことによるものです。

7.TDKサービス株式会社では、非正規雇用労働者の男女の賃金の差異が大きくなっております。これは、専門技術、体力負荷等により賃金水準が高い職種の嘱託契約に男性が多く、簡易業務、補助業務のパート契約社員に女性が多いことによるものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<サステナビリティ全般>

(1) ガバナンス

当社グループは、TDKグループの事業を通じて、TDK自身の持続可能性(長期的な企業価値の向上)と社会の持続可能性の同期化を図ることを目的として、執行役員 戦略本部長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。

サステナビリティ委員会は原則として年4回開催とし、ⅰ)全社の重要課題(マテリアリティ)及び関連するリスクと機会、ⅱ)サステナビリティ関連規制への対応、並びにⅲ)その他ESGに関する重要テーマについて協議するほか、施策推進のために必要な支援を行います。

サステナビリティ委員会における活動や協議された課題などは、経営会議及び取締役会に報告されます。経営会議は、報告結果について審議することで、業務執行状況を管理しております。また、取締役会は、サステナビリティ委員会からの報告・審議をもって、経営陣の業務執行の監督を実施しております。

 

(2025年度サステナビリティ委員会の主な議題)

開催数

議題

年4回

・気候変動への取り組み
・人権の尊重の取り組み
・サステナビリティ情報開示規制への対応
・外部からのESG評価
・サステナビリティの社内浸透に向けた活動計画

 

 

(報酬に関する開示)

  執行役員を兼ねる取締役及び執行役員に対しては、事後交付型株式報酬のうち、中期経営計画の業績目標達成度に応じて算定される当社株式及び金銭を対象期間終了後に交付する類型の業績連動発行型株式報酬としてパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)を定めており、未財務指標として気候変動及び人的資本に関する指標を評価指標に含めております。詳細については、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等 をご参照ください。

 

(2) リスク管理

当社グループは、持続的成長を目指す上で、組織目標の達成を阻害する要因(リスク)に対し、全社的に対策を推進し、適切に管理する全社的リスクマネジメント(ERM)活動を実施するため、社長執行役員CEOが指名した執行役員を委員長とするERM委員会を設置しております。同委員会では、全社のリスクの分析評価を行い、対策が必要なリスクを特定するとともに、リスク対策を主導するリスクオーナー部門の割当等、全社的リスクマネジメントを推進しております。個々のリスクに対しては、割り当てられたリスクオーナー部門がリスク対策の実施を主導し、その対策状況については、委員会にてモニタリングを行います。委員会によるリスク分析評価や重要なリスクの対策状況については、経営会議において審議し、取締役会に報告しております。

気候変動を含む環境に関するリスク、人財獲得と人財育成に関するリスク、人権に関するリスクなど、サステナビリティに関連するリスクについても、リスクオーナー部門及び担当執行役員を割り当てております。

サステナビリティ関連のリスク及び機会は、サステナビリティ委員会で協議され、必要に応じて、経営会議及び取締役会に報告されております。

 

 

<気候変動>

具体的な活動の目標として、「TDK環境ビジョン2035」を策定し、原材料の使用から製品の使用・廃棄に至る、ライフサイクル的視点での環境負荷の削減に取り組んでおります。

2023年7月には、日本国内すべての生産開発拠点の電力の100%を再生可能エネルギー由来とし、2024年度は、グループ全体での再生可能エネルギー由来電力の導入率は61.2%となり、中間目標であった2025年度の導入率50%という目標を前倒しで達成しました。引き続き長期目標である2050年度100%を目指して推進していきます。

 

(1) ガバナンス

(取締役会による気候関連リスクの監督)

TDKでは、Chief Officer of Quality, Safety & Environmentが気候変動問題を含むグループ環境活動の責任者となり、品質保証本部安全環境グループを中心に、TDKグループ環境活動の推進と支援を行っております。TDKグループ環境活動において経営上重要な内容については、サステナビリティ委員会での協議の上、経営会議及び必要に応じて取締役会で審議・意思決定を行っております。

 

(気候変動関連リスクの評価と管理に関する経営者の役割)

・責任

企業の社会的責任に関して、地球環境との共生は、経営上の重要課題と認識し、社長執行役員CEOにより任命されたChief Officer of Quality, Safety & Environmentが、気候変動を含む環境経営全般の責任を担うこととしています。また、その下に位置する、品質保証本部安全環境グループ長に気候変動を含めた環境管理に関する実行責任が与えられています。TDKグループは「TDK環境ビジョン2035」(自然の循環を乱さない環境負荷で操業を目指す、ライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2035年までに半減)の実現に向けて、すべてのビジネスグループ、部門、サイト、製造子会社、本社機能が一致団結して取り組んでいます。

なお、気候変動を含む環境リスクのうち、重要事項については、サステナビリティ委員会やERM委員会での協議の上、経営会議及び取締役会に報告しています。

 

・責任内容

品質保証本部安全環境グループが、気候変動を含むTDKグループ全体の環境目標を設定するとともに、TDKグループ全体の環境に関するリスクの特定を実施しています。なお、ERM委員会は、「Enterprise Risk Management Regulation」に従って全社リスクを特定し、全社リスクの一部として気候変動関連問題を取り扱っています。

 

・モニタリング

気候変動を含む環境活動の実績については、サステナビリティ委員会で報告されるとともに、Chief Officer of Quality, Safety & Environmentによるマネジメントレビューを実施して、主要KPIの報告や中長期目標の策定、省エネにかかわる投資など、環境活動推進上の重要事項について審議、決定を行っています。また、上記マネジメントレビューで経営に重要な影響を及ぼすと判断された案件(ビジョン、大型投資など)については、サステナビリティ委員会での協議の上、経営会議及び必要に応じて取締役会で審議をしています。

 

 

(2) リスク管理

経営上重要なリスクについては、ERM委員会において包括的なリスクの一部として評価されます。評価した内容により、全社で取り組むリスクについては、経営会議で承認のうえ、ERM委員会で対策の進捗を確認するとともに、対策完了時は、経営会議の承認を得ています。

 

(3) 戦略・指標と目標

TDKでは、2024年度より、今後10年を通じてTDKが標榜するありたい姿として、長期ビジョン「TDK Transformation」を新たに策定し、「独自の材料・プロセス・ソフトウェアを組み合わせた電子デバイスで、テクノロジーの進化と社会の変革を加速し、サステナブルな未来の実現に貢献します」、「自己を変革し続け、世界のお客様と共に成長するNo.1パートナーになります」を掲げております。この長期ビジョンには、社会のTransformationへの貢献という意味と、社内、すなわち当社自身がTransformし続けていくという2つの意味があります。この2つのサイクルを加速させ、サステナブルな未来の実現に貢献するという想いをこめています。

これを実現するために重要課題(マテリアリティ)を再設定するとともに、気候変動への取り組みとして2050年CO2ネットゼロ社会実現に向け温室効果ガス削減活動を強化し、気候変動対策を推進します。

 

-シナリオ分析結果-

環境省が公表した、「TCFDシナリオ分析実践ガイド」に沿い、下記の前提条件のもと、シナリオ分析を実施しました。

(前提条件)

想定期間  :2030年度

対象範囲  :TDKグループ全体

採用シナリオ:1.5℃シナリオ(IEA-NZE)、4℃シナリオ(IEA-CPS、STEPS、RCP6.0)

 

以下、シナリオ分析を基に特定した、主なリスクと機会になります。脱炭素政策による各国の規制が厳しくなる1.5℃シナリオ下では、移行リスクが発生し、炭素価格付けの導入や、再生可能エネルギーのコストが増加する可能性を認識しました。それぞれのリスクに対する2030年の財務影響としては、炭素価格では114億円、再生可能エネルギーでは155億円と予測しています。また、TDKの注力市場の一つである、自動車市場において、自動車のEVシフトが進展し、EV関連製品の販売機会拡大や、電池関連のリスク・機会の可能性も認識しました。

一方、4℃シナリオでは、異常気象頻発による洪水発生リスクがより高まる可能性も認識しました。

 

 

分類

リスク/機会

発生時期

主な対応策

移行

リスク

炭素価格/各国 炭素排出目標

リスク

中~長期

・生産拠点において「2050年CO2ネットゼロ実現に向けた、エネルギーの有効利用と再生可能エネルギーの利用拡大」を推進など

再エネ比率の増加によるエネルギーコストの上昇

リスク

機会

中~長期

・生産拠点において「2050年CO2ネットゼロ実現に向けた、エネルギーの有効利用」推進

・再生可能エネルギー向け製品の開発促進など

EV市場の拡大による新たなビジネスチャンスの拡大

機会

中~長期

・EV市場拡大を睨んだ製品開発の促進

次世代電池材料の開発

リスク

機会

長期

・全固体電池の開発促進

RE100に対する顧客の要求の増加

リスク

機会

短~長期

・顧客の気候変動対応への取り組み分析

・再生可能エネルギーの導入計画の策定など

物理

リスク

洪水の増加によるビジネスリスクの増大

リスク

中~長期

・各拠点において、洪水リスクに応じた対策の実施

・BCP対応推進、BCM体制構築など

 

※ 時間軸:「短期」は1年未満、「中期」は1~3年未満、「長期」は3~20年を想定しています。

 

TDKは、「TDKグループのマテリアリティ」のなかで2050年CO2ネットゼロ実現を目指すことを表明するとともに、「TDK環境ビジョン2035」のなかで「ライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2035年までに半減(2014年度対比)」を掲げています。このビジョンのもと、2025年までの環境基本計画として「TDK環境・安全衛生活動2025」の活動項目と目標値を定め、進捗を管理しています。2024年6月にNear Term目標及び2025年2月にネットゼロ目標のSBT認定を取得しました。

 

GHG排出量

(千t-CO2)

2024年度実績

総排出量

21,955

Scope1

134

Scope2

756

Scope3

21,064

 

※ 2025年度実績は、2026年7月以降、第三者検証後にサステナビリティWEBサイトにて公開予定です。

※ 連結ベースで算出しております。

 

TDKグループのマテリアリティ

2050年CO2ネットゼロ社会実現に向け、温室効果ガス削減活動を強化し、気候変動対策を推進します

TDK環境ビジョン2035

2035年までにライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2014年度比半減(Scope1、2、3)

TDK環境・安全衛生活動2025

・2025年までにCO2排出原単位 2014年度比30%改善(Scope1、2、3)

・2025年までに再生可能エネルギー導入率 50%達成(Scope2)

 

 

 

2024年度目標

2024年度実績

(生産拠点のCO2排出量削減)

 

エネルギー起源CO2排出量原単位 前年度比 1.8%改善

前年度比2.7%悪化

エネルギー原単位前年度比1.0%改善

前年度比1.5%悪化

2025年 再生可能エネルギー導入率50%に向けた取り組みの実施 (Scope2)

2024年度目標45%に対し、61.2%導入

(Scope3カテゴリー別取り組みによるCO2排出量削減)

 

Scope3取組みによる環境負荷低減の推進

グローバル物流CO2削減

物流CO2排出原単位 前年度比3.9%悪化(日本)

 

 


※ 2025年度実績は、2026年7月以降、第三者検証後にサステナビリティWEBサイトにて公開予定です。

※ 連結ベースで算出しております。

 

[ご参考]

なお、TCFDに基づく情報開示に加えて、2023年9月に公表されたTNFD(Task Force on Nature-Related Financial Disclosures: 自然関連財務情報開示タスクフォース)の最終提言を受け、生物多様性を含む自然資本全般に対して依存、インパクト、リスク、機会について、ガイダンスに沿った分析や評価及び情報開示を開始しています。

 

 

人的資本の現在地と認識している課題

 当社グループは、グローバル展開やM&Aを通じて事業領域を広げ、多様な人財が活躍する企業グループへと発展してきました。その中で、人的資本についても量・質の両面で基盤は着実に拡充してきた一方、今後の成長と変革を見据えたとき、さらなる高度化が求められる局面にあると認識しています。

 第一に、当社グループを取り巻く事業環境は、技術革新の加速や事業のグローバル化・複雑化により、変化のスピードと不確実性が高まっています。このような環境においては、自ら変革を構想し実行できる人的資本の重要性が一層高まっています。また、経営戦略と人財戦略のより強い連動を図り、事業の変革を迅速かつ着実に推進していくためには、個々の人財の能力に加え、それを組織として発揮できる仕組みの高度化が求められています。

 第二に、当社グループは事業の成長及びグローバルな展開の中で、多様な背景や専門性を有する人財や能力を蓄積してきました。また、これに加えてM&A等を通じた外部人財との融合も進める中で、人的資本の多様性を一層広げてきました。こうした多様性は当社グループの重要な強みである一方で、それぞれの経験や知見を組織全体の学習や将来の人財育成へとより体系的につなげていく余地があると認識しています。今後は、個々の人財の力を点として活かすにとどまらず、それらを有機的に結び付けることで線や面としての価値創出へと昇華させていくことが重要であると考えています。

 第三に、こうした人的資本の活用や育成の在り方は、事業ポートフォリオの進化や新たな成長機会の創出と密接に関係しています。人的資本が戦略と一体となって機能することで、既存事業の競争力強化にとどまらず、新たな価値創造へとつながっていくことが期待されます。

 当社グループは、これらの論点を制約や課題としてのみ捉えるのではなく、人的資本のマネジメントを戦略的に進化させることで、企業価値を一段高めていくための重要なテーマであると位置付けています。こうした認識を踏まえ、経営戦略と連動した人財戦略の構築と実行に取り組んでいます。
 ※経営戦略と連動した人財戦略の詳細は、「第4 提出会社の状況」の「5 従業員の状況等」をご参照ください

 

(1) ガバナンス

 当社グループは、人財戦略を経営戦略と一体的に推進するため、グローバルで統合された人事ガバナンス体制を構築しております。当社グループのグローバル人事機能は、社長執行役員CEO直属のCHROが直轄する組織であり、取締役会に対して「人財戦略」を立案・実行する責任を負っています。CHROは経営チームの一員として、経営戦略と人財戦略の連動を担い、経営の意思決定に対して人的資本の観点からの提言を行っております。取締役会はコーポレートガバナンスの観点から、次期CEOや経営チームのサクセッションプランを含む人財に関する重要事項について監督機能を担っており、企業価値向上に向けた人的資本の適切な活用及びリスクの管理状況を確認しております。
 また、CHROは執行役員及び各ビジネスカンパニー・本部長と連携しながら、人財戦略の進捗及び重要施策について経営会議において定期的に報告・討議を行っております。その他、当社グループではグローバル・地域・拠点の各レベルにおいて人事機能を配置し、グループ全体で横断的に連携する体制を構築しております。これにより、事業ニーズに即した人財戦略及び人事施策を迅速かつ一貫して展開しております。

 

(2) リスク管理

 当社グループは、人的資本に関するリスクを経営上の重要リスクの一つと認識し、継続的なモニタリング及び改善を実施しております。その一環として、人的資本に関する指標については、経営会議及び取締役会に報告を行っており、経営会議において改善策等に関する議論が実施されています。具体例として、定期的に実施しているエンゲージメントサーベイの結果をもとに、従業員の意識や組織状態の把握するとともに、必要な改善施策の検討・実行が経営会議の場で行われています。さらに、当該サーベイの結果を役員報酬の評価指標に組み込むことで、経営における関与度を高めるとともに、改善策の実効性向上を図っています。また、人的資本に関するリスクを全社的なサステナビリティ及び経営リスクの枠組みの中で統合的に把握しております。
 さらに、人財戦略の重点施策については、重要課題(マテリアリティ)との関連付けのもとで定期的に評価・見直しを行い、グループ全体で共有することにより、リスクの早期把握及び適切な対応を図っております。 これらの取り組みにより、人財の定着・育成・多様性確保等に関するリスクを低減し、持続的な企業価値向上の実現を目指しております。

 

 

(3) 指標及び目標

 当社グループの人財戦略は、「Human Capital as Change Driver(変革の原動力としての人的資本)」、「Value Creation through TDK United(価値創造を生む組織と文化)」、「Advancement in Technical Capability(戦略実行に資する能力の高度化)」の三つの観点から構成されており、これらの実行を通じて、中長期的な企業価値の向上を図っております。また、これらの戦略の進捗及び成果を把握するために、対応する指標及び目標を設定し、継続的にモニタリングしております。

 
①Human Capital as Change Driver/Advancement in Technical Capability(変革の原動力及び戦略実行力の源泉となる人的資本の強化)
 経営戦略の実行及びTransformationの推進にあたり、環境変化を起点に自ら構想し実行に移すことができる人財の育成に加え、それを組織として支える人財基盤の強化を重視しております。このため、変革を牽引する中核人財の創出及びその裾野となる人財層の拡充を一体的に捉え、指標を設定しております。

対応するマテリアリティ

長期/中期における主なKPI*

中期KPI*の目標

2024年度

実績

2025年度

実績

イノベーションと効率性の強化に

向けた組織能力の開発

長期:ビジネスアントレプレナーの育成数**

中期:グローバルマネジメント育成プログラムの参加人数

500人以上
 (3年間累計)

179人
 (1年間累計)

367人
 (2年間累計)

 

②Value Creation through TDK United(価値創造を生む組織と文化)
 多様な人財がつながり合い、主体的に価値創造へ参画する組織の実現を目指しております。これは「TDK United」の考え方に基づくものであり、多様性とエンゲージメントの両立が重要であると認識しております。このため、組織の多様性の確保及び従業員の主体的参画の状況を把握するための指標を設定しております。

対応するマテリアリティ

長期/中期における主なKPI*

中期KPI*の目標

2024年度

実績

2025年度

実績

DE&Iをインクルーシブな

リーダーシップの実践を通じ促進

長期:マネジメント層における多様性

中期:グローバルマネジメント育成プログラムの参加者における女性比率

30%

26%

26%

チームメンバーの健康と

エンゲージメントの向上

長期:エンゲージメントサーベイスコア

中期:①エンゲージメントサーベイ(コミュニケーション)スコア

中期:②エンゲージメントサーベイの参加率

①75ポイント以上

②80%以上

①68ポイント

②90%

①71ポイント

②92%

 

 当社グループは、これらの指標を通じて人財戦略の進捗を定量的に把握し、経営環境の変化や戦略の進展に応じた見直しを行うことで、人的資本マネジメントの高度化及び企業価値の持続的な向上を図ってまいります。

 *長期は約10年間(2024年度~2033年度)、中期は約3年間(2024年度~2026年度)を想定

 ** 一部の事業が対象