人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数413名(単体) 15,752名(連結)
-
平均年齢44.2歳(単体)
-
平均勤続年数15.2年(単体)
-
平均年収6,892,699円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年3月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
スピーカ事業 |
12,355 |
モバイルオーディオ事業 |
1,807 |
その他事業 |
1,510 |
全社(共通) |
80 |
合計 |
15,752 |
(注)1 従業員数は就業人員数です。
2 上記の従業員数には広州豊達電機有限公司が製造を委託している広州市番禺区旧水坑豊達電機廠の従業員数1,658名を含んでいます。
(2)提出会社の状況
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
413 |
〔85〕 |
44.2 |
15.2 |
6,892,699 |
|
2024年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
スピーカ事業 |
128 |
(30) |
モバイルオーディオ事業 |
46 |
(5) |
その他事業 |
169 |
(29) |
全社(共通) |
70 |
(21) |
合計 |
413 |
(85) |
(注)1 従業員数は就業人員数です。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 従業員数欄の〔 〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(3)労働組合の状況
当社及び国内連結子会社に労働組合はありません。なお、従業員による組織があり労使交渉に当たっています。
また、在外連結子会社の一部において労働組合が組織されていますが、労使の関係は安定しています。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1.4. |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
13.9 |
60.0 |
78.8 |
80.4 |
65.7 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.契約社員には年俸契約社員、月給契約社員及び時給契約社員が含まれます。なお、時給契約社員については、所定労働時間(7.5時間/日)をもとに人員数の換算を行っています。
4.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものです。出向者は、出向先の従業員として集計しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社は、2021年に「ESG経営宣言」を制定し、ESG経営を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。ESG(環境、社会、ガバナンス)要素は社会および企業双方の持続可能な発展を支える重要な柱であり、これに基づいて取り組んでまいりました。さらに今年に入っては、事業活動を通じてESG課題に統合的に取り組むために、従来のESGマテリアリティに事業(B)の要素を組み込み、「B+ESG」の領域で新たにマテリアリティを設定しました。新マテリアリティの設定を通じて、事業とESGの双方を連携させ、さらなる強化と推進を図ります。
また、時代の変遷に伴いサステナビリティ課題への意識がより一層高まり、同時に気候変動、資源枯渇、社会的不平等、人権問題など、解決すべき社会的課題が増加しています。企業としての責任がますます重要になっています。
ステークホルダー、特にお客様からの期待やニーズも多様化し、より高い基準での対応が求められています。当社の車載関連ビジネスにおいては、電気自動車(EV)化の進展により軽量化が求められ、環境負荷軽減やカーボンニュートラルへの対応も必須です。現在、車載用音響スピーカの小型・軽量化を進めており、次世代スピーカとして環境配慮製品の開発も行っています。さらに、リサイクル材料の使用や、製造プロセスにおけるエネルギー効率の向上にも取り組んでいます。私たちの音響技術や材料開発力・製造技術をもって、これらの要望に応える製品を開発し提供していきます。
今後も「ESG経営の推進」を経営方針の中核に据え、健全な企業風土の醸成、働き方改革のさらなる推進、品質
管理・リスク管理の徹底を図ると共に、CO2排出削減やエネルギー効率の向上、サプライチェーンにおける人権尊重など社会課題の解決に取り組んでまいります。ステークホルダーの皆様、そして社会全体の期待に応え、サステナビリティに貢献していきます。
(1)ガバナンス
企業価値・株主価値の最大化を図るため、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる意思決定と、適法かつ適正な業務執行が可能な経営体制および公正で健全な経営システムの確立が重要であると認識し、ガバナンスに取り組んでいます。
当社では2006年にCSR憲章の初版を発行し、2010年にアメリカの電子工業会が定めたCSR 基準であるEICC*を基本方針として採用することで、グローバルな汎用性・普遍性を追求し、内容を刷新しました。
さらに、2022年には従来取り組んできた企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility、以下 CSR)だけでなく、自社そして社会双方のサステナビリティを追求することを明確にするために、CSR 憲章を改定し、「サステナビリティ憲章」を制定しました。すべての役員・社員が、企業のサステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)を重要な課題としてとらえていることを周知し、日々の活動の中でサステナビリティを意識し、果たすことを目的としています。
* Electronic Industry Citizenship Coalition(2017年にResponsible Business Alliance に改名)
〈サステナビリティ推進体制〉
代表取締役社長を委員長とし、関連部門の代表をコアメンバーとするサステナビリティ委員会を、本社に設置しています。サステナビリティ委員会は、実行委員長であるサステナビリティ担当役員出席の下、本社および各拠点のサステナビリティ責任者、実務担当者により月次で開催され、グループ全体におけるサステナビリティ推進活動のモニタリングと連携活動を担っています。サステナビリティ委員会が諮問した重要事項は、社内外の取締役が参加する取締役会で審議・承認されます。また、同委員会の下部組織として、環境委員会を設置し、テーマごとに目標およびその達成に向けた実施計画の策定、気候変動問題への取り組みをはじめ、具体的な対応などを協議し、取り組んでいます。
(2)戦略
2021年に、中期事業計画の策定と併せて「ESG経営宣言」を制定し、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)を軸とした経営に取り組むフォスターの姿勢を社内外に発信しました。すべての企業活動の原点である「社員」のウェルビーイングを活動の基点として、自社そして社会双方のサステナビリティ実現に向けて、中長期的にESG経営に取り組む当社のコミットメントおよび当社のありたい姿を具体的に表現したものです。
〈ESG経営宣言〉
当社のESGへの取り組みは、社是「誠実」から発しています。社是「誠実」を「Foster Rhythm*」では「常に真実を伝え、人と地球にやさしく、心をこめてサービスすること」としています。
フォスターはESG活動の中心は「社員」だと考えています。全ての企業活動の原点である社員をハッピーにできない企業にESGを推進することはできません。その上で「社員のBe Happy 80%」をESG活動の基点とし、関わりあうすべてのステークホルダーの期待に応えるべく未来社会に貢献していきたいと考えています。100%ではなく、80%をハッピーの基準と考えます。自社、自分だけの満足ではなく、他のステークホルダーの満足への思いやりの余地を残しています。
* |
Foster Rhythm:社是「誠実」を含む経営理念を全世界の社員に理解できるよう、社員自らが考え、平易な言葉で置き換えたもの |
フォスターはESGに強くコミットし、長期的視点で以下の実現を目指します。
1.「脱炭素社会」、「資源循環」、「自然との共生」の推進に向けた取り組み、『ゼロエミッション』へのたゆまぬ努力
2.ライフステージや人生目標に合わせたワクワクのびのびとした働き方
3.年齢、性別、国籍、信条などの異なる多様な人々が、お互いを敬いありのままを受け入れることのできる社会
4.お客様、お取引先に信頼される、真のスペシャリスト
5.製品品質や業務品質など、あらゆる場面での『ゼロディフェクト』の定着
6.音と振動の技術を通じたソリューション提供による、人々の生活の質の向上
7.コーポレートガバナンス強化に資する厳格なリスクマネジメントの遂行とコンプライアンス体制の拡充
⇒ |
音と振動の力で人々の生活を豊かにし、すべてのステークホルダーに幸せと持続的な未来を届けること、それがフォスターの願いです。 |
(3)リスク管理
当社のリスクマネジメントは、サステナビリティ関連を含むリスクを事前に予測し、リスクが具現化されることを未然に防ぐため、然るべき対策を講ずること、および万一リスクが発現・具現化して危機が発生した場合には、被害を最小化することを主な目的としています。具体的には、「フォワードルッキングなリスク・危機管理に向けての態勢作り」を運営の基本方針として、「RCM(リスクコントロールマトリックス)フレームワーク」の高度化及び情報管理・共有体制の強化を図っています。
〈リスクマネジメント推進体制〉
経営に支障をきたす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、代表取締役社長を委員長とするリスク・危機管理委員会を設置しています。これにより、全社的なリスクの評価、管理、対策立案とその実行を行っています。
また、マテリアリティの設定に際しては、当社が社会および環境に与える影響(インパクト)と、それに伴う財
務上の影響(リスクと機会)を考慮し、これらの影響の大きさや発生の可能性に基づいて重要度を評価しました。
この様な評価プロセスを経て設定されたマテリアリティをもとに、当社はサステナビリティへの対応を推進してい
ます。
(4)指標及び目標
当社では、ESGの側面から設定した各マテリアリティを主担当部署ごとに、毎年目標・KPIを設定して推進し、達成に向けて取り組んでいます。進捗結果については、役員をはじめ関連部門の代表が出席するサステナビリティ委員会で審議し、見直しや改善の対策を講じています。なお、各KPIに対する2023年度の取り組み状況に関しましては、2024年7月末発刊予定の統合報告書にて開示する予定です。
気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
環境や気候変動に関するテーマを重要な課題と考え、2022年2月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD*)」提言への賛同を表明すると共に、TCFDの効果的な情報開示や適切な取り組みについて、賛同企業や金融機関等が議論を行うTCFDコンソーシアムに参画しました。気候変動におけるリスクと機会を把握した上で、社内外の知見を活かしながら引き続き有効な対策を推進すると共に、TCFDの提言に沿った情報開示を積極的に進めてまいります。
*気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate- related Financial Disclosures):各国の中央銀行・金融当局や国際機関が参加する金融安定理事会(FSB)が2015年に設立した、気候変動が経営に及ぼす影響の試算や情報開示のあり方について考えるタスクフォース。企業等に対し、気候変動関連リスクおよび機会に関する情報開示を推奨。
1.ガバナンス
サステナビリティを重要なテーマとして捉え、2021年3月にESG経営を宣言し、優先課題であるマテリアリティの一つとして「脱炭素社会」「2050年ゼロエミッション」を目指すことを掲げています。これらの目標、削減活動は、全社員に展開され推進されています。
また、ESG経営を推進するため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会(月次開催)を設置しています。同委員会は、気候変動に関する課題に対し、サステナビリティ担当役員、各本部長および本社・グローバル拠点の各部門から任命されるサステナビリティ推進責任者出席の下、課題認識、方針・施策を審議・決定し、進捗状況を共有・モニタリングするものです。
取締役会は、経営課題に関わるTCFDの賛同表明・情報開示、削減目標および施策等を審議・決定しています。また、同委員会の審議状況や進捗状況に関し、定期的もしくは必要に応じて報告を受け、当該業務執行状況を監督する役割を果たします。
2.戦略
TCFD提言が提唱するフレームワークに基づいて、2030年時点の外部環境の変化を検討し、気候変動が当社に与える影響を分析しました。リスク・機会の分析にあたっては 1.5℃と4℃シナリオを採用し、移行リスクに関しては気候変動の緩和に向け、政策や市場がどのように移行するかを考えます。物理的リスクに関しては、気候変動に伴う気象災害の頻度や影響がどのように変化するかを分析しました。
特定したリスクおよび機会の対応については中期事業計画へ展開すると共に、今後は自社への財務的な影響についても検討を進めます。また、インパクトの大きい一部の車載関連事業を対象に分析を行っていますが、対象外となった事業も含めて、引き続き分析を進めます。
〈気候変動リスクと機会に関する事業影響〉
3.リスク管理
経営に支障をきたす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、代表取締役社長を委員長とするリスク・危機管理委員会を設置しています。これにより、全社的なリスクの評価、管理、対策立案とその実行を行っています。
特に気候変動に関連するリスクについては、同委員会の総合リスク評価においてトップリスクの一つとして位置づけ、サステナビリティ委員会がリスクの識別・評価し、対応策を講じる等、実効性を高めています。
当該リスク管理、対応策の状況等については、取締役会においても情報共有が行われ、全社のリスク・危機管理について監督およびモニタリングを実施すると共に、リスク評価とマテリアリティ分析の整合性を図ることで、全社における総合的リスク管理の強化を進めています。
4.目標と指標
2021年3月にサステナビリティ実現へ向けて「ESG経営宣言」を制定し、「脱炭素社会」、「ゼロエミッションへのたゆまぬ努力」を中長期的に目指すことを掲げました。これらの宣言の下、パリ協定の1.5℃目標に沿って2030年までの中期環境目標(Scope1、2)の見直しを行いました。また、新たに2050年までの長期目標を設定しています。
①2030年中期削減目標
・Scope1、2:2030年までに2018年比で50%削減
・Scope3 :2030年までに2018年比で15%削減
②2050年長期削減目標
・2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指す
この目標を達成すべく、今期(2024年度)CO2削減アクションプログラム〈Ver.2024〉を策定しました。
当社グループ全体において本社、拠点が一体となり、CO2削減活動を加速させます。
③具体的な削減施策
ⅰ.自社による省電力化(地道活動/革新的活動)
〈地道活動〉
具体的施策:
・運用改善 :運用、メンテナンス、保温・断熱改善、等
・省エネ設備の導入:各設備の改造・更新
〈革新的活動〉
活動内容:
・新しい製造方法・設計仕様の研究・導入
具体的施策:
・次世代スピーカプロジェクトによる革新的技術開発、等
ⅱ.再生可能エネルギー電力の調達
・費用対効果を検証の上、電力会社からの購入電力を再エネ100%メニューに切替
ⅲ.自社による再生エネルギー発電
・自社太陽光発電設備の導入
ⅳ.グリーン電力証書購入によるオフセット(不足分)
・海外工場におけるグリーン電力証書の購入
④具体的なKPI
・各拠点毎の「電力使用量÷売上高」を省電力化活動のKPIとして設定
・2023年度の実績よりも4%少ない電力消費量で、同じ売上高を計上できる体制を2024年末までに各拠点に築くことを目標化しました。Scope1、2の2025年度中間ラップ目標(2018年度比30%削減)をクリアし、2030年度目標(2018年度比50%削減)の確実な達成を目指します。
人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針等
Ⅰ.人財の育成に関する方針
1.人財開発方針
当社の人財開発は、「中長期的な事業戦略と一人ひとりの個性(強み・弱み)を踏まえた、個々の人財開発目標に応じて、人事諸制度との有機的な連携を図りながら継続的に行う」ことを基本としています。
長期的な視座から「採用・育成・活用・評価・処遇」を有機的に一体で捉えた「人事グランドデザイン」を策定し、社員一人ひとりが誇りとやりがいを持って力を発揮できる人事フレームワークを構築するとともに、次代のフォスターを担う人財基盤を盤石にするための「人づくり」を推進しています。
2.人財開発の指針となる人財像
・業務を通じてビジョンを具現化し、実現に向けてまい進する「強い意志」と「行動力」を持つ人財
・現状に甘んじることなく、あらゆる機会を利用して自己の能力を高める工夫と努力をし、成長できる人財
・専門性を武器に、戦略策定・遂行の中核となり、継続的に価値創出ができるプロフェッショナルな人財
・期待されている、また果たすべき役割や使命を自覚し、自らの行動および結果に対し責任を持つことができる自律型の人財
3.主な施策
① 自律的なキャリア開発への取り組み
人財開発において、キャリア形成に対する社員自身の主体的な取り組みが必要不可欠です。自身がどのような成長を望み、どのようなスキルを身につけることが必要か、社員自らの意思で考え行動することが、人づくりの礎となり、より高い付加価値を生み出す源泉になると考えています。一人ひとりのキャリアプランやライフステージにあわせて、柔軟に選択肢を選ぶことができる「キャリアコース制度」を設け、社員の自律的成長を促し、支援しています。
② 次世代人財育成への取り組み
継続的な経営人財育成戦略の一環として、次代を担う人財をグローバルレベルで育成する「Global Leadership Development Program(GLDP)」を推進しています。
GLDPは、2010年から本格的に取り組んできた経営人財育成プログラムを再構築し、2019年に新たなプログラムとして体系化したもので、主要ポストの後継者候補として選抜されたタレントプールの対象者に対し、それぞれに適した能力開発を順次実施する選抜型の育成プログラムです。また、2023年度には、若手社員層に対する公募型の育成プログラム「Start Up Program」を導入し、将来のタレントプール人財の育成も強化しています。
③ グローバル人財育成への取り組み
新入社員研修や昇格者研修、管理者研修、経営トップ講話等のさまざまなプログラムを通じて、異文化コミュニケーション力の強化やダイバーシティ&インクルージョンの推進、社員のグローバルマインド醸成・強化を図っています。
また、若手社員向けの海外研修制度「Global-eye Program」や、中堅社員を対象とした海外トレーニー研修制度を含む、多様な形態での国際人事異動を推進し、フォスターグループをあげて将来を担うグローバル人財の計画的・継続的な育成に取り組んでいます。
さらに、2023年度からは、コロナ禍の影響で一時期中断していた「新入社員の海外工場実習プログラム」を再開しました。海外製造現場での実体験は、製造工程や品質管理、生産革新への取り組み、国境を越えたグローバルなチームワーク、といったフォスターの「ものづくり」の基本を育む貴重な機会と位置付けています。
④ 若手社員の定着と早期戦力化への取り組み
新入社員および社歴の浅い若手社員のフォローアップ体制を強化するため、従来から実施してきた「ブラザーシスター制度」と「役員メンター制度」に加え、人事の専任担当者が並走する「エスコートランナー制度」を導入し、それぞれが連携しながら若手社員一人ひとりに寄り添った、きめ細かなサポートを実施しています。また、新たな取り組みとして、若手社員と役員が気軽に交流し、対等に意見交換ができる場として「役員と若手社員との車座ミーティング」を実施しました。2022年度は7回の開催で、のべ79名が参加しています。事業戦略についての質疑応答や、若手社員が感じている不安や提言等について、組織や階層を超えた活発な意見交換が行われました。
⑤ 技術承継、技術者育成への取り組み
技術者育成プログラムの一つとして、「アラカルト研修」を導入しています。約45種類・合計200時間以上の講座の中から、ニーズに合わせて必要なものを選択し受講することができるものです。また過去の講座を動画で視聴できる環境も整えています。このプログラムの最大の特徴は、すべての講義を社内講師により実施されているため、当社の実務に最適化された内容になっていること、そして受講者の教育と同時に社内講師の育成を継続的に行っている点にあります。この取り組みが、当社の技術力の底上げと技術承継を促し、確かな技術力を支える礎となっています。2011年の開講以来、受講者数はのべ4,100名以上におよびます。
⑥ 組織風土改革への取り組み
毎年実施している「ストレスチェックおよび従業員満足度・エンゲージメント調査」結果から、課題抽出のための組織分析を実施。加えて2022年度からは「360フィードバック制度」を導入し、管理職層の自己内省と行動変容を促すことで、よりよい職場環境づくりに向けた取り組みを強化しています。この他にも、労働組合に代わる社員組織である「真珠会」との労使協議を通じて得られるさまざまな要望や提言、退職者への「exitインタビュー」結果や、人事評価フィードバック面談実施後の社員アンケート結果等から、継続的に課題抽出を行い、人事施策へ反映させていく活動を続けています。
⑦ 理念浸透、エンゲージメント向上への取り組み
当社は、「Foster Rhythm Project」という取り組みをグローバル規模で展開し、企業理念の浸透を図っています。このプロジェクトによって、フォスターグループの「ありたい姿」を再定義し、社員自らが考えアイデアを出しあいながら、行動基準や大切にする価値観を言語化しました。これらをガイドブックやカードとしてまとめ、全世界の社員に配布しています。また、ワークショップや各種教育プログラムを継続的に実施することで、企業理念を体現できる人づくりと、活力ある組織風土づくりに取り組んでいます。さらに、社員のチャレンジ支援プログラム *(Foster Incubation Program)では、自社の強みや魅力を発信する取り組みとして、短編動画「FOSTER STORIES」を制作する等、エンゲージメント向上につながる活動は、様々な形で広がりと進化を続けています。
*2020年から開始した社内の取り組み。
社員自らが、ワクワクすること•チャレンジするアイディアや技術を生かしたプロジェクトを立ち上げ、それを支援する制度
です。
Ⅱ.社内環境整備に関する方針
1.ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン(DE&I)
〈方針〉
多様な人財がグローバルに連携を図りながら価値共創を行うことは、当社の「ものづくり」において必要不可欠です。
年齢・性別・性的指向・身体的特徴・価値観・学歴・経歴・出身地・人種・民族・国籍等、さまざまな個性の多様性が尊重されるとともに、個々の事情や育児・介護といったライフイベント等の多様なニーズに応じ、安心していきいきと働くことができる組織風土づくりを推進しています。
これにより、社員と会社の「Win-Winの関係」を築き、社員一人ひとりの充実した個人生活の実現と、新たな価値の創造・企業競争力の向上という相乗効果を生みだすことを目指しています。
〈推進体制〉
ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン(DE&I)を推進する専任組織として、人事部門内に「ダイバーシティ推進課」を設置しています。
主な施策・活動(本社)
① ダイバーシティ教育への取り組み
多様な人財の活躍が企業のあらたな価値の創造につながることへの理解を深めるため、社内イントラネット上にダイバーシティに関する専用ウェブサイトを設置し、さまざまな情報発信を行っています。この中で、多様性を尊重したコミュニケーションの促進を目的とした「インクルーシブ・ランゲージ」についての啓発も実施しています。2018年から人事評価項目に「ダイバーシティへの取り組み行動実績」を追加しました。2023年度は「一人一人が自分らしく活躍するために~アンコンシャス・バイアスに気づき、行動を変える一歩を踏み出そう~」をテーマに女性取締役による講演会を開催しました。すべての社員のダイバーシティに関する意識を高め、自ら推進する行動を促すことで、より包括的で多様性のある職場づくりに取り組んでいます。
② LGBTQ+(性的マイノリティ)への理解促進に対する取り組み
以前よりLGBTQ+ に関する理解を深め、Ally(LGBTQ+ 当事者の理解者、応援者のこと)を増やす活動を推進してきました。2023年度は LGBTQ+ フレンドリー推進検討会を立ち上げ、個人の性的志向や性自認を尊重すべく活動しています。また「多様性を組織力に変えるための LGBT講座」や、「ハラスメントのない職場づくり講座」といったオンライン教育コンテンツを導入し、これまでに90%以上の社員が受講しました。
③ 女性活躍推進への取り組み
2025年度までに管理職に占める女性管理職の割合を30%にすることを目標に掲げ、女性社員の計画的育成やキャリア形成における支援に取り組んでいます。2022年度は女性取締役が講師となり、多様なキャリアについての理解を深めることで自身のキャリア開発イメージを明確にするとともに、女性社員のネットワークづくりを目的とした「若手・中堅女性社員のためのキャリア研修」を実施しました。受講者からは「社内の同世代の女性とキャリアについて率直なディスカッションができる貴重な体験だった」「自分の今後のキャリアを見つめ直す機会を与えてもらえ大変有意義だった」といった声が寄せられています。
④ 子育て&介護支援への取り組み
子育て世代の社員や介護をしながら働く社員が安心して働ける環境づくりを促進するため、仕事と育児・介護の両立支援制度拡充に取り組んできました。2018年4月より、育児休業は最長3年まで、介護休業は最長183日まで、休業期間を延長しました。「子の看護休暇」についても法令上のものに加え、中学校までの子を養育する社員にまで取得要件を拡大しました。また、社内に相談窓口を設置し、個別に適切なアドバイスや情報を提供できる体制を整えています。2023年度は「介護セミナー~人生100年時代を生きる~」をテーマにeラーニング講座を開設し、いつでも受講できるようにしました。
⑤ グローバルな人財採用への取り組み
人財採用においても多様性を重視し、差別のない公正な選考を行うことはもちろんのこと、本社で働く人財のグローバル化促進を目的として、外国籍社員の積極採用にも取り組んでいます。新規学卒者採用における海外人財比率は、過去10年間で20%以上となっており、キャリア採用においても同様にグローバル化を推進しています。通常の一般求人だけでなく、海外グループ会社から日本本社への転籍制度を設ける等、多様な採用チャネルを積極的に活用し、異なる国籍や文化を持つ人財が組織に参加することを促し、多様性と包括性を高めることを目指しています。
⑥ 退職年金制度改革
個人のライフプラン多様化に応じ、選択肢の拡大および将来にわたり安定した年金給付を可能とする制度を構築するため退職年金制度の改革に取り組み、2022年7月より退職年金制度を確定拠出年金に一本化しました。
あわせて、教育資金や住宅購入等のライフイベントに伴うニーズにも柔軟に対応できるよう、退職金を前払いで受け取ることができる「前払退職金制度」を導入しました。このような選択肢を設けることにより、将来の生活基盤が必ずしも日本国内とは限らない外国籍の社員にも配慮しています。
2.労務(労働慣行とディーセントワーク)
〈方針〉
社員一人ひとりが仕事を通じて成長し、やりがいを感じながら能力を発揮できることを重んじ、さまざまなバックグラウンドを持つ社員が、日々のコミュニケーションを通じて自然に助け合い、知恵を出し合えるような「働きやすい」環境をつくることが重要であると考えています。労使の信頼関係・相互協力の下、さまざまなライフスタイル・志向を持つ社員が、それぞれの条件に応じたワークスタイルで働くことができる環境を目指し、諸制度の整備と組織風土づくりを推進しています。
〈推進体制〉
ダイバーシティ推進課での活動に加えて、働き方改革プロジェクトを設置し、労使で連携をとりながら行っています。
主な施策・活動(本社)
① 働き方改革への取り組み
2016年9月よりダイバーシティの推進、ワークライフバランスの実現を図ることを目的に、多様な働き方のニーズに応じた制度や風土づくりに取り組んできました。2017年度は、フレックスタイム制度の全社員への適用および在宅勤務制度の本格導入を実現しました。現在在宅勤務は対象者に制限をかけず、誰でも利用できる制度として実施しています。
2020年度は、一日の所定労働時間を15分短縮して7時間30分にすると共に、コアタイムのないフレックスタイム制度を全社員に適用しました。仕事の進め方の抜本的な見直しやICTの活用により、個々のライフスタイルに合わせて「時間」や「場所」に捉われない柔軟な働き方を実現する環境整備に取り組みました。
2021年度は、社員が居住地を選択する自由度を高めるため、距離による制約を撤廃しました。これにより、配偶者の転勤により遠隔地に転居するようなケースにも、柔軟に対応することが可能となりました。
今後もより一層働きやすくかつ働きがいのある会社を目指し、働き方改革に取り組んでまいります。
② 休暇・休職制度充実への取り組み
働き方の多様性促進、多様なライフスタイルへの対応と働きやすさの向上を目指し、休職や休暇制度の充実に取り組んでいます。
ボランティア休暇制度、就学を希望する社員や配偶者の海外転勤への同行を希望する社員に対する休職制度、失効年休を積み立てることができる「積立有給休暇」制度の拡充、家族の介護・不妊治療・子の看護等の各種休暇制度に加え、2022年7月には、子の入学式や卒業式等のイベントに気兼ねなく参加することができるよう「子のイベント休暇」を導入しました。
2023年度は年に2日の「一斉有給休暇取得日」を設定するとともに、毎月「有給休暇日」を設けることで有給休暇取得率向上を図りました。(2023年度有給休暇取得率74.1%)
③ 副業解禁への取り組み
社外における多様な経験は新たな活躍や成長の機会を広げ、個々のキャリア形成に幅と奥行きをもたらすことに寄与するとの考えから、2020年9月1日より副業制度を導入しました。現在、10名以上の社員が副業制度を活用しており、本業では携わることのできない仕事に取り組むことで視野を広げ、多様なスキルやノウハウを身につけています。
④ 健康増進への取り組み
社員が働きがいを感じ、いきいきと活躍するためには、まず心身共に健康であることが必要不可欠です。社員の健康増進を重要な経営課題と位置づけ、さまざまな取り組みを行っています。産業医による新入社員への入社後フォローアップ面談の実施や、産業保健師による健康相談を充実させて、メンタルヘルス不調や病気の予防・早期発見・重症化防止に取り組んでいます。また、社員の健康増進に対する意識づけを目的として、健康診断・人間ドックの受診、健康関連セミナーへの参加、メンタルヘルス研修の受講等に対してポイントを付与し、健康奨励金を支給する「健康ポイント制度」を導入しています。毎年、健康課題に関するさまざまなオンラインセミナーを実施し、これらを動画視聴できる環境も整備しています。またメンタルヘルスに関する基礎知識の習得のためのオンライン教育コンテンツを導入し、これまでに90%以上の社員が受講しました。
なお、当社の健康増進に対する取り組みが評価され、2018年12月に健康企業宣言東京推進協議会より「健康優良企業 金の認定」を取得しました(2024年1月1日認定更新)。また、2024年3月には経済産業省より「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。
人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
なお、上記記載のほか、「従業員の状況」においても記載しています。