2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    925名(単体) 7,733名(連結)
  • 平均年齢
    40.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    11.5年(単体)
  • 平均年収
    7,784,181円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

VCCS

5,592

(1,091)

CTC

911

(19)

FC・MD

715

(48)

インキュベーションセンター

21

(2)

全社共通

494

(49)

合計

7,733

(1,209)

 

(注)  従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員(1日8時間換算)を( )外書で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

925

(115)

 

40.7

11.5

7,784,181

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

VCCS

199

(40)

CTC

110

(10)

FC・MD

236

(21)

インキュベーションセンター

21

(2)

全社共通

359

(42)

合計

925

(115)

 

(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間の平均人員(1日8時間換算)を( )外書で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社の労働組合は単独組合であり、1955年4月、株式会社横尾製作所労働組合(現ヨコオ労働組合)として組織されました。また、一部の連結子会社についても労働組合が組織されています。

組合結成以来、労使間の諸問題は相互の立場を尊重し、常に協調をもって解決されており、その他特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

5.6

75

53.4

69.4

37.3

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティ全般

当社グループは企業理念体系(パーパス、ビジョン、バリュー)の実現に向けて、社会・環境が私たちに与える影響と、私たちが社会・環境に与える影響の視点から課題を整理し、持続可能な社会の発展のため、サステナビリティ活動を推進しております。サステナビリティ推進の基本的な考え方として「サステナビリティ基本方針」を取締役会で決定しております。

パーパス、ビジョン、バリューの本文については、当社コーポレートサイト「企業理念体系/スローガン」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/company/philosophy.html

 

 


 

 

 

サステナビリティ基本方針


私たちは進化し続けることでサステナビリティを実現します。
そして、かけがえのない地球を守ること及び地域社会やステークホルダーの期待に対し誠実であり続けることが必要であると考えています。
そのために、私たちのさまざまな活動に対し、マテリアリティを特定し、企業活動、事業活動、対話により、課題の解決に取り組んでいきます。
 これらを通じて、私たちは、社会的責任を果たすとともに、「新しい」に挑戦し続けることで企業価値の向上を目指し、持続可能な社会の発展・進化に貢献していきます。

 

 

 

 

 

①  ガバナンス

サステナビリティ基本方針に基づき、ヨコオグループがサステナビリティの実現を推進するため「サステナビリティ委員会」を設置しています。当委員会は、執行役員社長を委員長、委員は役付執行役員とし、オブザーバーとして執行役員、常勤監査役、社外役員で構成しております。サステナビリティに関する方針・戦略の決定、マテリアリティ・KPIを特定し、取締役会へ上申、KPIの活動進捗を取締役会へ報告しております。また、サステナビリティ活動・ISOなどの社外監査結果の確認・評価・提言とサステナビリティ重要テーマの討議を行っております。

 


 

<サステナビリティに関する主な議論 時系列>

執行経営会議

2024年5月

マテリアリティ見直しの進め方報告

取締役会

2024年5月

マテリアリティ見直しの全社アンケート報告

執行経営会議

2024年6月

アンケート結果「重点領域」「マテリアリティ」の議論

取締役会

2024年6月

マテリアリティ見直しの進捗報告

執行経営会議

2024年7月

マテリアリティの選出理由、KPI検討

取締役会

2024年10月

マテリアリティ、KPI、2030年度目標の承認

執行経営会議

2024年9~10月

サステナビリティ基本方針と浸透の議論

取締役会

2024年10月

サステナビリティ基本方針の制定

執行経営会議

2025年1月

サステナビリティ委員会の推進体制見直し検討

取締役会

2025年1月

サステナビリティ委員会の推進体制見直し

 

 

②  戦略

 外部環境の変化が激しく、経営をとりまく環境の不確実性が高まる中、当社グループは「新中期経営計画2024-2028」の策定に合わせて、マテリアリティとそれに関わる指標と目標の見直しを行いました。

 このたび設定した5つの非財務領域の重点領域は、マテリアリティの具体的な取組みを通じて、「新中期経営計画2024-2028」の実現につなげ、財務領域と連携させることで、企業価値の向上を目指し、持続可能な社会の発展・進化に貢献していきます。

 

〈マテリアリティの特定プロセス〉

Step1 ESG課題の抽出と整理

 課題抽出にあたり、ESG評価機関の設問や国際機関の報告書、お取引先さま及び当社の重要課題からロングリストを作成し、E(環境)/S(社会)/G(ガバナンス)/その他の4グループに集約し、整理しました。

Step2 優先順位付け

 Step1で抽出した課題に優先順位を付けるにあたり、評価軸をステークホルダーにとっての重要度と当社の事業にとっての重要度に設定し、評価は「とても重要」「重要」「重要でない」の3段階に設定しました。国内外の役員・社員にアンケートを実施し、マテリアリティマップを作成しました。

Step3 マテリアリティ案の選出

アンケート結果をもとに、執行役員会議にて5つの重点領域「人的資本」「人権」「ステークホルダーエンゲージメント」「地球環境」「ガバナンス」ごとのマテリアリティ案を選出し、KPI・2030年度目標案を設定しました。

Step4 マテリアリティの審議・承認

取締役会において、執行役員会議で選出した5つの重点領域と13のマテリアリティ及びKPI・2030年度目標を審議し、承認されました。特定したマテリアリティやKPI・2030年度目標は、外部環境・事業の変化や活動の進捗に合わせて適宜見直しを行います。

 


 


 

<マテリアリティ>

重点領域

 

             マテリアリティ

 

選定理由

 

考え方・選定理由

人的資本

当社グループは、パーパスに基づき、持続可能な社会を実現するために、「技術」と並んで重要な資産である「人」=「人的資本」を継続的に拡充していくことが企業価値の持続的向上を生み出す重要なファクターであると位置付けています。

多様性・公平性・包摂性

グローバルに事業を展開する当社グループにとって、多様な知が新たな発想と成長の源です。
当社グループでは、国籍・性別・世代等だけでなく、様々な才能・知識・経験、そして価値観などの多様性を尊重し、大切にします。一人ひとりがそれぞれの個性や強みを発揮できるよう、成長や挑戦の機会を整えることで、多様性を企業の力に変える土壌づくりに取組んでいます。そして、「自分と異なる意見に耳を傾ける」、「安心して、自分の考えを発言できる」、このようなチームづくりに取組むことで、一人ひとりが認められ、尊重され、「自分の力が発揮できている」と感じられる状態をめざします。
多様な個性や違いを持った人たちが関わり合い、認め合うことで、様々なアイディアが引き出され、新しい価値を生み出し、一人ひとりの成長と当社グループの成長につながると考えています。

グローバル人材育成

グローバルに人材を有しているという当社グループの優位性を確固たる競争優位とするには、グローバル人材に対する教育を重点的に拡充していくことが必要不可欠であると考えています。

人権

当社グループは、近年の人権に関する外部環境の変化を踏まえ、「人権尊重」への取組みを強化することで、パーパスの実現を目指していきます。

人権尊重

国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持し、これに基づき「ヨコオグループ人権方針」を策定し、人権尊重と救済に取組んでいます。人権方針で定めるステークホルダーとの対話を重視し、サプライチェーン全体を通じた人権への負の影響を特定・評価し、具体的な課題への取組みを推進しています。

私たちと働く人の権利

人権における具体的な課題は、公正・公平を第一に取組み、サプライチェーン全体で働く人の権利を尊重します。より安全・安心で、働きがいのある職場環境づくりへの取組みを推進していきます。

ステークホルダーエンゲージメント

当社グループは、パーパスに基づき、ステークホルダーの皆さまの期待に応えるいい会社となるため、対話を中心としたコミュニケーションを重ねることにより信頼関係を築き、誰もが幸せないい社会の実現を共に目指していきます。

顧客満足

お客さまから「ヨコオと取引していて良かった。もっと拡大しよう」と言っていただける会社を目指しています。お客さまの期待に応えるため、お客さまの声を真摯に受け止め、誠実に取組んでいきます。これらを継続することにより「ヨコオ品質ブランド」を確立し、お客さまとの長期的な信頼関係を構築していきます。

取引先との双方向コミュニケーション

お取引先から「ヨコオの仕事をしていて良かった。もっと貢献できるよう頑張ろう」と言っていただけるような会社を目指しており、そのために公正・公平な取引を追求しています。相互に価値を高め合うパートナーシップを築き、長期的な信頼関係を構築していきます。

地域社会との対話・交流

地域社会の皆さまから「ヨコオがこの町にいて良かった。是非うちの子供をヨコオに入社させたい」と言っていただけるような会社を目指しており、そのためには地域の発展や社会が抱える課題について対話と交流が重要だと考えています。当社グループの事業や社会課題の解決に寄与する取組みを理解いただきながら、信頼関係を築くことに努めています。

株主・投資家との対話

株主さま・投資家さまとの長期的な信頼関係を構築するため、正確・迅速かつ積極的な情報開示に努めています。また、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るべく、株主さま・投資家さまとの建設的な対話に積極的に取組んでいます。

地球環境

当社グループは、かけがえのない地球環境を健全な状態で次世代に継承するために、地球環境保全活動及び気候変動への対応をグループ全体で推進していきます。

気候変動の緩和と適応

カーボンニュートラルの実現に向けて、環境方針及び行動指針に基づき、気候変動への対応を強力に推進するとともに、事業活動を通じた社会の発展に貢献していきます。

循環型社会への移行と、有害物質の管理・削減

地球環境及び人体に影響を与える物質や、廃棄物のリサイクルを阻害する物質の使用量削減をグループ全体で推進しています。環境関連法規、条例等の要求事項及び顧客要求事項を遵守し、有害物質の管理と削減を通して、地球環境保全と循環型社会の実現に貢献していきます。

 

 

重点領域

 

             マテリアリティ

ガバナンス

当社グループは、パーパス/ビジョン/バリューを行動で具現化するべく、あらゆる企業活動の基礎・根幹となるガバナンス体制を充実させていきます。

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの強化が経営の重要課題の一つであると位置付け、経営の効率性、透明性及び遵法性を確保し、経営目標の達成を目指します。

コンプライアンス

常に企業価値の向上を目指し、ステークホルダーの信頼に応えるため、経済・環境・社会に影響を与える活動に対し、透明かつ高い倫理観を持って取組むことで、持続可能な社会の発展に貢献します。

リスクマネジメント

事業活動におけるリスクの影響に配慮し、関連法令及び規程を遵守するとともに、リスクマネジメントシステム及びパフォーマンスの継続的向上への取組みを通じて、リスクに適正に対応することにより企業の社会的責任を果たし、組織運営の安定化に努めます。

 

 

 

③  リスク管理

事業環境におけるリスクと機会を分析し、サステナビリティ委員会が長期戦略に基づくサステナビリティ戦略の討議及びマテリアリティ・KPIの活動進捗の確認と検証を実施していくにあたり、当委員会の下部にマテリアリティを担う委員会・部門を設定し、マテリアリティ・マネジメントを実施しています。各委員会・部門はマテリアリティ・KPIごとに目標と計画に基づいて活動しています。

事業活動におけるリスク管理は、後記「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 


 

④  指標と目標

マテリアリティのKPI・2030年度目標を設定し、マテリアリティ・マネジメントによりサステナビリティ戦略を実行しています。

重点領域

マテリアリティ

KPI(2030年度目標)

2024年度実績

評価指標

目標値

人的資本

多様性・公平性・包摂性

TISP※1採用・在籍者

120以上(累計)

87

障がい者雇用比率

3.45(2023年度法定雇用率:2.3%の1.5倍)

2.8

女性管理職者比率

10以上

5.6

従業員のエンゲージメント向上

2022年スコア46%※2を基準とし、できるだけ早期に20%UP達成とその維持を目指す

53

グローバル人材育成

通信機器系:有資格者数

60

31

コネクタ系:製品・工法の発明者数

72

48

メディカル系:医療事業人材 製造販売業者における三役※3の力量保有者数とFDA,MDR対応者

20

5

DXリテラシー標準の社員習得レベル※4

標準を超えた社員比率20以上

6

人権

人権尊重

グループ全拠点における人権研修受講率

100

1.5
(人権業務関係者130人)

ヨコオグループ全拠点における人権デュー・ディリジェンスのリスク評価

(ヨコオ独自の指標)

B以上

50
(10/20拠点)

私たちと働く人の権利

ヨコオグループ主要取引先(総仕入高上位80%)に対するデュー・ディリジェンス実施率

100

100

休業度数率

基準年度(2023年度)の休業度数率から30%改善した0.23

0.305

ステーク
ホルダー
エンゲージメント

顧客満足

顧客満足度調査のスコア

基準年(2023年度)のスコア以上を毎年度維持する

VCCS:83.2、CTC:-、

FC:80.6、MD:84

取引先との双方向コミュニケーション

仕入先説明会やCSR調達水準向上に向けた
サステナビリティ説明会の実施

1以上

1回 30
(日本所在のサプライヤー)

地域社会との対話・交流

社会貢献活動

70/年

55

株主・投資家との対話

決算説明会、スモールミーティング等の実施

5/年

3

個別IR(国内・海外合計)

200/年

154

地球環境

気候変動の緩和と適応

GHG排出量(Scope1・2)削減 
2014年度比

35削減

22.7%増加※7

循環型社会への移行と、有害物質の管理・削減

水使用量(原単位)2020年度比

10削減

24.6%減少

再生プラスチック使用率

25以上

再生プラスチックの定義を策定中

廃棄物のリサイクル率

グローバル80以上

78%

PRTR対象物質使用量削減(国内グループ)

代替物質の積極的な検討による、PRTR対象物質の使用量抑制

12,440kg※7

 

 

重点領域

マテリアリティ

KPI(2030年度目標)

2024年度実績

評価指標

目標値

ガバナンス

コーポレート・ガバナンス

取締役会の実効性評価

5段階評価で4.5以上

4.55

ボードダイバーシティ

取締役会の実効性及び企業価値の向上に資する取締役会構成の最適化※5

独立社外比率43%
女性比率14%

コンプライアンス

コンプライアンス研修受講率( ヨコオグループ全拠点)

100

98
(グループのe-ラーニング受講対象者)

内部通報制度の認知度( ヨコオグループ全拠点)

100

45.3

リスクマネジメント

リスクアセスメントに基づく重要リスクの特定と施策実施の進捗確認

1以上

1

社内セキュリティインシデント重要度判断に基づくインシデント件数

40以上を0※6

0

 

※1 TISP:Tomioka International Specialist Park

※2 クアルトリクス社によるエンゲージメント調査のスコア

※3 三役:総括製造販売責任者、国内品質業務運営責任者、安全管理責任者

※4 全社員が具備すべきDXスキルとして経済産業省が定めているDXリテラシー標準を習得している社員の比率をKPIとする。

※5 女性/外国籍/独立性を中心に最適化を毎年度検討

※6 ヨコオ独自の指標である重要度が高いインシデントのゼロ化・維持を目指す。

※7 GHG排出量削減率、PRTR対象物質使用量(国内グループ)については、2023年度の実績を記載しております。2024年度の実績については2025年8月頃にコーポレートサイトで掲載予定です。

 

(2)   気候変動

当社グループは、かけがえのない地球環境を健全な状態で次世代に継承することをマテリアリティ重点領域「地球環境」として定め、「気候変動の緩和と適応」をマテリアリティとして設定しております。環境方針及び行動指針において温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1・2)の削減目標を掲げ、気候変動対策に取組んでいます。また2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言へ賛同しており、CDPの枠組みにおいて、TCFD提言に沿った情報開示を進めております。

環境方針及び行動指針の本文については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 環境経営」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/environment/management.html

 

①  ガバナンス

マテリアリティの「気候変動の緩和と適応」に関する事項は、前記「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載の体制のもと、環境管理委員会を設置し活動しています。当委員会は執行役員社長から承認された環境担当役員を委員長とし、委員は富岡工場・MEMS開発センター・国内製造子会社の部門長及び環境推進委員で構成され、気候変動対応を含む環境全般の計画・施策立案と推進を担い、毎月開催しております。気候変動に関する課題への取組み及びKPI目標の進捗は、サステナビリティ委員会でレビューされ、取締役会に報告しております。

 

②  戦略

気候関連リスクと機会を特定・評価し、気候関連課題が事業に与える中長期的なインパクトをVCCS、CTC及びFC・MDの3セグメントで想定し、分析を実施しております。また、当社の事業活動領域である産業のシナリオ分析を確認し、当社グループの中長期的な事業環境を認識した上で、世界の平均気温が2100年までに3℃前後上昇すると想定したシナリオと1.5℃未満に抑えられたシナリオを採用し、移行リスク・物理的リスクと機会からシナリオ分析を実施しました。

5~15年以内の移行リスクとして、電気自動車(BEV)が普及しガソリン車・ハイブリッド車のシェア低下による売上高減少、炭素税の導入による支出増加、医療用デバイスのリユース化の推進による売上高減少、5年以内の物理的リスクとして異常気象による集中豪雨・落雷・台風などによる部品供給停止による売上高減少の財務的影響が発生すると予測しております。

5~15年以内の機会として、BEVが普及しBEVへの販売が拡大することによる売上高増加、自動車メーカー向けの省エネルギー新規開発製品の販売による売上高増加、BEVが普及し車載向けの半導体需要が増加することによる売上高増加、新型感染症の出現などで新薬・新治療デバイスのグローバル認証制度の開始想定による売上高増加の財務的影響が発生する可能性を予測しております。

 

区分

リスク/機会の種類

影響の段階

セグメント

要因

当社グループ
への影響

時間軸※1

財務的影響

※2

当社グループの対応

シナリオ

移行
リスク

市場

バリューチェーン
下流

VCCS

顧客行動の変化

電気自動車(BEV)への販売拡大

・新しい製品、サービスの開発、市場の開拓

1.5℃

政策

直接操業

共通

カーボンプライシングメカニズム

炭素税の導入による財務的負担

・再生可能エネルギーの導入
・インターナルカーボンプライシングの導入

1.5℃

技術

直接操業

MD

再生可能コンテンツ増加への移行

顧客のリユース化の推進

・技術、インフラへの研究開発投資の増加

1.5℃

物理的
リスク

急性

直接操業

共通

異常気象による集中豪雨・落雷・台風など

サプライチェーンの寸断、操業停止

・技術、インフラへの研究開発投資の増加

3℃

機会

市場

直接操業

VCCS

新市場への展開

電気自動車(BEV)への販売拡大

・BEVへの拡販

1.5℃

製品及びサービス

直接操業

VCCS

R&D及び技術革新を通じた新製品やサービスの開発

省エネルギー製品の新規開発

・開発期間の短縮、生産方式の変更、保守性の向上

1.5℃

市場

直接操業

CTC

環境負荷を低減した製品(認証製品以外)の入手可能性の増加

BEVシフトによる半導体需要の増加、半導体の高性能化

・販売と開発リソースの確保

1.5℃

製品及びサービス

バリューチェーン
下流

MD

既存の製品、サービス売上増

感染症増加、新たな感染症の出現可能性の増大に伴う新薬や新治療デバイスの開発のグローバル認証

・グローバル認証制度による国内/海外での同時販売

3℃

 

 

 

※1 時間軸 短:5年以内、中:5~15年、長:15年以上

※2 財務的影響 大:100億円以上、中:10~100億円、小:10億円以下

 

③  リスク管理

 気候関連リスクの特定及び評価は環境管理委員会を構成する部門ごとに毎年気候関連リスク・機会を洗い出し、世界の平均気温が2100年までに3℃前後上昇すると想定したシナリオと1.5℃未満に抑えられたシナリオの分析を実施し、同委員会事務局が集約・評価を行っております。マテリアリティに設定している気候関連リスクは全社的リスクとしてサステナビリティ委員会及び取締役会に報告しています。

 

 

④  指標と目標

当社グループは2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、自社工場からの温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1・2)を2030年度に2014年度比で35%削減することを目標として設定しております。2024年1月にSBTi(Science Based Target Initiative)に対するコミットメントレターが受理されたことを受け、同イニシアティブに合致するGHG排出量削減目標及び同削減計画を策定中です。

今後も、新目標となるSBTi認定取得と当該目標の達成に向けて、エネルギー原単位削減、再生可能エネルギーの利用拡大、グリーン電力調達などを進めるとともに、Scope3におけるGHG排出量削減への取組みについても強化していきます。

マテリアリティの「気候変動の緩和と適応」の目標と実績については、前記「(1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しております。

なお、気候変動に関するデータや具体的な取組みの最新情報については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 気候変動への対応」をご参照ください。

 https://www.yokowo.co.jp/sustainability/environment/warming.html

 

(3)   人的資本

当社グループの経営の基本方針の一つである「パーソネル・イノベーション(人材の革新)」を具現化する「人に関するビジョン」及び戦略・施策の推進は、企業理念体系の「Vision/目指す姿」に向けた経営戦略の実現を担うものであり、経営戦略と人事戦略を連動させることで「人的資本経営」を推進しております。

 

 

                              人に関するビジョン
 
企業理念を出発点にヨコオが求める人物像、ヨコオが求める組織風土を規定する
 ■  ヨコオが求める人財像 :衆知を集め、「新しい」を生み、チャレンジし続ける人へ
 ■  ヨコオが求める組織風土:進化を支援する組織風土
進化永続企業の実現に向け進化経営に資する人財、風土を育てていくことにコミットしていく

 

 

 


 

①  ガバナンス

マテリアリティの重点領域の「人的資本」に関する事項は、前記「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載の体制のもと、新たに創設された人財本部が人的資本の拡充に向けた方針の策定、計画・施策立案と推進を担っています。人的資本に関する課題への取組み及びKPI目標の進捗は、サステナビリティ委員会でレビューされ、取締役会に報告しております。

 

②  戦略

急速な産業構造変革により既存のコアコンピタンス・事業競争力が陳腐化、人材獲得競争が激化するリスクを想定しており、一方、デジタル化・DX化が進むことにより当社の事業領域における機会が拡大していくものと捉えております。このような状況下において採用・育成を通して経営戦略の実現に必要な人的資本を拡充することは事業構造上の課題と位置付けております。

経営・事業課題を認識するためHRBP(Human Resource Business Partner)による定期的な経営陣との対話により経営課題を認識し、解決する人事施策に落とし込んでいきます。また、人的資本拡充を中核に置いた採用、内部人財の育成、従業員が納得できる評価と報酬の実現、それらの施策の成果を測るエンゲージメントの向上を一貫した施策で推進していきます。

 

人財育成

人財育成は、トップガン人財層の先端技術実装能力の競合優位確立と、全従業員の職務遂行能力のレベルアップの両輪の取組みで企業競争力向上を加速していきます。

 

a.    トップガン人財の育成

・  経営におけるトップガン人財育成

・  AIを含むDXにおけるトップガン人財育成

・  先端技術におけるトップガン人財育成

 

b.    全従業員の職務遂行能力向上

<従業員自身が学びたいと思う事に応える環境整備と自発性の促進>

・   自発的学習を促すe-ラーニングの導入と学習の促進

・   経済産業省の定めるDXリテラシー標準を通したDXスキル強化

・   グローバルビジネスを支える語学学習機会の提供と学習の促進

 


 

 

多様性・公平性・包摂性

 様々な専門性や価値観などの多様性が活かされない職場ではエンゲージメントが下がり人財の流出や採用が難しくなると認識しております。一方で多様性・公平性・包摂性の考え方が浸透し、お互いの個性や能力を認め合い活かされる職場は、従業員と当社グループの成長につながるものと考えております。
 当社グループは、「多様性・公平性・包摂性」をマテリアリティとして設定しており、国籍・性別・世代等だけでなく、様々な才能・知識・経験、そして価値観などの多様性を尊重し、大切にします。一人ひとりがそれぞれの個性や強みを発揮できるよう、成長や挑戦の機会を整えることで、多様性を企業の力に変える土壌づくりに取組んでいます。そして、「自分と異なる意見に耳を傾ける」、「安心して、自分の考えを発言できる」、このようなチームづくりに取組むことで、一人ひとりが認められ、尊重され、「自分の力が発揮できている」と感じられる状態をめざします。多様な個性や違いを持った人たちが関わり合い、認め合うことで、様々なアイディアが引き出され、新しい価値を生み出し、一人ひとりの成長と当社グループの成長につながると考えています。前記「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載の体制のもと、新たに創設された人財本部が人的資本の拡充に向けた計画・施策立案と推進を担っています。

 

a.    女性の活躍

・   社外役員への就任

・   管理職、リーダーへの積極的な登用

b.    外国籍人財の活躍

・   外国籍スペシャリスト人財(日本・海外在住問わず)の積極的な採用と育成

・   海外拠点の新卒・キャリア入社者に対する短期・長期のキャリア支援プログラムの推進とキャリア支援プログラムの対象職種と対象拠点の拡大

c.    障がい者の活躍

・   一人ひとりの障がいの特性を個性と捉える運営体制

・   保健師、精神保健福祉士による「こころと身体」のサポート体制

・   特例子会社におけるニューロダイバーシティを取り入れた人財発掘・育成・職場環境整備とサポーター教育

   障がい者雇用の特例子会社「株式会社ヨコオみらいサポート」を2022年4月に設立しております。https://www.yokowo-fs.com/

 

③  リスク管理

 人的資本リスクと機会は、人財本部HRBPが経営陣との定期的な対話から分析、対策を検討し、中期計画の戦略立案につなげます。2022年度より「多様な従業員にとって働きがいのある魅力的な職場環境を実現する」ため職場環境課題を可視化し、改善課題の特定を行うエンゲージメント調査を実施しており、結果を執行経営会議及び取締役会に報告しております。また、幹部職を対象に調査結果の説明会を実施し、部門単位でアクションプランを立案し、改善活動を実施することでエンゲージメントの向上を推進しております。

 

④  指標と目標

 マテリアリティの重点領域の「人的資本」の目標と実績については、前記「(1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しております。

なお、多様性・公平性・包摂性に関するデータや具体的な取組みの最新情報については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ Diversity, Equity & Inclusion(DEI)」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/dei.html

 

(4)   人権尊重

当社グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権を尊重し、救済するための体制を強化しています。多様な仲間の声に耳を傾け、世界に目を向け、従業員を支える家族、お客さま、お取引先さま、地域の皆さまなど、事業活動において関わる全てのステークホルダーの人権を尊重するとともに、幸せないい未来の姿を思い描き、「新しい」を生み出し続ける進化永続企業を目指しています。

 

①  ガバナンス

マテリアリティの重点領域の「人権」に関する事項は、前記「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載の体制のもと、人権・労働・倫理マネジメント委員会を設置し活動しています。当委員会は執行役員社長から承認されたサステナビリティ担当役員を委員長とし、委員はRBA(Responsible Business Alliance)の労働・倫理に関連する役員及び部門・グループ会社で構成され、人権全般の方針の策定、計画・施策立案と推進を担い、毎月開催しております。人権に関する課題への取組み及びKPI目標の進捗は、サステナビリティ委員会でレビューされ、取締役会に報告しております。

 

②  戦略

 当社グループはグローバルで事業を展開しており、当社グループだけでなくサプライチェーンも含め、人権への影響を深刻度・蔓延性と回復可能性の観点から当社グループ事業と社会に与える影響を評価する必要であると認識しております。また、人権を軽視した対応をした場合、ステークホルダーからの信頼の喪失、レピュテーションへの影響などのリスクが生じると認識しております。人権尊重に取組むことにより職場環境が整備され、エンゲージメントの向上につながり、人的資本、企業価値、ビジネス機会、健全なサプライチェーンが構築されていくと捉えています。

当社グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持し、これに基づき「ヨコオグループ人権方針」を策定しております。人権方針で定めるステークホルダーとの対話を重視し、サプライチェーン全体を通じた人権への負の影響を特定・評価し、防止・軽減に取組みます。また、その取組みの実効性を評価したうえで、どのように対処したかについて説明・情報開示する人権デュー・ディリジェンスプロセスを実施し、個別の人権課題に取組みます。

 

ヨコオグループの人権方針における個別の人権課題への取組み

 

 

ヨコオグループの人権方針における

個別の人権課題

ヨコオの実施策

強制労働の禁止

労働者による手数料支払い防止のための送り出し機関・受け入れ機関との三者間契約

児童労働の禁止

児童労働救済規程策定 年齢確認プロセスの強化

差別の禁止

匿名通報が可能な外部受付窓口の整備

非人道的待遇の禁止

祈祷室整備・ハラル食の提供

結社の自由および団体交渉権

労働協約

労働時間および賃金

同一労働同一賃金における不合理な待遇差への対応

労働安全衛生

安全装置導入の必須化 健康診断・ストレスチェックの実施

 

ヨコオグループ人権方針の本文については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 人権尊重の取組み」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/humanright.html

 

 

③  リスク管理

 当社グループは、「ヨコオグループ人権方針」に基づき、人権の尊重・救済に取組むため、当社グループ会社及び主要取引先に対して人権デュー・ディリジェンスを実施しています。

 

ヨコオグループの人権デュー・ディリジェンス

 

 

人権DDプロセス

施策

2024年度実績

リスクの特定

重要課題の選定

自社グループ・サプライヤー:セルフアセスメント実施

質問票の実施

(※実施状況参照)

分析評価

質問票回答の集計・データ分析

自社グループ:回答評価・フィードバック・対策立案

リスク値の比較と取組みの優先順位づけ

サプライヤー:分析、フィードバック

対策の実行

海外を含む拠点担当者への教育

自社グループ:拠点担当者への人権教育

規程整備

サプライヤー:是正計画策定

開示

コーポレートサイトへの記載

自社グループ・サプライヤー:コーポレートサイト

統合報告書

サステナビリティページへの記載、統合レポートへの記載

サプライヤー展開

サプライヤー説明会

サプライヤー:CSR購買ガイドライン説明会実施

CSR購買ガイドライン配布

取引先行動規範同意確認

サプライヤー

是正促進

セルフアセスメント実施

有効性の確認

実地監査

是正計画策定

 

 

 

人権デュー・ディリジェンス実施状況

 

カテゴリ

人権DD実施対象

範囲

人権及び社会的責任に関する説明会の実施

セルフアセスメントの実施

自社グループ

製造拠点

本社

100%

100%

国内海外含むすべての子会社

販売拠点

国内海外含むすべての子会社

100%

100%

直接購買

製造関連サプライヤー

国内取引高90%を占める取引先企業

100%

100%

間接購買

人材サプライヤー

人材提供を受けている国内企業すべて

100%

100%

構内請負サプライヤー

富岡工場構内で業務請負契約を締結している企業すべて

100%

75%

 

 

 

④  指標と目標

 マテリアリティの重点領域の「人権」の目標と実績については、前記「(1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しております。

なお、人権尊重に関するデータや具体的な取組みの最新情報については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 人権尊重の取組み」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/humanright.html

 

 

 

 

 

(5)   安全衛生

当社グループは、労働安全衛生マネジメントシステムに基づいた活動を通じて、マテリアリティ「私たちと働く人の権利」の中で掲げている、より安全・安心で、働きがいのある職場環境づくりへの取組みを推進しております。

 

①  ガバナンス

安全衛生に関する事項は、前記「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載の体制のもと、安全衛生委員会を設置し活動しています。当委員会は執行役員社長から承認された富岡工場総括(工場長)を委員長とし、委員は部門安全衛生管理者・推進者及び法令に基づき有資格者・産業医を交え労使の構成員が方針の策定、安全衛生計画の進捗確認、労働災害の原因分析及び再発防止対策、健康保持増進などの審議・協議を行える場として毎月開催し、その結果を全従業員に展開しております。安全衛生に関する課題への取組み及びKPI目標の進捗は、サステナビリティ委員会でレビューされ、取締役会に報告しております。

 

②  戦略

当社グループの製造プロセスでは機械設備や化学物質を使用しており身体への影響、事故・災害のリスクがあり、労働災害による労働損失は、関係する職場の業務負荷を招き心身への影響から新たな労働災害の可能性があると認識しております。安全衛生マネジメントシステムのリスク低減施策に取組むことは安全な職場環境を提供する機会につながると認識しております。

当社グループは従業員をはじめ当社の活動における利害関係者の安全と健康面の管理を経営の最優先課題と位置付け、「ヨコオグループ労働安全衛生方針」を策定しております。安全を常に確保し安心して働ける職場を追求し、心身の健康増進に努めています。

ヨコオグループ労働安全衛生方針の本文については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 労働安全衛生」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/safety.html

 

③  リスク管理

労働安全衛生マネジメントシステムに基づき各部門が外部・内部の課題及び利害関係者の要求事項からリスクと機会を整理した上で年間計画を策定し、活動しております。各部門においてリスクアセスメント、ヒヤリハットによるリスク管理を行い労働災害の未然防止に取組んでおります。

また、作重点チェック項目(挟まれ・巻き込まれ、切れ・こすれ、飛来・落下、火災予防、化学物質など)を設定し、役員・部門責任者によりチーム編成した安全巡視を毎月行い、安全衛生委員会で結果を報告しております。

労働安全衛生マネジメントシステムが有効であることを確実にするため、マネジメントレビューを実施し、継続的な改善を実施しております。

 

④  指標と目標

マテリアリティの「私たちと働く人の権利」において、安全衛生の指標として休業度数率をKPIに設定しています。目標と実績については、前記「(1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しております。

なお、安全衛生に関するデータや具体的な取組みの最新情報については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 労働安全衛生」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/safety.html

 

 

(6)   情報セキュリティ

当社グループは、世界中の至る所で情報セキュリティ強化が求められる時代において、取り扱う全ての情報資産の重要性を常に認識するとともに、グローバルで等質な情報セキュリティ活動を推進しています。

 

①  ガバナンス

 情報セキュリティに関する事項は、前記「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載の体制のもと、ISO27001情報セキュリティマネジメントシステムの体制を活用し、情報セキュリティ委員会を設置し活動しています。当委員会は執行役員社長から承認された経営企画担当役員を委員長とし、委員は事業部長・本部長・海外拠点長及びCSIRT(Computer Security Incident Response Team)で構成され、方針の策定、計画・施策立案と推進を担い、毎月開催しております。情報セキュリティに関する課題への取組み及びKPI目標の進捗は、サステナビリティ委員会でレビューされ、取締役会に報告しております。

 

②  戦略

クラウドコンピューティングやリモートワークの普及を背景にサイバー攻撃が急増し、攻撃の対象がサプライチェーンの脆弱性を突いた攻撃へと変化し、情報セキュリティの脅威は高い状態が続いていると認識しております。

当社グループは、情報資産の不適正な開示、漏えい、破壊、改ざん、そして目的外の使用を防ぎ適切に保護するため、「ヨコオグループ情報セキュリティポリシー」を定め、NIST(National Institute of Standards and Technology)のサイバーセキュリティフレームワークに基づき対策を推進しております。統治・識別・防御・検知・対応・復旧の6つのコア機能に対し、潜在的危険性を特定し、リスクアセスメントからリスク低減措置を検討し、特に識別・防御・検知・対応の機能を中心に活動を実施してきました。

外部環境(サイバー攻撃の高度化、複雑化など)・内部環境(生産設備のデジタル化・IoT化など)が変化し、サイバーセキュリティリスクもIT (Information Technology)セキュリティからOT (Operational Technology)セキュリティのリスクも顕在化し始めてきていると認識しております。これまでのITセキュリティに加え、幅広いリスク対策が必要となるOTセキュリティの特徴を踏まえた体制整備を準備しております。

ヨコオグループ情報セキュリティポリシーの本文については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 情報セキュリティ」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/governance/security.html

 

③  リスク管理

CSIRTがIPA(独立行政法人情報処理推進機構)、JPCERTコーディネーションセンターのレポートから社外のセキュリティインシデント状況を分析し、情報セキュリティの維持のためのトレーニング計画を立案しております。当社グループ内のメールアドレス保持者に対し、セキュリティ訓練(フィッシングメール訓練)、少量多頻度の情報セキュリティ教育(4回)、また、グループ内の「情報セキュリティ」サイトよりセキュリティ啓蒙情報発信(毎月)を行い、セキュリティ意識の向上を図っております。実効的なセキュリティ対策については、NISTフレームワークに基づき、一元的に統治を図る技術対策・現場対策を展開・実施しております。

 情報セキュリティマネジメントシステムが有効であることを確認するため、マネジメントレビューを実施し、継続的な改善を実施しております。

 

④  指標と目標

マテリアリティの「リスクマネジメント」の中でも、情報セキュリティを重要なリスク領域にあるものと捉えており、「社内セキュリティインシデント」を評価指標として設定し、継続的な対策を強化しています。目標と実績については、前記「(1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しております。

 

 

(7)   サプライチェーン

当社グループは、取引先様との公正・公平な取引を追求することに加え、法令遵守、生産拠点の重層化や途切れない供給網構築のために、サプライチェーンにおける人権、労働慣行、安全衛生、環境などの社会的責任を遂行すべく購買活動に取組んでおります。

 

①  ガバナンス

サプライチェーンについては、マテリアリティの「取引先との双方向コミュニケーション」として、前記「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載の体制のもと、購買本部が責任ある購買活動に向けた方針の策定、計画・施策立案と推進を担っています。サプライチェーンに関する課題への取組み及びKPI目標の進捗は、サステナビリティ委員会でレビューされ、取締役会に報告しております。

 

②  戦略

当社グループはグローバルで事業を展開しており、地政学リスク、自然災害、気候変動、環境問題、人権侵害、サイバー攻撃などのリスクによりサプライチェーンが中断・遅延させる可能性があると認識しております。

企業理念体系(パーパス、ビジョン、バリュー)に基づき、「購買方針」を策定し、CSR購買体制の構築を中期的な重点テーマとしてグローバルに「取引先様と共に成長する」購買活動を展開しております。リスクを認識し様々な課題に対応できる強固なサプライチェーンの構築を目指します。

「購買方針」の本文については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 責任ある購買活動」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/supply-chain-management.html

 

③  リスク管理

当社グループでは、これまでも新規取引開始時や継続的に「一般事項」「情報セキュリティ」「環境」「CSR」について、取引先様への監査等を通じてCSR購買活動を推進してきました。

昨今のCSRの重要性の高まりから、これまで以上にステークホルダーの信頼に応えるため、取引先様に具体的に実践・遵守していただきたい行動・活動の基準として、法令遵守・国際規範の尊重、労働、安全衛生、環境、倫理、品質・安全性、情報セキュリティ、事業継続計画、社会貢献、マネジメントシステムの10項目で構成したヨコオ取引先行動規範 Ver2.0を制定しました。

2024年よりPDCA活動サイクルを基本とした取組み体制に再構築し、活動をスタートしております。2024年度の取組みとして国内取引先様を対象に、「取引先様説明会」 「セルフアセスメントの実施/評価」 「改善活動」 を実施し、CSR購買活動の強化に取組んでおります。

また、「ヨコオ取引先行動規範」をより深く理解していただく目的として、具体的な取組みを交えて説明している「CSR購買ガイドライン」を策定しております。

CSR 購買ガイドラインを通じて、取引先様の皆様が当社グループのCSR活動について共通の認識を持ち、持続可能な社会の発展に貢献することによって、将来的に共に社会から支持され続ける関係を構築していきたいと考えております。

「ヨコオ取引先行動規範」「CSR購買ガイドライン」の本文については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 責任ある購買活動」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/supply-chain-management.html

 

④  指標と目標

マテリアリティの「取引先との双方向コミュニケーション」に関連し、評価指標として設定している「仕入先説明会やCSR調達水準向上に向けたサステナビリティ説明会の実施」は、サプライチェーンに関するKPIとして位置づけられています。目標と実績については、前記「(1)サステナビリティ全般 ④指標と目標」に記載しております。

なお、サプライチェーンに関するデータや具体的な取組みの最新情報については、当社コーポレートサイト「サステナビリティ 責任ある購買活動」をご参照ください。

https://www.yokowo.co.jp/sustainability/society/supply-chain-management.html