2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    692名(単体) 1,095名(連結)
  • 平均年齢
    42.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.9年(単体)
  • 平均年収
    6,143,295円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

計測制御機器

388

(59)

計装システム

188

(18)

センサ

254

(54)

その他

55

(1)

全社(共通)

210

(20)

合計

1,095

(152)

(注)1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 全社(共通)には営業人員数として115人を含んでおります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年令(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

692

(101)

42.17

15.88

6,143,295

 

セグメントの名称

従業員数(人)

計測制御機器

222

(59)

計装システム

91

(-)

センサ

148

(22)

その他

21

(-)

全社(共通)

210

(20)

合計

692

(101)

(注)1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

 当社グループの労働組合はチノー労働組合と称し、提出会社の本社に当組合本部が、各拠点に支部がおかれ、現在上部団体には属しておりません。

 労使間の諸問題については、常設協議機関として労使協議会を設け、労使協議制を基本とした円滑な運営を図っております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の

割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)1、2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、3

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

全労働者

うち

正規雇用

労働者

うち

パート・

有期労働者

3.7

100.0

68.0

80.7

72.2

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2 「男性労働者の育児休業取得率」のうちパート・有期労働者については該当者がいないため「-」で表示しております。

   3 「労働者の男女の賃金の差異」については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を表示しております。尚、差異は資格別人数構成の差等によるものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組み】

 チノーグループは、サステナビリティ基本方針を以下のように定め、取組みを推進しております。

 

[サステナビリティ基本方針]

チノーグループは、「計測・制御・監視技術の限界に挑戦し、産業の発展とより良い明日の社会の実現に貢献する」という企業理念に基づき、様々なステークホルダーとのエンゲージメントに努めながら、事業活動を通じて「持続可能な社会の実現」に貢献するとともに、私たち自らの「持続的な成長」と「企業価値の向上」を実現することを目指します。

 

 産業構造や社会経済は、グローバル化、デジタル化、脱炭素化の急速な進展により目覚ましく変化しております。当社グループはこうした社会課題の変化を成長・拡大の機会と捉え、水素利用技術、半導体・電子部品、次世代電池、新素材、ならびに医療医薬・食品管理、ロジスティクス等の市場を重要マーケットと位置づけ、安心・安全なサステナブル社会の実現にお応えすることで企業価値の向上を図ります。

 

[気候変動問題への対応]

 当社グループでは、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題の一つと認識し、SDGsやパリ協定の長期目標に示された脱炭素社会への貢献に向け、幅広いステークホルダーとの協働を通して、気候変動に係るリスクへの適切な対応と成長機会の獲得に取り組んでおります。

 2022年5月に当社グループは気候変動関連情報開示の重要性を踏まえてTCFD提言への賛同を表明しました。同年に開示したシナリオ分析では、2℃以下シナリオを基に、気候変動に関連した重要なリスク・機会を抽出して定性的に分析し、それらに対する対策の検討と目標の設定を行いました。

 翌年以降は、気候変動がもたらす当社事業へのリスクと機会についての分析と対応、およびTCFD提言に沿った情報開示の拡充と更新を定期的に行っております。

今回(2024年6月)の更新につきましては、2℃以下シナリオに加え、4℃シナリオを含む複数のシナリオを用いて、定性及び定量の両面から、気候変動に関連するリスク・機会による財務影響度と対策を改めて分析し、分析の対象期間も2030年と2050年に拡充しました。

 

<TCFD提言に基づく情報開示>

(1)ガバナンス

 当社グループでは、2022年1月に「気候変動への対応」を含むグループ全体のサステナビリティ経営に関わる基本方針や重要施策等を検討・審議する組織として、代表取締役社長を議長とする「サステナビリティ推進会議」を設置しました。

 「サステナビリティ推進会議」は毎年一定のサイクルで定期的に開催しております。気候変動を含むサステナビリティ課題に関する方針の策定、マテリアリティの特定や、対応の方向性の議論、GHG排出削減目標を含むKPIの設定及び取り組み状況のモニタリングを行っております。審議・決定された内容を、適宜取締役会に報告しながら、「脱炭素化プロジェクト」、「CSR 推進プロジェクト」と「サステナビリティ企画室」を通じて経営層及び本社・各事業部門、グループ会社にも共有しております。

 また、経営戦略と人財・組織戦略が緊密に連動した人的資本経営を推進するため、2022年10月に社長を委員長とし執行役員が委員を務める「人財・組織開発委員会」を設置しました。委員会では、人財マネジメントシステムの全体像を俯瞰した上で、人財育成や従業員のエンゲージメント向上策の方針決定、具体施策の検討及び進捗状況の確認を行い、企業価値の向上に資する人事戦略を推進しております。

 取締役会は、「サステナビリティ推進会議」及び「人財・組織開発委員会」で審議された内容の報告を受け、活動の基本方針及び重要施策等についての審議・監督を行っております。

 

 

 

 

(2)戦略

 <気候変動への取組み>

 当社グループは、気候変動に伴うリスク及び機会を事業戦略上の重要な要素の一つと認識し、2022年にTCFD 提言に沿って定性的な分析を開始しました。2023年には、気候変動がもたらす事業へのリスクと機会及びそれらの財務影響度についての分析と対応を一層強化するために、詳細なシナリオ分析を実施しました。

 

 

 また、シナリオ分析実施時には環境省が発行した「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ(2023年3月発行)」を参考に、下記手順に沿って定性・定量の両面から考察を行っております。

 

 

■想定されるリスク・機会一覧

 上記シナリオ分析を通じて、気候変動に関連するリスク・機会が当社グループの事業に及ぼす財務影響度を大・中・小の三段階に分けて評価したうえで、当社グループのサステナビリティ経営に関連する基本方針や戦略等を鑑み、重要であると判断した事項について記載しております。

 2℃以下の「脱炭素シナリオ」においては、カーボンプライシング(炭素税)の導入及び原材料価格上昇による製造コストの増加、省エネ効率の高い空調、製造設備への更新による操業コストの増加などを重要な移行リスクとして特定しました。4℃の「温暖化進行シナリオ」においては、物理的リスクとして異常気象の激甚化による自社拠点を含むサプライチェーンの操業停止・停滞がとりわけ事業活動へ大きなインパクトを及ぼすことを想定しております。

一方、脱炭素社会への動き、とりわけ水素利活用の進展とモビリティの電動化および再生可能エネルギーの需要拡大や低炭素技術の進展によるEVへのシフト、電力などのエネルギーの使用状況の監視に対する需要拡大等が、当社グループの技術を活かした課題解決・販売拡大の機会であるととらえております。また、平均気温が上昇した場合、異常気象の予測や環境の変化に伴う高精度の温度管理などに対する需要の拡大も、温度計測を中心とする当社グループの事業に対しての重要な成長機会であると想定しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[時間軸]短期:0~3年 中期:4~10年 長期:11年~

 

■リスク・機会項目の財務インパクトの試算

上記で特定したリスク・機会による財務影響度を大・中・小の三段階で定性的に評価したうえで、現時点で試算可能なリスク・機会項目について、外部パラメータと当社実績値を元に2030年以降の2℃以下シナリオ及び4℃シナリオを勘案し財務インパクトの試算を行いました。

 

 

■特定したリスク・機会への対応

当社環境方針に沿って、上記リスク・機会への対応策を4つのカテゴリに区分し、各取り組みの方向性を検討し、全社的に進めていきます。

「GHG排出量削減」について、当社は国内主要拠点の購入電力を再生可能エネルギーに切り替えました。併せて事業所や生産拠点設備の省エネルギー対応を進めるとともに、電力以外のエネルギー使用量の削減や廃棄物の最終処分量の削減などの「資源の有効活用」に関わる活動も推進してカーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させております。

 また、経済産業省の「水素基本戦略」に掲げられた目標の実現に向け、当社は「環境イノベーションの促進」を環境方針の1つとして位置づけ、水素を含む再生可能エネルギーの活用領域で30年以上にわたり培ってきた技術で脱炭素社会の実現に貢献し続けていきます。

 さらに、物理的なレジリエンス性を保つため、当社は災害発生時に備えたBCP策定の高度化や、定期的な訓練の実施、グローバル調達体制の構築などを実施し、気候変動による被害や影響の極小化と早期復旧に努めております。

 

 

<人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>

 当社グループは、2026年をターゲットとする中期経営計画において、事業計画を達成し持続的な成長を支える力の源である人財の育成と強靭な組織づくりを推進するため、創立90周年に向けた経営ビジョンである「共創、特長、信頼」に連動した人事戦略として「人財育成方針」及び「職場環境整備方針」に沿って次の3項目に取り組んでおります。

 

・経営ビジョンを実践するプロフェッショナル人財の確保と育成

・組織の活力向上を推進する働きがいのある職場環境の整備

・公平かつ生産性の向上につながる人事関連諸制度の再構築

 

◇人財育成方針

 

◇職場環境整備方針

 

 

 

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、リスク管理の統轄機関として「リスクマネジメント委員会」を設置し、毎年一定のサイクルで定期的に開催しております。「リスクマネジメント委員会」は、代表取締役社長を委員長として、リスク対応方針の策定や環境課題を含めた全社経営リスクの継続的な識別と評価を行い、優先順位をつけて絞り込んだ重要リスクへの対策を決定するとともにその進捗状況をモニタリングしております。

 上記重要リスクのうち気候変動に関連したリスクについては、その時間軸や規模の特殊性を踏まえて「サステナビリティ推進会議」の中でより詳細に検討を行っております。「サステナビリティ推進会議」では、複数のシナリオを用いて、気候変動に関連したリスクによる財務影響度及び将来的な事業のレジリエンス性を定性と定量の両面から分析、評価した上で、対策と実行計画を検討・推進しております。その進捗状況を「リスクマネジメント委員会」と共有の上、最終的に取締役会へ報告しております。

その他にも、リスクマネジメントが適切に行われるように、「サステナビリティ推進会議」では、グループ全体における気候変動に関連するリスクの特定、評価、見直しを定期的に行い、「リスクマネジメント委員会」に共有しております。

 

 

(4)指標及び目標

 当社はサステナビリティ基本方針で重要課題領域と定める「地球環境・エネルギー課題解決への貢献」にコミットするために、Scope1,2(当社の事業活動におけるGHG排出量)を指標として、「2026年度のGHG排出量実質ゼロ」「2040年度のGHG排出量完全ゼロ」という中長期目標を設定し、目標達成に向けて各種の取組みを進めております。

 今後は、連結子会社を含めたグループ全体の指標及び目標の策定、Scope3 (当社の事業活動に関連するサプライチェーン全体を含めたGHG排出量)のデータ収集及び削減対策の取組みに精力的に取り組んでまいります。

 

 

 

<人財育成及び社内環境整備に関する指標>

 当社グループでは従業員一人ひとりの意欲と能力、働きがいを高めるとともにそのことを組織としての力につなげていくことを企図し、「経営ビジョンを実践するプロフェッショナル人財の確保と育成」、「組織の活力向上を推進する働きがいのある職場環境の整備」及び「公平かつ生産性の向上につながる人事関連諸制度の再構築」の取組みを推進しております。

 

◇プロフェッショナル人財の確保と育成

 事業継続性と企業価値の向上を目的として、マネジメント層を対象とした選抜型幹部候補者育成プログラムを進めております。2023年度は次の2)及び3)を加えて3段階のプログラム構成としました。

 1)次世代役員候補人財の育成:経営マインドの涵養と事業戦略スキル、社内外との人間関係構築力の修得

 2)中核幹部人財の育成:   経営の知識と思考力、社内外との人間関係構築力の修得

 3)中核幹部候補人財の育成: ビジネスリーダーに必要な視座と知識・スキル、人間関係構築力の修得

 また、従業員が学びたい時に学びたいものを学べる仕組みとしてe-Learningシステムを導入し、一人ひとりのニーズに即した自律学習をサポートしております。加えて、IoTやAIを活用したサービスの提供及び社内業務改革の推進とDXを牽引する人財の育成を目的としたDXアイデアコンテストを新規に実施しました。

 

◇働きがいのある職場環境の整備

 健康経営宣言に基づく健康管理と健康増進に係る啓発活動等、健康づくりの取組みをさらに推し進めるため、2023年度はあらたに産業保健師を配置し職場に密着した健康指導の充実を図りました。また、健康診断の受診促進、職場環境整備、飲食や運動等の日常の健康増進に対する啓発活動等に積極的に取り組み、健康企業宣言東京推進協議会から「金の認定」を昨年度に引き続いて取得しました。

 組織開発では、2022年12月から導入したエンゲージメントサーベイを継続し、可視化した組織の状況に応じた改善策を実行することで多様な人財がいきいきと働き活躍する組織づくりを推進しております。

 また、従業員一人ひとりのキャリア自律を支援する研修と個別面談の対象を全年代層に拡充するとともに、常設のキャリア相談室を新設しました。加えて、テレワークや勤務間インターバルを意識した働き方の推進等ワークライフマネジメントの充実、休業者サポートシステムによる育児・介護休業者等とのコミュニケーション強化を通じて、従業員がいきいきと働ける基盤づくりを推進しております。

 

 

◇人事関連諸制度の再構築

 中期経営計画の第1フェーズは、人的資本充実の取組みにおいて、人財育成と組織開発の諸施策を先行して進めてきました。2023年度は、第2フェーズで予定している等級、評価、報酬等、人事関連の基幹制度の改革と再構築に向けて、そのあるべき姿と制度改革のロードマップ等について執行役員で構成する人財・組織開発委員会において議論を重ねました。

 迎えた第2フェーズ(2024~2026年度)では多彩な人財に多様な活躍の機会を提供し、一人ひとりの成果と役割発揮に公平かつ公正に報いる制度と仕組みの構築・導入を進めてまいります。

 

 尚、当社では人財育成及び社内環境整備に関する指標を以下のとおり定めております。

※目標、実績は、当社グループの開示が困難であるため、当社単体分を開示しております。