2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,033名(単体) 7,241名(連結)
  • 平均年齢
    45.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.2年(単体)
  • 平均年収
    10,977,033円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人財戦略

 当社グループは、半導体産業が「複雑性の時代」に入る中、人的資本を重要な戦略資本と位置づけ、経営戦略と一体化した人財戦略を推進しています。人的資本への継続的な投資は、第3期中期経営計画(MTP3)が掲げる成長戦略とオペレーショナル・エクセレンスを支え、長期的な競争優位と企業価値向上を実現する基盤であり、その詳細は以下のとおりです。

 

 当社グループは、経営理念「先端技術を先端で支える」のもと、ビジョンとして、「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ」を掲げています。現在は、AI技術の急速な成長などに対応するために半導体デバイスの複雑性が増すとともに、地政学的リスクの上昇などにより半導体関連サプライチェーンの複雑性も増し、それらの相乗効果によって半導体産業の「複雑性の時代」が続いています。この「複雑性の時代」に当社グループがマーケットリーダーであり続けるためには、顧客やサプライヤーとのパートナーシップを強化し、業界のトレンドや課題を先回りして捉え、投資を継続することが必要です。そして、それらの基盤となるのが、当社グループの人的資本です。

 

 中長期経営方針「グランドデザイン」では、ステークホルダーへの提供価値をバランスよく多面的に拡大することを長期経営目標としています。従業員は、株主・資本市場、従業員、顧客、サプライヤー、パートナー、地球環境という当社グループの6つの主要なステークホルダーの1つであり、当社グループは、従業員に従業員満足度及び従業員エンゲージメントの向上という価値を提供することで、ステークホルダーからさらなる信頼を勝ち得ることを目指します。すなわち、当社グループにとって人的資本は、研究開発力、顧客対応力、オペレーション効率といった競争力の源泉を生み出す戦略資本です。人的資本への投資は、短期的な費用ではなく、中長期的な収益力と資本効率を高める先行投資と位置づけています。

 

 また、MTP3では、以下の4つの戦略を掲げています。

 1.コア市場の成長率を上回る成長実現

 2.近縁市場・新規事業領域への展開

 3.オペレーショナル・エクセレンスへの取り組みを推進

 4.サステナビリティの取り組み強化

 MTP3において、人的資本戦略は以下の役割を担います。

 1.高度化・複雑化する顧客ニーズに応える専門人財の確保・育成

 2.変化適応力と挑戦マインドを備えた人財の登用

 3.グローバル標準化を担う人財・組織基盤の整備

 4.エンゲージメント向上による持続的な価値創出

 

 このように、経営戦略と人的資本戦略は密接に関係しており、人的資本戦略を確実に遂行するため、CHO(Chief Human Capital Officer)を中心とした推進体制を構築しています。取り組みの一つである「Global Human Capital Transformation」では、人事のシステムやプロセスのグローバルでの標準化を進めていますが、単なる人事制度やその運用の改革ではなく、MTP3が掲げるオペレーショナル・エクセレンスを人的側面から実現するための経営基盤整備です。

 

 当社グループが複雑化の進む環境を乗り越えていくには、イノベーションを推進できるスキルや柔軟性、マインドセットを備えた人財が必要です。また、私たちは、従業員が当社とともに歩むキャリアの全段階で一貫した支援を受けられる環境を整えることを信念としています。そこで、「Advantest Employee Lifecycle」という包括的な戦略を確立しました。これは、Attraction(引きつけ)、Recruiting(採用)、Onboarding(受け入れ)、Development(育成)、Rewards(報酬)、Retention(定着)、Transition(退職)というキャリア全段階をカバーする包括的枠組みです。このライフサイクル戦略により、採用から育成、定着に至るまでの一貫性を高め、人財の獲得や戦力化までのリードタイム短縮、離職コストの抑制といった経営効果を生み出すことを狙っています。

 

 

 

 当社グループでは、Gallup社の従業員エンゲージメントサーベイを通じ、「対話」「期待の明確化」「成長機会提供」を重視する施策を展開しています。これは単なる働きやすさ向上ではなく、戦略実行力を高めるための経営投資であり、MTP3が掲げる収益成長・資本効率向上の「見えないインフラ」として機能しています。

 

 以上の人的資本戦略を貫く価値基準はコア・バリューである「INTEGRITY」です。「INTEGRITY」は単なる標語ではなく、地域・文化・組織を超えた信頼と協働を支える基盤となっています。この「INTEGRITY」を核とした企業文化の浸透は、グローバルで一貫した顧客価値の提供を可能にし、当社グループの競争優位の源泉となっています。

 

②従業員の報酬(賞与を含む。)その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

 

 当社グループは、優秀な人財の確保及び継続的な動機付けを目的として、外部市場との競争力と社内の公平性を重視した報酬制度を構築しています。従業員の基本報酬については、外部調査会社が実施する従業員報酬サーベイデータを参照し、各国におけるテクノロジー企業の基本報酬水準の50パーセンタイルを目安として水準を設定します。

 昇給率については、外部調査会社による国・地域別の昇給率予測を参考に、各国の労働市場環境や経済状況を踏まえて国別に決定します。個人別の昇給(降給)額は、当該国・地域において定められた昇給率及び各従業員の考課結果、賃金規程等に基づき決定され、原則として年1回昇降給を実施します。

 賞与については、アドバンテストグループ全体の業績との連動性を重視し、営業利益率を基準としてグローバルで共通の算定方法により支給水準を決定します。賞与の支給水準は、営業利益率が20%に達した場合に最大となる設計としています。賞与についても各従業員の考課結果等を反映させています。

 また、幹部従業員等に対しては、対象者のインセンティブを高め、中長期的企業価値の向上を株主と共有するため、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。

 

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

前連結会計年度末比増減

(人)

テストシステム事業部門

4,313

(242)

-

(-)

サービス他部門

2,708

(116)

-

(-)

全社(共通)

220

(31)

-

(-)

合計

7,241

(389)

240

(2)

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。なお、当連結会計年度より、従来、臨時雇用者数に含まれていた派遣社員数を控除しております。比較対象年度の臨時雇用者数においても、派遣社員数を控除して、前連結会計年度末比増減を算定しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属している人員であります。

3.当社グループは、当連結会計年度より、報告するセグメント情報を「テストシステム事業」及び「サービス他」の2つへと変更いたしました。詳細については、連結財務諸表注記「6.セグメント情報」に記載のとおりであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

前事業年度末比増減

(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数

(年)

平均年間給与

(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,033

(290)

45

(15)

45.68

20.16

10,977,033

4.6

 

セグメントの名称

従業員数(人)

テストシステム事業部門

1,535

(219)

サービス他部門

278

(40)

全社(共通)

220

(31)

合計

2,033

(290)

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しております。なお、当事業年度より、従来、臨時雇用者数に含まれていた派遣社員数を控除しております。比較対象年度の臨時雇用者数においても、派遣社員数を控除して、前事業年度末比増減を算定しております。

2.平均年間給与は、税込み支給額で、基準外給与及び賞与を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属している人員であります。

4.当社は、当事業年度より、報告するセグメント情報を「テストシステム事業」及び「サービス他」の2つへと変更いたしました。詳細については、連結財務諸表注記「6.セグメント情報」に記載のとおりであります。

 

③労働組合の状況

 当社及び連結子会社には、アドバンテスト労働組合等が組織されており、アドバンテスト労働組合は全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に加盟しております。
 なお、労使関係について特記すべき事項はありません。

 

 

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異
a. 提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休

業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)3

全労働者

正規雇用労働者

非正規雇用労働者

4.5

60.0

72.2

74.1

55.9

(注)1.(1)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

(2)提出会社からの出向者を含み、提出会社への出向者を含んでおりません。

2.(1)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

(2)提出会社からの出向者を含み、提出会社への出向者を含んでおりません。

(3)子供の出生時に最大5日間取得できる特別有給休暇取得者は含んでおりません。
(参考)2025年度の男性社員の育児休職又は特別有給休暇の取得率:80%

2025年度の男性社員の育児休職取得者の平均取得期間:53日

3.(1)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

(2)「正規雇用労働者」とは、正規雇用の従業員であります。

(3)「非正規雇用労働者」とは、嘱託(有期、無期)及びパート・アルバイトであります。

(4)「全労働者」とは、正規雇用労働者及び非正規雇用労働者であります。

(5)男女の賃金の差異における労働者には、以下を含んでおりません。
・取締役(社外取締役含む)
・執行役員
・提出会社への出向者
・提出会社からの出向者

(6)男女の賃金の差異における賃金は、手当等を含んだ給与の総支給額及び賞与支給額で算出しております。

(7)男女の賃金の差異(%)=女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100として算出しております。

(8)男女の賃金の差異が生じている背景として、正規雇用労働者においては管理職中の女性比率が全労働者中の女性比率と比べて低いこと、育児短時間勤務を選択する労働者に女性が多いこと、非正規雇用労働者においては定年後に再雇用された労働者の賃金が定年時の賃金に準じていることにより、正規雇用労働者の賃金の差異の影響を受けていることなどがあります。

4.当社グループの女性管理職比率を含む人的資本に関するその他の指標は、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般 ⑤指標及び目標」に記載しております。

 

(参考)当社グループの女性管理職比率及び男性社員の育児休職取得率向上のための取り組み

 当社グループでは、常に多様な価値観を受け入れ、人種・性別・年齢・国籍などに関係なく活躍できる企業風土づくりを推進しています。2026年3月末現在で全従業員のうち女性の割合は全体の22.6%(前連結会計年度末22.0%)、管理職における割合は10.7%(前連結会計年度末9.7%)であり、女性従業員の採用と管理職に占める女性比率のさらなる向上が課題です。

 当社では、もともと男性比率が高い技術系の学生の採用が多く、従来の採用活動では女性が当社に応募するための動機付けができていませんでした。こうした状況を踏まえて、特に技術系の女性に対して当社の魅力を伝えることに注力し、女性向けのPRを強化しています。ウェブサイトや採用パンフレットでも女性社員の活躍を広く伝え、また、就職イベントでは、女性向けの制度やキャリアプランなどの説明を行い、アドバンテストの女性社員がどのように活躍しているかを紹介しています。

 また、社員には様々なライフステージの変化があることを踏まえ、個々人の状況に応じて柔軟な働き方ができるようワークライフ・バランスへの取り組みに力を入れています。

 テレワークを必要に応じて活用するほか、育児・介護との両立支援制度として、100%有給保証の妊娠通院・妊娠障害休暇制度、法定を上回る水準の育児休職、介護休職制度、短時間勤務制度などを整備しています。

 

 男性の積極的な育児参加支援としては、子育て中の男性社員やその上司向けの個別相談、育児関連制度の案内、育児休職取得の意思確認や取得する際のサポートを行っています。また、2022年度から子の出生後8週間以内に育児休職を取得した場合、4週間を限度として育児休職補助金を支給することを制度化しました。

 

 取り組みの詳細については、当社グループホームページに掲載している統合報告書及びサステナビリティレポートをご参照ください。

  統合報告書(https://www.advantest.com/ja/about/annual.html)

  サステナビリティレポート(https://www.advantest.com/ja/sustainability/report/)


b. 国内子会社

 国内子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象でないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般

①基本的な考え方

 「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載したとおり、当社グループは、中長期経営方針「グランドデザイン」にて、「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ」をビジョン・ステートメントとしています。このビジョンを体現する企業であるべく、当社グループは、顧客課題の解決を軸としながら、サステナブルな社会実現につながる各種取り組みを今後一体的に推進します。そして同時に、当社グループを取り巻く各ステークホルダーの期待や要請を事業活動に適切に反映していくことで、当社グループの存在意義や提供価値を経済的にも社会的にもバランスよく、かつ多面的に拡大することを目指します。

 

<ステークホルダー>

 当社グループは、経営理念と中長期的に当社グループ事業に与える影響度に鑑み、株主・資本市場、従業員、顧客、サプライヤー、パートナー、地球環境を、重要なステークホルダーと位置づけています。

 

<ステークホルダーへの提供価値>

 当社グループが主要なステークホルダーに提供すべき価値の主なものは以下と分析しています。当社グループはステークホルダーにこれらの価値を提供するとともに、ステークホルダーに負の影響を与える事象を発生させないよう取り組むことで、ステークホルダーからさらなる信頼を勝ち得るよう努めます。

 

ステークホルダー

提供価値(アウトカム)

株主・資本市場

 - 中長期的な企業価値の向上

従業員

 - 従業員満足度の向上

顧客

 - 顧客課題の解決を通じた顧客の事業成長への貢献

 - 顧客の環境課題改善への寄与

サプライヤー

 - 事業成長機会の拡大

 - 持続可能な社会価値の共創

パートナー

 - エコシステム/ビジネスパートナー:パートナーとの協働を通じた業界における課題解決、相互の事業成長機会の促進

 - 地域社会:人々がより豊かに暮らせる社会づくりへの貢献

地球環境

 - 持続可能な地球環境への貢献

 

 また、当社グループがサステナブルな社会実現への貢献と自社の成長の両立を果たすためには、事業活動を通じたステークホルダー価値の創造に加え、企業価値向上の基盤となるグループ・ガバナンスをさらに強化していくことが不可欠と認識しています。この考えに沿い、当社グループは、法令遵守や企業倫理の徹底を含めた責任ある事業活動の遂行、コーポレート・ガバナンスの高度化、及びリスクマネジメントの強化といった取り組みを推進します。

 

②戦略

 当社グループは、社会的貢献拡大とステークホルダーへの提供価値のさらなる創造を図るという観点のもと、「The Advantest Way」の構成要素として「サステナビリティ基本方針」を策定し、これを基盤にサステナブル経営の推進に努めています。

 さらに、当社グループは、サステナビリティ課題への対応を中期経営計画における戦略の1つと位置づけています。サステナビリティに関する中長期的なリスクや課題、機会について、評価を実施し、経営会議において審議しています。また、個々の目標やありたい姿を中期的な行動計画として設定することで事業成長戦略と社会課題解決に向けた取り組みを一体的に推進しています。

 

<サステナビリティ関連のリスク及び機会>

 当社グループは、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に注視すべき影響を与え、投資家の判断に影響を与える合理的な可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会の識別を行いました。当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別する上で、気候変動に係る検討において一部シナリオ分析を行っております。

 サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別するにあたり、当社グループのバリューチェーンを整理した上で、国内外における各種公表資料及び当社グループと同じ産業において事業を営む企業による開示情報等を参照し、当社グループにとって重要である可能性のあるサステナビリティ関連のリスク及び機会を網羅的に整理・把握しました。これらのリスク及び機会を基に、社外ステークホルダーとのコミュニケーションや、関連するCxO(注)及び部署との協議を通じて各リスク及び機会の重要性を判定しました。サステナビリティ関連のリスク及び機会の重要性は、発生する可能性が高い時間軸を短期・中期・長期のいずれかに区分した上で、発生した場合に財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与え得る影響を踏まえて評価しております。重要と判定したサステナビリティ関連のリスク及び機会、並びに重要性判定のプロセスについては、経営会議において審議の上、取締役会に報告を行っています。サステナビリティ関連のリスク及び機会の重要性については毎年度再評価を行い、必要に応じて具体的な目標をサステナビリティ行動計画に反映していく予定です。

サステナビリティ関連のリスク及び機会の重要性を評価した結果、当社グループとして優先的に取り組むべき項目を以下のように特定しています。そのうち、特に重要と思われる、気候変動、バリューチェーン内の労働者、自社の従業員について、「(2)気候関連の取り組み」「(3)人権の尊重」「(4)人的資本」において、それぞれ現状の課題認識及び取り組みを記載しています。

(注) Chief Officerの総称であり、グローバル本社機能における各ファンクションの責任者を指します。

項目

リスク

機会

気候変動

・気候変動に起因する災害による物流インフラや生産への影響、甚大な損失の発生及び事業機会の喪失

・気候関連規制への対応や再生可能エネルギー導入拡大に伴う事業コスト増加

・当社グループ製品のエネルギー効率が顧客の要求水準を満たさない、あるいは、他社に劣る場合の販売への悪影響

・当社グループ製品の高いエネルギー効率の実現を通じた、顧客の信頼向上と事業機会の拡大

 

汚染

・環境関連規制遵守のための費用や環境事故等が発生した場合の対応費用の発生、及び評判の毀損

-

サーキュラー
エコノミー

-

・製品の再利用戦略による、サステナビリティに係る新たなビジネスモデルの創出、ブランドイメージの向上や環境意識の高い顧客の開拓

自社の従業員

・会社の魅力低減による人財流出、採用難、それに伴う労働生産性・技術優位性の低下

・労働安全衛生管理の不備・怠慢に起因する労働災害・事故による、従業員の安全及び事業継続への影響

・コンプライアンス違反や人権侵害が発生した場合の事業への影響及び信用の低下

・ジェンダーエクイティ推進の不足に起因する従業員満足度やエンゲージメント、モチベーションへの悪影響、また、これに伴う効率的な事業運営の阻害

・充実した育成制度やワークライフ・バランスによる採用機会の拡大及び継続的なトレーニング・研修を通じたさらなる競争力の強化

・多様な人財の活用によるイノベーションや成果、課題解決力の向上

・ポジティブな職場環境の促進及び労使間のオープンなコミュニケーションを通じた従業員のコミットメントとパフォーマンスの向上

バリューチェーン内の労働者

・児童労働、劣悪な労働環境、紛争鉱物の使用等、サプライチェーンにおける人権侵害に関わる事象に伴う事業への影響及び信用の低下

-

 

<サステナビリティ行動計画2024-2026>

 当社グループのサステナビリティ推進に向けて、顧客価値向上など事業上の価値創造に関わる課題、人的資本高度化など事業基盤の強化に関わる課題、経営執行体制の見直しなど経営基盤強化に関わる課題、社会・環境面における規制やリスク対応に関する課題、サステナビリティに関する国際開示基準の動向などを踏まえ、ステークホルダーと自社の双方の観点から今後重要と認識した課題を抽出し、これを中期経営計画の下位計画となる「サステナビリティ行動計画」として整理しています。さらに「サステナビリティ行動計画」において個々の課題ごとに設定した目標の達成に向け、活動を戦略的に推進しています。当社グループにおける重要性の変化に応じ、「サステナビリティ行動計画」における活動項目及び目標は定期的に見直されます。

 

 2024年度を初年度とする第3期中期経営計画(MTP3)における「サステナビリティ行動計画」の内容及び目標については、⑤指標及び目標を参照ください。

 

③サステナビリティに関する推進体制とガバナンス

 当社グループは、「The Advantest Way」の構成要素である「サステナビリティ基本方針」に基づき、中期経営計画期間中に達成すべき具体的な目標を「サステナビリティ行動計画」として設定し、Group CEOを含めた各CxOを個々の課題の責任者として全体の活動を推進しています。さらに、「サステナビリティ行動計画」を各ユニット単位での毎年の具体的な事業計画へ落とし込むことで、全体の取り組みを着実に進捗させるよう努めています。

 サステナビリティに関する取り組みをグループ全体で機動的に推進していくために、当社グループは、経営会議直結の組織である「サステナブル経営推進ワーキンググループ(SMWG)」を2020年度より設置しています。この組織は、主要なビジネス・ユニット、ファンクショナル・ユニット、リージョナル・ユニットのリーダーで構成される全社委員会であり、Group CEOが統括リーダーを務め、環境についてはCSRO(Chief Stakeholder Relations Officer)、社会についてはCHO(Chief Human Capital Officer)、ガバナンスについてはGroup COOが、それぞれ所管領域に関する責任を担っています。SMWGにおいて、当社グループとしてのサステナビリティ関連のリスク及び機会の重要性分析や、各ユニットにおいて認識されたサステナビリティ関連の課題等を基に、全社横断的に対処すべきサステナビリティ課題について定期的に協議し、アップデートを行うことで、サステナブル経営のさらなる推進と深化を図っています。当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組みは、その全体の進捗状況が定期的に経営会議に報告され、必要に応じて是正策の検討がなされています。また、重要と判定したサステナビリティ関連のリスク及び機会、並びに重要性判定のプロセスについては、経営会議において審議の上、取締役会に報告されています。

 サステナビリティ関連のリスク及び機会に対応するために定めた戦略を適切に監督するため、必要なスキル及びコンピテンシーが経営層及び関係部署に備わっているかを定期的に確認しています。具体的には、気候変動を含む環境に関する研修・教育の受講状況や、外部専門家の助言活用の有無、関連法規や業界動向の把握体制等を評価しております。また、必要に応じて人財の採用や既存人財への継続的な能力開発も実施しています。

 これに加え、役員報酬制度として、当社グループの経営理念及びビジョンのもと、企業価値向上に資する制度とすることを目指し、2024年6月に報酬制度を一部変更し、業績連動型株式報酬の副指標の一つとしてサステナビリティ評価を採用しています。報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照ください。

 

サステナビリティに関する推進体制(提出日現在)

 

 

Group CEO: Group Chief Executive Officer、CSRO: Chief Stakeholder Relations Officer、CHO: Chief Human Capital Officer、Group COO: Group Chief Operating Officer

 

 

④リスク管理

 当社グループは、経営会議において、サステナビリティ課題のリスクと機会について議論をしています。

 当社グループのリスクマネジメントにおけるプロセス詳細は、「3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント」に記載のとおりであります。サステナビリティに関わる重要なリスクに関しても、経営会議における定期的な課題把握及びSMWGが各ユニットの施策立案と活動をサポートすることを通じ、他の事業リスクと同等の体制でマネジメントされます。サステナビリティに関する重要な機会については、リスクと同様に経営会議で把握し、SMWGが具体的な戦略策定と、機会の実現に向けた活動をサポートする体制としています。

 気候変動に関するリスク及び機会の管理については、「(2)気候関連の取り組み ④リスク管理」に記載しております。

 

⑤指標及び目標

 当社グループが重要と認識するサステナビリティ領域・課題、及びそれらの指標や目標については、統合報告書やサステナビリティレポート等を通じ、ステークホルダーに対し適時適切な情報開示となるよう努めています。

 

<「サステナビリティ行動計画2024-2026」2025年度の結果>

 2024年度以降の当社グループのサステナビリティに関する中期的な取り組みの全体像及びそれぞれの中期目標は以下のとおりです。

 サステナビリティに関する新たな中期的な行動計画の策定にあたっては、中長期経営方針「グランドデザイン」及び第3期中期経営計画(MTP3)と連動した取り組みとなるよう、取り組むべきテーマをステークホルダーへの提供価値拡大という観点に基づくものへ全面的に再編するとともに、それら各テーマに対する中期目標を新たに設定しています。「サステナビリティ行動計画2024-2026」の中で、②戦略<サステナビリティ関連のリスク及び機会>に記載の評価に基づき、当社グループとして主要な項目として認識し開示する提出日現在におけるKPI、目標値及び2025年度実績は以下のとおりです。2025年度実績の確定値については、2026年10月を目途に、当社グループのホームページ上で掲載予定です。今後、サステナビリティ関連のリスク及び機会に係る評価に基づき、行動計画の内容も随時更新されます。

 

 

ステークホルダー

重点テーマ

目標

担当

役員

(注1)

KPI

目標値

(2026年度)

結果

(2025年度)

従業員

多様性の尊重

ジェンダー・ダイバーシティの推進

CHO

女性管理職比率

(注2)

11%

10.7%

従業員エンゲージメント

魅力ある企業文化の醸成、浸透

CHO

離職率

自己都合離職率がMTP2期間平均(5.9%)を下回る

4.5%

CHO

Gallup社サーベイのスコア(注3)

3.80

3.76

(2024年度結果)

人財への投資

Advantest Development Frameworkに基づく育成推進

CHO

教育・研修費用

8.0億円

8.1億円

サプライヤー

サプライチェーンにおける人権の尊重、公正な取引

サプライチェーンにおけるサステナビリティの浸透

CSCO

指定取引先に対するデュー・ディリジェンスの実施率

(注4)

100%

100%

地球環境

温室効果ガス排出削減(スコープ1+2)

スコープ1+2におけるGHG排出量削減

CSRO

GHG排出量削減率

65%減

(2018年度比)

78%減

提出日現在の概算値

再生可能エネルギーの導入

CSRO

再生可能エネルギー導入率

80%

88%

提出日現在の概算値

サーキュラーエコノミーへの貢献

3Rの推進によるリサイクル率の向上

3R:Reduce/Reuse/Recycle

CSRO

廃棄物リサイクル率(日本・海外)

日本: 90%以上
海外: 73%以上

日本: 95%
海外: 69%

提出日現在の概算値

全社の水使用量を2016年度の水準に維持する

CSRO

水資源使用量

288,000㎥/年 以下

291,153㎥/年

提出日現在の概算値

 

重点テーマ

目標

担当

役員

(注1)

KPI

目標値

(2026年度)

結果

(2025年度)

ガバナンス

責任ある事業活動の徹底

公正かつ透明性の高い職場の実現

CCO

コンプライアンスサーベイ(注5)における『内部通報窓口の利便性が向上した』との回答率(注6)

50%以上

82.8%(2024年度結果)

労働安全衛生の維持・向上

CHO

重大な(休職に至る)労働災害発生率(LTIR:Lost Time Incident Rate)

0

0.34

 

 

(注)1.担当役員一覧は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 ①役員一覧」に記載のとおりであります。

2.提出会社の女性管理職比率は、「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等」に記載しております。

3.グループ全体でのサーベイは3年に1回実施しております。今回は2024年度実施のサーベイのスコアを記載しています。

4.取引金額ベースで上位85%を占めるTier1サプライヤー及びそれらの主要サプライヤーであるTier2サプライヤーに対してデュー・ディリジェンスを実施します。これらのサプライヤーを指定取引先として定めています。

5.グループ全体でのコンプライアンスサーベイは3年に1回実施しております。

6.全従業員が内部通報窓口の利用を希望するものではないことを踏まえ、内部通報窓口の利便性向上について「知らない」とした回答を除き算出しております。

 

(2)気候関連の取り組み

①全般的情報

 気候関連のリスク及び機会を識別するにあたり、各種スタンダードや同じ産業において事業を営む企業によって開示された情報を考慮するため、当社グループに関連する産業を特定しました。当社グループが行う事業及びビジネスモデルがテストシステム製品群とテストハンドラやデバイスインタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売であること、また、当社グループが半導体製造装置市場において事業を展開していることに鑑み、当社グループに関連する産業として、半導体産業を特定しています。

 当社グループは、気候関連のリスク及び機会を識別するにあたり、国内外における各種公表資料及び当社グループと同じ産業において事業を営む企業によって開示された情報を考慮しています。

 その結果、当社グループの見通しに注視すべき影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会として、次のリスク及び機会を識別しています。

 

気候関連のリスク

(A) 気候変動に起因する災害による物流インフラや生産への影響、甚大な損失の発生及び事業機会の喪失

(B) 気候関連規制への対応や再生可能エネルギー導入拡大に伴う事業コスト増加

(C) 当社グループ製品のエネルギー効率が顧客の要求水準を満たさない、あるいは、他社に劣る場合、販売への悪影響

 

気候関連の機会

(A) 当社グループ製品の高いエネルギー効率の実現を通じた、顧客の信頼向上と事業機会の拡大

 

 識別したリスク及び機会の重要性については、定量的な観点と定性的な観点の双方から判断することで適切な評価となるよう努めています。また、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載の事業等のリスクと同様、発生する可能性が高い時間軸を短期・中期・長期のいずれかに区分した上で、発生した場合に財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与え得る影響を踏まえて影響度を評価しています。当社グループが所属する半導体産業の特性、中期経営計画などを踏まえ、評価に用いる時間軸を「短期」(1年以内)、「中期」(2-3年)、「長期」(3年超)として設定しています。

 気候関連のリスク及び機会に関する重要な情報を識別するにあたっては、株主・資本市場、従業員、顧客、サプライヤー、パートナーとの対話、そして地球環境への影響に関する検討を経て決定しています。

 

②ガバナンス

 当社グループ全体の気候関連目標は、「サステナビリティ行動計画」において定められており、同行動計画は経営会議における議論及び承認を経て策定されています。同行動計画における気候関連目標は、国内外における各種公表資料を参照しつつ、業界団体における環境関連コンソーシアム等の動向を踏まえながら毎年見直した上で、定期的に経営会議において進捗状況をモニタリングしています。気候関連を含むサステナビリティ全般に係るガバナンスの詳細については、「(1)サステナビリティ全般③サステナビリティに関する推進体制とガバナンス」を参照ください。

 当社グループの経営理念及びビジョンのもと、企業価値向上に資することを目指し、役員報酬制度における業績連動型株式報酬の副指標の一つとして気候関連のリスク及び機会に関連する中期経営目標(KPI)の達成度によるサステナビリティ評価を採用しています。報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照ください。

 

 

 

③戦略

 当社グループは、気候関連のリスク及び機会を検討する上での「短期・中期・長期」の時間軸について、①産業の特性、②意思決定や資本配分計画に通常用いられる期間、③主要な利用者が企業の評価を行う時間軸を検討・整理しました。その結果、短期を1年以内、中期は2-3年、長期を3年超と整理しています。
 

<気候関連のリスク及び機会>
気候関連のリスク (A)
気候変動に起因する災害による物流インフラや生産への影響、甚大な損失の発生及び事業機会の喪失


(ビジネスモデル及びバリューチェーンに与える影響)

 気候変動に起因する自然災害は、自社及びサプライチェーンにおける生産の停止、物流インフラの遮断、工場や機械などの自社資産の毀損等、当社グループの事業活動へ影響を与えることが想定されます。

 

(財務的影響)

・現在の財務的影響

 気候変動に関連する災害に起因した保有資産の毀損・事業機会の喪失は当連結会計年度において発生しておらず、当該リスクによって報告日現在の財務諸表に影響は生じておりません。

 一方で、日本国内の拠点の一部において、気候変動に関連する災害に対する防災対策を当連結会計年度に実施しております。防水板の設置等の対策を実施したことにより、約130百万円の有形固定資産を取得しているとともに、約138百万円の費用を支出しています。

・将来の予想される財務的影響

 当社グループは、気候変動に関連した災害が発生することによって保有資産を毀損する可能性及び各事業拠点における操業に困難が生じることで事業機会を喪失する可能性を気候関連の物理的リスクと識別しています。

 気候関連の物理的リスクが将来に与える影響の評価にあたっては、世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価ツール「Aqueduct」を用い、50年に一度、また、100年に一度の確率で発生するような激甚洪水の発生可能性とその浸水深予測を評価のベースシナリオとしました。また、国土交通省発行「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」も参照しました。

 当該シナリオでは、日本及びマレーシアに所在する一部生産拠点において浸水被害が生じる可能性があり、その結果、建物・設備等の固定資産や生産・保守用機材等の棚卸資産を毀損する可能性があると認識しています。さらに、被災した拠点における設備復旧や代替地生産の準備が整うまでの期間において、売上機会の喪失が発生する可能性も同時に認識しています。なお、前連結会計年度の有価証券報告書において浸水被害が生じる可能性があると判断したEssai, Inc.については、最新のデータに基づき分析を行った結果、浸水被害が生じる可能性はなくなったと判断しています。

 これらの物理的リスクに伴う財務的影響の把握にあたっては、当社グループの事業拠点及び当社グループのサプライチェーン主要拠点における激甚洪水の発生確率と、当該拠点に有する資産規模(有形固定資産)を評価指標とし、高リスク拠点の特定と影響評価を行っています。

 当連結会計年度においては日本及びマレーシアの一部生産拠点と外注先を高リスク拠点として特定いたしました。当該高リスク拠点において激甚洪水が同時に発生する場合、総資産において約96億円を毀損する可能性、売上高において約467億円が減少する可能性があると試算しております。

 

(戦略及び意思決定に与える影響)

・浸水防止措置の実施

 識別した洪水リスクについて、その影響を回避、若しくは最小限にすることを目的とし、日本における複数の拠点にて、水害対策を行いました。なお、今後、サプライチェーン全体における影響評価及び対策の検討も進めていきます。

・体制強化

 2025年9月、全社的な危機における意思決定をより迅速に行うため、危機管理本部をCxO体制のもとで対応を行う体制へと再編しました。また、従来型BCPからオールハザード型BCP(注)への移行を通じ、気候変動による影響を含めたあらゆる災害に対応できるよう対策を行い、レジリエンスの向上に努めています。今後、当社グループの重要拠点や重要部門における緊急対応計画、危機管理計画、事業継続計画等の文書作成、維持管理を進めていきます。

(注)オールハザード型BCP:特定の危機事象に対するアプローチではなく、従業員や設備の被災・本社機能の一時停止など、経営資源の毀損に焦点を当て、事業を継続・復旧させるための計画

 

気候関連のリスク(B)

気候関連規制への対応や再生可能エネルギー導入拡大に伴う事業コスト増加

 

(ビジネスモデル及びバリューチェーンに与える影響)

 当社グループは、気候変動の深刻化に伴い、各国において気候関連規制が強化され、また、主要得意先から、グリーンエネルギーを用いた製造に関する要請が増加する中、これらの規制対応や再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、事業コストが増加するリスクを識別しています。

 

(財務的影響)

・現在の財務的影響

 当社グループ全体で使用するエネルギーの再生可能エネルギーへの転換を進めており、再生可能エネルギーの調達のために費用を支出しています。

・将来の予想される財務的影響

 当社グループは、各国・地域における気候関連規制の強化や、参入市場でのバリューチェーンにおける要請から事業コストが将来増加する可能性を、気候関連の移行リスクのひとつと識別しています。当社グループにおいて発現可能性が高いと現時点で予想している気候関連の追加的な事業コストは、主に炭素税です。また、当社グループが気候関連規制の強化やバリューチェーンにおける要請から生じるコストのすべてを直接的に負担するものではありませんが、バリューチェーン内の負荷移転による間接的なコスト上昇の可能性を認識しています。当社グループが直接的に負担する可能性が高い炭素税については、中長期的に、当社グループの年間営業利益に16百万円-85百万円の影響が生じる可能性があると試算しています。

 これら法規制あるいは社会的・産業的要請に端を発する移行リスクについては、各国・地域における規制内容や市場要請自体の将来の不確実性が高く、網羅的なリスクシナリオの策定及びその財務的影響度予測は困難です。

 当社グループは、法規制あるいは社会的・産業的要請に端を発する移行リスクに対し、次項(戦略及び意思決定に与える影響)に記載のとおり、先駆的にリスク低減に取り組むことでその影響を最小限にする対策を講じています。

 

(戦略及び意思決定に与える影響)

 当社グループは、当該リスクに対し、自社のGHG排出量の削減や製造工程における生産効率の改善、生産拠点における再生可能エネルギー設備の導入、再生可能エネルギーの購入、物流・輸送の脱炭素化推進等を通じて、その影響を最小限にする対策を講じています。また、当社グループは、炭素税の賦課や製品に対する環境基準の設定等を含む気候関連規制への対応を見据え、GHG排出量削減に向けた活動を推進しています。
・スコープ1+2に関する目標及び取り組み

 当社グループは、自社の事業活動におけるスコープ1+2のGHG排出量を2050年度にゼロにするという目標を掲げています。また、2026年度までにスコープ1+2GHG排出量を2018年度比で65%削減することを中間目標として設定しており、この中間目標を2024年度に前倒しで達成しました(2024年度実績:2018年度比76%削減)。

 当社グループは、国際イニシアチブ「RE100」に参画しており、事業活動における使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指しています。グループ全体における再生可能エネルギー導入率を2026年度までに80%とすることを目標として、各拠点で取り組みを進めた結果、2024年度にグループ全体として再生可能エネルギー導入率87%を達成し、2025年度は再生可能エネルギー導入率88%(提出日現在の概算値)を達成しています。

 再生可能エネルギー導入に関する今後の取り組みとしては、非化石証書の購入や再生可能エネルギー設備の導入を予定しています。
・スコープ3に関する考え方

 サプライチェーンを含めた、当社グループが関与するGHG排出量の一層の削減に向けて、新たな目標設定を含め取り組みを今後強化していく予定です。

 

気候関連のリスク(C)

製品のエネルギー効率が顧客要求水準を満たさない、あるいは他社に劣る場合、販売への悪影響
 

気候関連の機会(A)

当社グループ製品の高いエネルギー効率の実現を通じた、顧客の信頼向上と事業機会の拡大

 

(ビジネスモデル及びバリューチェーンに与える影響)

 当社グループは、環境性能向上のための研究開発活動を推進しております。これにより、既存製品の消費電力等の環境性能が向上するとともに、環境性能の高い新製品の開発・展開が可能となると考えております。これらの取り組みにより、顧客からの信頼性向上や当社グループ製品の選定につながり、売上高の増加に寄与する可能性があります。

 一方、当社グループ製品のエネルギー効率が顧客の要求水準を満たさない場合や、競合他社製品と比較してエネルギー効率で劣る場合には、顧客からの信頼性が低下する可能性があります。また、顧客の社内選定基準を満たさないことにより、当社グループ製品が選定されなくなることも想定されます。その結果、製品の販売台数が減少し、売上高が減少する可能性があります。

 

 

(財務的影響)

・現在の財務的影響

 当連結会計年度における当社グループの研究開発費は78,140百万円であります。環境パフォーマンスの改善に係る投下費用と、それ以外の性能改善に係る投下費用を明確に区分することが困難であることから、研究開発費の総額を開示しています。

・将来の予想される財務的影響

 当社グループは、当社グループの顧客を含む半導体サプライチェーン全体においてエネルギー効率改善に向けた取り組みが進展している中、当社グループ製品のエネルギー効率が顧客の期待を満たさない場合、又は競合他社製品に比して劣る場合、当社グループ製品の販売に影響が生じるリスクを、気候関連の移行リスクのひとつと識別しています。

 一方、当社グループ製品のエネルギー効率が優れる場合には、顧客からの信頼向上や市場からのレピュテーション向上を通じ、当社グループ製品の販売機会がさらに拡大する可能性があります。とりわけ近年、AIサーバーやデータセンタ向けの高性能半導体の需要が旺盛に拡大する中、それらの半導体が消費する電力量に対して社会的注目が集まっています。こうした背景のもと、半導体サプライチェーンにおいても一層の環境負荷低減を目指す取り組みが今後進展すると予想しています。半導体テスト工程においても、環境パフォーマンスの高いソリューション、すなわち環境負荷に対し、テスト性能とテスト効率を従来製品よりも改善した製品への期待がハイエンド製品を中心に今後さらに高まっていくと考えられます。

 したがって、半導体バリューチェーンにおける脱炭素化推進意欲やエネルギー効率向上目標、及び環境パフォーマンスに関する当社グループ製品の顧客訴求力が、当社グループの将来の売上高や研究開発費に影響を及ぼす可能性が高いと見込んでいます。
 当該リスク及び機会がもたらす将来の財務的影響を合理的に見積もることは、現時点では困難です。半導体需要の根源をなすマクロ経済に今後の不確実性が高いこと、半導体市場及び半導体テスト市場への影響度の強いAI産業やデータセンタの今後の投資規模や技術進化ペースを予見し難いことに加え、半導体バリューチェーンにおける脱炭素化推進意欲やエネルギー効率向上目標がどのように半導体テスト需要に影響するかを定量的に予測することが困難であることが理由です。

 当社グループの半導体テスト製品は、大規模電子計測システムとして、計測精度、スループット、消費電力、フットプリント等のスペックを総合的・一体的に引き上げるべく開発が行われています。そのため、環境パフォーマンスの改善に向けた取り組みに関する投下費用と、それ以外の性能改善に向けた取り組みに関する投下費用を、明示的に区分することが困難です。

 これらの理由により、気候変動に関する将来の製品需要及び研究開発費用の見積もりは、その測定不確実性の程度があまりにも高く、有用な定量的情報の提供が非常に困難であると判断しています。

 

(戦略及び意思決定に与える影響)

 当社グループは、将来の市場動向や技術進展に先駆的に対応するための投資を今後増強していく方針です。具体的には、研究開発関連使途として、売上高に対し10%以上を投下することを目途としています。製品のエネルギー効率を向上する取り組み、あるいは半導体製造における環境負荷低減の取り組みは、この研究開発関連投資の対象に含まれます。具体的には以下のような活動を展開しています。

 当社グループは、すべての製品を対象に製品環境アセスメントを実施しており、省エネルギー・省部材・小型化、リサイクル設計、有害物質の排除等の観点から審査を行っています。さらに、主要な製品については「グリーン製品自主基準」を設定し、通常の製品環境アセスメントに加え、新製品を対象とした評価を実施しています。当該基準では、従来製品と比較して、「省エネルギー・省資源対策」「リサイクル性の向上」「有害物質の排除」の各観点において環境性能が優れている製品をグリーン製品として認定しています。製品設計にあたっては、省エネルギー、省部材及び小型化を重視しており、各製品群において、グリーン製品として認定するための基準を設定しています。

 このような研究開発投資が、当該リスクの影響を将来軽減するとともに今後の事業機会の拡大をもたらすと見込んでいます。また、製品の開発・製造に係る事業活動においても、省エネルギー設備の導入、再生可能エネルギーの活用、製品・部材輸送の物流最適化、サプライチェーンのローカライゼーション等を通じて、GHG排出量の削減を推進しています。

 

<翌連結会計年度において、関連する財務諸表に計上する資産及び負債の帳簿価額に重要性がある影響を与える重大なリスク>

 前述の気候関連のリスク(A)、(B)、(C)及び機会(A)については、いずれも資産の毀損・事業コストの増加・事業機会の喪失及び獲得等に関連する重大な事象の発生を翌連結会計年度において見込んでいるものではありません。したがって、関連する財務諸表に計上される資産及び負債の帳簿価額に重要な影響を与えるリスクは、現時点において認識していません。

 

<測定の不確実性の程度が高い情報が含まれる場合>

 当社グループは、気候関連のリスク及び機会に関する財務的影響の定量的情報を開示するにあたり、将来の半導体需要、環境負荷低減への市場要求、当社グループの研究開発の進展等について合理的な仮定や概算、判断を行う必要がある旨を認識しています。一方で、一部の気候関連のリスク及び機会については、気候関連の要因とその他の要因の影響を明確に区分することが困難であり、影響を見積もる際の測定の不確実性の程度が非常に高いことから、もたらされる定量的情報が有用でないと判断し、現時点では、以下の項目については、財務的影響の定量的情報の開示は行っておりません。

 ・製品のエネルギー効率が顧客要求水準を満たさない、あるいは他社に劣る場合、販売に影響する可能性

 ・当社グループ製品の高いエネルギー効率の実現を通じた、顧客の信頼向上と事業機会の拡大

 こうした判断の背景として、短期、中期及び長期における、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の変化に影響を及ぼす可能性のあるサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する見積値は、主に、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリー及びテストハウスの設備投資に依存すること、また、これらの設備投資の将来動向は不確実であることがあります。これらの設備投資は、半導体に対する将来需要の大きな影響を受けるほか、半導体製造における環境負荷低減に対する要求の高まり、テスト効率の高いテスタへの需要の増加、並びに当社グループの研究開発力等の要因にも左右されます。これらの要因が、当該見込み数値に係る測定の不確実性の源泉となっております。特に、半導体に対する将来需要及びテスト効率の高いテスタ需要は、ボラティリティの高い世界経済のもとで無数のシナリオが存在するため、その不確実性は極めて高いと認識しております。

 

<気候レジリエンス>
 気候レジリエンスとは、気候関連の変化、進展又は不確実性に対応する企業の能力と定義されています。当社グループは、気候変動が事業活動に与えるリスク及び機会を把握するため、複数の将来像を想定した気候関連のシナリオ分析を実施しています。なお、今後も最新の科学的知見や社会・経済動向を踏まえ、シナリオ分析及び気候レジリエンス評価の手法や前提条件について継続的な見直しを行ってまいります。

 当社グループは、気候レジリエンスを高めるため、「サステナビリティ行動計画」において気候変動対策に関連する重点テーマを設定し、課題ごとに設定した目標の達成に向け、戦略的に活動を推進しています。

 気候変動対策の推進においては、顧客や取引先などの社外ステークホルダーとの協働が不可欠であることから、当社グループは、<気候関連のリスク及び機会>に記載のとおり、GHG排出量削減と再生可能エネルギー導入を中心に、気候関連の課題ごとに中期的な目標を定めています。これらの目標を達成し、気候変動対策に貢献するため、社内外のステークホルダーと協力して検討・実行するタスクフォース(TF)を設置し、気候変動課題に対する責任ある取り組みを推進しています。半導体業界の市場における脱炭素に向けた取り組みの規模や速度は依然として不確実ですが、様々な環境の変化に柔軟に対応できるよう、複数のシナリオに基づいて取り組みを検討しています。

 気候レジリエンスの評価の結果、気候関連のリスク及び機会は包括的に対処されており、当社グループは、気候変動に対して、短期、中期及び長期にわたり戦略及びビジネスモデルを調整する能力を有していると認識しています。

 

④リスク管理

 全社的なリスクマネジメント体制は、「3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント」に記載のとおりですが、気候関連のリスクについても本体制の枠組みの中で管理しています。気候変動に関するリスク及び機会の特定・評価・管理のプロセスは、他の主要な経営リスクと同様に全社的リスク管理プロセスへ組み込まれており、経営層への定期的な報告・協議を通じて、継続的なモニタリング及び見直しを実施しています。

 気候関連のリスク及び機会の特定にあたっては、国内外における各種公表資料及び同業他社の開示事例等、多様な外部基準や情報を参照しています。さらに、各種シナリオを参照した上で、リスク・機会が発生する可能性が高い時間軸を短期(1年以内)、中期(2-3年)、長期(3年超)のいずれかに区分し、リスク・機会が顕在化した場合に財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与え得る影響を踏まえて影響度を評価しています。気候関連のリスク及び機会に関する重要な情報を識別するにあたっては、株主・資本市場、従業員、顧客、サプライヤー、パートナーとの対話、そして地球環境への影響に関する検討を経て決定しています。気候関連のリスクについては、定期的に対応の見直しを行い、リスク回避・軽減策の策定及び実行を通じて、適切な対応を図っています。

 これら一連のプロセスを通じ、当社グループは気候関連のリスク及び機会を全社的なリスク・プロファイルの一部として統合的に管理し、企業価値の持続的向上に努めております。今後も、外部環境や社会的要請の変化を踏まえ、リスク管理プロセスの継続的な高度化を図ってまいります。

 

⑤気候関連の指標

a.GHG排出

当社グループは、「GHGプロトコルの企業算定及び報告基準(2004年)」(以下「『GHGプロトコル(2004年)』」という。)を参考にしてGHG排出を測定しています。

 

GHG排出の測定アプローチ

 当社グループは、「GHGプロトコル(2004年)」を参考にしてGHGを測定するにあたり、すべてのGHG排出量について組織境界を定義するため、測定アプローチとして財務支配力基準アプローチを用いています。当該アプローチは、当社グループが採用している財務報告のアプローチ、気候関連のリスク及び機会を識別、評価するにあたり考慮すべき当社グループの事業活動範囲、戦略や取り組みに係る範囲とも整合的であり、最も適切な方法であると考えています。

 

 当社グループは、次の方法によりGHG排出を測定しています。

1.スコープ1GHG排出

 スコープ1のGHG排出量とは、当社グループが所有又は支配する排出源から発生する直接的なGHG排出量を指します。スコープ1の直接的な排出量は、主に輸送活動と生産・開発プロセスによるものです。

 当社グループでは、地球温暖化係数(GWP)の値を、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した第5次評価報告書(AR5)から取得しており、スコープ1GHG排出量の算定に採用する排出係数の選択において、環境省の「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」における排出係数を選択しています。

2.スコープ2GHG排出

 当社グループにおけるスコープ2GHG排出の発生要因は、主に生産・開発プロセスにおける電力の使用によるものです。当社グループは、ロケーション基準によるスコープ2GHG排出量に加え、マーケット基準によるスコープ2GHG排出量を開示しています。

・ロケーション基準

 当社グループでは、国内外の拠点において、「GHGプロトコル(2004年)」を参考にして、GHG排出を測定しています。国内拠点、海外拠点における測定方法はそれぞれ以下のとおりです。

 当社グループの国内拠点においては、当連結会計年度における各拠点の電力消費量に、当連結会計年度末において入手可能な環境省の「電気事業者別排出係数」における全国平均係数を乗じることにより、ロケーション基準によるスコープ2GHG排出を測定しています。
 当社グループの海外拠点においては、当連結会計年度における各拠点の電力消費量に、当連結会計年度末において入手可能な所在国政府機関の公表する排出係数や国際エネルギー機関(IEA)の国別排出係数などを乗じることにより、ロケーション基準によるスコープ2GHG排出を測定しています。
・マーケット基準

 当社グループでは、国内外の拠点において、「GHGプロトコル(2004年)」を参考にして、GHG排出を測定しています。国内拠点、海外拠点における測定方法はそれぞれ以下のとおりです。

 当社グループの国内拠点においては、当連結会計年度における各拠点の電力使用量から、各種契約証書に基づく再生可能エネルギー購入分を控除した残使用量に、当連結会計年度末において入手可能な環境省の「電気事業者別排出係数」における電力契約ごとの排出係数を乗じることにより、マーケット基準によるスコープ2GHG排出を測定しています。

 当社グループの海外拠点においては、当連結会計年度における各拠点の電力使用量から、各種契約証書に基づく再生可能エネルギー購入分を控除した残使用量に、当連結会計年度末において入手可能な所在国政府機関の公表する排出係数や国際エネルギー機関(IEA)の国別排出係数などを乗じることにより、マーケット基準によるスコープ2GHG排出を測定しています。

 

GHG排出の算定期間
 当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)のGHG排出量は以下のとおりです。

 

GHG排出量実績

(単位:千t-CO2e)

 

当連結会計年度

スコープ1GHG排出量(注1)

2.32

スコープ2GHG排出量(注1)

ロケーション基準

45.50

マーケット基準

6.22

(注)GHG排出量は、提出日現在における概算値です。2025年度GHG排出量の確定値は、2026年10月を目途に確定値を当社グループのホームページ上で掲載予定です。
統合報告書(https://www.advantest.com/ja/about/annual.html)
サステナビリティレポート(https://www.advantest.com/ja/sustainability/report/)

 

b.気候関連の移行リスク
 当社グループにおいては、現時点では特定の資産及び事業活動が移行リスクに対して脆弱であるとは言えないと判断しており、気候関連の移行リスクに対して脆弱である資産及び事業活動は、当連結会計年度においては存在しないと認識しております。

 当社グループにおける移行リスクとしては、「気候関連規制への対応や再生可能エネルギー導入拡大に伴う事業コスト増加」及び「製品のエネルギー効率が顧客要求水準を満たさない、あるいは他社に劣る場合、販売への悪影響」を識別しております。

 これらのリスクはいずれも中長期的に発現し、自社の事業に影響を与える可能性が高いと見込んでいる一方で、現時点においては発現しておらず、これらのリスクに関する「将来の財務的影響」において記載のとおり、その不確実性の高さから、具体的にどの事業にどのような影響を与えるかまでは見通せる状況にありません。

 

c.気候関連の物理的リスク

 当社グループにおいては、国内及びマレーシアの拠点が保有する建物・機械装置等の償却資産・棚卸資産、また、日本及びマレーシアの一部の外注先に保管されている棚卸資産を気候関連の物理的リスクに対して脆弱な資産として特定いたしました。

 これらの拠点は洪水の発生可能性と、当該拠点に有する資産規模の観点から、洪水が発生した場合に被害が甚大化する可能性が高いと予想される拠点であるため、当該拠点における保有資産が気候関連の物理的リスクに脆弱であると判断しております。

 なお、当該拠点の特定手法・特定結果については「将来の財務的影響」パートにおける高リスク拠点の特定手法・特定結果と整合的であり、50年~100年に一度の確率で発生するような激甚洪水を対象としております。

 

気候変動の物理的リスク、産業横断的指標

 

当連結会計年度末

物理的リスクに脆弱な有形固定資産の金額

(有形固定資産の総額に占める割合)

96億円

(9.45%)

 

d.気候関連の機会

 当社グループにおいては、高いエネルギー効率などの環境性能の高い製品による販売拡大を、気候関連の機会として認識しています。また、主要な製品については「グリーン製品自主基準」を設定しています。本基準に基づき、環境性能が優れている製品について「グリーン製品」として認定しており、気候関連の機会に整合する事業活動として識別しています。

 

e.資本投下

リスク及び機会

対応する施策

当連結会計年度に
おける投下資本額

気候変動に起因する災害による物流インフラや生産への影響、甚大な損失の発生及び事業機会の喪失

国内の一部拠点における洪水対策工事

約138百万円

製品のエネルギー効率が顧客の要求水準を満たさない、あるいは他社に劣る場合におけるリスク・自社製品のエネルギー効率が高いことに起因する顧客からの信頼向上による機会

エネルギー効率の高い製品(省エネルギー、省部材、小型化)の開発

研究開発費78,140百万円に含まれる

 

f.内部炭素価格

 当社グループは、内部炭素価格を意思決定において用いておりません。

 

g.報酬
 当社グループは、サステナビリティを、ステークホルダーへの提供価値向上・さらなる信頼獲得のために不可欠な要素と捉え、第3期中期経営計画(MTP3)においても「サステナビリティの取り組み強化」を重要な戦略として挙げております。当社グループでは、この戦略の実現を役員に促すために、業績連動型株式報酬(PSU)の副指標としてサステナビリティを設定しております。具体的には、MTP3のサブストラテジーから環境、人財に関するKPIを5つ取り上げ、その達成度を指標として報酬の支給率を決定しております。当該KPIの達成度に関連するPSUの基準値は支給率 10%であり、±5ポイントの範囲で変動し、最小で5%、最大で15%支給されます。これらのKPIのうち、気候に関連するものは3つ含まれており、上記の支給率のうち6%相当±3ポイントが気候関連のKPIの達成度により変動いたします。

 一方、当社グループではPSUの他に基本報酬(金銭報酬)・業績連動賞与(金銭報酬)・譲渡制限付株式(株式報酬)の3種類の役員報酬を設定しており、役員報酬に関する計算の複雑性が高いことから、当連結会計年度に認識された役員報酬の総額から気候に関連するもの及びサステナビリティに関連するものを区分して識別することができません。なお、当連結会計年度に認識された役員報酬の総額(取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対する報酬の総額)のうち、PSUの割合は33.4%です。

 報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照ください。

h.その他の気候関連の指標及び目標

 上記 a.~g.に記載の気候関連情報に加え、当社グループで設定している気候関連の指標及び目標は以下のとおりです。

指標

当連結会計年度

目標(2026年度)

GHG排出量削減率(注1)

78%

(提出日現在における概算値)

65%減(2018年度比)

再生可能エネルギー導入率(注2)

88%

(提出日現在における概算値)

80%

環境性能向上した製品を含むATE製品におけるMarket Share(注3)

65%

58%以上

(注)1.当社グループが作成した、2018年度対比のスコープ1+2排出量の削減率を表すための指標。当該指標は、2018年度スコープ1+2排出量と当連結会計年度のスコープ1+2排出量の差分を2018年度スコープ1+2排出量で除することにより算出している。

2.当社グループが作成した、当連結会計年度における再生可能エネルギーが自社の電力使用量に占める割合を表すための指標。当該指標は、各拠点における再生可能エネルギーの使用量を電力消費量の合計で除することにより算出している。

3.当社グループが作成した、当連結会計年度においてテスタ市場に当社グループが占める売上高のシェアを示すための指標。当該指標は、当該期間における半導体テスタ市場規模に対する当社グループの半導体テスタ売上高の割合として算出している。なお、半導体テスタ市場規模は一定の仮定及び入手可能な情報に基づき当社グループが独自に推定したものである。

 

(3)人権の尊重

 当社グループは、「自社の従業員」及び「バリューチェーン内の労働者」の人権を優先的に取り組むべき重要な項目であると認識しています。

 

①ガバナンス

当社グループにおける自社の従業員の人権課題についてはCHO(Chief Human Capital Officer)をトップとして、グローバル共通の取り組み体制及び各地域個別の取り組み体制を整備しています。

コンプライアンスに関するリスクは、2026年3月31日現在、CCO(Chief Compliance Officer)に情報が適時又は定期的に集約され、CCOから経営会議や取締役会に報告される体制となっていました。また、当社グループでは2023年7月から2026年3月31日までCHOがCCOを兼務していたため、人権擁護・人事苦情処理委員会等に届く人に関するリスク情報も含め、人に関するリスク情報とコンプライアンスに関するリスク情報が一元的に把握される体制となっていました。

なお、2026年4月1日付の体制変更により、提出日現在においては、コンプライアンスに関するリスクはCLO(Chief Legal Officer)が所管しており、CLOの所管のもと、重要な事項については経営会議や取締役会に報告される体制となっています。

 また、人権方針と重点施策の見直しは定期的に行われており、自社のみならずサプライチェーン上でも人権を尊重した事業活動が継続できるよう、サプライヤー選定や取引条件の中にも、人権の項目を取り入れ、責任ある企業行動への協力を要請しているほか、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「サプライチェーンCSR推進ガイドブック」及びレスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)の行動規範を基に策定した「アドバンテストサプライチェーンCSR推進ガイドブック」を発行し、サプライヤーとともに人権や労働に関する国際規範に準拠していけるよう努力しています。CSCO(Chief Supply Chain Officer)をトップとして、サプライチェーンにおける人権の尊重、公正な取引に向けたグローバル共通の取り組み体制及び各地域個別の取り組み体制を整備しています。

2024年4月のGroup CEOの交代に伴い、国際的規範に基づいて、あらためてアドバンテストグループ人権方針の見直しを行いました。改定にあたっては、労働組合を含む社内の関連各部署をはじめ、社外の人権専門家にもヒアリングを行い、意見やアドバイスを踏まえて案を作成し、経営会議で審議・承認の上、改定しました。

 

②戦略

 グローバルに事業を展開している当社グループでは、世界の人々の人権が守られなければ、当社グループのビジネスの持続的な成長が見込めなくなることを認識しています。その考え方は、「The Advantest Way」でも明文化され、国連グローバル・コンパクトの10原則、世界人権宣言及びビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)を含む、国際的に認められた人権に関する原則を支持し尊重するとともに、この行動基準を私たちの事業活動の基盤とすることを約束しています。

当社グループは、サプライチェーンを通じた活動においても人権が尊重されるよう、ステークホルダーとのエンゲージメントも重視しています。人権方針の内容は、調達方針並びにサプライチェーンCSR推進ガイドブックにも反映され、事業により人権に影響を与えうる可能性のあるステークホルダーには、そのステークホルダー自身だけでなく調達パートナーにまで配慮するよう依頼しています。

また、人権に関しては国又は地域ごとの法令対応も必要になるため、法務部門とも連携しながら人権に関する法令を遵守しています。

 これらの人権の取り組みの一部である、当社グループの人権方針は次のとおりです。

 

a.アドバンテストグループ人権方針

 当社グループは、「先端技術を先端で支える」ことで「安全・安心・心地よい」社会の実現に貢献しています。私たちは、グローバルに事業活動を行う中で影響を受けるすべての人の人権が守られなければならないことを認識しています。その考え方はアドバンテストグループの「The Advantest Way」で明文化されており、この「アドバンテストグループ人権方針」は、「The Advantest Way」に基づき、アドバンテストグループの人権尊重の責任を表明するものです。

 

1.国際的規範の尊重

私たちは、「世界人権宣言」「国連グローバル・コンパクト10原則」「国際人権章典」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」等の人権に関する国際規範を支持、尊重し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた人権尊重の取り組みを推進していきます。

 

2.人権尊重の責任

私たちは、自社のみならずサプライチェーンを含む事業活動において、人権に対する負の影響が生じた場合や、負の影響を助長したことが明らかになった場合には、是正に向けて適切な救済措置と防止・軽減措置を行うことで人権尊重に対する責任を果たします。

 

3.適用の範囲

本方針は、アドバンテストグループの役員と全従業員(正社員・契約社員・派遣社員を含むすべての社員)に対し適用されます。また、サプライヤーその他のビジネスパートナーに対しても、本方針に沿った事業活動を行うことを奨励しています。

 

4.適用法令の遵守

アドバンテストグループが事業活動を行う国又は地域における法と規則を遵守するとともに、法令と国際規範に乖離がある国や地域においては、それぞれの国と地域の法令規則に可能な限り配慮をしつつ、人権に関する国際規範を尊重する取り組みを推進します。

 

5.人権デュー・ディリジェンス

私たちは、自らの事業活動による顕在的又は潜在的な人権への負の影響に対処するため、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、継続的に人権リスクを評価・特定し、人権への負の影響の防止と軽減に取り組みます。

 

6.教育

私たちは、本方針と人権デュー・ディリジェンスが理解され、自らの事業活動の全般にわたって効果的に実行されるよう、役員と全従業員に適切な教育の推進と人権に対する意識の啓発を継続的に実施していきます。

 

7.情報の開示

私たちは、本方針に基づく人権尊重の取り組みの状況について、サステナビリティ・ウェブサイトや統合報告書などにて報告していきます。

 

8.対話・協議

私たちは、人権に関する当面の重点課題を、「アドバンテストグループ人権に関する重点課題」として別途定め、本方針に基づいて適切に取り組んでいきます。また、当社グループのサプライヤー、ビジネスパートナーなどによる人権への負の影響が、アドバンテストグループの事業活動に直接つながっている場合は、相手方との対話と協議に基づいて、人権を尊重し侵害をしないように対処を求めます。なお、人権に関する重点課題については、社会や事業の動向などの変化により適宜ステークホルダーとの対話や協議を通じて見直す必要があることを理解しています。

 

9.救済へのアクセス

私たちは、人権侵害を効果的に防止・是正するために救済へのアクセスを確保・促進します。当社グループでは従業員、サプライヤー、その他の外部のステークホルダーを含む誰もが、コンプライアンス相談窓口を利用して匿名で通報することができます。また、通報を理由として通報者に不利益を与えるなどの報復行為を禁止しています。

 

b.人権に関する重点課題

当社グループが事業との関連性を踏まえ、重点的に取り組んでいる人権課題は以下の6つです。

これらの重点課題において、私たちは人権に関するリスクを評価・特定し、人権への負の影響の防止と軽減ができるよう、様々な方法で人権デュー・ディリジェンスに取り組み始めています。

 

1.差別の排除

私たちは、一人ひとりの人権を尊重し、人種・信条・性別・年齢・国籍・民族・宗教・社会的身分・身体的障害・疾病・性的指向などによる差別を排除します。

 

2.児童労働・強制労働の禁止

私たちは、法令で定められた就業最低年齢に満たない児童の雇用、及び法令で禁じられた強制労働・奴隷労働及び人身売買による労働を一切させません。

 

3.労働基本権の尊重

 私たちは、誠実な労使コミュニケーションを通して堅固な信頼関係を築き、お互いが協力しあうことで従業員と会社がともに発展することを目指します。結社の自由並びに労働者の団結権及び団体交渉権をはじめとする労働基本権を尊重します。

 

4.適切な賃金の支払い及び労働時間の管理

 私たちは、従業員の労働時間を適切に管理し、各国・地域の法令に則った適正な賃金を支払います。また、賃金の支払い額は従業員の成果や職歴、労働時間など客観的な実績に基づいてのみ決定されます。

 

5.安全な職場環境の確保及び健康管理

 私たちは、私たちの健康、安全及び個々の健やかな成長のため、快適な職場環境を維持することに努めるとともに、豊かな個性の伸長を支援します。

 

6.差別的言動、暴力行為、ハラスメントの禁止

 私たちは、いかなる差別的言動、暴力行為、セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、誹謗中傷等個人の尊厳を傷つける行為を行いません。

 

③リスク管理

全体的なリスクマネジメント体制は、「3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント」に記載のとおりでありますが、人権に関するリスクもこの仕組みの中でマネジメントされます。その他、当社グループは、自社の事業活動がサプライチェーン上のステークホルダーを含めた人々に対し、負の影響を与えていないかどうかを把握するため、アセスメントの仕組みを取り入れ、人権リスクの特定・評価及び防止、軽減措置に努めています。グローバル共通の企業倫理ヘルプラインを設置し、職場だけでは解決が難しい人権についての問題や相談がある場合に、企業倫理相談室に報告・相談できる制度を設けています。匿名での報告・相談が可能な仕組みを取り入れており、また、主要な言語である16言語での報告を受け付けています。スマートフォンなどのモバイル端末から報告・相談できるよう、QRコードを記載したポスターも各事業所に掲示しています。報告・相談事項は企業倫理相談室が中心となって対応し、報告者・相談者が不利益な扱いや報復行為を受けることがないよう、万全な注意を払っています。また、ヘルプラインの相談・報告をより行いやすくするため、外部の法律事務所(弁護士)への通報窓口も設けています。なお、これらのヘルプラインは海外からも利用が可能であり、グローバルイントラネットのトップページにリンクを掲載しています。

また、国内においては、労働組合とともに人権擁護・人事苦情処理委員会も設置し、国内の人権問題についての相談を受け付けています。相談者のプライバシーに十分配慮した上で人権擁護・人事苦情処理委員会が適切な対応を実施し、迅速な解決を図っています。

当社グループは、この活動を通して、従業員一人ひとりがお互いの人権を尊重し、安心して働くことのできる職場づくりに努めています。

 

④指標及び目標

人権に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標及び目標」に記載しております。

また、自社の人権に関する取り組みが国際的に求められる基準になっているかどうかを把握するため、積極的に外部サステナビリティ機関のアセスメントも受けています。2023年度からは、EcoVadis社が実施するセルフアセスメントに回答し、国際標準とのギャップの把握に努めました。同社のセルフアセスメントは、「環境」、「労働と人権」、「倫理」、「持続可能な調達」の4つのテーマで企業の持続可能性を包括的に評価しており、多くのグローバル企業が同評価をサプライヤー選定における重要な基準として参照しています。

 

(4)人的資本

①ガバナンス

 当社グループでは、2022年にCHO(Chief Human Capital Officer)を設置し、CHOを頂点とするグローバル共通の人事課題への取り組み体制及び各地域個別の人事課題への取り組み体制を整備しました。また、人的資本に関する事項の決裁権限については、グローバル組織及びグローバル職務権限規程で定めており、重要な事項の決裁にあたっては、CHOの事前承認又はCHOの決裁を求め、適宜取締役会に報告するなど、グループ全体を考えたガバナンスを確保しています。

 

②戦略

 前述のとおり、当社グループは、経営理念「先端技術を先端で支える」を体現する会社であり続けるため、中長期経営方針「グランドデザイン」を策定し、それを実現するための戦略課題に取り組んでいます。

 これらの戦略課題実現にあたっては、人的資本、研究開発資本、製造資本、顧客関係資本等の整備、強化が必須です。人的資本は、これらの資本の基盤となるものでもあります。したがって、当社グループの人事戦略は、経営戦略と密接に結びついたものである必要があります。そのため当社グループは、人的資本の総合力を高めるべく、「個人の力」と「組織の力」を両輪として、様々な取り組みを進めています。「個人の力」を高めるために、当社グループは従業員の能力開発に一層の力を入れると同時に、採用及びリテンションプログラムの改善等を通じて必要な人財の確保を進めています。また、「組織の力」を高めるために、エンゲージメントの向上や多様な人財の定着・活躍に取り組んでいます。さらに、これらの両輪をつなぐものとして、経営理念の体現に必要な人事制度を継続的に見直しています。

 これらの人事戦略の一部である、当社グループの人財育成基本方針及び社内環境整備方針は次のとおりです。

 

a.人財育成基本方針

 当社グループは、人財を当社グループの持続的成長に不可欠な人的資本としてとらえ、人財の育成は人的資本への投資であり、育成により高めた「個人の力」とこれを活かす「組織の力」の両輪が従業員エンゲージメントを高め、当社グループの価値創造を推し進めると確信しています。The Advantest Way、コア・バリュー「INTEGRITY」を礎に、技術戦略や卓越した経営戦略のもとで、人財開発フレームワークに基づき、積極的、継続的かつ公正に人財の育成に取り組みます。

 

1.キャリア自律

 私たちは、従業員が積極的にキャリアアップすることを奨励し、目指すキャリアに求められる経験や知識を得るためのリソースやサポートを提供します。

 

2.グローバル人財

 私たちは、長期的な視野に立ち、グローバルな視点で専門性やマネジメントリテラシーを高める機会を提供し、人財を育成します。

 

3.最先端人財

 私たちは、経営理念「先端技術を先端で支える」を体現するため、長所をさらに伸ばすことにより、最先端にチャレンジするハイパフォーマーの育成を目指します。

 

4.Advantest Development Framework

 私たちは、The Advantest Way及び経営戦略に基づき、当社グループのすべての従業員のため、キャリアアップに求められるスキルをAdvantest Development Frameworkとして表し、必要なリソースを提供します。

 

b.社内環境整備方針

 当社グループは、人財を当社グループの持続的成長に不可欠な人的資本としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことが当社の企業価値向上に直結することを認識し、The Advantest Way、経営戦略及びこの基本方針に基づき、積極的、継続的かつ公正に人的資本に関する社内環境の整備に取り組みます。

 

1.企業文化

 私たちは、The Advantest Wayが、多様性に富む当社グループ従業員をグローバルに結束したチームをつくる企業文化の礎であることを理解し、すべての従業員が日々の業務生活の中でThe Advantest Wayを体現、実践できるよう、継続的にThe Advantest Wayの定着及び浸透に取り組みます。

 

2.人財開発・育成

 私たちは、意欲ある当社グループ従業員の自律的なキャリア形成を促すため人財開発・育成の強化に取り組みます。人財の力強さと課題は、定期的なエンゲージメントサーベイにより把握し、適宜、当社グループの人財開発・育成の施策及びアクションプランに反映していきます。

 

3.健康経営

 私たちは、健康宣言のもと、従業員の健康維持・増進に経営的な視点から戦略的に取り組みます。

 

4.働き方、職場環境

 私たちは、従業員一人ひとりがワークライフ・バランスを実現できるよう、多様な働き方を受け入れ奨励し、支援を行います。また、オフィス環境を整備するだけでなく、リモート勤務環境の強化についても必要なサポートを提供します。

 

 

③リスク管理

 全社的なリスクマネジメント体制は、「3.事業等のリスク (1)当社グループのリスクマネジメント」に記載のとおりでありますが、人的資本に関するリスクもこの仕組みの中でマネジメントされます。その他、「(3)人権の尊重 ③リスク管理」に人権に関するリスク管理について記載しております。

 

④指標及び目標

 人的資本に関する指標は、「(1)サステナビリティ全般 ⑤指標及び目標」に記載しております。

 

(参考)当社グループの取り組み

 

・人財育成への取り組み

 当社グループには、「人財育成基本方針」、「社内環境整備方針」に基づき、当社グループとともに歩むキャリアの全段階で、一貫した支援の提供を受けられることを示す「Advantest Employee Lifecycle」という戦略があります。このライフサイクルでは、従業員一人ひとりがキャリアのあらゆる段階で支援を受けることで、個人の成長と会社の事業目標が一体となっていることを示します。「Advantest Employee Lifecycle」の一環として、すべての従業員のため、キャリアアップに求められるスキルを表した「Advantest Development Framework」を定め、このフレームワークに従い、様々な育成施策を推進しています。

 「Advantest Development Framework」をグローバルに実現させるため、当社グループでは海外拠点を含めた全拠点統一のグローバル新任管理職研修“Leading with INTEGRITY”を推進しています。2025年からは、管理職として多様なマネジメントスキルを身に付けられるよう、グローバル新任管理職研修のプログラムに「Mini MBA」を取り入れ、100名近くの新任管理職が取り組みました。

 2024年から実施している社内交流イベント「RAKUICHI」では、2025年に第2回が開催されました。第2回のイベントでは出展規模が大きく拡張し、エンジニアを中心とした従業員交流を活発化させることに成功しました。様々なテーマによるポスターセッションが行われ、会場の群馬R&Dセンタでの参加者が延べ1,000人を超える規模となりました。

 その結果、当社グループの2025年度の教育・研修費用は8.1億円となりました。

 

・従業員エンゲージメント向上への取り組み

 当社グループでは、2024年に2021年以来となるエンゲージメントサーベイを実施しました。その結果、スコアは3.64から3.76へ、Engaged(熱意のある)従業員の比率は26%から32%へと、いずれも改善しています。また、「INTEGRITY」を優れた行動で実践し、企業文化の変革に大きく貢献した従業員を推薦し、感謝を伝える「The INTEGRITY Award」については、2025年度のノミネーションは590件と2024年度の465件から大きく伸びました。

 現在、「The Advantest Way」やコア・バリュー「INTEGRITY」を企業文化として定着させる「INTEGRITY」ワークショップや、マネージャー層に向けた、リーダーシップに重点を置いた「Leading with INTEGRITY」ワークショップ、「The INTEGRITY Award」などの取り組みを継続するとともに、マネージャーのエンゲージメントスコアが低い組織のエンゲージメントが低くなる傾向にあることから、マネージャー層に向けた新たな取り組みについても実施していきます。

 

 なお、当社グループの女性管理職比率及び男性社員の育児休職取得率向上のための取り組みは、「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等」に記載しております。