2025年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    809名(単体) 1,153名(連結)
  • 平均年齢
    46.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.3年(単体)
  • 平均年収
    10,345,989円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

電気測定器事業

1,136

(64)

その他

17

(14)

合計

1,153

(78)

 (注)1. 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(嘱託、パートタイマーを含み、派遣社員は除く。)は、( )内に外数で記載しております。

    2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2025年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

809

46.7

21.3

10,345,989

 (注)1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与(税込)は、基準外賃金及び賞与が含まれております。

3.提出会社の従業員数は、全て電気測定器事業に所属しております。

 

(3)労働組合の状況

 当社の労働組合は、日置電機労働組合として1968年2月29日に結成されました。当該労働組合とはユニオンショップ協定を締結しており、経営職を除く国内勤務の当社グループ正社員が組合員となっております。2025年12月31日現在の組合員数は686名となっております。

 当該労働組合は上部団体には所属しておりませんが、情報交換及び教育研修の場として労働組合協議会N.E.T(構成労組:キヤノン労働組合、全オカムラ労働組合連合会、日本オーチス・エレベータ労働組合、日置電機労働組合の4労組)、ユニオンネット・未来フォーラム(構成労組:マルイグループユニオン、セイコーエプソン労働組合、トヨタ労働組合等31労組)に加盟しております。

 当社は、労使協議の場として経営懇談会を毎月開催するほか、就業規則に関連する会社制度を審議する給与委員会、当社グループの災害防止等の推進を図る安全衛生委員会を労使で運営しております。こうした場で迅速かつ緊密な意思疎通を図っていることから、当社は安定した労使関係を維持しております。

 当連結会計年度は、賃金に関する春季の労使交渉において業績及び事業環境を踏まえつつ当該労働組合の要求に最大限配慮した交渉を実施してまいりました。また、2025年1月に開始した新たな人事報酬制度の運営を進める上で、当該労働組合と真摯な対話を重ねてまいりました。さらに、給与委員会及び安全衛生委員会において当該労働組合からの要望、指摘事項に誠実に対応するとともに、給与委員会を通じて提起された提案について、経営会議で審議する等の取り組みを進めてまいりました。

 

(4)管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異

 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性従業員の割合(%)

(注)1

男性従業員の育児休業取得率(%)

(注)2

従業員の男女の賃金の差異(%)(注)1

(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)

全従業員

雇用期間の定めの

ない従業員

臨時従業員

10.7

56.6

72.1

71.9

93.4

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.連結子会社は、上記準拠法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

① 補足説明

 当社の人員構成は、製造部門37%(うち男女比5:4)、技術部門39%(うち男女比9:1)、その他部門24%(うち男女比7:3)となっております。

 特に製造部門では女性社員の割合が多く、これは地元採用及びパート社員の正社員化を進めてきた結果が影響しております。これに対し技術部門では当社社業にかかわる専門分野の理系大学出身者に男性の割合が多く、新卒採用の自然結果として男性の割合が多くなっております。このことが賃金の差に少なからず影響しているものと考えられます。

 近年ではマイノリティポイントの向上を意識した採用活動により技術部門及び営業部門系の採用で新卒、キャリア採用、外国人採用を進め、女性割合が増加しております。また女性向けのキャリア教育を充実させるなど女性管理職の候補者育成を進めております。実際に女性管理職数も増加しており、徐々に賃金格差を解消していくよう努めております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する情報は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 また、当社は気候変動、人的資本及び多様性、自然資本や生物多様性を当社グループにおける重要なサステナビリティ項目と認識しております。

 

(1)サステナビリティ、気候変動、人的資本及び多様性に関するガバナンス

① 取締役会による監視体制

 当社及び子会社は、サステナビリティ、気候変動、人的資本及び多様性、自然資本や生物多様性等(以下、「サステナビリティ等」と記載)様々なリスクに対するリスクアセスメントと未然防止手続、及び発生した場合の対処方法等を定めた「リスク管理規程」と「危機対応規程」を制定しております。当社の代表取締役社長は、リスク管理・危機対応責任者として当社及び子会社のリスク管理・危機対応を総括しております。当社の各部門及び子会社は、当該規程に従って業務を遂行し、企業集団全体のリスクの回避と損失の軽減に努めております。

 当社の各部門及び子会社は、年に一度リスクアセスメントを実施し、必要に応じて適切な措置を講じることとしております。リスクアセスメント結果は当社の経営会議で毎年度評価し、リスク管理者である総務本部長がその内容を取締役会に報告することにしております。重要な事案は、取締役会で改善策を審議し決定することとしております。

 また、サステナビリティ等の問題が当社の事業及び業績に与える影響について、社長以下の経営陣幹部は少なくとも年に1回、また必要に応じて適宜取締役会に報告し、取締役会による監督を受けております。また外部環境が当社の経営に大きな影響を与えていることを考慮しながら、当社取締役会は経営戦略、中期経営計画、事業計画、リスク管理等の重要な意思決定を行っております。

 当社は取締役会(議長:代表取締役社長)での議論を経て、サステナビリティ基本方針とHIOKIサステナビリティ宣言を定め、自社における脱炭素化に向けた取り組みを進めております。脱炭素化に向けた取り組みの進捗については、サステナビリティ推進担当の役員及び部署が適宜報告し、取締役会の監督を受けております。

 

② 経営者の役割

 当社はサステナビリティ推進を重要な経営課題と考えております。2022年1月からはサステナビリティ推進の責任者を置き(現在の責任者は取締役専務執行役員総務本部長生産管掌)、当社グループのサステナビリティに関する取り組みを推進しております。また、総務本部経営企画部をサステナビリティ推進担当の部署とし、管理職級の社員を含め複数の専任者を配置しております。また、人的資本及び多様性に関しては執行役員総務本部グローバル人事部長DE&I推進担当を責任者とし、総務本部グローバル人事部を人的資本及び多様性担当の部署としております。当該責任者及び部署は、経営会議を通じて必要な施策を立案しております。また適宜取締役会に報告し、必要な監督を受けております。また、サステナビリティ等に関する課題を重要なリスクと認識しており、当該責任者及び当該部署を中心にリスク管理と危機対応を行っております。

 

(2)気候変動に関する戦略について

組織が識別した気候変動の機会

 脱炭素化の取り組みは、米国では政策の一部見直しにより短期的な動きの鈍化がみられるものの、欧州、アジアでは関連法制が施行段階にあり、潮流そのものは継続すると考えられます。短期的に資源供給の制約や地域差が一部市場に影響を及ぼしておりますが、中長期的には政府方針と企業戦略が牽引し、設備投資の拡大が期待されております。自動車の電動化はさらに加速しており、電源技術では高効率化や高密度化、小型・軽量化が引き続き重要な課題です。これに伴い、バッテリー技術やパワー半導体の開発、充電インフラ整備が進展し、長期的に堅調な投資環境が維持される見込みです。世界的なEVシフトが継続し、急速充電技術やインフラ市場も拡大しております。さらに、航空機の電動化や省エネルギー技術の高度化も加速しており、こうした動きはカーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩となると考えられます。ウクライナ情勢は再生可能エネルギーへの関心を高める要因となり、2026年もその影響は続く見通しです。日本では、水素基本戦略の改定を背景に太陽光や水素エネルギーの導入が進み、これらを支える蓄電池市場も成長が期待されております。再生可能エネルギーの普及は、世界的なエネルギー転換において重要な役割を果たすことが期待されます。そして、データセンター建設ラッシュにより、電力品質監視や効率改善を目的とした電気計測の需要拡大が見込まれます。こうした世界各国の取り組みを受け、当社電気計測器の需要は中長期的に高い状態で推移することが予測されており、当社にとって重要な機会と認識しております。

 当社が重要市場と位置づけるバッテリー市場に向けた取り組みとしては、電池サプライチェーン(電池の材料、部品及びその原料に関わる産業)の国際競争力強化を推進する団体「電池サプライチェーン協議会(以下、「BASC」)」に加入いたしました。BASCは2021年4月1日に一般社団法人として設立された、脱炭素社会実現に向けて電池サプライチェーンの国際標準化や電池エコシステム構築等の活動をする団体であります。

 また、昨今CO2を排出しないクリーンなエネルギー源の一つとして水素エネルギーが注目されております。当社は水素エネルギー分野に向けた先行開発とソリューション提供強化のため、「水素エナジーソリューション」チームを発足させ活動してまいりましたが、水素ビジネス事業を強化するため、水素エナジーソリューション課を新設し、市場開拓を進めてまいりました。こうした取り組み強化の結果、当社は水電解装置や膜電極接合体のインピーダンス計測をするシステム「ALDAS-E」を、一般財団法人電力中央研究所から受注いたしました。

 当社の長期経営方針「ビジョン2030」では「世界のお客様と共に持続可能な社会を実現する」ことをミッションとしております。当社は取締役会の監督を受け、研究開発資源を、代替・再生可能エネルギーへの転換、電気エネルギーの有効利用、及びデジタルトランスフォーメーションに集中し新たな電計計測ソリューションを展開しております。

 気候関連のリスクにつきましては、サステナビリティ推進担当の責任者及び部署により、その内容と財務的影響の特定に取り組んでまいりました。現時点で当社が把握する、気候関連のリスク及び機会がもたらすビジネス・戦略・財務に及ぼす影響は次のとおりであります。

 

気候関連のリスク及び機会がもたらすビジネス・戦略・財務に及ぼす影響

リスク/機会の分類

時間軸

説明

対応策

リスク/

機会の

影響度

移行

リスク

政策・

法規制

国内:中期

  ~長期
海外:短期

  ~中期

各国の脱炭素化に向けた動きが活発になる中、炭素税導入によるエネルギーコスト、部品コスト、製造コストの高騰が予想される。

当社は2022年より段階的に社用車のEV化やCO2フリー電力の採用を積極的に行い、GHGプロトコル スコープ1、2に備えてきたが、さらなるエネルギーコストの高騰に備えて、2023年から段階的に本社駐車場のソーラーカーポート化へ投資を行った。

本社南側社員駐車場約23,000㎡の敷地に設置される2MWのソーラーカーポートと2MWhのリチウムイオン蓄電設備により、現時点で本社で利用する電気の約40%を賄っている。

その後も中長期的に自社内で使用する電気は自社で賄えるように投資を続けていく。また、サプライチェーン全体でGHG削減に取り組んでいく。

本社建物の省エネルギーを推進するための投資を行う。

技術

国内:長期
海外:短期

顧客の省エネへの要求が急増する中、当社製品における省エネへの要求もまた増えている。顧客の省エネニーズに対応できなくなることで、売上高減少のリスクが予想される。

当社は連結売上高の10%を目途に研究開発投資を行っている。昨今の課題を解決するため、製品の省エネ化とIoT化へ引き続き投資を続ける。

これによりGHGプロトコル スコープ3のカテゴリ11とカテゴリ12に貢献できるように進めている。

これに加えて長寿命部品の採用や低消費電力の部品の採用により、製品の生涯利用期間の延長やメンテナンスフリー化等も検討していく。

市場

国内:短期

海外:短期

再生可能エネルギーの利用進展等により希少金属等の需要が高まり、原材料の調達コスト増加が危惧されている。

当社売上高の10%をソフトウエア製品へ転換することにより、鉱物資源を使わない製品ソリューションやサービスの展開を進めていく。

これに加えて、サーキュラーエコノミーの検討により、製品及び資源の再利用を図っていく。

評判

国内:短期

海外:短期

脱炭素社会に対して、企業が責任ある行動を取っているかについて、ステークホルダーからは第三者による客観的な評価や認証が求められており、これらに対応できない場合、当社の評価が低下するリスクが予想される。

2023年から段階的にGHGプロトコル スコープ1、2、3における第三者認証を実施していく。以下の検証範囲で第三者検証意見書を取得済。

≪検証範囲≫

 検証対象:スコープ1、スコープ2、スコープ3カテゴリ1(購入した製品・サービス)、2(資本財)、3(スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動)、5(事業から出る廃棄物)、6(出張)、7(雇用者の通勤)、11(販売した製品の使用)

 対象期間:2024年1月1日~2024年12月31日

 対象範囲:スコープ1及びスコープ2(日本国内含めたグローバル拠点の一部を対象)

      スコープ3カテゴリ1(グローバル拠点全体の評価に拡大)

      カテゴリ11(製品の消費電力)

これに加えて、2021年より実施しているEcoVadis社による評価を開示。

2023年はCDPに対する回答を実施。FTSEの評価結果も参考にして、更なる対応と情報の開示をしてきた。

物理

リスク

急性

国内:長期

海外:長期

台風・竜巻・洪水等による、本社・支店・販売子会社の被害発生リスクは現在小さいが、中長期的には大きくなることが予想される。仮に台風や洪水等の水害が発生した場合、営業停止による機会損失や被害復旧に伴う費用増大が予測される。

ハザードマップにより、本社・支店・販売子会社の安全確保等に努めていく。これに加えて支店・販売子会社の移転、新設等に関してはハザードマップを参照し、リスクの少ない地域を候補としていく。

今後はサプライチェーンにまで対象を広げ、リスクの確認を行う。

株式会社ウェザーニューズによる財務への影響度の算出と検証を進め、検証対象として抽出した海外販売子会社の拠点における財務リスクは他社の平均リスクに比べて低いことが判明。

慢性

国内:長期

海外:長期

海面上昇における本社・支店・販売子会社の被害発生リスクは現在小さいが、中長期的には大きくなることが予想される。

海面が上昇すると、水没する可能性のある支店・販売子会社が存在する。長期的には海面上昇が少ない地域への移転やビルの高層階への移転も検討する。

株式会社ウェザーニューズによる財務への影響度の算出と検証を進め、検証対象として抽出した海外販売子会社の拠点における財務リスクは他社の平均リスクに比べて低いことが判明。

機会

エネルギー源

国内:短期

海外:短期

エネルギーコスト高騰における省エネ/再エネの要求が加速していく。それに伴い、当社の電気計測器に対する需要が高まることが予想される。

当社は、電力測定やIoTソリューションにより、省エネ/再エネの測定及びメンテナンス機器の需要が増えている。

今後も、顧客に寄り添った開発を続けていく。

製品及びサービス

国内:長期

海外:中期

自動車のEV化が進み、それに伴い、高効率モーターやバッテリーへの要求が加速していく。

当社は、バッテリーサーキュラーエコノミーの考え方により、そのプロセスに応じた計測ソリューションが可能となっている。

当社は、高効率モーターの測定、バッテリーにおける計測ソリューションの全てを有している。今後も新しい技術をキャッチアップし、製品開発に活かしていく。

社会において再エネ化、省エネ化、IT化が進展することで、当社のコスト削減に繋げることができる。

市場

国内:中期

海外:中期

脱炭素社会の進展に伴い、新市場及び新技術が生み出される機会が増える。こうした変化に対応することで当社のビジネスチャンスが生まれる。

市場情報のキャッチアップと新市場開拓のため、2022年社内に水素エナジーソリューションチームを発足(2024年5月1日付で同チームを課として組織化)。これに加えて水素バリューチェーン推進協議会へ参加し、新たな市場構築のため開発を続けていく。

レジリエンス

国内:短期

海外:短期

脱炭素社会に対して資源の代替の多様化が急務となっている。資源代替の多様化への対応を進める中で、当社のレジリエンスが強化される。

当社はGHG排出量削減に向け、2023年から段階的に本社駐車場のソーラーカーポート化へ投資を実施中。これにより、自立電源の確保に向けた取り組みが進み、当社におけるBCP強化に繋がる。

脱プラスチックに向け、再生プラスチック、バイオプラスチックの採用を段階的に増やしている。

 

(3)人的資本及び多様性に関する戦略について

 多様性確保に向けた人材育成方針として当社は「人事ポリシー」及び「社員教育指針」を設けております。

 「人事ポリシー」では、社員を長期的・継続的に育成することにより将来的に新たな価値の創造を期待される存在と位置づけ、社員の育成に投資をする旨定めております。

 当社では、「人事ポリシー」に従って、多様性確保に向けた社内環境を整備していく方針であり、次のような取り組みを行っております。

 

① 働きがいを感じ能力を発揮しながら定年まで長く働ける環境を提供する旨を方針としております。

② 個人や業務の状況に応じて働く時間を選択できるフレックスタイム制度や働く場所を選択できる在宅勤務制度を設けております。

③ 法定要件を上回る水準の育児介護休業制度を設けております。

④ 結婚や育児介護、配偶者転勤などに伴う帯同などを理由に当社を退職した正社員を再び正社員で雇用するジョブリターン(再雇用)制度などを設けております。

 

 さらに当社グループ全体を横断してDE&Iを積極的に推し進めていくことを目的に2023年1月1日付でDE&I推進担当に執行役員人事部長(現:執行役員総務本部グローバル人事部長)を任命いたしました。また、2023年6月1日付でDE&Iガイドラインを策定いたしました。

 ※DE&I:Diversity,Equity&Inclusion

 

 「社員教育指針」では、社員一人ひとりが自らの職業ビジョンを持ち、潜在能力を常に開発しながら自律した職業人として職業人生を営むことを通じ、当社の永続的な成長発展と社員の働きがいの向上を追求する旨定めております。この実現のため、当社管理職は部下の自主性を尊重しつつ能力開発の機会を積極的に与え部下の育成を図る役割を担っており、当社はその役割実現に向けた環境整備及び社員の監督、支援を行っております。また、社員のキャリア形成を支援するため、社内外の資格保有者も含むキャリアコンサルタントによるキャリア相談制度を設けると同時に、30代~60代にかけて各世代別に希望者を対象としたキャリア研修を実施しております。さらに、社員の自主性を尊重したキャリア形成を促進するため、社内ベンチャーや異動、プロジェクトに関する公募制度を導入しているほか、自己啓発費用を支援する制度を設けております。

 

(4)サステナビリティ、気候変動、人的資本及び多様性に関するリスク管理

サステナビリティ、気候変動、人的資本及び多様性に関するリスクの識別・評価・管理

 当社及び子会社は、サステナビリティ等の様々なリスクに対するリスクアセスメントと未然防止手続、及び発生した場合の対処方法等を定めた「リスク管理規程」と「危機対応規程」を制定しております。当社の代表取締役社長は、リスク管理・危機対応責任者として当社及び子会社のリスク管理・危機対応を総括しております。当社の各部門及び子会社は、当該規程に従って業務を遂行し、企業集団全体のリスクの回避と損失の軽減に努めております。

 当社の各部門及び子会社は、年に一度リスクアセスメントを実施し、必要に応じて適切な措置を講じております。リスクアセスメントでは当社の各部門責任者と子会社社長に対してリスクとして認識している項目及び損失への影響(人的被害、金額、頻度等)を挙げさせ、その結果を点数化し重要度合を判断しております。この結果を踏まえ、リスク管理を主管する当社総務本部は部門責任者と子会社社長へのヒアリングを必要に応じて実施し、気候変動リスクを含む各リスクの抽出に不足がないか確認することとしております。また、同時に各リスクに対する対応方法を確認することとしております。

 

 各部門と子会社に対するリスクアセスメント結果は当社の経営会議で毎年度評価し、他のリスクと比較したサステナビリティ等のリスクの相対的重要性を決定することとしております。リスク管理者である総務本部長はその内容を取締役会に報告し、必要な監督を受けることにしております。重要な事案は、取締役会で改善策を審議し決定することにしております。

 

(5)気候変動に関する指標及び目標について

評価・管理に使用する指標と目標

 当社はHIOKIサステナビリティ宣言を定め、自社における脱炭素化に向け、以下の目標に基づき取り組みを継続しております。

・2025年(創業90周年) スコープ1、スコープ2のカーボンニュートラルを達成

・2035年(創業100周年) スコープ3のカーボンニュートラルを達成

 2024年度のCO2排出量算定を2025年に行い、投資対応型のカーボンニュートラルを達成いたしました。また、2025年度のCO2排出量算定においても、2024年度と同じ算定ロジックで算出したところ、カーボンニュートラル達成が見込まれております。詳細は2025年12月15日に当社ウェブサイトに開示したお知らせ「スコープ1・スコープ2(マーケット基準)の投資対応型カーボンニュートラルを達成」をご覧ください。

 スコープ3は、2035年までの目標に向け、できる限り排出権取引に頼らずカーボンオフセットを実現する方針です。

 この一環として本社敷地内に発電容量2MWのソーラーカーポート(カーポート型太陽光発電設備)と2MWhのリチウムイオン蓄電設備を導入することを決定いたしました。2023年9月に着工し、2025年に完成いたしました。これにより、本社で利用する電気の約40%を自社で賄っております。

 当社は今後並行して、たゆまぬ省エネルギー活動(運用改善、設備更新)と本社建物の省エネルギー、ZEB化を推進していく方針です。

 当社は2025年7月に発行した統合報告書(46ページ目)に環境保全データとして温室効果ガス排出量を掲載しております。

 

(6)人的資本及び多様性に関する指標及び目標について

 当社は、女性・外国人・中途採用者の中核人材の登用について目標を定めており、当社グループにおいて取り組みを強化しております。

 外国販売を担当する連結子会社においては、現地採用者の中核人材への登用を積極的に進めております。当社グローバル人事部の支援のもと、現地の価値観や労働慣行をベースに社員が働きがいを感じながら自主的に成長できる人事、教育制度を導入すると同時に、働きやすい職場環境、福利厚生制度を提供しております。この結果、現地採用者の定着率も向上し、子会社における管理職に登用される人材も増えてきております。また、営業部門、管理部門を問わず、女性の管理職数も増えております。

 こうした取り組みを進めるなかで、米国、中国、韓国及びインドネシアの連結子会社では現地採用者を社長(中国では総経理)に登用いたしました。今後は連結子会社間の人的交流を促進し、同時に当社と連結子会社との間の人的交流も促進してまいります。この方針のもと、過去にはシンガポールでの現地採用者を米国子会社社長に登用(その後、当該社員を2023年10月1日付で当社の執行役員に登用)、2022年1月1日付で中国子会社の総経理(現地採用者)を当社の執行役員に登用いたしました。

 なお、女性・外国人・中途採用者の中核人材の登用について目標と実績は次のとおりであります。

 

女性・外国人・中途採用者の中核人材の登用についての考え方とその目標及びその状況

 

多様性確保についての考え方

目標値

(管理職登用数)

実績値

(管理職登用数)

女性

「人間性の尊重」の企業理念に従い、人種・性別・国籍・信条・身体的条件などを理由に差別行為を行わないことを定めた「社員行動規範」に基づき、採用活動を行っております。

また、人事ポリシー及びDE&Iガイドラインを定め、人材の考え方の一つとして、年齢、性別、国籍など属性的条件、価値観やライフスタイルなどの思考的条件によらず、多様性を尊重します。

社員教育指針に基づき、社員の自助努力で能力の伸長を促すと同時に、社員の自主性を尊重しつつ能力開発の機会を積極的に与え部下の育成を図ることを通じて、積極的に管理職に登用してまいります。

過去3か年の平均実績同等、又はそれを上回る登用を目指しております。

2022年:0人

2023年:1人

2024年:2人

2025年:4人

外国人

同上

同上

2022年:2人

2023年:1人

2024年:2人

2025年:4人

中途採用者

人事ポリシーにおいて採用の方向性として、新卒を安定的、継続的に採用すること、また、経営戦略達成のため、能力、専門性の高い人材のキャリア採用も行う旨定めております。

社員教育指針に基づき、社員の自助努力で能力の伸長を促すと同時に、社員の自主性を尊重しつつ能力開発の機会を積極的に与え部下の育成を図ることを通じて、積極的に管理職に登用してまいります。

同上

2022年:3人

2023年:1人

2024年:1人

2025年:6人

 

 

(7)自然資本や生物多様性に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標について

① 自然関連リスク・機会に関する考え方(TNFD対応)

 当社は、自然資本及び生物多様性が事業の持続可能性及び中長期的な企業価値に重要な影響を及ぼすとの認識のもと、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示のため、LEAPアプローチを基軸にENCOREによる分析を行いました。電気計測器の開発・製造・販売・サービスを主たる事業とする当社は、事業活動による自然への直接的な負荷は限定的である一方、地域自然との関係性を通じた依存及び影響が存在すると認識しています。

 

② ガバナンス

 自然関連課題については、取締役会の監督のもと、経営企画部を中心に全社的な管理体制を構築しています。自然資本・生物多様性に関する重要事項は、サステナビリティ推進の一環として経営会議及び取締役会へ報告され、方針決定及び進捗管理が行われています。

 

③ 戦略(依存・影響・リスク・機会)

 当社はTNFDが提唱するLEAPアプローチ(Locate,Evaluate,Assess,Prepare)を参照し、以下の観点から分析を実施しています。

 

a. Locate

 主な自然資本との接点として、自然環境の保全に積極的に取り組んでいます。

・長野県上田市「HIOKIフォレストヒルズ(約13.28ha)」の内約3.68haが地域生物多様性増進法における自然共生サイトに認定

・一般財団法人HIOKI奨学緑化基金における森林(もり)の里親促進事業における苗木の寄付及び植樹活動、及び「にぎやかな森プロジェクト」への参画による上田地域周辺のSGEC認証森林への植樹活動

・NPO法人信州草原再生への参画と近隣のため池及び希少植物保護活動

 

b. Evaluate/Assess

 生態系サービス(CO2吸収、生物多様性保全、水質浄化等)への依存及び影響を評価した結果、重大な負の影響は確認されていない一方、外来種や気候変動による生態系劣化といった自然関連リスクを認識しています。

 

c. Prepare

 これらのリスクに対し、継続的な保全・モニタリング活動を通じて対応するとともに、本社所在地であるHIOKIフォレストヒルズの「保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(以下、「OECM」(OECM:Other Effective area-based Conservation Measures))」・30by30登録を活用した自然共生の取り組みを企業価値向上の機会と位置付けています。

 

④ リスク管理

 自然関連リスクは、既存の全社的リスク管理プロセスに統合され、定性的・定量的評価を年1回実施しています。評価結果は、気候関連リスク(TCFD)と合わせて経営判断に活用されています。

 

⑤ 指標と目標

 当社は現時点において、自然関連リスクが財務に与える影響は限定的であると評価していますが、以下の指標を用いてモニタリングを行っています。

・自然共生サイト(OECM)登録面積:約3.68ha

・生物多様性保全活動の継続状況

・水使用量及び水質の法令適合状況

 今後はTNFDの国際動向や制度整備の進展を踏まえ、定量指標及び目標設定の高度化を検討していきます。

 詳細な分析結果は2026年7月に発行する統合報告書2026にて開示します。