事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 4,606 | 100.0 | -656 | 100.0 | -14.2 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、ディスプレイ、モビリティ、半導体・電子部品、その他品目向け製品の製造・販売、成膜関連部材の販売、成膜関連サービスの提供等を行っております。
当社の事業内容は次のとおりであります。なお、当社は成膜加工関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
(1)ディスプレイ
主に液晶表示パネル用としてのITO、メタル等を成膜した基板や商材
(主な用途)
スマートフォン、タブレット、自動車、その他モバイル機器等の表示用又はタッチパネル用基板
(2)モビリティ
主に交通・移動手段に関連する機器用としてのカバーパネル、ヒーター商材、g.moth®商材、その他商材
(主な用途)
自動車、鉄道、船舶、航空機、その他輸送用機器、及び道路・交通インフラ設備
(3)半導体・電子部品
主に電気・電子機器、精密機器用として成膜した基板や商材
(主な用途)
半導体、センサー、太陽電池、燃料電池、通信デバイス
(4)その他
主に上記以外の成膜製品、成膜加工用部材、表面加工ソリューションサービス等
事業系統図は次のとおりであります。
(注)原材料(成膜対象となる基板等)については、得意先から有償または無償で支給される場合と自社で調達する場合があります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ2,240百万円減少し、15,184百万円となりました。これは主に、流動資産では現金及び預金が1,583百万円、有価証券が500百万円減少し、固定資産では有形固定資産が516百万円減少し、投資有価証券が478百万円増加したことなどによるものであります。
負債合計は、前事業年度末に比べ759百万円減少し、6,531百万円となりました。これは主に、流動負債の支払手形及び買掛金が748百万円減少したことなどによるものであります。
純資産合計は、前事業年度末に比べ1,481百万円減少し、8,652百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,669百万円減少し、その他有価証券評価差額金が188百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は57.0%、1株当たり純資産額は1,093円83銭となりました。
b.経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、サービス消費やインバウンド需要の増加により景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の深刻化による地政学リスクの高まりや中国の景気回復の遅れ、円安の継続による資源価格高騰が懸念されるなど先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社を取り巻く事業環境は、半導体供給不足が徐々に緩和され回復への動きはみられるものの、当社の取引先である部品メーカーにおいて生産拠点集約による受注量の減少や、車載用部品の生産調整が継続し本格的な回復には至らなかったことから厳しい状況で推移いたしました。
この結果、売上高は4,605百万円(前期比20.8%減)となりました。損益につきましては、ディスプレイ、モビリティ向け製品の売上が990百万円減少し生産性・生産効率が悪化した結果、営業損失は655百万円(前期は66百万円の営業利益)、経常損失は552百万円(前期は140百万円の経常利益)となりました。
また、最近の事業環境の変化を踏まえ、今後の事業計画及び回収可能性を検討した結果、金成工場においては、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額1,091百万円を減損損失として特別損失に計上いたしました。この結果、当期純損失は1,669百万円(前期は366百万円の当期純損失)となりました。
品目別の状況は、次のとおりであります。なお、当社は、成膜加工関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(ディスプレイ)
液晶パネル用帯電防止膜やタッチパネル用透明導電膜は、前年度に一部の取引先が生産拠点の集約を実施したこと、その他部品メーカーにおいても生産調整が継続していることから引き続き厳しい状況で推移いたしました。
この結果、売上高は1,448百万円(前期比31.3%減)となりました。
(モビリティ)
モビリティ向け薄膜製品は、主力製品である自動車向けカバーパネルにおいて、前年度主流で流れていた機種への生産計画のピークが過ぎたこと、部材メーカーでの在庫調整の回復のペースが鈍いことから引き続き低調に推移いたしました。
この結果、売上高は1,489百万円(前期比18.2%減)となりました。
(半導体・電子部品)
半導体・電子部品向け薄膜製品は、生産機械向け電子部品の受注は引き続き低調に推移いたしましたが、半導体分野向けテストウェハーや次世代エネルギー向け部品の受注は堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は1,224百万円(前期比6.9%増)となりました。
(その他)
その他につきましては、多種多様な製品向けに販売活動に取り組みましたが、設備投資や開発投資環境が弱含んで推移したことから関連する製品・試作案件への受注が低調に推移したことや、成膜関連部材での販売が減少したことから厳しい状況で推移いたしました。
この結果、売上高は443百万円(前期比40.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2,083百万円減少し、3,691百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は959百万円(前期は306百万円の獲得)となりました。
これは主に、税引前当期純損失が1,658百万円となったものの、減価償却費343百万円、減損損失1,091百万円などの資金流出を伴わない費用があったことや、仕入債務の減少748百万円の資金減少要因があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,218百万円(前期比2,798.8%増)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入529百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出940百万円、投資有価証券の取得による支出801百万円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は82百万円(前期は78百万円の使用)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入900百万円と長期借入金の返済による支出816百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、成膜加工関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
なお、当事業年度において、ディスプレイの生産、受注、販売実績が大きく減少いたしました。前年度に一部の取引先が生産拠点の集約を実施したことや、生産調整が前年度後半から継続していることなどから、液晶パネル関連製品の受注が大幅に減少し、それに伴い生産、販売実績も減少いたしました。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
ディスプレイ |
1,451,897 |
68.9 |
モビリティ |
1,490,460 |
81.8 |
半導体・電子部品 |
1,227,232 |
107.1 |
その他 |
314,962 |
59.1 |
合計 |
4,484,553 |
79.9 |
(注)金額は販売価額によっております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
ディスプレイ |
1,452,348 |
71.9 |
131,221 |
103.3 |
モビリティ |
1,528,852 |
87.6 |
165,820 |
131.1 |
半導体・電子部品 |
1,154,666 |
91.5 |
162,558 |
70.1 |
その他 |
642,133 |
91.8 |
285,776 |
327.3 |
合計 |
4,778,001 |
83.4 |
745,377 |
130.1 |
(注)金額は販売価額によっております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
ディスプレイ |
1,448,174 |
68.7 |
モビリティ |
1,489,554 |
81.8 |
半導体・電子部品 |
1,224,130 |
106.9 |
その他 |
443,683 |
60.1 |
合計 |
4,605,542 |
79.2 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
シャープディスプレイテクノロジー㈱ |
849,854 |
14.6 |
845,926 |
18.4 |
㈱ミクロ技術研究所 |
937,948 |
16.1 |
565,164 |
12.3 |
㈱ジャパンディスプレイ |
536,794 |
9.2 |
516,757 |
11.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当事業年度の財政状態の状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ1,206百万円減少し、4,605百万円(前期比20.8%減)となりました。
当社における主力製品のうち、ディスプレイについては、液晶パネルへ搭載されるタッチパネル需要が低迷し、前年度に一部の取引先が生産拠点の集約を実施したことから受注が減少いたしました。モビリティについては、部材メーカーで車載向けカバーパネルの在庫調整が長引いていることから受注の回復には至りませんでした。半導体・電子部品については、生産機械向け電子部品は設備投資の回復の遅れから受注は低調でしたが、半導体分野向けテストウェハーや次世代エネルギー向け部品の受注は堅調に推移いたしました。
(営業損失)
当事業年度の営業損失は、655百万円(前期は66百万円の営業利益)となりました。売上高が減少するなか、製造原価及び販売管理業務の効率化など一層の経費削減に取り組んだものの、生産活動における固定費が一定額発生することから、製造原価及び販売管理費を低減させることには至りませんでした。
(経常損失)
当事業年度の経常損失は、552百万円(前期は140百万円の経常利益)となりました。これは、投資事業組合運用益13百万円及び受取配当金の増加などにより営業外収支は102百万円のプラスとなりました。
(当期純損失)
当事業年度の当期純損失は1,669百万円(前期は366百万円の当期純損失)となりました。
事業環境の変化を踏まえ、今後の事業計画及び回収可能性を検討した結果、金成工場においては、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額 1,091百万円を減損損失に計上しました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要と生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資等の長期資金需要であります。
当社は、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを基本方針としております。運転資金需要には自己資金及び金融機関からの短期借入により、また、設備投資などの長期資金需要に対しては、主に金融機関からの長期借入を基本としております。
当面の設備投資資金につきましては、可能な範囲で金融機関からの長期借入により調達することとし、手元流動性は経営環境の変化に備えて十分確保するとともに、当社の新たな収益源への投資を引き続き検討してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載したとおりであります。