2024年9月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

電子管 光半導体 画像計測機器 レーザ その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
電子管 78,456 38.1 23,818 44.9 30.4
光半導体 78,862 38.3 17,894 33.7 22.7
画像計測機器 32,827 16.0 10,420 19.6 31.7
レーザ 10,819 5.3 -204 -0.4 -1.9
その他 4,756 2.3 1,129 2.1 23.7

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、浜松ホトニクス株式会社(当社)、子会社33社及び関連会社4社で構成されており、光電子増倍管、イメージ機器及び光源、光半導体素子、画像処理・計測装置、レーザ装置、レーザ装置部品等の光関連製品の製造、販売を主な事業とし、かつ、これらに付帯する事業を営んでおります。

 当社グループの事業に係る位置づけは次のとおりであります。

 なお、電子管事業、光半導体事業、画像計測機器事業、レーザ事業及びその他事業の各事業は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

(1)電子管事業

  光電子増倍管、イメージ機器及び光源

 当社が製造販売するとともに、子会社のハママツ・コーポレーション、ハママツ・ホトニクス・ドイチュラント・ゲー・エム・ベー・ハー、ハママツ・ホトニクス・フランス・エス・ア・エール・エル、浜松光子学商貿(中国)有限公司他海外子会社を通じ販売しております。また、当社は、光電子増倍管につきましては、国内子会社の高丘電子㈱、浜松電子プレス㈱、海外子会社の北京浜松光子技術股份有限公司より加工部品を仕入れております。光源につきましては、国内子会社の㈱光素より加工部品を仕入れており、海外子会社のエナジティック・テクノロジー・インクにおいても製造販売をしております。

(2)光半導体事業

   光半導体素子

 当社が製造販売するとともに、子会社のハママツ・コーポレーション、ハママツ・ホトニクス・ドイチュラント・ゲー・エム・ベー・ハー、ハママツ・ホトニクス・フランス・エス・ア・エール・エル、浜松光子学商貿(中国)有限公司他海外子会社を通じ販売しております。また、当社は、国内関連会社の浜松光電㈱より加工部品を仕入れております。

(3)画像計測機器事業

 画像処理・計測装置

 当社が製造販売するとともに、子会社のハママツ・コーポレーション、ハママツ・ホトニクス・ドイチュラント・ゲー・エム・ベー・ハー、ハママツ・ホトニクス・フランス・エス・ア・エール・エル、浜松光子学商貿(中国)有限公司他海外子会社を通じ販売しております。

(4)レーザ事業

   レーザ装置、レーザ装置部品

   当社が製造販売するとともに、子会社のハママツ・コーポレーション、ハママツ・ホトニクス・ドイチュラン

  ト・ゲー・エム・ベー・ハー、ハママツ・ホトニクス・フランス・エス・ア・エール・エル、浜松光子学商貿

  (中国)有限公司他海外子会社を通じ販売しております。また、海外子会社のエヌケイティ・ホトニクス・エ

  イ・エスにおいても製造販売をしております。

 

(5)その他事業

 子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。

 

 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種経済政策の効果もあり、緩やかな回復傾向にあるものの、欧米における高金利・通貨高の継続や中国経済の先行き懸念など、依然として見通しは不透明な状況のなかで推移いたしました。

 このような状況におきまして、当社グループは、財務・非財務の両輪で企業価値を向上させるための変革に部署の垣根を越えて取り組むとともに、競争力の維持・向上に必要な設備投資を継続するほか、当社独自の光技術をいかした研究・製品開発を推進することで、売上高、利益の確保に努力してまいりました。

 当連結会計年度の業績につきましては、売上高は203,961百万円と前期に比べ17,483百万円(7.9%)の減少となりました。また、利益面につきましては、営業利益は32,118百万円と前期に比べ24,558百万円(43.3%)の減少、経常利益は34,512百万円と前期に比べ24,903百万円(41.9%)の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は25,145百万円と前期に比べ17,679百万円(41.3%)の減少となり、減収減益となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。また、従来「その他」の区分に含まれていた「レーザ」セグメントについて報告セグメントとして記載する方法に変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」」に記載のとおりであります。当該変更に伴い、以下の前期比較については、前期数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

 [電子管事業]

 光電子増倍管、イメージ機器及び光源は、学術分野におきまして、高エネルギー物理学実験向けの光電子増倍管の売上げが増加したものの、産業分野におきまして、非破壊検査装置向けのマイクロフォーカスX線源の売上げが、EV(電気自動車)市場の停滞に伴い、車載用バッテリー検査や基板検査用などにより減少いたしました。また、半導体製造検査装置向けの光電子増倍管の売上げが減少いたしました。

 この結果、電子管事業といたしましては、売上高は77,679百万円(前期比5.8%減)、営業利益は23,818百万円(前期比27.7%減)となりました。

 [光半導体事業]

 光半導体素子は、学術分野におきまして、高エネルギー物理学実験向けのフォトダイオードアレイなどの光半導体センサの売上げが、欧州におけるプロジェクトからの継続的な受注により増加したものの、医用分野におきまして、X線CT向けのシリコンフォトダイオードの売上げが前年までの部材不足を背景とした受注増加の反動により減少いたしました。また、歯科用診断装置向けのフラットパネルセンサの売上げが、海外における競合メーカーの台頭による価格競争の影響を受け減少いたしました。

 この結果、光半導体事業といたしましては、売上高は78,191百万円(前期比20.3%減)、営業利益は17,894百万円(前期比41.2%減)となりました。

 [画像計測機器事業]

 画像処理・計測装置は、検体検査装置向けのボードカメラの売上げが減少したものの、病理デジタルスライドスキャナの売上げが、医療機器承認の取得により、国内での需要の高まりを受け増加いたしました。また、新薬の開発等に用いられるFDSS(ドラッグスクリーニングシステム)の売上げが堅調に推移いたしました。

 この結果、画像計測機器事業といたしましては、売上高は32,746百万円(前期比3.3%増)、営業利益は10,420百万円(前期比9.5%減)となりました。

[レーザ事業]

レーザ関連製品では、生成AI(人工知能)向けの好調な設備投資に伴い、シリコンウエハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンの売上げが増加いたしました。

この結果、レーザ事業といたしましては、売上高は10,716百万円(前期比111.9%増)、営業損失は204百万円(前期は営業利益759百万円)となりました。

 

 [その他事業]

 子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。

 当セグメント(その他)の売上高は4,627百万円(前期比14.0%増)、営業利益は1,129百万円(前期比15.9%減)となりました。

 

②財政状態

 財政状態の状況は次のとおりであります。

 

 [流動資産]

 流動資産の主な変動は、棚卸資産が5,013百万円増加したものの、現金及び預金が22,106百万円減少したことなどから、流動資産は前連結会計年度末に比べ21,840百万円減少しております。

 [固定資産]

 固定資産の主な変動は、建設仮勘定が13,613百万円、のれんが29,798百万円それぞれ増加したことなどから、固定資産は前連結会計年度末に比べ53,553百万円増加しております。

 [流動負債]

流動負債の主な変動は、未払法人税等が5,675百万円減少したものの、短期借入金が19,427百万円増加したことなどから、流動負債は前連結会計年度末に比べ12,234百万円増加しております。

 [固定負債]

 固定負債の主な変動は、長期借入金が2,987百万円増加したことなどから、固定負債は前連結会計年度末に比べ6,525百万円増加しております。

 [純資産]

 純資産は、為替換算調整勘定が1,102百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより利益剰余金が13,355百万円増加したことなどから、当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12,952百万円増加し、333,011百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ21,839百万円減少し、92,579百万円となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況を、前年同期と比較しますと次のとおりであります。

 [営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動により得られた資金は38,051百万円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上によるものであります。

 [投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動により使用した資金は73,699百万円となりました。これは主として、子会社株式の取得及び有形固定資産の取得などによるものであります。

 [財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動により得られた資金は12,558百万円となりました。これは、配当金の支払があったものの、短期借入金が増加したことによるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2023年10月1日

  至 2024年9月30日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

電子管事業

74,026

△11.4

光半導体事業

76,762

△20.6

画像計測機器事業

27,065

△19.5

レーザ事業

12,711

183.8

その他事業

5,272

13.2

合計

195,839

△12.2

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。

 

b 受注実績

 当社グループは主に見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

c 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2023年10月1日

  至 2024年9月30日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

電子管事業

77,679

△5.8

光半導体事業

78,191

△20.3

画像計測機器事業

32,746

3.3

レーザ事業

10,716

111.9

その他事業

4,627

14.0

合計

203,961

△7.9

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

3 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当連結会計年度における当社グループ経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等

 当社は自社の資本コストを的確に把握したうえで、3年の経営計画を策定し、公表しております。(ローリング方式)また、中長期的ビジョンに基づき、成長に向けた積極的な設備投資や研究開発を行うことで、持続的かつ安定的な高収益体制の構築を目指しております。

当連結会計年度の業績につきましては、国内売上げ、海外売上げともに減少いたしました結果、売上高は203,961百万円と前期に比べ17,483百万円(7.9%)の減少となりました。その結果、2022年11月に公表した3年の経営計画の2年目の目標額には到達することはできませんでした。これは、新型コロナウイルスを端緒とした急激な先行手配増加からの反動により、半導体業界などで在庫調整局面となり、受注が減少したことなどが影響しております。利益面につきましても、営業利益は32,118百万円と前期に比べ24,558百万円(43.3%)減少、経常利益は34,512百万円と前期に比べ24,903百万円(41.9%)減少、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても25,145百万円と前期に比べ17,679百万円(41.3%)減少となり、遺憾ながら減収減益となりました。利益面についても売上高同様、2022年11月に公表した3年の利益計画の2年目の目標額には到達することができませんでした。これは売上高目標が未達であったことにより、設備投資による減価償却費などの固定的コストの相対的な負担割合が高まったことによるものであります。

なお、セグメント別の業績の概要につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおりであります。

 

a 売上高

 光電子増倍管、イメージ機器及び光源は、学術分野におきまして、高エネルギー物理学実験向けの光電子増倍管の売上げが増加したものの、産業分野におきまして、非破壊検査装置向けのマイクロフォーカスX線源の売上げが、EV(電気自動車)市場の停滞に伴い、車載用バッテリー検査や基板検査用などにより減少いたしました。また、半導体製造検査装置向けの光電子増倍管の売上げが減少いたしました。

 この結果、電子管事業といたしましては、売上高は77,679百万円(前期比5.8%減)となりました。

 光半導体素子は、学術分野におきまして、高エネルギー物理学実験向けのフォトダイオードアレイなどの光半導体センサの売上げが、欧州におけるプロジェクトからの継続的な受注により増加したものの、医用分野におきまして、X線CT向けのシリコンフォトダイオードの売上げが前年までの部材不足を背景とした受注増加の反動により減少いたしました。また、歯科用診断装置向けのフラットパネルセンサの売上げが、海外における競合メーカーの台頭による価格競争の影響を受け減少いたしました。

 この結果、光半導体事業といたしましては、売上高は78,191百万円(前期比20.3%減)となりました。

 画像処理・計測装置は、検体検査装置向けのボードカメラの売上げが減少したものの、病理デジタルスライドスキャナの売上げが、医療機器承認の取得により、国内での需要の高まりを受け増加いたしました。また、新薬の開発等に用いられるFDSS(ドラッグスクリーニングシステム)の売上げが堅調に推移いたしました。

 この結果、画像計測機器事業といたしましては、売上高は32,746百万円(前期比3.3%増)となりました。

 レーザ関連製品では、生成AI(人工知能)向けの好調な設備投資に伴い、シリコンウエハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンの売上げが増加いたしました。

 この結果、レーザ事業といたしましては、売上高は10,716百万円(前期比111.9%増)となりました。

 その他事業の売上高は4,627百万円(前期比14.0%増)となりました。

 

 

b 為替変動の影響

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、為替相場があげられます。当連結会計年度における為替感応度(1円の為替変動が年間営業利益に与える影響:円安+/円高△)は、米ドルで300百万円、ユーロで100百万円、中国元で1,000百万円と試算しております。なお、当連結会計年度における営業利益に占める為替影響額は、5,022百万円であり、利益を増加させております。

 

c 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前期比1,362百万円(1.3%)減少し100,077百万円となり、売上総利益は前期比16,121百万円(13.4%)減少し103,884百万円となりました。また、売上総利益率につきましては、前期比3.3%減少し50.9%となりました。

販売費及び一般管理費は、前期比8,436百万円(13.3%)増加し71,766百万円となりました。これは給料が前期比3,175百万円(16.8%)増加したこと及び支払手数料が前期比677百万円(10.3%)増加したことなどによるものであります。なお、研究開発費につきましては、前期比1,247百万円(10.1%)増加し、売上高に対する比率は6.6%となりました。

 

d 営業利益

営業利益は、前期比24,558百万円(43.3%)減少し32,118百万円となりました。電子管事業は、光非破壊検査装置向けのマイクロフォーカスX線源の売上が減少したことなどに伴い、営業利益は9,141百万円(27.7%)減少し23,818百万円となりました。光半導体事業は、X線CT向けのシリコンフォトダイオードの売上げが減少したことなどに伴い、営業利益は12,543百万円(41.2%)減少し17,894百万円となりました。画像計測機器事業は、検体検査装置向けのボードカメラの売上げが減少したことなどに伴い、営業利益は1,091百万円(9.5%)減少し10,420百万円となりました。レーザ事業は、シリコンウエハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンの売上げが増加したものの、エヌケイティ・ホトニクス・エイ・エスを連結の範囲に含めたことによる人件費の増加などに伴い、営業損失は204百万円(前期は営業利益759百万円)となりました。その他事業は、売上げが減少したことに伴い、営業利益は213百万円(15.9%)減少し1,129百万円となりました。

 

e 営業外損益

営業外損益は、2,394百万円の利益となり、前期比344百万円の利益の減少となりました。これは前期の為替差益774百万円が当会計年度は為替差損255百万円に転じたことなどによるものであります。なお、金融収支は649百万円収入増となりました。

 

f 特別損益

特別損益は、923百万円の利益となり、前期比1,818百万円の利益の増加となりました。これは、受取賠償金が1,127百万円増加したこと及び固定資産除却損が1,065百万円減少したことなどによるものです。

 

g 親会社株主に帰属する当期純利益

以上のことから、税金等調整前当期純利益は前期比23,084百万円(39.4%)減少し35,435百万円となりました。また、法人税等の負担率が、前期の26.45%と比較して、当連結会計年度は28.32%と1.87%上昇しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17,679百万円(41.3%)減少し25,145百万円となりました。

 

 

②経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

③キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは経営方針・経営戦略を遂行し、企業価値の継続的な向上と経営の安定を図るため資金需要ごとに適切な資金調達方法を選択することが重要と認識しております。主要資金需要ごとの資金調達方針は以下のとおりであります。

・建物、製造設備及び研究開発用設備等の設備投資に関する資金は自己資金で賄うことを基本とし、設備投資規模など状況によっては金融市場又は資本市場からの調達を検討する。

・光産業創成のための研究開発投資、基礎研究開発等に関する資金は自己資金で賄うことを基本としながら、適宜資本市場からの調達を検討する。

・運転資金は、自己資金で賄うことを基本としながら状況によっては金融市場から調達する。

・企業買収のための資金は、自己資金で賄うことを基本としながら、買収金額や資金状況によっては金融市場もしくは資本市場での調達を検討する。

 当社グループの資金調達の現在の状況は、主に営業活動によるキャッシュ・フローにより賄われており、外部からの多額の資金調達に頼ることなく事業を遂行しております。

 また、地震などの自然災害からの復旧対応資金については十分な手元資金の確保に努めるとともに、地震保険並びに金融機関との専用コミットメントライン契約により、非常時の流動性確保にも備えております。

 今後も、収益力及びキャッシュ・フロー創出力を強化しつつ、株主様への適切な利益還元を行ったうえで、内部留保を積み増し、資金需要に対しては上記の基本原則に基づき自己資金と外部調達によるバランスに配慮し、財務健全性を維持しながら手元流動性を確保していくことを基本としてまいります。

 なお、新型コロナウイルスのような各種感染症等不測事態における運転資金への対応及び企業買収等に対する機動的な対応を目的として、コミットメントラインを締結しております。

 

⑤財政状態の分析

 財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態」に記載しております。

 

⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や当該事象の状況に応じて、合理的と考えられる方法に基づき見積り及び判断を行い、必要に応じて見直ししておりますが、見積り特有の不確実性により実際の結果は異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

  当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、本社に製品・サービス別の事業部を置き、各事業部は、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社は、事業部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「電子管事業」、「光半導体事業」、「画像計測機器事業」及び「レーザ事業」の4つを報告セグメントとしております。

「電子管事業」は、光電子増倍管、イメージ機器及び光源等を製造・販売しております。「光半導体事業」は、光半導体素子等を製造・販売しております。「画像計測機器事業」は、画像処理・計測装置等を製造・販売しております。「レーザ事業」は、レーザ関連製品等を製造・販売しております。

 

(報告セグメントの変更等に関する事項)

当連結会計年度より、当社の組織再編に伴い電子管事業に含まれていたステルスダイシングエンジン製造部門をレーザ事業へ統合するなど、セグメント区分を変更しております。また、エヌケイティ・ホトニクス・エイ・エスの株式を取得し、新たに連結の範囲に含めたことにより、従来「その他」の区分に含まれていた「レーザ」セグメントについて量的重要性が増したため、報告セグメントとして記載する方法に変更しております。当該変更に伴い、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを開示しております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」における記載と同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高又は振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報

 

前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

 

電子管

光半導体

画像計測機器

レーザ

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

14,273

24,825

7,482

4,150

50,732

156

50,889

50,889

北米

24,129

27,937

6,636

183

58,886

19

58,905

58,905

欧州

17,465

23,476

6,522

337

47,801

345

48,146

48,146

アジア

26,427

21,833

11,000

385

59,646

3,538

63,185

63,185

その他

206

46

66

319

319

319

顧客との契約から生じる収益

82,501

98,119

31,708

5,056

217,385

4,059

221,445

221,445

外部顧客への売上高

82,501

98,119

31,708

5,056

217,385

4,059

221,445

221,445

セグメント間の内部売上高又は振替高

1,249

1,592

51

99

2,993

209

3,202

△3,202

 計

83,751

99,711

31,759

5,156

220,379

4,269

224,648

△3,202

221,445

セグメント利益

32,959

30,438

11,511

759

75,670

1,343

77,013

△20,336

56,676

セグメント資産

85,236

96,121

27,046

8,551

216,956

8,238

225,194

177,727

402,921

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

4,579

5,245

1,309

284

11,419

242

11,661

2,836

14,497

のれん償却額

192

44

237

237

237

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

9,480

14,748

1,322

1,550

27,102

2,566

29,669

2,371

32,040

(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。

2 調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益の調整額△20,336百万円には、セグメント間取引消去△1,485百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△18,851百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費及び基礎的研究費であります。

(2)セグメント資産の調整額177,727百万円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。

(3)減価償却費の調整額2,836百万円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る減価償却費であります。

(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額2,371百万円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る固定資産の増加額であります。

3 セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

4 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

 

電子管

光半導体

画像計測機器

レーザ

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本

13,127

18,778

7,422

6,328

45,658

389

46,047

46,047

北米

22,572

23,380

6,135

1,243

53,332

8

53,341

53,341

欧州

16,207

18,271

6,653

2,322

43,455

290

43,745

43,745

アジア

25,513

17,704

12,522

817

56,558

3,939

60,498

60,498

その他

258

56

11

3

329

329

329

顧客との契約から生じる収益

77,679

78,191

32,746

10,716

199,334

4,627

203,961

203,961

外部顧客への売上高

77,679

78,191

32,746

10,716

199,334

4,627

203,961

203,961

セグメント間の内部売上高又は振替高

776

670

81

103

1,630

129

1,760

△1,760

 計

78,456

78,862

32,827

10,819

200,965

4,756

205,722

△1,760

203,961

セグメント利益

又は損失(△)

23,818

17,894

10,420

△204

51,928

1,129

53,058

△20,940

32,118

セグメント資産

81,419

111,216

30,643

49,153

272,432

7,792

280,224

154,410

434,634

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

5,726

6,976

1,298

559

14,561

267

14,829

1,865

16,694

のれん償却額

208

44

789

1,042

1,042

1,042

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

6,283

19,580

3,925

32,935

62,724

609

63,334

419

63,754

(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。

2 調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△20,940百万円には、セグメント間取引消去△817百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△20,122百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費及び基礎的研究費であります。

(2)セグメント資産の調整額154,410百万円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。

(3)減価償却費の調整額1,865百万円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る減価償却費であります。

(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額419百万円の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る固定資産の増加額であります。

3 セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

4 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

4 報告セグメントごとの資産に関する情報

 当連結会計年度において、エヌケイティ・ホトニクス・エイ・エスの株式を取得し、新たに連結の範囲に含めております。これにより、前連結会計年度の末日に比べ、当連結会計年度の報告セグメントの資産の金額は、「レーザ」セグメントにおいて40,601百万円増加しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2022年10月1日  至  2023年9月30日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

米国

欧州

アジア

その他

合計

50,889

58,905

48,146

63,185

319

221,445

(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2 アジアへの売上高に分類した額のうち、中国への売上高は41,587百万円であります。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自  2023年10月1日  至  2024年9月30日)

1 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2 地域ごとの情報

(1)売上高

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

米国

欧州

アジア

その他

合計

46,047

53,341

43,745

60,498

329

203,961

(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2 アジアへの売上高に分類した額のうち、中国への売上高は40,246百万円であります。

 

(2)有形固定資産

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

日本

米国

欧州

アジア

その他

合計

114,793

4,521

7,807

5,773

132,895

 

3 主要な顧客ごとの情報

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年10月1日  至  2023年9月30日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2023年10月1日  至  2024年9月30日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

調整額

連結財務諸表計上額

 

電子管

光半導体

画像計測機器

レーザ

減損損失

646

646

646

646

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年10月1日  至  2023年9月30日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

調整額

連結

財務諸表

計上額

 

電子管

光半導体

画像計測機器

レーザ

当期償却額

192

44

237

237

237

当期末残高

830

199

1,029

1,029

1,029

 

当連結会計年度(自  2023年10月1日  至  2024年9月30日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

調整額

連結

財務諸表

計上額

 

電子管

光半導体

画像計測機器

レーザ

当期償却額

208

44

789

1,042

1,042

1,042

当期末残高

594

155

30,078

30,827

30,827

30,827

(注)「レーザ」の当期末残高30,078百万円は当期末時点で取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自  2022年10月1日  至  2023年9月30日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自  2023年10月1日  至  2024年9月30日)

該当事項はありません。