事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
-
売上
-
利益
-
利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
コンデンサ | 99,700 | 56.5 | 1,551 | 29.8 | 1.6 |
NECST | 76,677 | 43.5 | 3,648 | 70.2 | 4.8 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社(ニチコン㈱)、子会社25社および関連会社3社により構成されており、その主な事業内容と、主要な会社の当社グループの事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりです。
なお次の2部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。
(コンデンサ事業)
当事業では、主にアルミ電解コンデンサ、小形リチウムイオン二次電池、パワーエレクトロニクス用フィルムコンデンサおよびxEV用フィルムコンデンサ、変圧器の製造販売等を行っています。
(NECST事業)
当事業では、主に家庭用蓄電システム、V2Hシステム、EV・PHV用急速充電器、スイッチング電源、機能モジュール、公共・産業用蓄電システム、大形特殊電源および医療用/学術用加速器電源、圧力センサの製造販売等を行っています。
セグメント |
主要な製品 |
主要な生産会社 |
主要な販売会社 |
コンデンサ事業 |
アルミ電解コンデンサ 小形リチウムイオン二次電池 パワーエレクトロニクス用フィルムコンデンサ xEV用フィルムコンデンサ 変圧器 |
ニチコン製箔㈱ ニチコン大野㈱ ニチコン岩手㈱ ニチコン草津㈱ ㈱酉島電機製作所 ニチコン(マレーシア)センディリアン バハッド ニチコン エレクトロニクス(無錫)カンパニー リミテッド ニチコン エレクトロニクス(宿遷)カンパニー リミテッド |
当社 ニチコン(アメリカ)コーポレーション ニチコン(オーストリア)ゲー・エム・ベー・ハー ニチコン(香港)リミテッド ニチコン(シンガポール)プライベート リミテッド ニチコン(台湾)カンパニー リミテッド ニチコン(タイランド)カンパニー リミテッド ニチコン エレクトロニクス トレーディング(上海)カンパニー リミテッド ニチコン(マレーシア)センディリアン バハッド ニチコン エレクトロニクス(無錫)カンパニー リミテッド |
NECST事業 |
家庭用蓄電システム V2Hシステム EV・PHV用急速充電器 スイッチング電源 機能モジュール 公共・産業用蓄電システム 大型特殊電源 医療用/学術用加速器電源 圧力センサ |
ニチコン草津㈱ ニチコン亀岡㈱ ニチコンワカサ㈱ ㈱ユタカ電機製作所 日本リニアックス㈱ ニチコン(香港)リミテッド ニチコン(マレーシア)センディリアン バハッド ニチコン エレクトロニクス(無錫)カンパニー リミテッド |
主要な事業系統図は、次のとおりです。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、エネルギーコストや物価の上昇が続きましたが、企業の堅調な設備投資に加え、個人消費やインバウンド需要の増加により、景気は緩やかに回復しました。米国経済は、金融政策転換の影響を受けながらも、良好な雇用情勢により個人消費が堅調に推移しました。中国経済は、経済対策による内需の活性化が図られましたが、個人消費と不動産市況の不況が長引き景気の減速が続きました。欧州経済は、ドイツを中心に製造業の低迷が見られたものの、インフレ圧力の緩和により長引く景気低迷から持ち直しの兆しが見られました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は175,751百万円と前期比3.2%の減収となりました。また、利益につきましては、営業利益は5,203百万円と前期比41.6%の減益、経常利益は7,511百万円と前期比34.2%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、5,877百万円と前期比28.8%の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(コンデンサ事業)
コンデンサ事業における売上高は99,168百万円(前期比6.8%減)、セグメント営業利益は1,551百万円(前期比78.8%減)と減収減益となりました。
自動車・車載関連機器向けは、BEVの成長期待が鈍化傾向となっており、各国の完成車メーカーをはじめ各社とも生産減や計画の見直しが見られますが、その反面でハイブリッド車の需要が増加するなど全体的な市況は底堅く、自動車の電動化の動きも着実に進展しています。車載関連機器向けアルミ電解コンデンサでは、欧州を中心とした一部の顧客で在庫調整や減産の局面が続きましたが、ADAS(先進運転支援システム)や電動化ユニット向けに搭載されている導電性高分子アルミ固体電解コンデンサや導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサについては需要が拡大しており、引き続き増産体制を整えていきます。情報通信機器向けでは、生成AIサーバーなどデータセンター用途の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサや導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサが好調に推移し、今後もさらに拡大が見込まれます。これらに向けて、販売体制を強化するとともに技術リソースを最大限投入して成長を目指します。また、白物家電・産業用インバータ機器向けは、産機インバータやパワーコンディショナーおよびエアコン用途の大形アルミ電解コンデンサが一部の顧客で在庫消化が進み、ようやく需要の下げ止まりとなり今後の回復が見込まれます。当社は引き続き、需要拡大が見込まれる導電性高分子アルミ固体電解コンデンサおよび導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサの製品ラインアップ強化、xEV用フィルムコンデンサの生産能力拡大と技術開発体制の強化により、各重点市場における受注拡大に取り組んでまいります。
(NECST事業)
NECST事業における売上高は76,583百万円(前期比1.8%増)、セグメント営業利益は3,648百万円(前期比130.5%増)と増収増益となりました。
家庭用蓄電システムは第3四半期にかけて大きく伸長し、NECST事業の成長を牽引しました。昨年リリースした新製品は、再エネの利活用を進める上で新築だけでなく既築建物への導入も進めるべく販路拡大・整備を進めており、顧客ニーズに合わせた製品ラインアップを展開しています。EV関連機器については、日本政府のEV充電インフラ網整備方針に基づき、EV走行の環境整備が推進されており、その中で当社の急速充電器の設置が進みました。一方で、V2Hシステムは、補助金制度の交付条件の変更とEV販売の低迷により影響を受けています。その様な中でも輸入EVは年々増加しており、V2H対応車もそれに合わせて増加しています。これらの機会を通じて当社V2Hの優れた機能の認知度を高め、普及に繋がる活動を進めています。また、事務機器などに使われる電源製品は、販売活動や事業構造の改善を進め、収益性が改善しました。学術用・医療用等の大型特殊電源は、計画どおり堅調に推移しました。当社は、より良い地球環境の実現に繋がる家庭用/公共・産業用蓄電システム、急速充電器およびV2Hをはじめとした環境関連製品・サービスの価値提供を通じて、社会課題の解決と明るい未来社会づくりに貢献してまいります。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
増 減 |
|||
金 額 (百万円) |
構成比 (%) |
金 額 (百万円) |
構成比 (%) |
金 額 (百万円) |
増減比 (%) |
|
コンデンサ事業 |
106,429 |
58.6 |
99,168 |
56.4 |
△7,261 |
△6.8 |
NECST事業 |
75,214 |
41.4 |
76,583 |
43.6 |
1,369 |
1.8 |
合 計 |
181,643 |
100.0 |
175,751 |
100.0 |
△5,892 |
△3.2 |
・海外売上高
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
米州 |
アジア |
欧州他 |
計 |
Ⅰ 海外売上高(百万円) |
15,226 |
59,528 |
12,153 |
86,908 |
Ⅱ 連結売上高(百万円) |
|
|
|
181,643 |
Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%) |
8.4 |
32.8 |
6.7 |
47.9 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
米州 |
アジア |
欧州他 |
計 |
Ⅰ 海外売上高(百万円) |
13,852 |
63,042 |
10,003 |
86,898 |
Ⅱ 連結売上高(百万円) |
|
|
|
175,751 |
Ⅲ 連結売上高に占める海外売上高の割合(%) |
7.9 |
35.8 |
5.7 |
49.4 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ3,868百万円減少し25,519百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ2,025百万円収入が増加し、18,346百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が8,465百万円、減価償却費を8,465百万円計上、また、仕入債務の減少額が2,160百万円となった一方で、売上債権の減少額が3,185百万円および棚卸資産の減少額が3,725百万円となったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ4,372百万円支出が減少し、8,361百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却・償還による収入が3,525百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出が10,650百万円、有価証券・投資有価証券の取得による支出が897百万円となったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ13,747百万円支出が増加し14,319百万円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入が12,000百万円となった一方で、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出12,000百万円、短期借入金の純減少額が7,300百万円、長期借入金の返済による支出が2,500百万円、配当金の支払額が2,326百万円、自己株式の取得による支出が1,600百万円となったことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)におけるセグメント別の生産実績は、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) |
前期比(%) |
コンデンサ事業 |
98,336 |
94.0 |
NECST事業 |
75,441 |
95.9 |
合計 |
173,777 |
94.8 |
(注)金額は、販売価格によります。
b.受注実績
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)におけるセグメント別の受注実績は、次のとおりです。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期末比(%) |
コンデンサ事業 |
98,725 |
134.7 |
31,108 |
98.6 |
NECST事業 |
75,076 |
109.7 |
9,084 |
85.8 |
合計 |
173,802 |
122.7 |
40,192 |
95.4 |
c.販売実績
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)におけるセグメント別の販売実績は、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) |
前期比(%) |
コンデンサ事業 |
99,168 |
93.2 |
NECST事業 |
76,583 |
101.8 |
合計 |
175,751 |
96.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針および見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたって、財政状態および経営成績に影響を与える項目は下記のとおりです。なお、当社グループの重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載しています。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
a.固定資産の減損
当社グループは、事業用の様々な有形固定資産および無形資産を所有しています。毎期、資産または資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)があるかどうかを判定し、減損の兆候がある資産または資産グループについて、帳簿価額がこれらの資産の継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローの総額を超える場合に、減損損失を認識することとしています。また、資産または資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの割引現在価値と、正味売却価額のいずれか高い方の金額を資産の回収可能価額とし、帳簿価額が回収可能価額を上回る額を減損損失として測定しています。今後の事業計画との乖離や市況・需要の変化等によって、期待される収益やキャッシュ・フローが生み出せない可能性を示す事象(減損の兆候)が見られる場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
b.貸倒引当金
当社グループは、売掛債権、貸付金等による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は追加引当が必要となる可能性があります。
c.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客等および金融機関の株式を所有しています。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の株式が含まれています。当社グループは連結会計年度末において、上場会社では株価が取得価額を50%以上下落した場合、非上場会社では会社の純資産額が欠損により50%以上下落した場合に減損損失を計上しています。また、株価が取得価額の30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損損失を計上しています。将来の市況悪化または投資先の経営成績不振により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産の回収可能性
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り) 2.繰延税金資産の回収可能性」に記載のとおりです。
e.退職給付に係る負債および年金制度
当社の退職金規程では、勤続年数3年以上の従業員については、原則として退職時に退職一時金の受給資格を有することになります。この退職給付金は、通常、勤務年数、退職の事由、退職時の算定基礎額により算出されています。
当社および一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に関し、確定給付型年金制度および退職一時金制度を採用しており、当社および在外連結子会社の一部につきましては、確定拠出型年金制度を採用しています。退職給付に係る負債および退職給付費用の計算は、数理計算上で設定された前提条件に基づいて算出されており、これらの前提条件には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、将来の昇給率、退職率、死亡率などが含まれます。当社グループが使用した前提条件は妥当なものと考えていますが、実際の結果が異なる場合、または前提条件が変更された場合は、退職給付に係る負債および退職給付費用に影響を与える可能性があります。
f.製品保証引当金
当社は、製品の販売に係る一定期間内の無償サービスの費用に備えるため、当該費用の発生割合および支出実績を勘案した見積額を計上していますが、実際の製品不良率や保証費用が見積りと異なる場合には、追加の引当が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べて14,355百万円減少して192,582百万円(前期末比6.9%減)となりました。
流動資産は、前期末に比べて10,214百万円減少して108,254百万円(前期末比8.6%減)となりました。これは主に、現金及び預金が前期末に比べて3,868百万円減少し25,519百万円、棚卸資産が前期末に比べ3,443百万円減少し33,215百万円、電子記録債権が前期末に比べ1,646百万円減少し5,969百万円となったことに加え、受取手形、売掛金及び契約資産が前期末に比べ1,195百万円減少し38,963百万円となったことなどによるものです。
有形固定資産は、前期末に比べて1,103百万円増加して53,086百万円(前期末比2.1%増)となりました。これは主に、当連結会計年度における設備投資実施額が11,129百万円となり、減価償却費8,465百万円および減損損失1,820百万円を上回ったことなどによるものです。
投資その他の資産は、前期末に比べて5,444百万円減少して29,312百万円(前期末比15.7%減)となりました。これは主に、投資有価証券が前期末に比べて4,696百万円減少して26,688百万円となったことなどによるものです。
流動負債は、前期末に比べて23,665百万円減少して51,558百万円(前期末比31.5%減)となりました。これは主に、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の償還により12,016百万円減少したことに加え、短期借入金が前期末に比べ7,300百万円減少し6,700百万円、電子記録債務が前期末に比べ1,681百万円減少し13,566百万円となったことなどによります。
固定負債は、前期末に比べて9,335百万円増加して27,209百万円(前期末比52.2%増)となりました。これは主に、繰延税金負債が前期末に比べて997百万円減少して4,587百万円となった一方で、長期借入金が前期末に比べ9,500百万円増加し15,750百万円、製品保証引当金が前期末に比べ724百万円増加し3,786百万円とことなどによるものです。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益を5,877百万円計上、配当金の支払いを2,371百万円、自己株式の消却を行ったことで、前期末に比べて6,176百万円減少して60,826百万円となりました。その他有価証券評価差額金は、前期末に比べて3,721百万円減少して10,772百万円となりました。また、為替換算調整勘定は、前期末に比べて1,303百万円増加して11,188百万円となりました。
自己株式の期末残高は、取得および消却を実施したことで前期末に比べて8,130百万円減少して3,497百万円となりました。
以上の結果、純資産は前期末に比べて25百万円減少して113,814百万円(前期末比0.0%減)となりました。
直近3事業年度の自己資本比率および時価ベースの自己資本比率は次のとおりです。
|
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
自己資本比率(%) |
51.4 |
53.6 |
57.3 |
時価ベースの 自己資本比率(%) |
49.1 |
42.5 |
42.7 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
ロ.経営成績の分析
a.売上高、営業利益
セグメントごとの経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
b.親会社株主に帰属する当期純利益
営業外損益項目では、為替差益を1,203百万円(前期は1,748百万円)計上しましたが、営業利益の減益により経常利益は前期に比べ3,896百万円減少し7,511百万円(前期比34.2%減)となりました。
特別損益項目では、特別利益として投資有価証券売却益を2,645百万円(前期は331百万円)計上し、特別損失には事業構造改革費用2,087百万円(前期は減損損失664百万円)を計上しました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ2,376百万円減少し5,877百万円(前期比28.8%減)となりました。
ハ.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ3,868百万円減少し25,519百万円となりました。
変動要因は「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、9,985百万円のプラスとなりました。資金調達の方法および状況ならびに資金需要の動向については次項「ニ.資本の財源及び資金の流動性」に記載のとおりです。
ニ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、設備投資、改修等に係る投資資金や、当社製品製造のための人件費や経費、材料および部品などの製造費用、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の運転資金です。
これらに必要な資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入による資金調達により対応します。当連結会計年度においては、転換社債の償還資金の一部を金融機関からの長期借入金にて調達していますが、特筆すべき重要な事項はありません。
当社グループは、手許資金ならびに間接金融による資金調達を実施し、事業の拡大に必要な資金の流動性を確保できるものと考えています。
ホ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
翌期(2026年3月期)の経済環境の見通しは、米国による関税問題をはじめ、経済安全保障体制の懸念、政策金利の上昇や急激な為替変動、さらにロシア・ウクライナ情勢や中東情勢による原材料、エネルギー価格の高止まりや物流網の混乱など不確定要素が多く、世界経済の先行きは極めて不透明な状況が続いています。
当社グループにおいては、重点4市場と位置付ける「エネルギー・環境・医療機器」「自動車・車両関連機器」「白物家電・産業用インバータ機器」「情報通信機器」の各市場ともに、素材価格の上昇圧力があるものの、カーボンニュートラルの動きの加速により環境関連需要は拡大する見通しです。このような状況のもと、次期の連結業績予想を次のとおりとしました。
当連結会計年度の期初計画の達成状況は以下のとおりです。
指標 |
当連結会計年度 (計画) |
当連結会計年度 (実績) |
当連結会計年度 (計画比) |
売上高(百万円) |
176,000 |
175,751 |
△249(△0.1%) |
営業利益(百万円) |
5,200 |
5,203 |
3(0.1%) |
営業利益率(%) |
3.0 |
3.0 |
0.0ポイント |
経常利益(百万円) |
7,000 |
7,511 |
511(7.3%) |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
6,100 |
5,877 |
△233(△3.6%) |
当社グループは、2021年11月、2026年3月期を最終年度とする中期成長目標「Vision 2025」を公表しています。2026年3月期において売上高2,000億円、営業利益率10%以上の目標としており、4期目となる当連結会計年度においては営業利益および経常利益が年度計画を達成しました。また、経常利益は4期連続で計画を達成しています。中期計画目標に対する当連結会計年度の実績は以下のとおりです。
指標 |
2025年3月期 (当連結会計年度) |
2026年3月期 (「Vision 2025」最終年度) |
売上高(百万円) |
175,751 |
2,000億円 |
営業利益率(%) |
3.0 |
10%以上 |
設備投資額(百万円) |
11,129 |
年間100億円以上 |
連結配当性向(%) |
40.7 |
30%以上 |
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会や経営会議が、経営資源の配分の決定および経営成績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、製品・サービス別に事業本部を置き、各事業本部は取り扱う製品・サービスについて国内および海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
したがって、当社は、事業本部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「コンデンサ事業」および「NECST事業」の2つを報告セグメントとしています。
「コンデンサ事業」は、主にアルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池、パワーエレクトロニクス用フィルムコンデンサおよびxEV用フィルムコンデンサの製造販売等を行っています。「NECST事業」は、主に家庭用蓄電システム、V2Hシステム、・トライブリッド蓄電システム、EV・PHV用急速充電器、外部給電器、スイッチング電源、機能モジュール、公共・産業用蓄電システム、大型特殊電源、医療用/学術用加速器電源の製造販売等を行っています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。
報告セグメントの損益は、営業損益ベースの数値です。セグメント間の内部収益および振替高は市場実勢価格に基づいています。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報
Ⅰ 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
報告セグメント |
調整額 (注1) |
連結財務諸表計上額(注2) |
||
|
コンデンサ事業 |
NECST事業 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
106,429 |
75,214 |
181,643 |
- |
181,643 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
823 |
10 |
834 |
△834 |
- |
計 |
107,253 |
75,224 |
182,477 |
△834 |
181,643 |
セグメント利益 |
7,318 |
1,582 |
8,900 |
3 |
8,904 |
セグメント資産 |
149,244 |
52,999 |
202,243 |
4,693 |
206,937 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
減価償却費 |
5,727 |
1,218 |
6,946 |
- |
6,946 |
減損損失 |
664 |
- |
664 |
- |
664 |
持分法適用会社への投資額 |
3,482 |
- |
3,482 |
- |
3,482 |
有形固定資産および無形固定資産の増加額 |
12,055 |
4,145 |
16,200 |
- |
16,200 |
(注)1 調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント売上高の調整額は、セグメント間の取引消去等です。
(2)セグメント資産の調整額4,693百万円には、各報告セグメントに配分していないセグメント間消去△1,456百万円と全社資産6,150百万円が含まれています。全社資産は、主に本社管理部門などにかかる固定資産です。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
Ⅱ 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
報告セグメント |
調整額 (注1) |
連結財務諸表計上額(注2) |
||
|
コンデンサ事業 |
NECST事業 |
計 |
||
売上高 |
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
99,168 |
76,583 |
175,751 |
- |
175,751 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
532 |
94 |
627 |
△627 |
- |
計 |
99,700 |
76,677 |
176,378 |
△627 |
175,751 |
セグメント利益 |
1,551 |
3,648 |
5,200 |
3 |
5,203 |
セグメント資産 |
136,169 |
49,427 |
185,597 |
6,985 |
192,582 |
その他の項目 |
|
|
|
|
|
減価償却費 |
6,767 |
1,698 |
8,465 |
- |
8,465 |
減損損失(注3) |
1,820 |
- |
1,820 |
- |
1,820 |
持分法適用会社への投資額 |
3,806 |
- |
3,806 |
- |
3,806 |
有形固定資産および無形固定資産の増加額 |
9,153 |
1,976 |
11,129 |
- |
11,129 |
(注)1 調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント売上高の調整額は、セグメント間の取引消去等です。
(2)セグメント資産の調整額6,985百万円には、各報告セグメントに配分していないセグメント間消去△1,129百万円と全社資産8,115百万円が含まれています。全社資産は、主に本社管理部門などにかかる固定資産です。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
3 連結損益計算書上、「事業構造改革費用」に含まれています。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品およびサービスごとの情報 (単位:百万円)
|
コンデンサ事業 |
NECST事業 |
合 計 |
外部顧客への売上高 |
106,429 |
75,214 |
181,643 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高 (単位:百万円)
日本 |
米州 |
中華圏 |
アジア |
欧州他 |
合 計 |
94,735 |
15,226 |
43,406 |
16,122 |
12,153 |
181,643 |
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2.中華圏に属する主な国または地域は、中国・香港・台湾です。
(2)有形固定資産 (単位:百万円)
日本 |
米国 |
中華圏 |
マレーシア |
その他 |
合 計 |
38,276 |
390 |
7,753 |
5,481 |
80 |
51,983 |
(注)中華圏に属する国または地域は、中国・香港・台湾です。
3.主要な顧客ごとの情報
当社グループは、連結損益計算書の売上高の10%以上である単一の外部顧客への売上高がないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品およびサービスごとの情報 (単位:百万円)
|
コンデンサ事業 |
NECST事業 |
合 計 |
外部顧客への売上高 |
99,168 |
76,583 |
175,751 |
2.地域ごとの情報
(1)売上高 (単位:百万円)
日本 |
米州 |
中華圏 |
アジア |
欧州他 |
合 計 |
88,853 |
13,852 |
45,622 |
17,420 |
10,003 |
175,751 |
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2.中華圏に属する主な国または地域は、中国・香港・台湾です。
(2)有形固定資産 (単位:百万円)
日本 |
米国 |
中華圏 |
マレーシア |
その他 |
合 計 |
40,233 |
357 |
6,715 |
5,653 |
126 |
53,086 |
(注)中華圏に属する国または地域は、中国・香港・台湾です。
3.主要な顧客ごとの情報
当社グループは、連結損益計算書の売上高の10%以上である単一の外部顧客への売上高がないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
報告セグメント |
消去 |
合計 |
||
|
コンデンサ事業 |
NECST事業 |
計 |
||
減損損失 |
664 |
- |
664 |
- |
664 |
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
報告セグメント |
消去 |
合計 |
||
|
コンデンサ事業 |
NECST事業 |
計 |
||
減損損失 |
1,820 |
- |
1,820 |
- |
1,820 |
(注)減損損失は、特別損失の事業構造改革費用に含まれています。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)および当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)および当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。