人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数4,088名(単体) 12,666名(連結)
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平均年齢43.9歳(単体)
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平均勤続年数15.8年(単体)
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平均年収8,298,285円(単体)
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平均年収の
対前年増減率4.8%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
①当社グループにおける人材戦略
当社グループは、環境・社会課題の解決を通じた持続的な企業価値向上を目指す中で、その基盤となる人材を最も重要な経営資本の一つと位置付けている。
当社グループの人材戦略は、経営方針及び中長期的な事業戦略と連動し、事業環境の変化や技術革新への対応、グループ経営の高度化を支える人材の確保・育成を目的としている。
具体的には、専門性及び多様な経験を有する人材の育成・活躍を推進するとともに、適切な人材配置や育成を通じて、個々の従業員が能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでいる。また、グループ全体の人材マネジメントの一貫性を高める観点から、人材マネジメント方針および主要な指標(KPI)を定め、人的資本の可視化と継続的な改善を図っている。
これらの取組を通じて、従業員一人ひとりの成長と企業価値向上の好循環を実現することを、当社グループの人材戦略の基本的な考え方としている。
②当社における従業員給与等の決定方針
当社における従業員の給与(賞与を含む)その他の給付の決定に関する方針は、従業員の役割、成果及び能力を適切に反映するとともに、事業戦略の実現及び持続的な成長を支えることを基本的な考え方としている。
報酬体系は、基本給及び賞与等により構成され、従業員の職務内容や責任の大きさ、能力、経験、業績等を総合的に勘案し、適切かつ公正な水準で決定している。一般従業員層においては、職務内容及び能力水準に応じた給与構成のもと、人事評価の結果を反映する仕組みとしている。また、管理職層においては、役割の大きさに応じた報酬水準を基本とし、業績及び評価に連動する報酬要素を組み合わせることで、貢献度を反映する設計としている。
賞与については、会社業績及び個人の成果・貢献度等を反映し決定しており、企業価値向上への動機付けを図る仕組みとしている。さらに、報酬水準については、社内の均衡に加え、競合他社や同規模企業との比較等の外部水準を踏まえ、優秀な人材の確保及び定着に資する競争力のある水準となるよう設定している。
また、当社は、報酬制度を人材育成及びキャリア形成と連動させることで、従業員の中長期的な成長とモチベーション向上を図り、従業員が安心して能力を発揮できる環境整備を推進している。
(2)【従業員の状況】
①連結会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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環境 |
8,989 |
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機械・インフラ |
1,843 |
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脱炭素化 |
693 |
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その他 |
167 |
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全社(共通) |
974 |
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合計 |
12,666 |
(注)従業員数には、就業人員数を記載している。なお、年間平均臨時従業員数については、当該臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略している。
②提出会社の状況
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2026年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
平均年間給与の 対前事業年度増減率 (%) |
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4,088 |
43.9 |
15.8 |
8,298,285 |
4.8 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
環境 |
1,598 |
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機械・インフラ |
1,046 |
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脱炭素化 |
470 |
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その他 |
- |
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全社(共通) |
974 |
|
合計 |
4,088 |
(注)1.従業員数には就業人員数を記載している。なお、年間平均臨時従業員数については、当該臨時従業員の総数が従業員数の100分の10未満のため、記載を省略している。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含む。
③労働組合の状況
当社の労働組織は、企業内単一組合として5地区約3,150人の組合員で構成されており、日本基幹産業労働組合連合会(基幹労連)を上部団体とし、これを通じて日本労働組合総連合会(連合)及び全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)に加盟している。
会社と労働組合との間には、対等、信頼、尊重を中心とした、話合いによる解決を基本とするよき労使関係が確立されており、労使間には現在係争事項はない。なお、1979年3月、会社と労働組合との間で、労働組合及び組合員の参加を基本とし、労使関係の基本事項を織り込んだ総合労働協約を締結している。
また、当社組合と当社グループ会社においてそれぞれ組織された労働組合を中心として、カナデビアグループ労働組合連合会が組織されている。
④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の
差異
ア.提出会社
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当事業年度 |
補足説明 |
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管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注)1 |
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全労働者 |
うち正規雇用労働者 |
うちパート・有期労働者 |
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4.8 |
100.0 |
79.2 |
80.0 |
70.7 |
全労働者における男女の賃金の差異は、人事制度に起因するものではなく、女性管理職比率が低いこと及び男性の育児休業取得日数が短いこと等が影響している。賃金の差異の解消に向け、女性の積極的な採用、女性管理職の育成・登用ならびに男性の育児休業取得の推奨に取り組んでいる。なお、当社における、非正規雇用労働者は全て嘱託社員である。 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
イ.連結子会社
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当事業年度 |
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名称 |
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) |
労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1 |
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全労働者 |
うち正規雇用 労働者 |
うちパート・有期労働者 |
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㈱カナデビアエンジニアリング |
3.4 |
38.5 (注)2 |
71.2 |
73.5 |
49.1 |
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カナデビアE&E㈱ |
2.2 |
100.0 (注)2 |
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58.7 |
77.1 |
24.3 |
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カナデビア環境サービス㈱ |
0.0 |
62.5 (注)2 |
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79.5 |
83.8 |
60.2 |
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浅野アタカ㈱ |
5.7 |
42.9 (注)2 |
70.4 |
86.1 |
47.2 |
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㈱アイメックス |
1.0 |
75.0 (注)3 |
80.1 |
80.1 |
73.4 |
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㈱ブイテックス |
7.4 |
86.0 (注)2 |
74.1 |
74.9 |
71.8 |
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(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
4.連結子会社のうち、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象でないものについては、記載を省略している。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関するガバナンスは、取締役会が最終的な監督責任を負い、サステナブルビジョン実現のために、執行側に設置されたサステナビリティ推進委員会が策定・実行する戦略や目標の妥当性及び進捗を評価し、必要な是正措置を行う二層構造である。
取締役会は、年2回、次のようなサステナビリティに関する事項について審議し、監督としての意思決定(承認・差戻し・改善指示)を行う。その際、将来情報(気候・自然シナリオ、KPI算定値を含む)の前提・仮定・推論過程が妥当であるかを、サステナビリティ推進委員会・経営戦略会議における検討内容、サステナビリティ推進室及びERM室の検証結果に基づきレビューし、必要に応じて修正指示を行う。議題内容と監督結果は議事録に記載し、経営陣は翌年度の計画策定に反映させる。
・ 気候変動・自然資本・社会課題(ESGリスク)の特定結果
・ 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)及び自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)等のフレームワークに基づくリスク・機会の評価
・ サステナビリティ戦略と中期経営計画の整合性
・ マテリアリティ(重要課題)別KPIの進捗、乖離要因、改善計画
サステナビリティ推進委員会は、サステナブルビジョン実現のための戦略や目標設定を行い、グループのESGに関する重要な課題に対する戦略・施策の実施状況を監督し、指示を行う。同委員会は、中期経営計画策定に際し、サステナブルビジョン実現のための戦略及び目標を見直すための審議を行うが、その際、TCFD/TNFD等のフレームワークに基づきリスクと機会の評価を行う。サステナビリティに関する取組の進捗等は、サステナビリティ推進委員会で確認し、取締役会に報告される。当連結会計年度末現在、次期連結会計年度(2027年3月期)から、サステナビリティ推進委員会の委員構成を経営戦略会議メンバー及び主要な連結子会社社長(主要な海外連結子会社社長を含む)へ拡大し、事業戦略とサステナビリティ戦略の統合監督プロセスを強化する方針である。また、同委員会では、海外連結子会社におけるサステナビリティ開示及び主要KPIの進捗についても報告・モニタリングを行い、必要な指示を行う。
サステナビリティ推進室は、サステナビリティ推進委員会の事務局として、サステナビリティ経営の推進を一元的に担うとともに、サステナビリティに関わる方針の立案やグループ横断的な各種施策の実行・支援、情報発信等の活動を行う。また、グループの事業活動に由来するGHG排出量等の環境データ管理プロセスの検証とモニタリングを行い、海外連結子会社を含むデータの収集・管理体制の整備を進めている。これにより、経営陣が、ESGリスク等の観点から優先順位の高い項目のパフォーマンスと進捗状況を適時に認識し、速やかに対応することができる。
(2)戦略
当社グループは、「技術の力で、人類と自然の調和に挑む」をブランドコンセプトとし、脱炭素化社会、資源循環社会及び安全で豊かな社会の実現に寄与するため、環境事業、機械・インフラ事業及び脱炭素化事業を展開している。いずれの事業も、気候及び自然との結びつきが強く、事業の推進と地域社会の環境負荷低減が連動するところに特徴がある。このため、当社グループは、新たな事業機会の獲得、当社グループの持続可能な成長のため、サステナビリティ経営を実践している。
当社グループが策定した2050年にめざす姿「サステナブルビジョン」では、「環境負荷をゼロ*にする」こと(*環境負荷ゼロとは、自社の事業活動に由来する環境負荷はもちろん、当社グループのサプライチェーンの環境負荷、当社グループの製品・サービスを利用する顧客の環境負荷を、その地域が本来有する環境復元力の範囲内にとどめることを指す。)と「人々の幸福を最大化する」ことを掲げている。
当社グループにおいて、マテリアリティはサステナブルビジョンを実現するためのドライバーであると位置付けており、「成功の柱」と呼んでいるが、この「成功の柱」は、長期的な視点での外部環境認識と「持続可能性4原則」を出発点とし、「社会とステークホルダーの視点」と「事業継続へのインパクトの視点」、「達成の難易度」を考慮して、7つを特定した。
成功の柱は、外部環境の変化や社会のニーズ・期待の変化を反映させ、事業の持続可能性と社会の要請に対する柔軟性を確保する観点から、特定から3年を経た当連結会計年度において妥当性の再評価を実施した。その結果、重要性及び妥当性に変更はなく、現行の内容を維持している。
当社グループの事業は環境・社会課題と密接に関連し、その変化が事業に重大な影響を与えうる。このため、当社グループはTCFD及びTNFDに基づき、リスク・機会の識別、財務インパクト評価並びに事業戦略及び移行計画への反映を一体的に行う統合アプローチを採用している。
ア.リスク・機会の特定プロセス(TCFD × TNFD 統合プロセス)
当社グループは、TCFDの4要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)とTNFDの LEAP アプローチを統合し、次の手順でリスク・機会を特定した。
① 外部環境分析
国際政策(1.5℃目標、排出規制、炭素価格制度、廃棄物規制、自然関連の開示義務化)、社会トレンド、主要市場の技術進展をレビューし、中期経営計画の前提とする。
② 自然資本への依存・影響評価(TNFD:LEAP)
TNFD v1.0の推奨に従い、Locate(事業領域の特定)、Evaluate(依存・影響の評価)、Assess(リスク・機会の統合評価)、Prepare(対応方針の策定)を実施する。特に ENCORE を用いて、主要事業における自然資本への依存度とインパクトを5段階で評価し、重要度の高い領域を抽出している。
③ 気候シナリオ分析(TCFD)
次の代表的シナリオで財務・操業への影響を評価している。
1.5℃シナリオ:炭素コスト増加、規制強化、顧客の省エネ需要の増大
4℃シナリオ:豪雨・台風の激甚化、猛暑、洪水、水ストレスの増大
シナリオ分析では、収益(需要変化、価格影響)、コスト(炭素コスト、災害関連コスト)、供給網(調達停止、物流寸断)、設備・操業(事業継続計画(BCP)・停止期間・修繕費)への影響を定性的に整理し、事業ごとの脆弱性を把握している。1.5℃シナリオでは、炭素コストの上昇や規制強化により、顧客による脱炭素投資・省エネ投資が加速することが想定される。この結果、当社グループの脱炭素化・資源循環に資する技術・サービスへの要請が高まる可能性がある。一方で、当社グループにおいても、炭素コスト増等によりコストが上昇する可能性がある。4℃シナリオでは、豪雨・台風等の激甚化により、設備・操業・サプライチェーンへの物理的影響(修繕費、停止期間、調達・物流寸断等)が増大する可能性がある。その一方で、災害廃棄物対応や防災・減災に関する社会的ニーズの高まりを背景に、当社グループの関連ソリューションへの要請が高まる可能性がある。
④ 自然資本のシナリオ分析(TNFD)
移行リスクと物理リスクを組み合わせ、4つの象限に分けて影響を評価している。
⑤ 財務インパクト評価
まず、気候と自然に関連したリスクの財務影響について、以下のレンジにより「影響度」を定義している。
・大:100億円超
・中:10億円以上100億円以下
・小:10億円未満
また、機会については、同一のレンジを用いて「機会規模(上方ポテンシャル)」を評価し、リスク(下方影響)と区別して記載する。
上記の金額レンジは、TCFD/TNFD分析に基づく気候・自然関連リスク・機会に限定して適用している。事業等のリスク全般に対しては、別途、質的評価を中心に適切に重要性判断を行っている。
次に、依存・インパクトの評価においてリスクが高かった事業又はプロセスについて、その財務インパクトと低減施策を検討した(詳細は、「TCFD・TNFD統合レポート2025(2025年10月発行)」のAppendix「2. 自然資本に関するリスクと機会」を参照されたい)。具体的には、サプライチェーンの上流に関わる自然関連リスクでは、鉄製造における水利用について、水ストレスの増大や取水制限等の物理リスクが顕在化した場合、鉄鋼製品の調達に支障が生じ、当社グループの事業活動に影響が及びうることから、財務影響(下方影響)は「大」であると評価している。一方で、当社グループは、設備の建設・現地調整、運転、メンテナンス・廃棄といった現場でのオペレーションにおける環境負荷の抑制・削減を実施し、そこから得た知見を自社におけるマーケティング、調達、設計・開発に反映するところに強みがある。この強みを背景としたGHG/非GHG大気汚染物質排出、水利用、固体廃棄物排出に関する機会による財務上の上方ポテンシャル(機会規模)は、「大」であると評価している。
このような気候と自然資本のシナリオ分析結果、財務インパクトの評価結果を踏まえると、気温上昇に大きな変化がなく、移行リスク・物理リスクの顕在化が限定的である場合、脱炭素化・資源循環・防災減災に関する投資の立ち上がりが想定より緩やかとなり、関連市場の形成や需要拡大の時期が後ろ倒しとなる可能性がある。これに対し、1.5℃シナリオのように移行対応が加速する局面では、規制強化や顧客の脱炭素化投資の進展を背景に、脱炭素化技術の社会実装が進展し、当社グループの関連技術・サービスへの要請が高まる可能性がある。
また、4℃シナリオのように物理的影響が増大する局面では、豪雨・台風等の激甚化により、当社グループの操業・サプライチェーン・コスト面への負の影響が増大しうる。一方で、仮に政策・投資の優先度が相対的に高まらず、移行が緩やかな社会となった場合であっても、途上国を中心とした工業化・インフラ整備の進展に伴い、廃棄物・排水処理等の需要が増加することが想定され、環境事業、機械事業、社会インフラ事業において、当社グループの関連ソリューションへの要請が高まる可能性がある。詳細は、次の図及び「TCFD・TNFD統合レポート2025(2025年10月発行)」を参照されたい。
イ.サステナビリティ戦略と事業戦略の統合
以上の分析を踏まえ、2050年サステナブルビジョンを実現するため、成功の柱と主要事業を統合した戦略は次のとおりである。
(ア)カーボンニュートラル
2050年までの Scope1・2・3 ネットゼロを目標とし、製品使用段階(Scope3カテゴリー11)の削減に重点的に取り組む。また、社会や顧客に対する削減貢献量を主要KPIとし、削減貢献量の最大化を図る。水素・メタネーションなど脱炭素技術の高度化、ごみ焼却発電・リサイクルとの統合ソリューションの提供、顧客設備のGHG削減を支援するサービス展開に取り組む。
(イ)資源の完全循環
循環率向上と最終処分量の最少化を指標とし、廃棄物資源化技術、リサイクル・リユース設計、顧客事業の循環化支援を強化する。
(ウ)環境復元力の最大化
オープンダンピングサイト閉鎖支援、土壌・水質の浄化・環境改善を通じて、地域の環境復元力向上に貢献する。
(エ)災害激甚化への対応
防災・減災インフラ技術、耐震・耐風補強ソリューションの社会実装を拡大する。
(オ)サステナブル調達
Scope3 カテゴリー1対策として、主要サプライヤーのサステナビリティ推進スコア向上を重点施策とする。また、調達網の多様化に取り組む。
(カ)人々の幸福の最大化
人権リスクゼロを目標とし、当社グループ及びサプライチェーンの労働環境改善を推進する。
(キ)コーポレート・ガバナンスの高度化
エンタープライズリスクマネジメント(以下、ERMという)の導入、品質・安全コンプライアンス体制の再構築を中核とし、取締役会が重要リスクを定期的にレビューし、必要な是正指示を行う監督体制を確立する。
ウ.移行計画
当社グループは、TCFD及びTNFDが求める移行計画を以下の三段階で整理している。
2020年代:脱炭素・循環ビジネスの基盤構築
2030年代:カーボンニュートラルサービス/サステナブル調達の完全実装
2040年代:サーキュラーエコノミーサービスの世界展開
2050年:Resilience Eco Society-Set の提供による環境負荷ゼロ社会への貢献
詳細は、「TCFD・TNFD統合レポート2025(2025年10月発行)」にて開示している。
(3)リスク管理
当社グループは、2025年3月にERM室を新設し、グループ全体を対象としてERMを導入した。同年7月からリスクマネジメント委員会を設置し、事業活動におけるリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っている。本リスク管理体制の中に、サステナビリティに関するリスクも含まれている。リスク管理の詳細は、後述「3 事業等のリスク」を参照されたい。
(4)指標と目標
当社グループは、7つの成功の柱について、事業価値・社会価値に直結する定量指標(KPI)を設定し、その管理範囲(責任境界)を定めている。これらの指標を設定するにあたっては、事業価値への関連性、国際基準(サステナビリティ開示基準、GHGプロトコル、TCFD及びTNFDの要求事項、GRI基準等)との整合性を踏まえた上で、気候変動・自然資本関連リスクと人的資本・サプライチェーンリスクを統合管理できる指標を選定している。
● 検討にあたり前提条件として参照したシナリオ等
国際エネルギー機関(IEA)シナリオ、IPCC1.5℃/4℃シナリオ、国内外の規制動向(炭素税・自然関連開示義務)
● 算定にあたり推計を用いた項目
製品による削減貢献量の推計、顧客設備の稼働率・ライフサイクル影響の算出、Scope3カテゴリー1及びカテゴリー11の算定式、TNFDの依存とインパクトに関する定量化手法(ENCORE等)
● 承認プロセス
サステナビリティ戦略委員会における検討、サステナビリティ推進室のレビュー、サステナビリティ推進委員会及び経営戦略会議における審議、取締役会による監督・承認
なお、指標・目標、算定方法の詳細及び各指標に関する年次実績値は、「TCFD・TNFD統合レポート2025(2025年10月発行)」及び「ESGデータ集2025(2025年10月発行)」にて開示している。
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成功の柱 |
指標と目標 (下段:指標選定理由) |
管理主体 |
責任境界 |
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カーボンニュートラル |
2050年度:Scope1・2・3でネットゼロを達成 2030年度:製品によるGHG排出削減貢献量4000万t-CO2 重点指標:社会や顧客に対する削減貢献の最大化 |
グループ 全体 |
自社活動(Scope1,2):直接管理 調達・製品・サービス使用段階:影響力行使・削減貢献 |
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製品・サービス導入による社会や顧客に対する削減貢献が事業価値の本質であるため。 |
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資源の完全循環 |
2050年度:製品・部品・廃棄物のリサイクルシステム確立 重点指標:循環率、最終処分量の最少化 |
各事業主体 |
自社活動(製造・工事由来副産物・廃棄物):直接管理 顧客の事業活動における資源循環:循環ソリューション提供による間接価値 |
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循環型社会における価値提供の中心が「廃棄物資源化・リサイクル技術」であるため。 |
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環境復元力の最大化 |
2050年度:ターゲットエリアのオープンダンピングサイト閉鎖完了 重点指標:環境改善案件数(社会実装数・地域カバー) |
各事業主体 |
環境復元に関する成果は、顧客や地域社会で創出される環境改善効果。社会実装を前提とした提供価値の管理領域として責任境界を設定。 |
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当社グループの提供価値が地域の環境改善効果に直結しているため。 |
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災害激甚化への対応 |
2050年度まで:防災インフラ技術や耐災害補強技術の進化・社会実装拡大 重点指標:防災・減災に資する社会実装件数、技術適用範囲 |
各事業主体 |
自社拠点の安全確保及び事業継続性確保:直接管理 顧客インフラに対する耐災害技術の提供も事業を通じた責任範囲と位置付け。 |
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適用する気候シナリオ(1.5℃/4℃)に基づく物理リスク影響の想定を前提に、技術適用範囲を定量的に評価し、防災・減災ソリューションの拡大に繋げるため。 |
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成功の柱 |
指標と目標 (下段:指標選定理由) |
管理主体 |
責任境界 |
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サステナブル調達 |
2050年度:主要サプライヤーのサステナビリティ推進スコア80点以上(国連グローバルコンパクトSAQ) 重点指標:Scope3 カテゴリー1(購入した製品・サービス)の改善 |
グループ 全体 |
サプライチェーン全体が責任範囲。基本的に、方針設定や取引条件、支援を通じた影響力行使による関与。 |
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サプライチェーン全体の環境・人権リスクの管理が企業価値の基盤であるため。 |
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人々の幸福の最大化 |
2050年度:人権リスクゼロ |
グループ 全体 |
当社グループの職員の安全・人権・働きがい:直接管理 サプライチェーン:影響力行使、改善支援 |
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原材料調達段階及び製造・現場段階における労働安全・人権対応が当社グループに関わる「人々の幸福」の重要な基盤の一つであるため。 |
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コーポレート・ガバナンスの高度化 |
即時〜継続:統合的リスク管理(ERM)運用開始、取締役会監督の強化 重点指標:コンプライアンス体制の実効性、品質・安全の再発防止進捗 |
グループ 全体 |
コーポレート・ガバナンスに関する方針・制度・監督体制を、グループ全体を対象とした責任範囲として設定。 |
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経営管理及び投資判断のプロセスを重点管理領域とし、グループ全体における意思決定の質と透明性の向上を図るため。 |
(5)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略
当社グループは、職員を重要な「人的資本」と位置付け、人材への投資を通じて各職員の能力及びエンゲージメントの向上を図ることで、企業価値の向上及び持続的な成長を実現することを基本方針としている。
当社グループでは、2023年度より開始した中期経営計画「Forward25」において、「持続可能な経営の推進」の一環として人的資本の強化を重点施策の一つに位置付けており、「人」と「組織」の成長の好循環が企業の成長及び価値創造を促進するものと認識している。
この考えのもと、事業戦略の実行に必要な人的資本の強化に向けて、以下の3つを重点施策として推進している。
① 人材の採用・確保
事業の維持・拡大に必要な人材の確保に加え、性別、年齢、国籍等にとらわれない多様な人材の確保を推進している。
また、多様性を受容する組織風土の醸成、心理的安全性の確保、柔軟な働き方の提供等により、誰もが最大限の能力を発揮できる環境整備に取り組んでいる。
② 適正配置・戦略的育成
個々人の能力及び適性に応じた配置とキャリア形成を支援するとともに、リスキリングの推進やタレントマネジメントシステムの活用により、人材の最適配置および能力開発を推進している。
また、グローバル人材、経営人材、DX人材の育成を重点領域とし、企業価値向上を担う人材の育成に注力している。
③ 人材の定着
職員が長期的に活躍できる環境の整備に向け、エンゲージメント向上施策、処遇制度の見直し、福利厚生の充実等を推進している。
さらに、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の推進を通じて、多様な価値観を活かしたイノベーション創出を目指している。
加えて、健康経営、安全衛生、ワークライフバランス等の取り組みを通じて、職員のウェルビーイング向上を図るとともに、持続的な組織力強化を進めている。
(6)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する指標及び目標
当社グループでは、人的資本に関する施策の進捗及び成果を定量的に把握するため、以下の指標を設定し、目標管理及び改善に取り組んでいる。
① 多様性関連指標
・ 女性新卒採用率
・ 女性活躍推進に関する各種指標
多様な人材の確保を目的として、採用段階から多様性の確保に取り組み、中長期的な人材ポートフォリオの高度化を図っている。
② 働き方・両立支援に関する指標
・ 男性育児休業取得率
育児と仕事の両立支援を推進し、すべての職員が継続的に活躍できる環境の整備を進めている。
③ エンゲージメント指標
・ 職員エンゲージメント指数
エンゲージメントを通じて状況を把握し、課題の特定及び改善施策の実行により、組織の活性化を図っている。
④ 健康関連指標
・ 生活習慣病有所見率 等
健康経営の観点から、従業員の健康状態の改善を目標とし、各種施策を通じて継続的な改善を図っている。
当該指標に関する目標及び実績は次のとおりである。
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指標 |
目標(2025年度) |
実績(当連結会計年度) |
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女性新卒採用率 |
事務系:50% 技術系:10% |
事務系:60.6% 技術系:15.8% |
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男性の育児休暇・休業取得率 |
100% |
100.0% |
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職員エンゲージメント指数 |
70% |
48.0% |
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生活習慣病平均有所見率 |
21%未満 |
25.5% |
(注)上記については、連結グループにおける記載が困難であるため、当社単体の目標及び実績を記載している。
なお、これらの指標については、当社単体及び連結ベースでの把握及び開示の高度化に向けた取り組みを進めており、今後もデータの精緻化および開示の充実に努めていく。