人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数15,361名(単体) 41,652名(連結)
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平均年齢41.7歳(単体)
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平均勤続年数15.3年(単体)
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平均年収9,101,888円(単体)
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平均年収の
対前年増減率14.8%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは、創業以来の精神である「そのわざを通じて国家社会に奉仕する」という理念を原点とし、中長期的な企業価値の向上と社会課題の解決の両立を目指して事業活動を行っています。
2020年11月に策定した「グループビジョン2030」においては、成長シナリオの軸として「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の3つの注力フィールドを定め、事業ポートフォリオ改革と変革の取組を推進しています。
これらの事業戦略を着実に実行し、将来にわたる持続的成長を実現するためには、変化する事業環境や技術の進展に対応できる人財の確保・育成及び活躍の促進が不可欠であると考えています。一方で、高度専門人財の獲得競争の激化やスキル転換の必要性、事業領域の拡大に伴う人財配置の最適化が重要な課題となっています。この認識のもと、当社グループは人財を「中長期の企業価値創造の源泉」と位置づけ、経営戦略と一体で人財戦略を推進するため、目指すべき人や組織の実現に向けたHRの指針として「HRポリシー」を策定しています。社会課題起点で当社グループが挑戦すべきテーマを定めた経営戦略である「グループビジョン2030」の実現に向けて、従業員が高い目標に向かって挑戦し、成功も失敗も糧として成長できる風土・基盤の醸成に注力しています。
具体的には、「グループビジョン2030」の実現に必要なポジションや役割を明確化し、それに見合った人財を配置する「適所適材」を推進しています。更に、事業の高度化・新領域への展開に対応できるよう、専門性やマネジメント力の向上に向けた人財育成を継続的に実施しており、経営層・管理職層の計画的な育成に加え、全従業員を対象として職種や階層に応じたスキル向上支援やリスキリング機会を提供し、キャリア自律の促進を図っています。更に、コンプライアンス教育の継続的な実施や職場内の対話の促進を通じ、誠実な企業風土の醸成にも注力しています。
変化する事業環境への対応力を高める観点から、DX及びWX(ワークトランスフォーメーション)を推進し、AI・デジタル関連人財の獲得・育成に取り組むとともに、新たな探索領域への事業創出を担う人財(当社では「探索人財」と称する)の獲得・育成を強化しています。更に、組織基盤の強化として、評価・処遇制度の整備、多様な価値観や働き方を尊重する職場環境の整備、心身の健康と安全を重視した「Well-Being」の推進に加え、人事業務の高度化を目的とした「HRDX」を進めることで、公平性・透明性の高い人財マネジメントの実現に取り組んでいます。これらの重要事項については、経営会議等で定期的にモニタリングしています。
当社グループは、これらの人財戦略を通じて、事業活動を支える基盤としての人財の価値を最大化し、経営方針及び事業戦略の着実な遂行と、中長期的な企業価値の向上につなげていくことを基本方針としています。
当社の従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針は、当社グループの経営理念及び中長期的な企業価値向上の実現に資する人財の確保・育成・定着を目的として、社内規程に基づき適切に決定しています。
具体的には、職務内容、職責の大きさ、役割及び期待される成果を基本とし、あわせて個人の能力、経験、業績評価結果等を総合的に勘案して決定しています。また、外部労働市場の動向、業界水準及び社会情勢も踏まえ、賃金競争力及び適正な報酬水準の維持・向上の観点から、定期的に見直しを行っています。
なお、当社グループの人財戦略に基づく各種施策及びその進捗状況に関しては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5) 重要なサステナビリティ項目 ② 人財活躍推進 (ⅲ) 戦略並びに指標及び目標」をご参照下さい。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員のみを対象としています。なお、臨時従業員数については従業員総数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 従業員数は再雇用従業員を含みます。
② 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員のみを対象としています。なお、臨時従業員数については従業員総数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 従業員数は再雇用従業員を含みます。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含みます。
③ 労働組合の状況
当社の労働組合は、川崎重工労働組合と称し、上部団体は日本基幹産業労働組合連合会(略称 基幹労連)です。
また、組合とは信頼関係を基礎に労働協約を締結し、労働条件や安全衛生、その他労使間の重要問題について経営協議会・労働協議会・安全衛生協議会等を開催し、相互の理解と隔意ない意見交換により円満に解決を図っています。
なお、当連結会計年度、連結会社において労働組合との間に特記すべき事項等は生じていません。
④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しています。当該役員・従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容 (管理職層向けインセンティブ・プラン) 」をご参照下さい。
⑤ 従業員の多様性に関する指標
従業員の多様性に関する指標については、以下のとおりです。
なお、当社グループの多様性に関する取組については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5) 重要なサステナビリティ項目 ② 人財活躍推進 (ⅲ) 戦略並びに指標及び目標 《DE&Iの推進》」をご参照下さい。
a)提出会社及び常用雇用労働者数301名以上の国内連結子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 「労働者の男女の賃金の差異」の算出に当たり、「全労働者」及び「パート・有期労働者」の人員数について労働時間をもとに換算して算出しています。
4 育児休業取得事由に該当する従業員はいません。
5 パート・有期労働者に該当する男性又は女性従業員はいません。
b)常用雇用労働者数300名以下で女性活躍推進法により該当指標を公表している国内連結子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 「労働者の男女の賃金の差異」の算出に当たり、「全労働者」及び「パート・有期労働者」の人員数について労働時間をもとに換算して算出しています。
4 育児休業取得事由に該当する従業員はいません。
5 パート・有期労働者に該当する男性又は女性従業員はいません。
男女の賃金の差異の主な要因は、女性管理職や上位職層の女性比率の低さ等にあり、女性管理職比率の引上げ、上位職層への女性登用拡大を含むジェンダー格差解消に取り組んでいます。階層別育成プログラムを順次拡大し、女性の育成・登用に向けた施策を更に強化してまいります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 基本方針
当社グループでは、経営におけるサステナビリティの位置づけを明確にするため、「川崎重工グループサステナビリティ経営方針」を制定しています。「グループミッション」の達成に向けて、製品とサービスを通じて社会と環境のサステナビリティに貢献することを企業としての使命と捉え、将来にわたり世界が直面する様々な社会・環境課題に対して革新的な解決策をつくり出すことに挑戦します。また、責任ある企業行動と経営基盤の強化を通じて、持続可能な社会と当社グループの継続的な企業価値向上をともに実現することを目指します。
この方針のもと、定期的に事業活動における重要課題(マテリアリティ)を見直し、事業環境とステークホルダーからの要請・期待を踏まえた経営を行うこととしています。2021年度に実施した見直しにおいては、「グループビジョン2030」における3つの注力フィールド「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」を「事業を通じて創出する社会・環境価値」とし、直面する社会課題に対し当社グループが長期で取り組むべき最重要課題と位置づけました。また、「グループミッション」とSDGsとの親和性は極めて高いと考えており、最重要課題と位置づけた3つの注力フィールドそれぞれにおける施策の推進により、事業を通じてSDGsの達成に貢献していきます。
更に、水素事業などを通じて顧客に脱炭素ソリューションを提供する企業として、バリューチェーンを含めた事業活動における脱炭素化の早期実現を目指すとともに、ビジネスと人権、人財活躍推進、コンプライアンス、技術開発・DXなどを「事業活動を支える基盤」の重要事項と位置づけ、取組を強化していきます。
《川崎重工グループサステナビリティ経営方針》
(2) ガバナンス
当社グループでは、取締役会をグループ全体のサステナビリティ基本方針と基本計画を審議・決定する最高意思決定機関と位置づけています。また、取締役会の監督のもと、社長を委員長とする執行側の委員会としてサステナビリティ委員会を設置し、取締役会で定めた基本計画に基づく各種施策を決定し、その進捗状況を取締役会に報告する体制としています。
《取締役会におけるサステナビリティに関する審議テーマ》
取締役会では、各種グループ基本方針を制定し、基本的な考え方や具体的方針を明文化しています。また、「グループビジョン2030」策定以降は、サステナビリティ経営方針の実現に向け、これまで審議してきた環境経営活動基本計画などに加え、経営基盤強化のための人事制度改革やその運用、取締役のスキル・マトリックスや後継者育成計画、人財の多様性、従業員エンゲージメントなど、人的資本に関する重要なテーマについても実効性の高い議論を行っています。サステナビリティに関連して、近年の取締役会で審議・報告されたテーマは下図のとおりです。
《役員報酬制度へのESG指標の反映》
2024年5月に、取締役会において、当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員の報酬制度の一部改正を決議し、従業員エンゲージメント指標及びESG指標(CO2削減と第三者機関評価)を独立した評価指標として業績連動報酬に反映することとしました。従業員エンゲージメント指標は、金銭で支給される短期インセンティブ型報酬の一部として、従業員エンゲージメントサーベイの「社員エンゲージメント(働きがい)」と「社員を活かす環境(働きやすさ)」とが共に高い従業員の比率に応じて支給率を決定します。ESG指標は、株式交付信託の仕組みを活用した長期インセンティブ型報酬の一部として、当社の事業活動及び製品・サービスの提供によるCO2削減の目標達成度により評価し、併せて第三者機関評価(Dow Jones Best-in-Class Index※)を踏まえて支給率を決定します。
役員報酬制度に関しては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等 ① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項 <取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬>」をご参照下さい。
※Dow Jones Best-in-Class Index:S&Pグローバル社によるサステナビリティに関する株式指標
《サステナビリティに関するガバナンス体制》
サステナビリティに関する事項は、主に以下の項目についてサステナビリティ委員会で審議・報告を行っています。
1.社会・環境と当社グループ相互の持続可能性の実現、当社グループの企業価値向上に資する各種施策、及びその実行や達成状況に関する事項
2.当社グループの事業活動が社会・環境に及ぼす負の影響の把握とその低減・撲滅に向けた各種施策、及びその実行や達成状況に関する事項
サステナビリティ委員会は社長を委員長とし、カンパニープレジデントや川崎車両㈱社長、カワサキモータース㈱社長、サステナビリティ担当役員、本社各本部長などの委員から構成されます。社外の知見及び意見を委員会の意思決定に反映させる観点から社外取締役も出席し、更に業務執行監査の観点から監査等委員も出席しています。サステナビリティ委員会は原則として年2回以上開催することとしており、2025年度は3回開催し、取締役会へ報告しています。また、サステナビリティに関する企画立案機能を強化し、経営戦略と一体化して推進していくため、企画本部でサステナビリティの統括を行っています。
サステナビリティ推進体制図
(3) リスク管理
サステナビリティに関するリスクの識別・評価は、サステナビリティ委員会にて実施しており、事業環境とステークホルダーからの要請・期待の変化に対して、リスクと機会の両面から必要な対応について審議・報告を行っています。2025年度は主にサステナビリティ開示規制やESG評価への対応状況のほか、生物多様性への対応や人権デューデリジェンスの推進に関して議論しました。更に、定期的な重要課題(マテリアリティ)の見直しにおいても、各課題に関するリスク評価を行っています。これらの内容はその重要性に応じて取締役会に報告され、取締役会はサステナビリティ課題への対応状況を監督しています。
また、リスクマネジメント担当部門による全社的リスク管理においても、サステナビリティに関する事項、特にカーボンニュートラルや循環型社会を目指す地球環境に関する事項、新たな価値提供を担う人財と組織強化を目的とした人的資本の確保に関する事項等はリスクモニターの対象としています。これらのリスクについては、主管部門が継続的にリスク評価やモニタリングを行っており、その活動内容は少なくとも年に2回、取締役会に報告されています。2025年度は4回報告を行い、取締役会では対応の方向性を審議した上で、各リスクの対象となる部門へ必要なフィードバックを行っています。
全社的リスク管理に関しては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 <リスク管理体制の整備の状況>」、又は当社Webサイト(https://www.khi.co.jp/sustainability/governance/risk.html)をご参照下さい。
(4) 戦略並びに指標及び目標
《重要課題(マテリアリティ)》
当社グループでは、多様化するステークホルダーからの期待・要望と事業環境の変化を踏まえ、当社グループの企業活動が社会に与える影響を認識・整理し、2018年に重要課題(マテリアリティ)を特定しました。
更に2021年には、前年に発表した「グループビジョン2030」を受け、重要課題(マテリアリティ)の見直しを行いました。2018年と同様、重要課題(マテリアリティ)は「事業を通じて創出する社会・環境価値」と「事業活動を支える基盤」に大別し、事業を通じた取組を「当社グループが長期で達成すべき最重要課題」と定義し、その事業活動を支える課題を、最重要課題の達成に向けた「基盤項目」と位置づけています。今後も、事業環境や社会からの期待の変化に即し、定期的に重要課題(マテリアリティ)の見直しを行っていきます。
重要課題(マテリアリティ)の特定プロセスのほか、外部有識者のコメントやそれを受けた対応など、詳細は当社Webサイト(https://www.khi.co.jp/sustainability/materiality/task.html)をご参照下さい。
抽出した重要課題(マテリアリティ)のマッピング
特定した重要課題(マテリアリティ)の主な事項に関する戦略並びに指標及び目標は以下のとおりです。
《事業を通じて創出する社会・環境価値~3つの注力フィールド~》
3つの注力フィールドである「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」は、「事業を通じて創出する社会・環境価値」として、直面する社会課題に対し当社グループが長期で取り組むべき最重要課題と位置づけたものです。詳細は、統合報告書「Kawasaki Report」(次回2026年9月発行予定)(https://www.khi.co.jp/sustainability/library/kawasaki_report/index.html)をご参照下さい。
a) 安全安心リモート社会
医療・ヘルスケア、介護、ものづくり、産業インフラ等様々な分野で、当社グループが有するAI・遠隔操作・情報技術、ロボティクス技術等を活用することで、働き方の変革に加え、防災・防衛などあらゆる場面を想定し、すべての人々が安全・安心に暮らせる社会の実現に向けて取り組んでいます。
・病院経営効率化に向けた取組
高齢化や労働力不足等の世界共通の課題を抱える医療分野に対するソリューションとして、当社グループが保有する手術支援ロボット「hinotori™」、自律走行サービスロボット「Nyokkey(ニョッキー)」、屋内配送ロボット「FORRO(フォーロ)」、屋内外位置情報ソリューション「mapxus Driven by Kawasaki™」等といった製品・サービスとAI・遠隔技術の融合により来院から診察、治療、手術、術後ケアまでを一貫して支援する「病院ワンストップソリューション」の創出を進めています。
2025年6月に欧州と日本間で初となる遠隔手術の実証実験に成功した手術支援ロボット「hinotori™」は、グローバル展開を進めており、2026年3月末時点で国内外に累計110台を設置、累計17,300症例と着実に実績を積んでいます。屋内配送ロボット「FORRO」は2026年3月末までに13病院で22台の実運用が開始され、24時間体制で稼働することで医療従事者の業務負担の軽減に貢献しています。
これらのソリューションのグローバル展開として、ヘルスケア分野における事業ビジョン「未来のヘルスケアを共創する」のもと、2026年3月にフランス・ストラスブールに海外初となるR&Dイノベーションセンターである新会社「Kawasaki Innovation Centre Europe SAS」を設立しました。また、フィジカルAIの社会実装を推進する拠点として2026年5月に米国・シリコンバレーに「Kawasaki Physical AI Center San Jose」を開設しました。国内を含むこれらの共創拠点を連携させることで「病院ワンストップソリューション」の確立を加速します。
更に、AI開発を行う世界のトッププレイヤーであるNVIDIA、Analog Devices、Microsoft、富士通等との協業を推進し、医療等だけでなく半導体・自動車など幅広い産業やニューモビリティにおいても、人の置き換えではなく人の判断と行動を安全・効率的に支援するフィジカルAIの社会実装を目指します。
・介護現場に対するソリューション事業
2024年度より、介護施設における介護テクノロジーの導入・活用・定着を促進することで、介護人材不足の社会課題を解決する“介護業務支援サービス”に参入しました。当事業年度は、19回に及ぶ介護現場オペレーション計測を行い、様々な介護テクノロジーの改善効果及び投資効果を定量的に提示するサービスを提供しました。更に、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構の「介護DXを利用した抜本的現場改善事業」に対して、デジタル技術を活用した「介護テクノロジーの定量的改善及び投資効果を提示する機能を有する介護DXパッケージモデルの開発」の提案を行い、採択されたほか、厚生労働省、経済産業省、自治体等の補助金制度も活用し、その取組を地域のモデル施設へ展開する活動も推進しています。並行して、介護領域向けソーシャルロボットの社会実装の実現に向けた開発にも着手しており、介護施設の協力を得て認知症の方との会話などの実証試験を行っています。
b) 近未来モビリティ
物流量の増加や少子高齢化に伴う労働力不足の中で、新しい輸送・移動手段を提案し、豊かでスマートかつシームレスな移動が可能な社会を創造します。
2025年1月、無人ヘリコプター「K-RACER」を用いて送電鉄塔への物資輸送を想定した実証試験に成功しました。既に取り組んでいる災害時の物資輸送等と合わせて、民需に限らず様々なケースに対応したソリューションの一つとして日本の安全保障や社会インフラ強化に貢献していきます。また、ロボット事業とモーターサイクル事業を持つ当社グループだからこそ実現できる、新感覚オフロードパーソナルモビリティ「CORLEO(コルレオ)」の製品化に向けた開発にも着手しています。シミュレーターの開発に加え、まずは2030年開催予定の「サウジアラビア・リヤド万博」の会場内モビリティとして採用されることを目指します。当社グループは新たなモビリティを通じて、引き続き心弾む新たな価値や喜びの提供にも挑戦し、人とモノの移動を一層変革していきます。
・無人ヘリコプター「K-RACER」
2025年12月、送電鉄塔への物資輸送を想定した実証試験を、関西電力送配電株式会社の甲賀訓練場(滋賀県甲賀市)で実施し、荷揚げから送電鉄塔近傍での荷降ろしまでの一連の飛行に成功しました。今後も各ステークホルダーとの連携を強化し、平時と災害時の両面で安全で新しい物流網を構築することで、激甚化する自然災害への対処能力の向上にも貢献していきます。
また、同月、BladeRobots A/S(以下、「BladeRobots」)と、風力発電ブレード前縁補修分野において当社の「K-RACER」とBladeRobotsが開発するブレード前縁補修ロボットを連携させた新しいソリューションの開発に向けた戦略的パートナーシップを締結しました。この締結に先立ち、BladeRobotsと風力発電分野の世界的企業Vestas Wind Systems A/Sの支援のもと、デンマーク国内の風力発電所において実証試験を実施し、本ソリューションが技術的に成立することを確認しています。
・Robotic Multi-legged Vehicle「CORLEO(コルレオ)」
大阪・関西万博を通じて大きな反響を呼び、2025年12月に国際ロボット展にてCORLEOの製品化に向けた開発に着手することを発表しました。Robotic Multi-legged Vehicle(RMV)という新カテゴリーを創出し、これまでにない乗車体験価値をつくりこむべく機体の開発に着手しています。
更には、ゲーム・eスポーツ市場への参入も視野に入れて事業開発を推進しており、2030年に開催されるサウジアラビア・リヤド万博での導入をマイルストーンに設定し、誰もが安全に安心して冒険を楽しめる「SAFE ADVENTURE」事業構想を展開していきます。
AIの進化により、製造、医療、モビリティ等幅広い分野でフィジカルAIの活用が期待されており、2026年5月に米国カリフォルニア州サンノゼにフィジカルAIセンターを開設しました。世界的なテック企業や最先端の技術が集まるこの地で社会実装を加速させていきます。
c) エネルギー・環境ソリューション
中東情勢悪化の影響を受けて、当社グループが進めている水素事業はカーボンニュートラル需要に加え、エネルギー安全保障としての重要性が益々高まっています。
2025年11月、日本水素エネルギー株式会社(以下「JSE」)と、川崎市扇島に建設する液化水素基地「川崎 LH₂ターミナル」を起工しました。更には世界最大となる40,000㎥型液化水素運搬船の造船契約の締結や、世界初の大型商船向けの水素燃料エンジンや、水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機の実証運転を開始する等、水素社会の実現に向けたプロジェクトが本格的に加速しています。
水素社会実現までの移行期間においては、天然ガスと親和性の高いブルー水素がグリーン水素の普及を支える形で水素導入が進む可能性が高まっています。当社は天然ガスだけでなく水素も燃料として利用できるガスタービンやガスエンジンを保有しており、更にブルー水素に必要不可欠なCO2分離・回収・貯蔵に加え、CO2と水素から高品質なガソリンを製造する技術等も保有していることから、カーボンニュートラルのみならずエネルギー安全保障の観点からも多くのビジネスチャンスがあると考えています。
・液化水素サプライチェーン構築に向けて
2026年1月、当社はJSEとの、世界最大となる40,000㎥型液化水素運搬船の造船に関する契約の締結を発表しました。2030年代の世界の水素需要に応えるべく、当社の坂出工場(香川県坂出市)にて本船を建造し、将来の液化水素サプライチェーンの本格運用に向けた基盤を形成します。
JSEは「液化水素サプライチェーンの商用化実証」※の事業主体として、本船と川崎市扇島に建設中の液化水素基地「川崎 LH₂ターミナル」により、基地と船間での液化水素の荷役実証、並びに国際間海上輸送を模した外洋条件下での輸送実証を2030年度までに実施します。性能、安全性、耐久性、信頼性、経済性等、国際水素サプライチェーンの商用化に求められる要件を確認する商用化実証を通じて、水素の社会実装への歩みを着実に進めていきます。
2026年1月より、当社播磨工場に建設した水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機「KM Comp-H2」において実証運転を開始しました。本装置での実証を通して、液化プロセスを効率化し水素の供給コスト低減を目指します。
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業により実施
・日本とドイツにおける水素の社会実装に向けて
2025年9月、当社はトヨタ自動車株式会社、関西電力株式会社、ダイムラートラック社、ハンブルク自由港倉庫建築組合と「日独連携水素サプライチェーン構築に向けた覚書」を締結しました。本覚書は、国や産業の壁を越えて、水素の国際的な利活用推進を目指すと共に、日本とドイツの需要を合わせることにより、高い経済性を持つ水素サプライチェーンの構築を目標とするもので、経済産業省主催の水素閣僚会議において署名されたものです。本覚書の締結により、港湾・物流や、商用車をはじめとするモビリティ、発電といった各産業セクターにおける、国際的な水素輸送の実用化と事業化に向けた歩みを更に進めていきます。
・水素燃料の利活用に向けて
2026年3月には当社とジャパンエンジン社は、水素燃料多目的船の実船実証に向け大型商船向け水素燃料エンジンの水素燃料運転を開始しました。造船各社や日本海事協会と連携し、水素燃料による商船運航の実用化を進めます。
・CO2分離・回収事業の推進
2025年11月、当社は独自のCO2分離回収技術Kawasaki CO2 Capture(KCC)を適用した実証設備を神戸工場に完成させました。本設備は、排ガスからCO2を回収するPCC(Post-Combustion Capture)設備と大気中からCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)設備から構成されます。排ガスからのCO2回収技術は、既存インフラを活用した即効性のある排出削減技術として、DACは残余排出への対応やネガティブエミッションの実現に不可欠な技術として、それぞれ重要な役割を担うと位置づけられており、本設備を活用した技術検証を通じてCO2回収量の拡大を目指すとともに、KCCの社会実装を通じて地域や産業界の脱炭素化を推進します。
《事業活動を支える基盤項目》
「事業を通じて創出する社会・環境価値」の達成に向け、ビジネスと人権、人財活躍推進、コンプライアンス、技術開発・DXなど、特に重要となる課題を「事業活動を支える基盤項目」と位置づけています。これらの重要課題については、定量的な目標とKPIを設定しており、毎年、取締役会において主なKPIの進捗状況のモニタリングを実施しています。
各項目の定量的な目標及びKPI、その進捗状況など、詳細は統合報告書「Kawasaki Report」(次回2026年9月発行予定)(https://www.khi.co.jp/sustainability/library/kawasaki_report/index.html)をご参照下さい。
(5) 重要なサステナビリティ項目
① 気候変動への対応
(ⅰ) ガバナンス
当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ガバナンス」に記載のとおり、取締役会をグループ全体のサステナビリティ基本方針と基本計画を審議・決定する最高意思決定機関と位置づけています。気候変動への対応については、当社グループの環境経営の基礎となる環境経営活動基本計画を毎年策定しており、取締役会において、計画の審議・承認と実績のモニタリングを実施しています。更に、気候変動に関するリスクと機会の分析、その対応などについて、社長を委員長とするサステナビリティ委員会で審議し、定期的に取締役会へ報告を行っています。
また、事業活動に伴うCO2排出量削減などの環境管理活動を円滑に推進するため、環境管理担当役員を最高責任者とする環境管理体制を構築しています。毎年、最高環境管理統括者(環境管理担当役員)を議長とする地球環境会議を開催し、環境経営活動基本計画及びその重点施策の運用に関する審議・決定を行っています。更に、カンパニーごとに、環境経営責任者、環境管理統括者、環境管理責任者、環境担当責任者を配置し、それぞれの事業部門が環境経営活動基本計画を主体的に展開できる体制を整え、環境経営活動を推進しています。
(ⅱ) リスク管理
当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)リスク管理」に記載のとおり、気候変動を含むサステナビリティに関するリスクの識別・評価は、サステナビリティ委員会にて実施しており、事業環境とステークホルダーからの要請・期待の変化をリスク管理の観点から捉え、必要な対応について審議・報告を行っています。また、定期的な重要課題(マテリアリティ)の見直しについても、当シナリオ分析の結果を踏まえ、各課題に関するリスク評価を行っています。これらのリスク評価の結果、識別したリスクは取締役会に報告し、対応の方向性を審議した上で、各リスクの対象となる部門へ必要なフィードバックを行っています。
(ⅲ) 戦略
当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)戦略並びに指標及び目標」に記載のとおり、「グループビジョン2030」で定める3つの注力フィールドの一つである「エネルギー・環境ソリューション」において、水素事業、CCUS、DACを中心に、脱炭素社会の実現に向け、積極的に事業を推進しています。また、天然ガスだけでなく水素も燃料として利用できるガスタービンやガスエンジンなど、水素Ready製品を通じて、脱炭素社会実現までのトランジション期(移行期)において市場ニーズに応えていきます。
一方、地球温暖化などに伴い激甚化する自然災害に対しては、リスク分析に基づき、事業継続計画(BCP)やサプライチェーンの強靭化などの対策を進めています。気候変動関連のリスクと機会及びそれらがもたらす事業・戦略・財務計画への影響については、TCFD提言のフレームワークに基づき、分析・評価を行っています。
なお、シナリオ分析を含むTCFD提言に基づく情報開示はTCFDレポート(次回2026年10月発行予定)(https://www.khi.co.jp/sustainability/library/tcfd_report/)をご参照下さい。
(ⅳ) 指標及び目標
当社グループは、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑えるというパリ協定で掲げた目標の実現を目指し、「グループビジョン2030」のもと、水素発電を軸とした自主的な取組に加え、省エネルギーの更なる進展、再生可能エネルギーの導入拡大及び廃棄物発電の拡充により、2030年に当社及び国内連結子会社においてカーボンニュートラルを目指します※。更に、当社グループの脱炭素ソリューションを社会や取引先、顧客にも広げ、世の中のカーボンニュートラルの早期実現に貢献していきます。そのために当社グループは高効率の発電設備、水素との混焼ガスタービンなど化石燃料からカーボンニュートラルへの移行(トランジション)に不可欠な製品やサービスを多く取り揃え、この分野でも大きく貢献していきます。
※昨今のエネルギー市場におけるLNGへの回帰傾向や主要パートナーの状況等を踏まえ、カーボンニュートラルの実現時期について見直しを進めています。
また、当社グループの2032年度に向けた温室効果ガス削減目標について、国際的な気候変動イニシアティブであるSBTi(Science Based Targets initiative)※より認証を取得しました。
※SBTi:CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体が共同で
2015年に設立し、科学的根拠に基づく目標設定のベストプラクティスを定義・推進し、企業の目標を独自に評価
する国際的イニシアティブ。
(注) 1.CO2排出量は2024年度実績です。Scope 1、Scope 2、Scope 3カテゴリー①及び⑪についてはKPMGあずさサステナビリティ㈱による保証済です。最新の情報は当社Webサイト(2026年7月更新予定)(https://www.khi.co.jp/sustainability/esg/data.html)をご参照下さい。
2.Zero-Carbon Readyは、カテゴリー⑪の対応策に記載の取組を示す当社の造語です。
3.CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・有効利用・貯留)
② 人財活躍推進
社会が求める新たな価値を持続的に提供するために人財は最も重要な財産であり、「グループビジョン2030」においても、人的資本の充実は成長シナリオを支える重要な要素と位置づけています。この認識のもと、当社グループは人的資本に関する基本方針に則り、多様な人財の獲得・育成、その個性と能力を発揮する環境整備、前向きに挑戦し続ける人と組織の実現に向けて、各種施策を展開しています。なお、各種施策の詳細やその他の取組については、各項目に記載したURLから当社Webサイトをご参照下さい。
(ⅰ) ガバナンス
人的資本に関しても、人財マネジメントに関する基本方針・計画の決定は取締役会が行うものとし、特に重要な事項については指名諮問委員会や報酬諮問委員会に意見を求めています。執行側の会議体として全社人財マネジメント委員会を組織し、重要事項を協議・検討するほか、定期的に関係部門を招集し、ディスカッションを行っています。
《人的資本に関するガバナンス体制》
経営に大きな影響を及ぼす全社的な人財の育成・活用の方針、特に①経営者の育成、②重点施策における人財の活用、③新事業・新製品への人財の投入、④各種人事施策の運用状況などについては全社人財マネジメント委員会で協議・検討しています。
全社人財マネジメント委員会は社長が議長となり、カンパニープレジデントや川崎車両㈱社長、カワサキモータース㈱社長を中心に招集し、年4回開催することとしています。人財マネジメント委員会で協議した内容を反映し、各種施策について経営会議で審議の上、取締役会に報告する体制としています。
また、各種人事施策の詳細立案・策定時の意見収集、全社方針の伝達を目的として本社人事本部がカンパニーの人事・勤労担当部門長を招集し、各種会議体を開催しています。
人財マネジメント体制図
(ⅱ) リスク管理
当社グループにとって、人的資本は中長期的な価値創造を支える重要な経営基盤であり、多様な人財の活躍推進、教育・能力開発、計画的な後継者育成に加え、従業員一人ひとりが安心して能力を発揮し続けられる環境づくりを通じた人財の定着を図ることで、持続的な競争力の向上や新たな成長機会の創出につながるものと考えています。一方で、これらの取組が十分に進まない場合には、多様な人財の流出や人財の固定化を招き、労働市場の縮小や技術革新の進展に的確に対応できなくなるおそれがあります。その結果、事業の持続性やイノベーション創出力が低下し、中長期的な企業価値に影響を及ぼすリスクがあると認識しています。
(ⅲ) 戦略並びに指標及び目標
《人財育成方針》
社内外の組織の枠・製品の枠を超えて新たな事業領域に挑戦し成果を出す人財を育成するとともに、組織を動機づけ成果を最大化させるための適切なマネジメントが必要と考えています。
そのため、2021年から、自ら高い目標を掲げ覚悟とスピード感をもってやり抜く人財を後押しし評価する「チャレンジ&コミットメント」をコンセプトとする人事制度をスタートさせ、年齢・性別・国籍等の属性に関わらず、期待役割と成果を実現し得る人財を社内外から獲得・配置するとともに、行動特性評価による適正配置や、部課長を対象とした研修を実施しマネジメント層の育成にも取り組んでいます。
また、持続的に事業変革をリードする経営者の育成強化が必要と考えており、経営者に求める素養の可視化、外部アセスメントの活用、社長・副社長による面談などを行い、後継者候補を選定しています。加えて、「Kawasaki経営実戦塾」「Kawasaki経営塾」「Kawasaki経営入門塾」などの経営者育成プログラムを幅広い層を対象に実施し、計画的な経営者育成に取り組んでいます。
2025年には、目指すべき人や組織の実現にむけたHRの指針として「HRポリシー」を策定しました。従業員が高い目標に向かって挑戦し、成功も失敗も糧として成長できるよう、風土・基盤の醸成に一層注力していきます。
人財マネジメント (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/h-management.html)
人財開発 (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/h-development.html)
《社内環境整備方針》
「グループビジョン2030」の達成と更にその先の飛躍に向けて「枠を超え成長し続けるオープンで自由闊達・創造的なチーム」であり続けるため、より多くの人財が働きがいと働きやすさを実感できる環境づくりが重要と考えてい
人財マネジメント (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/h-management.html)
(注)1.エンゲージメントサーベイにおいて、「会社でスキルや経験を発揮できる機会があり、働きやすい環境であるかどうか(働きやすさ)」に関する複数の設問において、肯定的な回答をしている社員の割合。
2.同サーベイにおいて、「会社への貢献意欲・自発的に取り組む姿勢が醸成されているか(働きがい)」に関する複数の設問において、肯定的な回答をしている社員の割合。
《DE&Iの促進》
持続的な企業価値の向上を図っていくためには、国籍、性別、年齢、宗教の違いや障がいの有無などに関わらず、世界中で活躍する従業員一人ひとりが持つ能力や特性を存分に発揮でき、それを最大化する組織づくりが重要です。2025年には、すべての従業員が能力を発揮し新たな価値創造につなげるために、会社が従業員一人ひとりの挑戦と成長に寄り添った支援することを宣言する「DE&Iポリシー」を策定しました。本方針は当社グループのすべての人財が持つべきDE&Iに関する共通認識や各人に期待される行動を示しています。これまでに、育児・介護と仕事の両立支援を目的に、子どもが3歳に到達するまで取得できる「育児休業」、小学校卒業まで利用できる「短時間勤務制度」、最長3年間取得できる「介護休業」、育児・介護などで必要な時に時間単位で休暇を取れる制度など、国の基準を上回る取組をしています。これらのDE&I推進の積極的な取組が評価され、女性活躍に優れた企業として「なでしこ銘柄」(2014年度)に選定され、「えるぼし」(2016年)や「くるみん」(2010年、2015年)の認定も取得しています。
今後も、新卒採用において事務系総合職の40%以上、技術系総合職の15%以上を目標として女性の積極採用を継続的に推進するとともに、人財育成や環境醸成等の各種施策により女性をはじめとする多様な人財の活躍推進を図ります。また、仕事と育児の両立に対する理解促進や働きやすい職場づくりの一助になると考え、男性育児休業取得率の向上に向けて取り組んでいます。セミナー等による意識改革や制度・環境の整備に加え、DXを活用した業務プロセス改革により育児休業を取得しやすい職場環境を推進しています。更に、2025年度は男性の育児参画を促し、ジェンダー格差の是正に向けた取組を議論し、「共育(トモイク)休暇」を導入いたしました。この休暇の導入により、育児休業取得の懸念の一つである収入面の不安を解消し、最低1ヶ月間は育児に専念することを標準とする組織風土の醸成を目指します。
当事業年度の主な施策
● DE&Iポリシーの策定
● 女性課長層向け育成プログラム「Kawasaki Women's Advanced Program」の導入
● 大学と連携した「女性エンジニア養成プログラム」でのワークショップや地元企業との「技術系女性交流会」「女性リーダー育成勉強会」などのイベントを開催
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
(https://www.khi.co.jp/sustainability/society/diversity.html)
《安全・衛生・健康》
当社グループは、従業員が心身ともに健康で安全に働ける環境を提供することを大切にしています。すべての従業員が安心して働けるように、安全・衛生・健康を保持するための労働災害対策・傷病休業対策・生活習慣の改善を推進し、休業災害の発生防止に重点をおいて、休業災害度数率の低減に向けた安全管理活動の改善に努めています。休業災害度数率は、2030年0.35以下の維持を目標として掲げ、下表の対応策の徹底・強化により改善を目指します。また、安全・健康における長期ビジョンの実現に向けて、安全な設備や作業環境への「安全投資」による災害の低減、従業員の心と身体に対する「健康投資」による労働損失の低減、労働生産性の向上を目指します。
当社では労働生産性に影響する生活習慣の6項目を点数化した当社独自指数である「健康スコア」を測定し、従業員の生活習慣を改善に向けた各種施策を推進してきました。引き続き、従業員の健康意識向上と行動変容の促進を図っていきます。これらの取組を基盤としつつ、近年では、健康状態がもたらす労働損失や生産性への影響をより直接的に捉える観点から、アブセンティーズム(疾病等による欠勤)及びプレゼンティーズム(不調を抱えながら就労することによる生産性低下)に着目した健康経営の実践・高度化に取り組んでいます。現在、アブセンティーズム及びプレゼンティーズムの現状把握については、測定方法を確立したところであり、今後は経年推移も踏まえた指標の検討を進めていきます。併せて、アブセンティーズム及びプレゼンティーズムの改善に向けた具体的な取組を推進し、従業員一人ひとりが心身ともに健康で能力を十分に発揮できる職場環境の整備を通じて、中長期的な企業価値の向上につなげていきます。
労働安全衛生健康 (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/health.html)