リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は、本株式への投資に対するすべてを網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスク
① 事業環境の変化について
景気の急激な変動や地政学リスクによる社会・経済活動の制限等により、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、人口減少を要因とした市場構造の変化などが生じた場合も、同様に当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
② 当社グループが取得している許認可について
当社グループでは、採用支援事業において、有料職業紹介事業の許認可を受けております。また、プロモーション支援事業において、労働者派遣事業の許認可及び複数の自治体に屋外広告業登録を行っております。さらに各事業において、古物商許可と、国や自治体の入札資格を保有しております。これらの許認可等は適宜情報収集し更新を行っておりますが、何らかの理由により更新できなくなった場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
③ 各種法規制の改正・新設や業界規制・自主規制の変化などについて
当社グループの各事業は、個人情報保護法をはじめ、特定商取引法、景品表示法、消費者契約法、各種業界に適用される法令(宅地建物取引業法、旅行業法等)、古物営業法、屋外広告物に関する自治体の条例等が適用されます。また、広告宣伝物の掲示・配布・送信・放送・放映等にあたっては、著作権法や迷惑メール防止法等を順守する必要があります。一方、就職活動スケジュールなど業界によって順守が求められるルールや自主規制なども存在するほか、外国人分野においては外国人の入国制限の有無も事業に関連します。これらの法規や規制等が事業活動に影響を及ぼすような内容で改正・新設された場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
(2)当社グループの事業に関するリスク
① 業績の季節変動について
当社グループの事業のうち、採用支援事業は、就活関連のイベントの開催やアウトソーシング業務等が増加する7月から9月に売上が集中する傾向があります。また、教育機関支援事業においても、進学説明会の開催や学校のプロモーション活動が増加する上半期に売上が集中する傾向があります。集中期に十分な売上が計上できなかった場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、これら集中期が変動した場合、当社グループの売上高の偏重時期がそれに合わせて変化する可能性があります。
② 業界における取引慣行とクライアントとの取引基本契約書の締結について
当社グループの各事業の業界では、取引内容の柔軟性や機動性を重視する取引慣行があり、取引基本契約書の取り交しが行われないことが一般的となっております。当社グループの取引においては、取引仕様等を記載した発注書の受領を原則とし、取引基本契約書を取り交わすように努めるとともに、取り交わしが困難なクライアントについては、所定の取引条件書等を差し入れております。しかし、当社グループとクライアントとの間において取引条件が明確になっていない事象や不測の事故が発生した場合等には、当該クライアントとの関係の悪化や係争が生じる可能性があります。かかる事態が発生した場合は、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
③ 新規商材や新規事業の収益性について
当社グループでは、新たな商材や事業を適宜、事業の状況、マーケット環境を総合的に勘案し展開しております。これらについては、当社グループの実績を踏まえ、想定される事業規模に応じた売上・利益計画を立案しておりますが、拡販が想定通りに進捗しなかった場合、収益が低下し、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
④ 資金の流動性について
当社グループは、財務基盤の安定維持のため、金融機関からの当座貸越契約、長期借入契約などを締結し、必要な事業資金を調達しております。ただし、当該契約及び借入金の中には財務制限条項が設けられているものがあります。従前より各金融機関とは持続的に良好な関係を築いておりますが、同条項に抵触した場合、金利の上昇や、期限の利益を喪失することにより、当社グループの財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)コンプライアンスに関するリスク
① 協力会社や従業員による損害について
当社グループは、個々の従業員が企画・進行管理にあたっており、当該従業員、あるいは協力会社において人的ミスや不正の発生の可能性は否定できません。これらに対し業務に合った指示書の導入や作業時のダブルチェック、また協力会社との業務委託契約書の締結や責任範囲の明示、クライアントからのエビデンスの取得、決裁フローの運用などの対策を講ずるとともに、細心の注意を払い業務遂行・運営を行なっておりますが、重大な過失や不正行為などが生じた場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
② 個人情報の管理について
当社グループの事業では、個人情報を取り扱うサービスが存在します。当社グループ各社ではプライバシーマークの取得はもちろん、個人情報保護コンプライアンスプログラムの厳格な運用により厳重かつ細心の注意を払い管理するとともに、一定の損害保険にも加入しておりますが、万一個人情報の漏洩が生じた場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、他社において個人情報漏洩事件や個人情報の不適切な利用が認められた場合、個人が登録を回避したり、関係先がサービスの利用を推奨しなくなるなどの要因で、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
③ 訴訟の可能性について
当社は作業ミスを始めとした人為的ミス、システムの障害、個人情報の漏洩等の予期しないトラブルが発生した場合や、取引先や当社グループの役職員との間に何らかの問題が発生した場合、これらに起因する損害賠償の請求や訴訟の提起を受ける可能性があります。その金額や内容、結果によっては、金銭的負担や社会的信用の棄損が発生し、当社グループの業績や財政状況への影響が生じる可能性があります。
(4)その他のリスク
① 人材の確保・育成について
当社グループの業績拡大を目指す上で、人材への投資が不可欠ですが、人材市場や経済の動向により、戦力となる社員の獲得が困難となる可能性があります。当社グループでは、「サステナビリティに対する考え方及び取組」に基づき、社員の獲得と育成に取り組んでおりますが、今後人材の流出が生じ、十分な獲得ができなかった場合には、受注や生産性の低下を招き、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
② システムの停止リスクについて
当社グループは、インターネット上でサービスを提供するシステムを保有しております。専業の外部データセンターにサーバー等を設置し、開発会社と保守契約を締結して、セキュリティ対策を日常的に行っております。しかしながら、システムに過度なアクセスや障害が発生した場合や、外部からの攻撃によりウイルス感染等が発生した場合、システムの停止を余儀なくされ、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
③ 自然災害、火災、事故、感染症流行等に関するリスクについて
地震、風水害等の自然災害や火災、停電、ウイルス感染症の感染拡大、施設設備の故障、感染症流行等の不測の事態等により、正常な社会活動が困難となり営業活動が停止又は縮小した場合、イベント等の中止が発生するため、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、重大な労働災害、事故等が発生した場合は、操業に支障が生じ、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。
④ 投資のリスクについて
当社グループでは、自社メディアや業務推進センターを始めとして、固定資産への投資を行っております。また、今後資本業務提携やM&A等を積極的に検討していく方針です。これらの投資にあたっては、回収可能性について、十分検討の上で実施しておりますが、想定した売上・利益を実現できなかった場合、当社グループの業績や財務状況への影響が生じる可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つであると認識しております。利益処分については長期的な観点から、将来の事業展開、財務体質の強化などバランスを勘案しながら実施していく所存です。剰余金の配当はできる限り、安定的な配当性向を確立できるようにしたいと考えております。
当社の剰余金の配当は、現在のところ、期末配当の年1回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、株主総会であります。
当期の期末配当金につきましては、当事業年度の業績、当事業年度以降の事業活動の進捗等を総合的に勘案した結果、1株当たり15円の配当を実施することを決定しました。
なお、当社は、株主への利益還元機会の充実を図るため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を2024年3月期定時株主総会にて決議されることを条件に定款に定める予定でおります。