2023年8月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

物流事業 コネクティッド事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
物流事業 13,684 92.2 2,382 107.5 17.4
コネクティッド事業 1,150 7.8 -165 -7.5 -14.4

事業内容

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社6社(ウベパレットサービス株式会社、UPR Singapore Pte.Ltd.、UPR (Thailand) Co.,Ltd.、UPR Solution(Malaysia) Sdn.Bhd.、UPR VIETNAM CO.,LTD、UPR Services Inc.)の7社により構成されており、パレット等物流機器のレンタル及び販売を主たる業務としております。

 

セグメント名称

主な事業内容

主な関係会社

物流事業

・パレット等物流機器のレンタル事業(注)1

・パレット等物流機器の販売事業(注)2

・アシストスーツ事業(注)3

・物流IoT事業(注)4

当社

ウベパレットサービス株式会社

UPR Singapore Pte.Ltd.

UPR (Thailand) Co.,Ltd.

UPR Solution (Malaysia) Sdn. Bhd.

UPR VIETNAM CO.,LTD

UPR Services Inc.

コネクティッド事業

・ICT事業(注)5

・ビークルソリューション事業(注)6

当社

(注)1.木製・プラスチック製パレット(注)7、ネスティングラック・カゴ車等金属製物流機器、その他物流機器及び関連商品のレンタル

2.木製・プラスチック製パレット、ネスティングラック・カゴ車等金属製物流機器、その他物流機器及び関連商品の販売

3.アシストスーツのレンタル及び販売

4.追跡ソリューションのレンタル及び販売

5.遠隔監視ソリューションの役務提供及び関連機器のレンタル及び販売

6.カーシェアリング自主運営事業及びカーシェアリングシステムのレンタル、販売及びカーシェアリング運営受託

7.パレットとは荷物の保管や構内作業、輸送のために使用される薄い箱型の荷台で、木製・プラスチック製・金属製など用途ごとに多彩な種類が存在しております。パレットの上に荷物をまとめて載せることで、フォークリフトで一度に上げ下ろしができるようになるため、荷役作業の全てを人力で行う場合と比べて、作業の効率化が可能となります。倉庫、自動車、電子機器、農産、水産、食品など幅広い業種に利用されています。

 

 当社グループは提供サービスごとの収益状況等的確な運営を行うため事業部制を導入しております。

(物流事業)

 物流事業は、パレットなど物流機器のレンタル及び販売、アクティブRFIDタグ(注1)を搭載したスマートパレットのレンタル、現場でのあらゆる作業に従事する作業者の腰・身体的負担を軽減するアシストスーツのレンタル及び販売、GPS機能を搭載した追跡端末とデータ閲覧のwebサイトをパッケージにした「なんつい(注2)」や「ワールドキーパー(注3)」を主力商品とした追跡ソリューション端末のレンタル及び販売を行っており、レンタル事業、販売事業、アシストスーツ事業、物流IoT事業で構成されております。

 当社は、木製パレットの製造、販売及びレンタルからスタートしましたが、時代の流れにより変化する顧客ニーズに迅速に対応し、プラスチック製パレット、ネスティングラックやカゴ車等の金属製品など様々な場面で利用される物流機器を扱い、レンタル及び販売することで発展してまいりました。その過程で営業所やデポ(注4)を全国に展開し、2023年8月31日現在は国内14の営業所と約190か所のデポで運営しており、レンタル用物流機器の保有枚数は約486万枚に達しております(図1)。従来は、荷物保管用のレンタルパレットの割合が高くなっておりましたが、人手不足による物流の効率化が注目される中、安定したレンタル収入を確保するようパレットプールシステム(注5)を利用した荷物輸送用レンタルパレットの提案をしております。

 また、海外展開については、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナムに拠点を設置しております。日系企業への荷物保管用レンタルパレットの供給をメインとしておりますが、日本とアセアン地域及びアセアン地域内での荷物輸送用レンタルパレットの提案も進めております。またローカル企業に対しても同様にビジネスを展開しております。

(注)1.電池を使用せずにリーダーからの電波を使って動作するパッシブタグに対し、電池によって動作するタグをアクティブRFIDタグといいます。アクティブRFIDタグはパッシブタグに比べ通信距離が長いこと、センサーを内蔵できることといった特徴があります。

2.「輸送する貴重品の所在地をリアルタイムに確認でき高品質な輸送サービスの提供」をコンセプトに開発された「なんでも追跡ソリューション」で、貨物の追跡に留まらずトラックの運行管理、医薬品や冷凍食品の温度管理、衝撃値管理などにも利用されております。

3.国際貨物に対応した「海外版なんつい」で、位置情報だけでなく、輸送される貨物の環境データの収集、温度センサー、衝撃センサーを搭載しております。

4.パレットなど物流機器の貸出、返却を行うサービス拠点です。

5.同一のパレットをより多くのユーザーが相互に循環利用する仕組みです。

 

(図)1.営業拠点・デポ(国内)

 

(コネクティッド事業)

 コネクティッド事業は、ICT事業とビークルソリューション事業で構成されております。

 ICT事業は、遠隔監視ソリューション「なんモニ(注1)」で培った経験と知見を活用し、「DXタグ(注2)」をラインナップに加え、総合的なICTソリューションを展開しております。

 ビークルソリューション事業は、①カーシェアリングシステムのレンタル及び販売②カーシェアリング自主運営③カーシェアリング運営受託等のカーシェアリングソリューションを提供しております。現在の大手取引先との関係をさらに深めるとともに、自主事業の拡大、実証実験・行政案件に積極的に参画することでカーシェアリング業界内での知名度向上により、自動車メーカーやカーシェアリング事業者等が進めるシェアリングビジネスのパートナーとして販路拡大を継続してまいります。

(注)1.端末の通信モジュールと遠隔監視端末を利用し、データ閲覧サイトから情報を取得する「なんでもモニタリングソリューション」で、時間貸し駐車場の稼動状況監視、医療用酸素ボンベの残量監視、太陽光発電の発電量監視などに利用されております。

2.物流機器等の在庫・入出庫管理システムに用いていたアクティブRFIDタグを小型化し機能追加を行ったものです固定資産管理から児童の在校状況畜産動物の所在確認・発情検知等が目視不要で遠隔より管理可能となることからなシーンで自動化・DX化にご利用いただけます

 

 

[事業系統図]

 

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

 当連結会計年度末において、資産合計は、現金及び預金、レンタル資産、及び無形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,300百万円増加し、20,898百万円となりました。

 負債合計は、その他の流動負債、契約負債、長期借入金、及び退職給付に係る負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ615百万円増加し、12,392百万円となりました。

 純資産合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ684百万円増加し、8,505百万円となりました。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、社会経済活動は正常化に向けて回復基調で進み、ウィズコロナのもとで、景気は緩やかな持ち直しの動きとなっております。一方で、世界的な原材料価格の高騰等による物価上昇や金利上昇が続いており、依然として先行き不透明な状況が継続するものと思われます。

 当社グループの当連結会計年度が1年目となる中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)では、「豊かな社会インフラの構築をDXで実現し、循環型社会に貢献する」という基本方針のもと、パレットというハードのレンタルにとどまらず、生産工場から消費者へとモノを運ぶうえで、物流の川上から川下までのあらゆる課題解決に取り組むソリューション提案企業を目指し、企業価値の向上を図ることとしております。

 物流業界においては、2024年問題への対応期限を半年後に控え、「トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備」の実現が喫緊の課題となっております。レンタルパレットによるパレットプールシステムは、パレットの回収及び流失防止の仕組みがあることから高い関心を集めており、パレット輸送は2024年問題解決のために有効な手段であるとの認識が高まっているため、輸送用レンタルパレットの需要は堅調に推移しました。保管用レンタルパレットについても、在庫の増加により需要が高まっていた港湾地区の冷蔵・冷凍倉庫向けが順調に推移しました。企業の物流拠点投資は継続しており、販売も好調に推移しました。また、医薬品輸送の追跡及び温度監視サービスや工場等の遠隔監視サービスについても堅調に推移しました。

 このような環境の中、輸送用レンタルパレット需要、また港湾地区での保管用レンタルパレット需要が順調に伸長した結果、レンタル売上は前連結会計年度比で9.5%の成長となりました。販売売上も計画を大きく上回り、前連結会計年度比で18.1%の成長となりました。

 当社グループは、業種、規模、地域等が様々に異なる幅広い顧客と取引があり、新型コロナウイルス感染症の当社グループ業績への影響はマイナス面とプラス面の両方がありましたが、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中、また2024年問題が意識されていく中で、レンタルパレットの需要は大きく回復しました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,833百万円(前連結会計年度比11.3%増)、営業利益は830百万円(同56.0%増)、経常利益は1,192百万円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は743百万円(同9.2%増)となりました。

 

 各セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

(物流事業)

 物流の2024年問題への対応が迫られる中、政府は6月に商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容について抜本的・総合的な対策をまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」を決定し、7月には発荷主企業のみならず、着荷主企業も含め、適正な取引を阻害する疑いのある荷主企業・元請事業者の監視を強化するための「トラックGメン」を創設する等、政府の「2024年問題」対策は加速しています。「トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備」を実現するために、パレット輸送は有効な手段であり、パレットの回収及び流失防止の仕組みが充実しているレンタルパレットによるパレットプールシステムへの関心は高まっており、輸送用レンタルパレットにおいて、当社のレンタルパレットを活用した家庭紙メーカーの共同利用・共同回収は、堅調に推移しました。パレット輸送が進んでいない業界へのアプローチも進捗しております。保管用レンタルパレットについては、港湾地区を中心に倉庫の在庫水準は高い状況が続いており、季節性の返却が少なかったことにより稼働率は高い水準で推移しました。また、海外事業も概ね計画のとおり推移しました。物流IoTは、医薬品の高付加価値輸送(GDP)が貢献しました。アシストスーツは、高所作業用フルハーネス(2022年1月義務化)と一体化できるアシストスーツを中心に販売店展開を継続するとともに、介助用のケアタイプや軽量のエアータイプを発売し販路拡大に向けた展開を行ってまいりました。

 以上の結果、物流事業では売上高13,683百万円(前連結会計年度比11.1%増)、セグメント利益2,382百万円(同13.4%増)となりました。

 

(コネクティッド事業)

 ICTにおいて、遠隔監視ソリューションについては、通信規格変更に伴う機器販売が順調に推移し、顧客の計画前倒しにより、機器販売台数は順調に推移しました。DXタグに関しては、人流管理での受注や家畜管理での実証実験が行われており、今後は使用用途の拡大を想定しているものの、当連結会計年度においては当初の計画を大幅に下回りました。カーシェアリングシステムについては、半導体不足による顧客のカーシェアリング車両の納入遅延がようやく解消され、車載器販売は概ね順調に推移しました。また、つくばでの自主事業については、会員数が順調に増加しました。

 以上の結果、コネクティッド事業では売上高1,149百万円(前連結会計年度比13.6%増)、セグメント損失165百万円(前連結会計年度はセグメント損失121百万円)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、当連結会計年度末には3,174百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は3,386百万円(前連結会計年度は3,272百万円の収入)となりました。収入の主な要因としては減価償却費2,621百万円、税金等調整前当期純利益1,124百万円、及び売上債権の減少84百万円等、支出の主な要因としては法人税等の支払額591百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は3,630百万円(前連結会計年度は2,100百万円の支出)となりました。支出の主な要因としては有形固定資産の取得による支出3,165百万円及び無形固定資産の取得による支出424百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は252百万円(前連結会計年度は781百万円の支出)となりました。支出の主な要因としては長期借入金の返済による支出1,647百万円等、収入の主な要因としては長期借入れによる収入2,000百万円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

b.仕入実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当連結会計年度の仕入実績を記載いたします。セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日)

金額(千円)

前連結会計年度比(%)

物流事業

6,749,820

122.8

コネクティッド事業

976,329

125.2

合計

7,726,150

123.1

(注)レンタル資産(固定資産計上)及び販売用器具の購入を記載し、売上原価に計上されている運送費等は除いて記載しているため、財務会計上の売上原価とは一致いたしておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日)

金額(千円)

前連結会計年度比(%)

物流事業

13,683,999

111.1

コネクティッド事業

1,149,866

113.6

合計

14,833,865

111.3

(注)1.セグメント間の内部売上高については相殺消去しております。

2.主たる販売先に関しましては、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社グループの経営成績等

1)経営成績

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して1,504百万円増加し14,833百万円(前連結会計年度比11.3%増)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の売上高目標14,000百万円に対し6.0%増となります。

 主な要因は、パレットレンタル事業において、港湾地区を中心に回復していた保管用レンタルパレットの需要が年間を通して高い状態にあったこと、及び家庭紙メーカーでの共同利用・共同回収の取り扱いが拡大したこと等により、輸送用レンタルパレットの需要が堅調に推移したことによるものであります。

 

(売上原価・売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して796百万円増加し10,033百万円(前連結会計年度比8.6%増)となりました。主な要因は商品仕入、サービス仕入、レンタルパレットの減価償却費用、及び運送原価等が増加したことによるものであります。

 その結果、売上総利益は、前連結会計年度と比較して708百万円増加し4,800百万円(前連結会計年度比17.3%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して410百万円増加し3,970百万円(前連結会計年度比11.5%増)となりました。これは人件費、新型コロナウイルスの5類感染症への移行にともなう対面営業の再開による旅費交通費や接待交際費の増加、及びDX化推進に伴う経費増加等によるものであります。

 その結果、営業利益は、前連結会計年度と比較して297百万円増加し830百万円(前連結会計年度比56.0%増)となりました。

 

(営業外損益・経常利益)

 当連結会計年度における営業外損益は、受取補償金が減少したこと等により前連結会計年度と比べて220百万円減少しました。

 その結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して77百万円増加し1,192百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。これは中期経営計画2025 (ver.2)(2023年8月期から2025年8月期)の目標値950百万円に対し25.5%増となります。また、売上高経常利益率は8.0%となりました。

 

(特別損益・親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別損益は、減損損失による損失等により前連結会計年度と比較して37百万円減少しましたが、また法人税等も減少しました。

 その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、743百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。

 

2)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は6,032百万円となり、前連結会計年度末に比べて80百万円増加しました。これは主に現金及び預金が52百万円増加したことによるものであります。固定資産は14,866百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,219百万円増加いたしました。これはレンタル資産が885百万円増加したこと、及び無形固定資産が307百万円増加したことによるものであります。

 この結果、資産合計は20,898百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,300百万円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は4,672百万円となり、前連結会計年度末に比べて173百万円増加しました。これはその他の流動負債が118百万円増加したこと、契約負債が116百万円増加したこと、及び買掛金が95百万円増加した一方で、未払法人税等が148百万円減少したことによるものであります。固定負債は7,719百万円となり、前連結会計年度末に比べ441百万円増加いたしました。これは長期借入金が372百万円増加したこと、及び退職給付に係る負債が49百万円増加したことによるものであります。

 この結果負債合計は12,392百万円となり、前連結会計年度末に比べ615百万円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は8,505百万円となり、前連結会計年度末に比べて684百万円増加しました。これは利益剰余金が644百万円増加したことによるものであります。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主な資金需要は、物流事業におけるレンタル資産(パレット等物流機器)の取得に係る設備投資の資金であります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入による資金調達等にて対応しております。

 

d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 わが国の経済は、世界的な原材料価格の高騰による物価上昇や金利上昇により、今後とも外部環境の不透明感が続くと思われますが、経済活動は新型コロナウイルスの5類感染症への移行にともない回復しております。

 また、当社グループは、「中期経営計画2025 (ver.2)」(2023年8月期から2025年8月期)の2年目を迎え、2024年問題への対応を追い風にパレット輸送の仕組みを提案してまいります。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりであります。

 

(物流事業)

物流につきましては、2024年問題を半年後に控え、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備に有効なパレット輸送への関心は高い状態が続くものと見込んでおります。

このような事業環境のもと、2024年問題によるパレット輸送化への流れは一過性の需要ではなく、各社の対応は翌期以降も続くものと分析しております。そんな中で当社はパレットの回収及び流失防止の仕組みが充実しているレンタルパレットによるパレットプールシステムや日本パレットレンタル株式会社と共同開発したX-Rentalオープンプラットフォームによるパレット管理システムの提案により、輸送用パレットの拡販を図ってまいります。また、単なるパレットのレンタルにとどまらず、アクティブRFIDタグを搭載した「スマートパレット」、「パレットファインダー」等の付加価値の高いサービスの提案、お客様のニーズの把握による新サービスの開発、提供を進めてまいります。また、レンタルパレットの稼働率については、引き続き効率的なレンタルパレットの調達及びオペレーション管理を行うことで上昇を図り、粗利益率の改善を図ってまいります。アシストスーツについては、低価格で軽量の「サポートジャケットBb+Air」や「サポートジャケットBb+PROⅢ」等新商品をタイムリーに市場へ投入することで商品の認知度を上げると共に量販店との協業など販売チャネルの拡大を図ってまいります。

 

(コネクティッド事業)

コネクティッド事業のうち、ICT事業については、遠隔監視ソリューションにおいて駐車場や工場設備等の遠隔監視サービスの強化、及び放牧牛の体調管理等実証実験が行われているDXタグにおいては、様々な用途や顧客ニーズに応えるサービス提供の拡大、これらにより粗利益率の改善を図ってまいります。ビークルソリューション事業については、既存顧客への車載器の安定供給を中心に、自社運営事業の会員数拡大や自治体、自動車販売会社、不動産会社等の新規顧客開拓を図ってまいります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

(1)報告セグメントの決定方法

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループのセグメントについては、事業の種類別に構成されており、「物流事業」及び「コネクティッド事業」を報告セグメントとしております。

(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

 「物流事業」は、パレットを中心とした物流機器のレンタル及び販売事業を行っております。

 「コネクティッド事業」は、最新のIT技術を活用したソリューション提供事業であり、「遠隔監視ソリューション」及びカーシェアリングを行う「ビークルソリューションサービス」等を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。

 報告セグメントの利益は、経常損益ベースの数値であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結

財務諸表

計上額

(注)2

 

物流事業

コネクティッド事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

12,317,025

1,012,185

13,329,210

13,329,210

セグメント間の内部

売上高又は振替高

35

35

△35

12,317,060

1,012,185

13,329,245

△35

13,329,210

セグメント利益又は損失(△)

2,100,706

△121,800

1,978,905

△864,327

1,114,577

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

2,522,640

55,402

2,578,042

45,574

2,623,616

受取利息

746

746

9

756

支払利息

7,221

7,221

27,823

35,044

(注)1.調整額は、以下のとおりであります。

(1)セグメント利益又は損失の調整額△864,327千円には、セグメント間取引消去△2千円、各報告セグメントに配分していない全社費用△864,324千円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費並びに営業外損益であります。

(2)減価償却費の調整額45,574千円には、各報告セグメントに配分していない全社費用45,574千円が含まれております。

(3)受取利息の調整額9千円には、セグメント間取引消去△7,245千円、各報告セグメントに配分していない全社収益7,255千円が含まれております。

(4)支払利息の調整額27,823千円には、セグメント間取引消去△7,221千円、各報告セグメントに配分していない全社費用35,044千円が含まれております。

2.セグメント利益又は損失は、それぞれ連結財務諸表の経常利益と調整を行っております。

3.セグメント資産及び負債については、取締役会に対して定期的に提供されておらず、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載しておりません。

4.報告セグメントに対して特定の資産は配分しておりませんが、減価償却費等の関連費用は配分しております。

 

 

当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注)1

連結

財務諸表

計上額

(注)2

 

物流事業

コネクティッド事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

13,683,999

1,149,866

14,833,865

14,833,865

セグメント間の内部

売上高又は振替高

13,683,999

1,149,866

14,833,865

14,833,865

セグメント利益又は損失(△)

2,382,341

△165,438

2,216,903

△1,024,527

1,192,376

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

2,517,497

63,177

2,580,675

40,889

2,621,564

受取利息

1,010

1,010

9

1,019

支払利息

9,822

9,822

29,230

39,052

(注)1.調整額は、以下のとおりであります。

(1)セグメント利益又は損失の調整額△1,024,527千円には、セグメント間取引消去6千円、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,024,534千円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費並びに営業外損益であります。

(2)減価償却費の調整額40,889千円には、各報告セグメントに配分していない全社費用40,889千円が含まれております。

(3)受取利息の調整額9千円には、セグメント間取引消去△9,680千円、各報告セグメントに配分していない全社収益9,690千円が含まれております。

(4)支払利息の調整額29,230千円には、セグメント間取引消去△9,822千円、各報告セグメントに配分していない全社費用39,052千円が含まれております。

2.セグメント利益又は損失は、それぞれ連結財務諸表の経常利益と調整を行っております。

3.セグメント資産及び負債については、取締役会に対して定期的に提供されておらず、経営資源の配分決定及び業績評価の検討対象になっていないため記載しておりません。

4.報告セグメントに対して特定の資産は配分しておりませんが、減価償却費等の関連費用は配分しております。

 

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。

 

当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がいないため、記載はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

物流事業

コネクティッド事業

調整額

合計

減損損失

24,507

24,507

 

当連結会計年度(自 2022年9月1日 至 2023年8月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

物流事業

コネクティッド事業

調整額

合計

減損損失

48,730

48,730

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。