リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)システムダウンについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:高)
当社グループは、コール業務管理、エンドユーザー情報の管理など情報システムに依存しているため、ネットワーク及びサーバシステムの障害を回避するために、下記のような対策を講じております。
現在、可用性を確保するためにサーバ機器・ネットワーク機器の冗長化と定期的な保全メンテナンスの実施等の対応を行っております。特に、当社サービスの基幹となるデータベースサーバ、アプリケーションサーバに関しては性能の高い設備へ更新を行うことにより、1台のハードウェアの故障が全体のサービスへの影響に繋がらない運用体制を構築しております。
上記のような障害対策を行っておりますが、万一、システム障害が発生した場合には、コール業務自体が停止し、営業活動が遂行できなくなる可能性があるほか、効率的な運営が阻害され、重要なデータが流出する等により、当社グループに対する訴訟や損害賠償請求等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)情報セキュリティについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:高)
当社グループの展開する事業においては、当社のサーバにお客様の経営情報や個人情報が蓄積されるため、お客様のデータ及び種々の情報に関する機密性の確保が極めて重大な命題となっております。そのため、当社グループでは、お客様情報の消失や外部への流失、漏洩が発生しないよう、インターネット回線とは隔絶された独自のプライベートネットワークを準備すると共に、外部ネットワークからの不正アクセスやコンピュータウィルスの侵入等を防御するために、高品位なファイヤーウォール群を設置しております。
一方で、人的ミスや手続き不備等による情報漏洩を防ぐため、当社グループの情報管理部門において個人情報保護に関する規程等を制定し、情報の取扱いや保管に関する従業員への教育及び情報漏洩が起きた際のリスクの周知、情報へのアクセス制限等の措置を講じる等運用・管理を徹底しております。しかしながら、大規模な自然災害、当社社員の過誤、不正アクセスやコンピュータウィルスの侵入等の要因によって、データの漏洩、破損や誤作動が起こる可能性があります。上記のような対策を行っておりますが、万一、機密情報の取扱いに関する問題が発生した場合、当社グループの信頼を失うばかりでなく、顧客からの損害賠償請求、訴訟により責任追及され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻 度):常時、影響度:高)
当社グループは、株式会社アイ・ステーション、Renxa株式会社、株式会社ZITTO及びエフエルシープレミアム株式会社の支配獲得に伴い、相当額ののれん及び耐用年数を確定できない無形資産を連結財政状態計算書に計上しております。当社グループの連結財務諸表等はIFRSを採用しており、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産は非償却資産として、毎期の定期的な減損判定を行うこととなっております。
当連結会計年度においては、減損損失の計上は不要と判断しておりますが、経営環境や事業の著しい変化等により収益性が低下した場合、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損損失発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(4)技術革新への対応について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社グループが事業展開しているインターネット関連業界は、技術革新が急速に進んでいる分野であり、技術革新に伴って、顧客ニーズも常に変化し、多様化する傾向にあります。現在及び今後の技術革新を把握することは当社グループが事業を行っていくうえで極めて重要であり、当社グループではそのための情報収集を逐次行っております。サービスの向上、拡大に必要な情報の収集や情報技術の取得については、安定性・安全性・信頼性・経済性等を重視して実行しております。
なお、技術革新への対応が遅れた場合は、当社の競争力が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(5)競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社グループが展開する各事業と類似するサービスを提供する競合企業は複数存在しますが、当社グループでは新規プロダクト開発からマーケティング、セールス、CRMに至る全機能を当社グループのリソースによってワンストップで提供できることや、複数の販売網や多彩な販売チャネル、多数の顧客基盤やサービス、営業リソース等の強みを活かし、一定の立ち位置を確保できていると考えております。しかしながら、大小様々な競合企業が存在することからも参入障壁は著しく高いとは言えず、資金力のある大手企業の新規参入における収益力の低下や、当社グループが明確な競争優位性を維持できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)スマートフォン、タブレット端末市場の動向について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
今後のスマートフォン、タブレット端末に連動する関連市場の動向によっては、販売手数料収入の引き下げによる利幅の低下等の事態が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループにおいては、営業人員における1人あたり生産性の向上を目的とし、DXを基軸とした営業効率の向上を図るだけではなく、市場変化の兆候は迅速に経営戦略に反映させるよう努めております。
(7)感染症の拡大について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社グループは、感染症等が流行した場合に備え、在宅勤務やリモートワーク等を可能とする勤務体制の構築や従業員や関係者の安全・安心の確保を最優先とし、感染予防対策と事業継続・拡大に向けた対応を推進しております。しかしながら、世界的な感染症の拡大が生じた際、クラスターが発生する可能性等、営業活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8)販売代理業務に係るリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社グループは、販売代理事業を行っており、通信事業者やメーカー、上位代理店等との契約内容及び条件に基づいて事業を行っております。したがって、国内外の経済情勢や景気動向等の理由による通信事業者やメーカー、上位代理店等の方針の変更によって取り組みが減退するような場合には、当初計画していたような売上成長が見込めず、当社の事業の収益性や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは完全に排除できる性質のものではないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化する可能性があると認識しております。
(9)業務提携及び企業買収等に係るリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社グループでは事業拡大及び収益力向上のため、企業買収等を実施することがあります。当社グループは、企業買収案件に対しリスク及び回収可能性を十分に事前評価し、企業買収先の選定を行っておりますが、企業買収先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予測することは困難な場合があり、買収した事業の経営資源を当社の経営戦略に沿って、効率的に活用できなかった場合には、当社グループの事業に影響を及ぼすほか、のれんの減損等により、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)特定取引先への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社グループの主たる取引先は、その他の関係会社である株式会社光通信、株株式会社プレミアムウォーターホールディングス及びそのグループ各企業が中心となっております。従って、これらの企業が主力事業を展開しているウォーターサーバーの取次販売事業や情報・通信市場等の動向によっては、当社グループと当該企業との取引関係、ひいては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループとしては、今後も当該企業との取引関係は継続しつつも、当該企業以外との取引を拡大することにより、売上収益に占める構成比率の分散を進めることで特定取引先への依存度低下を図り、リスクの逓減に努める方針です。
(11)法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社グループにおいては、「不当景品類及び不当表示防止法」「特定商取引に関する法律」「電気通信事業法」「消費者保護法」「個人情報保護法」等の法的規制を受けております。そのため、管理部門を主管とし、法令等の遵守を徹底することを目的に、当社グループ内のリーガルチェックの実施や外部機関を活用した当社グループの営業部門のクオリティチェックの体制構築及び定期的な社内教育を行っております。また法令改正の動向等の情報収集を適宜行い、適時に対応できるようにすることによりリスクの軽減を図っております。
しかしながら、今後これらの法令や規則等の予測不能な変更又は新設された場合は、当社グループの事業が何らかの制約を受け、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(12)人材の確保について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
コールセンターの運営やビジネス・プロセス・アウトソーシング事業においては、一人あたり生産性が売上収益と相関関係にあるため、業務に従事する多数の人材確保が必要となります。そのため、当社では求職者の対象範囲を広げるため、地方拠点を活用すること及び採用手法においても様々な活動を実施することにより、優秀な人材の安定確保に努めています。しかしながら、人口減少や少子高齢化等により当社グループに十分な労働力を継続的に確保できない可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しております。しかしながら、業績及び財務状況等を勘案した結果、第2期末の配当につきましては見送りました。
当社は、成長中の企業であり更なる高成長をするための投資並びに財務体質の強化を行い、企業価値を高めることが株主の利益につながると考えております。
今後は、経営成績に応じた利益配分を行うことを基本方針とし、あわせて将来の事業展開と企業体質強化のための内部留保を図りつつ、業績及び配当性向等を総合的に勘案して決定する所存であります。
なお、当社は取締役会の決議によって、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。