2024年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

MRO事業 FM事業 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
MRO事業 41,221 73.3 769 61.9 1.9
FM事業 14,666 26.1 389 31.3 2.7
その他 314 0.6 84 6.7 26.7

事業内容

3【事業の内容】

当社グループ(当社および当社の子会社)は、当社、連結子会社であるATC株式会社およびAPリノベーション株式会社、ならびに非連結子会社である愛富思(大連)科技有限公司の4社により構成されており、MRO事業とFM事業の2つを主な事業として取り組んでおります。MRO事業は主に間接材の購買業務を改善したいというモノに関しての顧客のご要望に応える事業であり、FM事業は主に施設の管理や運用を効率化したいというサービスに関しての顧客のご要望に応える事業です。両事業により、モノとサービスを効率的に、適切かつ低コストで購入できる仕組みとサービスを提供し、顧客の最適購買を実現します。

 

(1)MRO事業

MROとは「Maintenance Repair and Operations」の略称で、本来、商品とサービスの双方を包含する概念ですが、日本では設備や機械の修理用備品、文具、オフィス用備品等のMRO商品の物販のことをMROと呼ぶことが多いため、当社グループでもMRO商品の物販事業をMRO事業と称しています。MRO事業は、インターネットを活用し、企業が日常的に購入する消耗品の発注から納入までを効率化する手法を活用した間接材の販売事業です。MRO商品は、その種類が極めて多い割に、購入量は少なく、単価も安い、典型的なロングテール(多品種・少量・少額)型の商品であり、当社グループは、主に上場企業を中心とした大企業の企業グループ全体を顧客とするべく、その購買に最適なITプラットフォームを提供し、①幅広い商品の選択肢から最適な商品を、②価格競争力のある単価で、③管理された顧客の社内決裁を経て購入が可能、という強みを生かして事業を行っております。顧客本体の事業所、営業所だけでなく、顧客の子会社や関係会社までを含む顧客の企業グループ全体と日本全国のMRO商品提供者(サプライヤー)をITシステムで結び、商品物流を基本的にサプライヤーからの直送とすることで、MRO商品調達に関し業界全体のDX(Digital Transformation)を進めております。なお、MRO事業の売上と粗利は主に物販活動によるものです。顧客からは若干のシステム利用料をいただく他、顧客システムとの連携接続や、顧客の特別な仕様要求がある場合、個別にシステム改定料等を頂きますが、取引額全体に占める比率は小さく、システム提供により利益を得るビジネスモデルではありません。

 

①幅広い商品の選択肢から最適な商品

当社グループの顧客である大企業の企業グループには、多数かつ多様な事業所や関係会社が存在し、それぞれの拠点や関係会社が購入を希望する商品は多岐にわたります。当社グループでは、この多様なニーズに対し、現在取引のあるサプライヤーが提供する幅広い商品を電子購買システム経由で販売しております。また、顧客が、当社グループの電子カタログに登録されていない商品の購入を希望される場合には、顧客の具体的な要望に従って、適切なサプライヤーと商品を探し出し、複数のサプライヤーの相見積りの結果を顧客に提供する仕組みを運用しております。またこの仕組みに関し、顧客とサプライヤーとの直接のコミュニケーションを可能にし、より効率よく取引が成立するための電子カタログへの機能の追加を開始いたしました。これらの方法により、顧客は、常に幅広い選択肢から最適な商品を購入することが可能となります。

 

②価格競争力のある単価で購入可能

当社グループが仕入、再販の契約を締結している多数のサプライヤーから供給可能な幅広い商品が、価格や納期の情報とともに顧客の電子購買システム上に表示されるため、結果的にサプライヤー間の自由で公正な競争が発生することとなり、当社グループは、顧客に、価格競争力のある単価で多様な商品の提供が可能となります。また、当社グループを一元窓口として、幅広い顧客への再販が行われることから、当社グループの製品あたりの購入額が増大し、当社グループの顧客も、自社グループのみの購買では実現できないボリュームディスカウント後の価格での購入が可能になります。

 

③管理された社内決裁(購買統制・購買管理)

当社グループが提供するMRO商品群は非常に幅広いことから、そのMRO商品群の全てに関して、顧客が独自に適切な管理、統制プロセスを経た購入を行う際に、相当な工数が必要となります。大企業グループにおいては、商品カテゴリーや商品の価格帯毎に、異なる購買主管部門や購買規程が存在する一方、あらゆる拠点や関係会社で多数の購買行為が発生するため、全体を統括する購買管理部門は、実効的な購買行動の管理統制に苦心されています。社員がBtoC(個人向け)の大手通販会社から個別に必要な商品をネットで購入し、会社が立て替え払いをするといったやり方は認め難いため、管理された社内決裁を経た適切な購買管理の重要性が強く認識されています。その購買を支援し、システム的に担保するのが、当社グループの電子購買システムです。

 

 

(2)FM事業

FMとは「Facility Management」の略称で、施設・設備管理のことです。MROという言葉には”Repair &Maintenance”が含まれているため、広義のMROに含まれますが、日本では物販事業のみをMRO事業と呼ぶ事例が多く、またロングテール物販と施設・設備管理は物品の提供かもしくは役務の提供かといった点で事業特性が異なることから、当社グループでは後者をFM事業として区分管理しています。一般的な意味でのFacility Managementとは、土地、建物、構築物、設備等の事業用資産すべてをコスト最小、稼働率最大で運営、維持するための総合的な管理を指しますが、当社グループでは、商業施設の新築、改装、修繕、清掃および運営支援並びに工事用建材を各店舗の工事日程にあわせて提供する事業に限定しています。当社グループ内では、商業施設の開店や改装時に、仕様・数量・配送日程等のあらゆる面で店舗工事に最適化した建材提供を「材・工分離」(資材支給と施工を別の業者が行う)形態で行う部分をCFM (Construction & Facility Management)、商業施設の維持管理や改装、修繕および各種法定点検対応などの予防保全を行う部分をFMと称して事業部を分けると同時に、FMはさらに改装・リニューアル工事を担うAPリノベーションズ株式会社を子会社として切り分け運営しています。ただし各事業部およびAPリノベーションズ株式会社は商業施設の開店から閉店までのライフサイクルにあわせて、適宜、必要な物財やサービスを提供するという点で共通の事業特性を持ち、改装工事の際に建材支給と施工が分離されるか統合されるかは、顧客側都合によって決まる事項であるため、すべて合わせてFM事業として管理しています。

当社グループが手掛けるFM事業は、店舗数が多く、同型施設・設備が多数あり、建材や役務提供業務の定型化が容易なチェーンストア(コンビニエンスストア、ドラッグストア、ファストフード店、ビジネスホテル等)向けが中心です。大規模チェーンストアはチェーンストア全体の本部と全国の直営店、フランチャイズ店の組み合わせで運営されることが多く、当社グループはチェーン本部の管理業務の一部を受託する形で、全国の直営店、フランチャイズ店に対して均質なサービスを提供しています。店舗の建物と設備に関する資材やメンテナンスの代行発注、購買、受託、および品質の管理、店舗管理コストの可視化によるチェーン本部のコスト削減支援、全国の修繕・保守・清掃のパートナーと連携した全国ネットワークによる24時間365日体制のメンテナンス、及び緊急対応などが、当社グループが顧客に提供しているサービスです。顧客が属する業界の動向や環境の変化や顧客の新築・改装・修繕・清掃・購買の方針の振れ幅が大きい場合には、FM事業全体の売上も変動する場合がありますが、複数の業態のチェーンストアが顧客となっているため、セールスミックスにより、その増減の一部は吸収されて平準化します。

 

(3)その他事業

その他に分類されているのは、当社グループのITシステムの開発および運用の部門を2014年1月に分社して設立したATC株式会社のITシステム開発運用部門です。この事業は、当社向けのITシステム開発、運用によって培った技術、ノウハウを外販するもので、他の事業と比較すると低リスクかつ高収益であることが特徴ですが、副産物としての事業の性格上、規模的には小さな金額にとどまります。

 

(4)サプライヤーおよびパートナー会社について

顧客の社名入り商品等、一部の商品については当社自体が在庫を保有し、配送を行います。また、当社が複数サプライヤーからの納品を受けて一括納品を行う場合もありますが、当社グループのMRO事業における商品納入の大部分はサプライヤーから顧客への直接配送によって行われています。これらの物流機能については、当社グループは全面的にパートナー企業に委託をしております。FM事業における役務についても基本的に直接顧客へ提供されますが、材・工分離の形態で資材支給の役務提供を行う場合は、顧客にタイムリーに資材を支給する目的で一時的に当該資材を在庫として保有する事もあります。また、当社グループが顧客に提供しているITシステムの開発、運用に関しても、その大部分をパートナー会社に委託しております。

 

[事業系統図]

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)におけるわが国経済は、為替レートが概ね円安に振れたことから輸出主導型製造業の業績が堅調でした。またインバウンド需要が拡大したことから商業施設やサービス業が好調であったこともあり、企業業績は全般に好調でした。一方、円安定着や天候不順によるエネルギー価格や食料品を中心とした物価上昇、地政学的な紛争の継続、中国経済で強まるデフレ化圧力の懸念等により、先行きは依然として不透明な状況が続きました。

 このような経済状況の下、当社の事業セグメントの一つであるMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業における工具、消耗品、修繕部品、文具等の間接材の市場では、主力の大企業向け販売に関しては、一部の素材産業や内需向け産業の需要が伸び悩んだものの、自動車関連などの輸出主導型製造業を中心に当社サービスの利用が拡大し、強い成長が続きました。しかしながら、中小事業所向けの販売に関しては需要停滞とそれに伴う価格競争の激化により、売上は前年同期比割れとなりました。

 もう一つの事業セグメントであるFM(Facility Management)事業における国内商業施設向けサービス市場では、インバウンド需要拡大を追い風として顧客である中大型店舗・施設の業績は好調であったものの、一部の大型施設の改装案件につき、実施時期の後ろ倒しが発生し、年初の想定より売上が大きく減少しました。また、個人消費の動向に敏感な小型店舗の改装案件数が前年同期より減少しました。

 販売費及び一般管理費(販管費)については、賃上げに伴う人件費増や、クラウド使用料や外注人件費の上昇に伴うIT費用増があり、販管費の額が増加しましたが、その増加率は売上の増加率を下回っていることから、販管費率が低下し、費用構造が改善しています。

 以上のような環境の下、当社グループの業況は前連結会計年度(以下「前期」)からの好調を持続し、売上高は55,952百万円(前期比7.7%増)、売上総利益は5,037百万円(前期比4.3%増)、販売費及び一般管理費は3,795百万円(前期比4.3%増)、営業利益は1,242百万円(前期比4.6%増)となりました。経常利益は、若干の輸入為替差損等を織り込み、1,227百万円(前期比3.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、DX投資減税の適用終了などにより税負担率が上昇し、865百万円(前期比1.8%増)となりました。

 

 各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<MRO事業>

 間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO事業において、主要顧客である大企業向けでは、既存顧客に対して当社がシステム上で提供するMRO物品の販売増や、前年に当社との取引を開始した新規顧客による売上高の上積みにより、高い成長率を持続することができました。特に、大企業顧客の7割以上を占める製造業向けが成長の牽引役となりました。一方、中小事業所向けの販売は、親会社を経由する卸販売形態であり、この経路の顧客の内、製造業のお客様の比率は、全体の4分の1未満にとどまります。残りの4分の3以上は、比較的小規模で、個人消費の動向に敏感な販売・サービス業のお客様が中心で、この中小企業向け経路の売上が前期の実績を下回りました。費用面では、持続的な事業成長のためのITシステム投資を継続しておりますが、過去の大規模なIT投資の成果物である無形固定資産の一部につき、5年の減価償却期間が満了したことなどから、ITシステム運用のためのクラウド費用等の外部委託費用の増加を考慮しても、IT費用の増加率が減速してきており、セグメントの販管費率が低下しました。これらの結果、MRO事業の売上高は41,221百万円(前期比11.0%増)、セグメント利益は売上の増加率を大きく上回る769百万円(前期比20.9%増)となりました。

 

<FM事業>

 商業施設向けにサービスの提供を行うFM事業においては、1件当たりの受注金額が大きい大型施設の改装に関して、実施時期の後ろ倒しが発生し、加えて小型店舗の案件が減少したことから、売上高は前期比微減となりました。また、売上構成差によってセグメント全体の粗利益率が低下し、セグメントの利益率が3.3%から2.7%へと悪化しました。この結果、FM事業の売上高は14,665百万円(前期比0.4%減)、セグメント利益は389百万円(前期比19.0%減)となりました。

 

<その他>

 セグメント区分の「その他」の売上は、当社の子会社であるATC株式会社のソフトウエア事業の外販売上(連結内部控除される当社向けのITサービス事業売上を除く売上)が計上されていますが、当社向けITサービスへの集中に伴い、当連結会計年度は65百万円(前期比17.2%減)となりました。一方、「その他」の営業利益には、ATC株式会社の当社向けサービス事業の利益等が含まれるため、セグメント利益は83百万円(前期比17.3%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は15,925百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,229百万円増加いたしました。現金及び預金が1,589百万円増加し、売掛金及び契約資産が358百万円、棚卸資産が261百万円減少したことが主な要因です。固定資産は2,455百万円となり、前連結会計年度末に比べ36百万円増加しました。無形固定資産が230百万円増加し、有形固定資産が33百万円、投資その他の資産が160百万円減少したことが主な要因です。これらの結果、総資産は、18,381百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,265百万円増加しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は12,274百万円となり、前連結会計年度末に比べ584百万円増加しました。これは1年内返済予定の長期借入金が33百万円、未払消費税等が128百万円減少しましたが、買掛金が737百万円、未払金が39百万円、賞与引当金が21百万円増加したことなどによるものです。固定負債は34百万円となり、前連結会計年度末に比べ19百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が19百万円減少したことによるものです。これらの結果、負債合計は、12,309百万円となり、前連結会計年度末に比べ564百万円増加しました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は6,071百万円となり、前連結会計年度末に比べ701百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益865百万円の計上による増加、剰余金の配当211百万円による減少が主な要因です。これらの結果、自己資本比率は33.0%(前連結会計年度末は31.4%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,759百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,589百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、2,471百万円の収入超過となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益1,227百万円、売上債権の減少197百万円、仕入債務の増加737百万円、棚卸資産の減少261百万円、減価償却費613百万円の収入要因があった一方、未払消費税等の減少128百万円、法人税等の支払額389百万円の支出要因があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、665百万円の支出超過となりました。その主な要因は、差入保証金の返還143百万円の収入要因があった一方、当社グループの内製ソフトウエア開発増加に伴う無形固定資産の取得による支出798百万円の支出要因があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、217百万円の支出超過となりました。その主な要因は、株式の発行による収入47百万円の収入要因があった一方、長期借入金の返済による支出53百万円、配当金の支払額211百万円の支出要因があったこと等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

 当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。

 

b 受注実績

 当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。

 

c 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

 至 2024年12月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

MRO事業

41,221

111.0

FM事業

14,665

99.6

報告セグメント計

55,886

107.7

その他

65

82.8

合計

55,952

107.7

(注)1.その他セグメントはITシステム開発運用部門であり、MRO事業、FM事業とセグメント間の取引がありますが、全額内部消去されるため、ITシステムの外販事業のみの金額を表示しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アスクル株式会社

7,560

14.6

6,841

12.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま

す。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 「経営成績等」及び「財政状態」並びに「セグメントごとの経営成績の状況」に関する分析・検討内容

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、55,952百万円(前年同期比7.7%増)となりました。

 売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、売上の増加に伴い50,915百万円(前年同期比8.0%増)となりました。

 この結果、売上総利益は、5,037百万円(前年同期比4.3%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3,795百万円(前年同期比4.3%増)となりました。

 主な要因は、賃上げに伴う人件費増や、クラウド使用料や外注人件費の上昇に伴うIT費用増です。

 この結果、営業利益は、1,242百万円(前年同期比4.6%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度において、営業外収益は6百万円(前年同期比118.0%増)、営業外費用は21百万円(前年同期比162.0%増)発生しました。

 主な要因は、為替差損19百万円が発生したことによるものです。

 この結果、経常利益は、1,227百万円(前年同期比3.8%増)となりました。

 

(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

 上記の結果、税金等調整前当期純利益は、1,227百万円(前年同期比3.8%増)となり、税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を361百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、865百万円(前年同期比1.8%増)となりました。

 

 なお、財政状態の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

b 経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b 資本の財源及び資金の流動性

当社グループでは、休前日を除く通常月においては、近年、売掛金と買掛・未払金の残高が、ほぼ拮抗していることから、運転資金需要のうち主なものは、人件費や賃借料といった営業固定費と業務委託費からなるITシステムに係る保守運用費用であり、費目としては販売費及び一般管理費となります。一方、投資を目的とした資金需要は、事業基盤を形成するITシステム、ソフトウエアへの投資であり、費目としては無形固定資産の取得となります。運転資金は、主として自己資金で調達することとしておりますが、投資については、一部は銀行等からの長期借入金により賄っております。

 

  前連結会計年度末における有利子負債残高は76百万円で、全額が長期借入金ですが、返済により当連結会計年度末の有利子負債残高は23百万円となりました。当連結会計年度末における現金及び預金の残高は5,759百万円と余裕がありますが、今後も資金残高及び各キャッシュ・フローの状況を常時もモニタリングし、資本の財源及び資金の流動性の確保に努めてまいります。

 

③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、当社グループのサービスの普及度を測れる連結売上高と連結営業利益額となります。

 連結売上高に関しては、MRO事業における中核分野である製造業の大企業向けが非常に好調で、同じくMRO事業における中小事業所向けの売上の不調であったことや、FM事業における大型改装案件の後ろ倒しの影響を吸収し、全体として前年比107.7%となりました。

 また、連結営業利益額に関しては、前年比104.6%となりました。当社グループでは、人件費やIT関係費等の営業固定費の増加率以上の伸長率で、連結売上高を伸長させることにより、連結営業利益額を増加させることができると考えており、その達成状況を判断するために連結営業利益額を経営指標としています。

 

連結売上高と連結営業利益の推移及び前年比伸長率

 

 

2022年12月期

通期

 

2023年12月期

通期

 

2024年12月期通期

 

連結売上高(百万円)

44,383

51,951

55,952

前年比(%)

117.0

117.1

107.7

連結営業利益(百万円)

1,042

1,188

1,242

前年比(%)

120.6

114.0

104.6

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社及び連結子会社は、グループ通算制度を採用しております。繰延税金資産の回収可能性は、グループ通算制度の適用対象会社の事業計画に基づく課税所得を基準として見積っております。繰延税金資産の計上にあたっては、その回収可能性について、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金の解消スケジュール及び将来課税所得の見積り等に基づき判断しております。また、将来課税所得の見積りは将来の事業計画を基礎として、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。

 課税所得の見積りの基礎となる翌期以降の事業計画における主要な仮定は、事業セグメントごとかつ得意先別に集計した売上高と売上総利益率の予測であります。

 売上高の予測は、過去の売上実績や新規顧客との商談状況、顧客の出店・改装計画などを基とし算出しております。また、売上総利益率の予測は、売上高の予測と過去の仕入実績などに基づいて売上原価を予測し算出しております。

 なお、課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度において認識する繰延税金資産の金額に重要な変動を与えるリスクがあります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

MRO事業は主にクローズ型のITプラットフォーム上でのMRO関連商品の物販事業を行っており、FM事業は商業施設の新設、改装、維持に伴う建材等の資材提供と施設・設備の保全管理を行っております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載の方法と同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースであります。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

連結財務諸表計上額

(注)2

 

MRO事業

FM事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又はサービス

36,841,297

12,029,412

48,870,709

15,088

48,885,798

-

48,885,798

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

304,354

2,696,779

3,001,133

64,463

3,065,596

-

3,065,596

顧客との契約から生じる収益

37,145,651

14,726,191

51,871,843

79,551

51,951,395

-

51,951,395

外部顧客への売上高

37,145,651

14,726,191

51,871,843

79,551

51,951,395

-

51,951,395

セグメント間の内部売上高又は振替高

-

-

-

218,196

218,196

△218,196

-

37,145,651

14,726,191

51,871,843

297,748

52,169,591

△218,196

51,951,395

セグメント利益

636,224

480,479

1,116,704

71,365

1,188,069

-

1,188,069

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

563,311

52,538

615,850

519

616,369

-

616,369

(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ソフトウエア関連業を含ん

     でおります。

2.セグメント資産及び負債については、取締役会に対して定期的に提供されておらず、経営資源の配分

 決定及び業績評価の対象となっていないため記載しておりません。

 

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

連結財務諸表計上額

(注)2

 

MRO事業

FM事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

一時点で移転される財又はサービス

40,896,268

13,178,079

54,074,348

17,778

54,092,126

-

54,092,126

一定の期間にわたり移転される財又はサービス

324,924

1,487,694

1,812,618

48,059

1,860,677

-

1,860,677

顧客との契約から生じる収益

41,221,192

14,665,774

55,886,966

65,837

55,952,804

-

55,952,804

外部顧客への売上高

41,221,192

14,665,774

55,886,966

65,837

55,952,804

-

55,952,804

セグメント間の内部売上高又は振替高

-

-

-

248,221

248,221

△248,221

-

41,221,192

14,665,774

55,886,966

314,059

56,201,026

△248,221

55,952,804

セグメント利益

769,401

389,272

1,158,673

83,726

1,242,400

-

1,242,400

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

579,126

34,208

613,334

623

613,957

-

613,957

(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ソフトウエア関連業を含ん

     でおります。

2.セグメント資産及び負債については、取締役会に対して定期的に提供されておらず、経営資源の配分

 決定及び業績評価の対象となっていないため記載しておりません。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

アスクル株式会社

7,560,726

MRO事業

 

 

当連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

(単位:千円)

 

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

アスクル株式会社

6,841,545

MRO事業

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。