人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数13名(単体) 5,828名(連結)
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平均年齢47.8歳(単体)
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平均勤続年数24.8年(単体)
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平均年収12,032,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社における従業員数
2025年3月31日現在
(注)1 従業員数は、当社グループ(当社及び連結子会社)からの当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。また、嘱託及び臨時従業員2,884人(銀行業務2,741人、その他業務143人)並びに執行役員35人を含んでおりません。
2 嘱託及び臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
(2) 当社の従業員数
2025年3月31日現在
(注)1 当社従業員は、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行からの出向者であります。なお、従業員数には株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行からの兼務出向者174人を含んでおりません。
2 嘱託及び臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外書きで記載しております。
3 平均勤続年数は、出向元等での勤務年数を通算しております。
4 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
当社には労働組合はありません。また、当社グループには、常陽銀行従業員組合(組合員数2,338人)、足利銀行職員組合(組合員数3,238人)が組織されております。労使間において特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
上記のほか、常陽コンピューターサービス株式会社の管理職に占める女性労働者の割合は27.3%、男性労働者の育児休業取得率は100%であります。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、出向者を除いております。なお、「管理職」の定義について、前事業年度までは「代理以上」の従業員としていましたが、今事業年度より上級管理職(管理監督者)の従業員に変更しました。
詳細は、「第2 事業の状況、2 サステナビリティに関する考え方及び取組」(3)人的資本経営への取り組みの④指標及び目標を参照してください。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。当事業年度中に育児休業等を取得した男性労働者の数が、当事業年度中に配偶者が出産した男性労働者の数を上回る場合、100%を超過した値となります。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、出向者及び無給休職者を除いております。パート・有期労働者については、各社における正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数をもとに算出しています。
詳細は、「第2 事業の状況、2 サステナビリティに関する考え方及び取組」(3)人的資本経営への取り組みの④指標及び目標を参照してください。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社グループは、サステナビリティを巡る課題を重要な経営課題として認識し、サステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会等による監督を行っています。
≪取締役会による監督体制≫
取締役会は、サステナビリティにかかる議案(方針策定、目標設定や取り組みの進捗状況等)について監督する役割を担っており、サステナビリティ委員会を開催する都度、審議内容を取締役会へ付議・報告することで、取締役会が当社グループのサステナビリティの取り組みやリスクと機会の評価等について監督する態勢を構築しています。
≪サステナビリティにかかる経営者の役割≫
サステナビリティにかかる事項は、取締役社長が統括します。また、取締役社長はサステナビリティ委員会の委員長としてサステナビリティを巡る課題・対応が事業に与える影響について評価し、対応策の立案及び目標の設定を行い、達成状況の管理を統括します。
≪サステナビリティ委員会≫
当社グループは、サステナビリティに関する基本方針の策定や取り組みの進捗を一元的に審議・管理し、サステナビリティへの取り組みを促進するため、取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。
委員会は、業務執行取締役全員及び執行役員全員ならびに経営企画部統括部長、経営管理部統括部長、地域創生部統括部長をもって構成し、必要に応じて子会社の社長や子銀行の担当部署の部長等を参集しております。気候変動や生物多様性などの環境問題や人権などの社会問題、人的資本をはじめとしたサステナビリティにかかる課題等について、全社横断的な議論を行っており、2024年度は6回開催しました。
<2024年度のサステナビリティ委員会における主な議事内容>
・TNFD提言に係る開示について
・気候変動関連リスクの状況について
・人的資本の開示について
・サステナビリティに関する情報開示について
・環境・社会に配慮した投融資方針に基づく投融資の状況について
・環境・社会に配慮した投融資方針の改定について
・サステナビリティ関連開示の他行比較と今後の対応について
・マテリアリティの再整理およびグループサステナビリティ方針の改定について
・2025年度サステナビリティ取り組みの件
≪サステナビリティにかかる所管部署≫
当社グループは、当社内に「サステナビリティ統括グループ」を設置し、サステナビリティ委員会の事務局を担当するとともに、サステナビリティ戦略にかかる企画・立案及び管理を行い、全社的なサステナビリティにかかる事項を委員会に提言します。
≪グループ内の連携・統制≫
中核事業会社である常陽銀行及び足利銀行に「サステナビリティ推進室」を設置し、サステナビリティ委員会で議論された内容について、実効性を高める態勢としています。また、両子銀行のほか、グループ内会社においては、それぞれの機能に応じた会議体により、当社のサステナビリティ委員会及びサステナビリティ統括グループと連携することでグループ会社全体の統制を図っています。
≪サステナビリティにかかる監査の状況≫
サステナビリティ委員会には、常勤の監査等委員が監査の立場から出席しており、議論された内容は、取締役会における業務執行報告の前に監査等委員会において常勤の監査等委員から非常勤の監査等委員に報告がなされ情報を共有しています。また、非常勤の監査等委員は、監査等委員会における議論に加え、必要に応じて取締役会において意見を述べています。
②戦略
当社グループは、重要課題(マテリアリティ)に関するリスクや機会を踏まえた事業戦略を実行し、社会的インパクトを創出することで、持続可能な地域社会の実現と企業価値の向上に努めております。
≪マテリアリティにかかるインパクト・パスウェイ≫
(注)第4次グループ中期経営計画の個別戦略の詳細は、当社ホームページ参照(https://www.mebuki-fg.co.jp/company/policy/)
③リスク管理
当社グループでは、リスク管理を企業価値向上の重要な取り組みと位置付け、ALM・リスク管理委員会を設置しています。
ALM・リスク管理委員会は、取締役社長を委員長とし、業務執行取締役全員及び執行役員全員ならびに経営企画部統括部長、経営管理部統括部長、経営管理部バーゼル室長をもって構成し、リスク対応方針やリスク対応議題について、意思決定を図る機関です。ALM・リスク管理委員会の中で、各種リスクについてモニタリングをしており、経営に及ぼす影響の大きさを総合的に判断し、対応方針を決定しています。
また、当社グループでは、経営・戦略に影響を与えるリスク事象のうち、蓋然性や影響度、注目度の観点から、特に重要度の高いリスクをトップリスクとして取締役会において選定しており、リスクシナリオに基づく予兆管理やリスクコントロール策を講じています。地域の社会課題や気候変動等のサステナビリティに関するリスクもトップリスクとして選定しております。
なお、サステナビリティにかかる事項は、ALM・リスク管理委員会とサステナビリティ委員会が連携して対応を行い、サステナビリティにかかるリスクのモニタリング・再評価及び重要リスクの絞り込みを行ったうえで、グループ戦略に反映しています。
加えて、環境、人権及びダイバーシティに関する取り組みを明確化すべく、「グループ環境方針」、「グループ人権方針」、「グループダイバーシティ方針」、「環境・社会に配慮した投融資方針」、「調達・購買ガイドライン」を制定し、各方針に基づき業務運営を行っています。
④指標及び目標
当社グループでは、サステナビリティの取り組みにおいて次の3つの目標を設定しています。
(ⅰ)サステナブルファイナンス
(ⅱ)CO2排出量
(ⅲ)代理以上に占める女性比率
女性管理職の増加に向け、第3次グループ中期経営計画(2022年度~2024年度)において目標としていた「係長以上に占める女性比率35%以上」は達成したことから、より経営層に近いポジションを担える女性の育成・登用を進めるため、「代理以上に占める女性比率」を新たな目標指標としました。同指標については、2030年3月末に30%以上とすることを目指し、第4次グループ中期経営計画(2025年度~2027年度)においては、2028年3月末に27%以上を目指してまいります。
(2) 気候変動・環境保全への取り組み
①ガバナンス
ガバナンスについては、「(1)サステナビリティ全般」の「①ガバナンス」を参照してください。
②戦略
≪気候変動(TCFD)関連≫
当社グループでは、事業活動に影響を及ぼすと想定される気候変動のリスクと機会を特定したうえで、財務インパクトの評価を実施しております。また、評価結果を踏まえ、当社グループの事業活動におけるCO2排出量削減やグループ会社による再生可能エネルギー発電事業への参入、お客さまへの資金やコンサルティング提供を通じた積極的な気候変動対策支援など、リスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応を進めています。
(ⅰ)機会
[機会認識]
当社グループが認識する気候変動に伴う主な機会は以下のとおりです。
※ 短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度
(ⅱ)リスク
[リスク認識]
当社グループが認識する気候変動に伴う主なリスクは以下のとおりです。
※ 短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度
[シナリオ分析]
当社グループでは、気候変動シナリオを考慮した当社グループのレジリエンス(強靭性)を評価するとともに、お取引先との対話(エンゲージメント)を強化することを目的として「物理的リスク」、「移行リスク」のシナリオ分析を実施しています。今回の分析手法により算出した当社グループへの影響額は、いずれも限定的であるとの結果になりました。なお、今回の分析より「物理的リスク」の分析に使用するお客さまの情報について、グリーンページデータを活用し、拠点情報を拡大することで、従来よりも精緻な分析を実施しました。分析結果はお客さまとのエンゲージメントに活用し、お客さまの気候変動対応、脱炭素化に向けた取り組みを支援し、当社グループとお客さまの機会の最大化及びリスクの最小化に努めるとともに、引き続き分析の高度化に努めてまいります。
(物理的リスク)
(移行リスク)
[炭素関連資産の状況]
当社グループの総与信残高※1に占める炭素関連業種※2の与信残高及び貸出金における割合は以下のとおりです。
※1 貸出金、支払承諾、外国為替、私募債、コミットメントライン空枠等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く。
※2 TCFD提言における対象業種はGICS(世界産業分類)における業種分類を推奨していますが、当社では日銀業種分類に当てはめて集計しているため、差異が生じる場合があります。
≪自然資本(TNFD)関連≫
当社グループは、TNFD提言を参考に、当社グループの事業活動における自然への依存と影響、リスクと機会の分析を行いました。今後も、調査・研究を重ね、分析の高度化に努めてまいります。
(ⅰ)依存と影響
当社グループでは、当社グループの事業活動による直接的な自然への依存と影響だけでなく、投融資活動を通じた間接的な自然への依存と影響を把握する必要があると考えています。そこで、ENCOREのデータを活用し、当社グループにおける投融資額の上位セクターについて、セクターごとの自然への依存と影響を分析・整理しました。
分析・整理の結果、セクター横断的に依存度が高い生態系サービスは、「土壌と土砂の保持」「暴風雨の軽減」「洪水の軽減」であることが分かりました。また、自然との関連性が高いセクターとして「建設・土木」「食品」を特定し、各セクターにおける特徴的な自然との関わりを整理しました。
これらの生態系サービスを維持するためには森林などの自然資本の維持・増強のほか、温室効果ガスなどの自然に対し負の影響を与えうる排出物の抑制や、天然資源の消費抑制・循環資源の有効活用が重要であると考えております。
分析結果を踏まえ、当社グループでは、引き続き、お客さまの脱炭素化支援や、森林由来のカーボンクレジットの販売促進、植樹活動などの自然保護活動に積極的に取り組むとともに、分析の高度化に努めてまいります。
[依存と影響のヒートマップ]
(ⅱ)機会
[機会認識]
TNFD提言の分類に沿った、当社グループが現時点で認識している機会は以下のとおりです。
※ 短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度
(ⅲ)リスク
[リスク認識]
TNFD提言の分類に沿った、当社グループが現時点で認識しているリスクは以下のとおりです。
※ 短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度
③リスク管理
当社グループでは、取締役会において気候変動に伴うリスクをトップリスクとして選定しており、リスクシナリオに基づく予兆管理やリスクコントロール策を講じています。気候変動に伴うリスクとして選定したトップリスクは次のとおりです。
・気候変動・環境問題への対応の遅れ
・大規模地震・風水害等の発生
≪気候変動(TCFD)・自然資本(TNFD)共通≫
当社グループは、環境・社会に負の影響を与える可能性のあるセクターへの投融資について、2021年3月に「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定し、環境や社会に対する負の影響の低減・回避に努めてきました。
今般、第4次グループ中期経営計画の開始とあわせ、環境問題や社会課題の解決を目指す取り組みをより積極的に支援するとともに、環境・社会に負の影響を与える可能性がある投融資については、より慎重に対応することで、持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みを一層強化するため、「環境・社会に配慮した投融資方針」の改定※を行いました。
引き続き本投融資方針に則った投融資活動を行うとともに、適切な運営が成されているかについて定期的なモニタリングを行ってまいります。
※主な改定内容は以下のとおりです。
・「環境・社会にポジティブな影響を与える事業等への方針」の新設とともに「積極的に支援する事業」を例示。
・「特に慎重に対応する事業」の対象事業追加と既対象事業の一部内容変更。
(注)「環境・社会に配慮した投融資方針」の詳細は 、当社ホームページを参照
(https://www.mebuki-fg.co.jp/sustainability/pdf/policy-investment.pdf)
≪気候変動(TCFD)関連≫
気候変動リスクは、信用リスクやオペレーショナル・リスクのほか、広範かつ複雑な経路や様々な時間軸を通して波及し、当社グループの事業運営・戦略・財務計画に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。
当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し、評価するため、気候変動により想定されるリスクの波及範囲を考察し、シナリオ分析を行い、現時点で想定される気候変動のリスクと機会を特定しています。
≪自然資本(TNFD)関連≫
当社グループの事業活動における自然資本関連のリスクについて、現時点で整理した内容を、上記②戦略≪自然資本(TNFD)関連≫の(ⅲ)リスクに記載しております。
今後は、信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスク等のリスクカテゴリーに与える影響や時間軸についてさらに分析を深めるとともに、シナリオ分析の高度化をはかることで、リスクと機会の関係についての整理を行い、管理態勢の構築に努めてまいります。
④指標及び目標
(ⅰ)サステナブルファイナンス
当社グループは、お客さまへの金融サービスの提供を通じて、持続可能な地域社会の実現に貢献するため、サステナビリティ長期KPIとして、サステナブルファイナンスの実行額目標を設定しております。目標及び実績は以下のとおりです。
(ⅱ)CO2排出量
当社グループは、事業活動を通じて自ら排出するCO2を削減するとともに、脱炭素社会の実現や地域社会の持続的発展への貢献を加速するため、サステナビリティ長期KPIとして、CO2排出量(Scope1、2)に関する目標を設定しております。目標及び実績は以下のとおりです。
なお、常陽銀行及び足利銀行におけるScope3の2024年度排出量は以下のとおりです。
※カテゴリー⑧~⑭は算定による排出量がゼロ
注1 今年度よりPCAF公認の炭素会計プラットフォームである「Persefoni」の使用を開始し、算定範囲の拡大等の高度化を図りました。なお、算定は、常陽銀行及び足利銀行における事業性融資先全先を対象に実施しました。
注2 2024年度の排出量は2025年5月末時点の算定結果となっております。今後、排出係数や算定方法の変更等により変動する可能性があります。
注3 気候変動・環境保全への取り組みに関する詳細は、当社ホームページ(https://www.mebuki-fg.co.jp/sustainability/)又は統合報告書を参照ください。
(3)人的資本経営への取り組み
①ガバナンス
ガバナンスについては、「(1)サステナビリティ全般」の「①ガバナンス」を参照してください。
②戦略
≪人的資本経営の取り組み≫
経営理念である「質の高い総合金融サービスの提供を通じ、地域とともに、ゆたかな未来を創り続けます。」を体現し、企業価値向上を図っていくための最大の経営資源は「人材」であるとの考え方のもと、人材育成、社内環境整備に取り組んでいます。
≪人材育成方針・社内環境整備方針策定にあたっての前提(考え方)≫
当社グループでは目指す姿に「地域とともにあゆむ価値創造グループ」(長期ビジョン2030)を掲げ、この実現に向けて以下の取り組みを確実に遂行していく方針です。このため、当社グループでは、地域への深い思いや理解に加え、金融の知識にとどまらず多様な角度から地域・お客さまの課題を発掘し、解決に向けて行動できる人材の育成、増強に取り組む必要があると考えています。
(長期ビジョンにおける主な取り組み)
(ⅰ)伝統的銀行領域(磨き上げる領域)や総合金融サービス領域(成長を強化する領域)といったコアビジネスを強化しながら、その強みを活かした事業領域の拡大に挑戦していく。
(ⅱ)従来の金融サービスの枠組みを超えて地域課題の解決に挑戦し、その取り組みにより得られたノウハウをコアビジネスに還元していくことで、新しい価値を創造していく。
(長期ビジョンの実現に向けた人的資本)
次のようなスキルを有する人材の育成、増強ならびにこれらのスキルを有する多種多様な人材が、持てる力を最大限発揮し、活躍できる社内環境を整備することで人的資本の充実を図り、長期ビジョンの実現に繋げてまいります。
<目指す姿に向けた人的スキル例>
≪人材育成方針≫
お客さまの期待と信頼に応えるための課題解決力の向上に向け、専門的なスキルを有する人材やお客さまの多様化するニーズにお応えし、新たな価値を創造する人材の確保・育成に取り組んでいきます。また、リスキリング機会の充実を図り、将来にわたり事業環境の変化に適応し続けられる人材を増強していきます。
≪社内環境整備方針≫
多様な知見、能力を持った人材一人ひとりが持てる力を最大限発揮することができるよう、次の方針に基づき社内環境を整備します。
■自律的な成長を後押しする組織風土
従業員の自律的な成長やチャレンジを促進するため、「成果と貢献が適切に評価され成長を実感できる」、「従業員が自律的にキャリアを切り拓くことにより新たな価値を創造し続ける」組織風土を醸成します。また、意欲・能力のある従業員が、より高いフィールドで活躍し、輝くことができる環境を整備していきます。
■ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
一人ひとりが活躍し、持続的に成長できる企業グループであり続けるため、年齢・性別等にかかわらず、従業員それぞれの多様な考え方や経験を活かし、多様性と自律性を備える集団を形成することで、組織力の向上を図っていきます。また、ライフスタイルや就業意識の変化を踏まえつつ、多様な人材が当社グループで長く活躍できるよう、働きやすい職場環境・諸制度の整備を進めていきます。
■健康経営
地域社会・地域経済の発展に貢献していくためには、従業員が心身ともに健康であることが必要不可欠であるとの認識のもと、従業員一人ひとりが健康でいきいきと働くことができ、力を最大限発揮できるよう、健康の保持・増進を支援していきます。
(長期ビジョンと人的資本)
≪足元の取り組み状況≫
(ⅰ)人材育成にかかる取り組み状況
社内外研修機会の充実、トレーニー派遣・外部からの出向受け入れなどにより、高いスキルと課題解決力を有する人材の育成を進めるとともに、キャリア採用等により即戦力となる外部人材の確保を進めています。また、デジタル化やDXの進展に伴うリスキリング施策の展開や、グループ内子銀行における研修共通化を進めています。
成果の一例として、地域・取引先のDX支援と当社グループのDX推進の土台となる「DXベース人材」(ITパスポート取得者)の早期育成・確保を目的に2024年3月末に3,000名体制とする目標を掲げて資格取得奨励・育成に注力した結果、2022年12月末に、1年以上前倒しで3,000名を突破し、2025年3月末時点では4,124名となりました。
(ⅱ)社内環境整備にかかる取り組み状況
(ア)自律的な成長を後押しする企業風土
従業員に対して分野・部門毎に必要とするスキルを明示し、習得したスキルを評価・認定するなどの施策のほか、従業員が自ら手を挙げて、社内外トレーニーや研修に参画する仕組みの導入や特定部署への公募による配属、各種休日講座・ワークショップの開催、eラーニングの拡充など、自律的なキャリア形成を支援し、チャレンジを促進する環境の整備を行っています。
上記のほか、ワークライフバランス充実に向けた諸制度の整備により、従業員が働きがいを感じることができる組織風土の醸成を図っています。
(イ)ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループ全体の女性活躍推進をリードし、若手女性従業員のロールモデルになりうる女性リーダーを育成するための「めぶき女性塾」開催をはじめ、女性の活躍機会拡充・上位職登用に向けた取り組みを強化しているほか、休暇・休職制度や時短勤務など、ライフイベントに応じた働き方や仕事と家庭との両立が図れるよう、諸制度の整備や社内全体の理解を深める取り組みを展開しています。
また、多様化する個々人のライフスタイルや価値観にも最大限配慮しつつ全従業員に早期の自己成長を促し、公平なキャリアアップ機会を提供するとともに、意欲・能力に優れた従業員は、年齢・性別・国籍等にかかわらず登用できる人事制度を両子銀行において採用しています。担当業務の難易度・貢献度に応じた納得性・公平性の高い処遇体系の実現により、全従業員が持てる能力を最大限発揮できるよう、体制を整備しています。
さらに、今後増加していくシニア人材のスキル・経験を活かせる活躍機会の拡充にも取り組んでいます。
(ウ)健康経営
健康経営宣言に基づき、からだの健康の保持・増進の観点から、疾病の早期発見と重症化及び生活習慣病の予防に向け、人間ドックや定期健康診断の実施などに取り組んでいます。
併せて、全従業員を対象としたストレスチェックの実施や相談窓口の設置など、心の健康づくりを推進しているほか、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みなど、従業員の心身の健康促進に取り組んでいます。
また、従業員の資産形成面での「豊かな暮らしの実現」は、心身の健康に影響を与えるとともに、従業員と当社グループがともに成長していくために必要不可欠であると考え、従業員向け資産形成支援として、持株会、確定拠出年金をはじめとした福利厚生制度の拡充に取り組んでいます。
③リスク管理
人的資本に関するリスクについては、対応次第でリスクにも機会にもなりうると認識し、対応しています。
また、当社グループでは、取締役会において人的資本に関するリスクをトップリスクの1つとして選定しており、リスクシナリオに基づく予兆管理やリスクコントロール策を講じています。
なお、人的資本のリスクと機会を以下の通り認識し、対応を行うとともに、人的資本への投資を強化する必要があると考えています。
■環境認識等を踏まえたリスク・機会と対応の方向性
④指標及び目標
(ⅰ)人材育成方針にかかる指標及び目標
(ア)人材育成
当社グループでは、様々な角度から地域・お客さまの課題を発掘し、解決に向けて行動できるコンサルティング人材の育成・確保を当面注力すべき取り組みと捉えています。
昨今のDX・デジタル化の進展に適応し、当社グループのビジネスモデルの変革やお客さまのDX・デジタル化支援においてベースとなる人材を早急に育成・確保する観点から、第3次グループ中期経営計画において「DX人材・DXベース人材の育成」を目標に掲げ取り組んできました。
コンサルティング領域は幅が広く、DX関連以外の指標もいくつか考えられますが、当社グループの中核事業は金融業であることを踏まえ、「高度資格保有者(FP1級、中小企業診断士、証券アナリスト保有者の延べ人数)」及び「FP2級保有者」を指標としました。このほか、専門人材の育成・確保にあたっては、専門分野に応じた資格を取得することを推奨して取り組んでいます。
※1 デジタルを活用した新たなビジネス創出や業務革新を企画し牽引する本部人材及び取引先企業へのDX支援を実行できる人材で、両子銀行ごとに設定された要件により認定された人材
※2 ITパスポート取得者
当社グループでは、従業員の能力・スキル向上に資する人的資本投資を強化しており、第3次グループ中期経営計画期間(2022~2024年度)累計の投資額は約24億円と、前中期経営計画期間(2019~2021年度)累計比倍増となりました。第4次グループ中期経営計画期間(2025~2027年度)においては、主要KPI(目標)として3年間の投資累計額を30億円に設定し、人的資本に対する投資をさらに加速していきます。引き続き、従業員の自律的な成長を支援するとともに、新たな価値を創造する人材の育成に積極的に取り組んでまいります。
なお、当社グループでは、両子銀行において、「知識」や「実践力」を掛け合わせた従業員スキルの可視化や、人的資本投資とスキルの関係性の分析に取り組んでおります。常陽銀行の一部従業員を対象に実施した調査の分析※では、スキルのレベルが1段階上がると、法人部門で平均12%程度、個人部門で平均6%程度営業成績が向上すること、特定の資格取得者や研修受講者にスキルや営業成績向上の傾向が見られること、スキルが高い人材の特徴なども確認されました。今後も、継続的な調査・分析を重ね、人的資本投資が財務に与える影響度合いの可視化に取り組むとともに、より効率的・効果的な投資を行ってまいります。
※Institution for a Global Society株式会社が提供する人材の能力測定ツール「GROWシリーズ」により営業担当の従業員約1,500人を対象に調査しその結果を分析。
(単位:百万円)
※1:外部講師費用・教材費
※2:外部研修・トレーニー派遣者の人件費、トレーニー派遣先への支払い
※3:上記以外の研修費(自宅学習システム、コアラーン受講料、資格取得奨励金、販売資格受験費用等)
(イ)人材確保
当社グループの人材ポートフォリオを踏まえると年齢構成に偏りがあるため、持続的な成長に向けては、安定的な「新卒・第2新卒の採用」はもちろんのこと、事業領域の拡大、コンサルティング機能の深化や事業戦略の進展に応じて、戦略遂行に必要なスキルを有する人材の確保が重要と認識しています。
その一つとして、高いスキルと専門性を有し、即戦力となる「キャリア採用」を強化していることから、「キャリア採用人数」を指標として掲げました。
※キャリア採用割合:キャリア採用人数÷年間採用人数
(ⅱ)社内環境整備方針にかかる指標及び目標
(ア)自律的な成長を後押しする組織風土
当社グループは、従業員一人ひとりが自律的にスキルアップやキャリア形成することで個人及び組織が成長し、組織の活性化と強固な組織の構築につながり、経営戦略を実現できると考えています。
従業員が専門的なスキルを身に付け、さまざまな場面や角度から専門性を活かすことができるよう、支援し続けることが必要不可欠であることから、従業員が自ら手を挙げて内外の知見を吸収し、成長できる機会である「グループ内外トレーニー派遣数」を目標とするとともに、「公募によるトレーニー、ポストチャレンジ制の応募者数及び派遣・配置者数」を指標としました。
また、さまざまな場面や角度において気づき、専門性を活かすためには、幅広い業務において一定程度のスキルが必要との認識から、「複数分野の研修受講者数」を指標としました。
なお、この他にも、各種休日講座・ワークショップの開催、eラーニングの拡充など、自律的なキャリア支援・チャレンジを促進する環境の整備を行っています。
※1 従業員が自ら手を挙げ、トレーニーや特定のポジションに応募、派遣・配置した従業員数及び比率
※2 さまざまなカテゴリーの研修に参加した従業員数及び比率(パートタイマー及び休日講座を除く)
従業員一人ひとりが持てる能力を最大限発揮し、やりがい・働きがいを持って活躍できる職場環境の整備や組織力の向上を目的に、両子銀行においてエンゲージメントサーベイを実施しています。
(イ)ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
当社グループの人材ポートフォリオを踏まえ、外部環境の急速な変化に適応するとともに、価値を創出し、企業理念の体現と企業価値向上を図っていくためには、女性、シニア層、専門性と様々な経験を持つキャリア採用者など、多様な人材を起用し、それぞれの特性や能力を最大限発揮できる環境を継続的に整備していくことが必要不可欠と認識しています。
多様な考え方や経験を活かし、組織のマネジメントや意思決定を担う候補者を増やす方策として、女性の活躍機会拡充・上位職登用に向けた取り組みを強化しているほか、休暇・休職制度や時短勤務など、ライフイベントに応じた働き方や仕事と家庭の両立が図れるよう、制度の整備・拡充、社内全体の理解を深める取り組みを展開しています。将来のマネジメント層の人材プール確保状況を示すものとして、「係長以上に占める女性比率」を目標として掲げたほか、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「代理以上に占める女性比率」、「上級管理職に占める女性比率」、「男女の賃金の差異」、「男性の育児休職取得率」に加え、「女性の育児休職後の復職者数・復職者率」を指標としました。
「係長以上に占める女性比率」については、上記の取り組みの結果、登用が前倒しで進んだことから、2023年度末において1年前倒しで目標を達成し、2024年度末時点では36.6%まで登用が進んでいます。第4次グループ中期経営計画においては、より経営層に近いポジションを担える女性の登用や男女の賃金の差異の縮小に向け、「代理以上に占める女性比率」を主要KPI(目標)に設定し、取り組みを強化していきます。
なお、「管理職」の定義について、前事業年度までは「代理以上」の従業員としていましたが、今事業年度より「上級管理職」(管理監督者)の従業員に変更しました。
多様な人材が働きがいを感じ、多様な考え方や経験を活かすことができる組織を構築することで、新しい価値とイノベーションを創出し、持続的な成長を実現していきます。
※管理監督者
※1 法令に基づき、当事業年度中に育児休職等を取得した労働者数÷当事業年度中に出産(又は配偶者が出産)した労働者数にて算出していることから、年度跨ぎで育児休職等を取得した場合、100%を上回る場合があります。
※2 男性の育児休職取得率は、「100%維持」に努めてまいります。
※1 産前産後休業、育児休業(育児休業等)から復職した従業員数
※2 育児休業等から復職した従業員の総数÷育児休業等の後復職する予定だった従業員の総数×100
同一コース・同一職位・同一職種の場合、男女の賃金の差異はございません。なお、下表のとおり総体では男女の賃金の差異がありますが、正規雇用労働者については、当社グループの人材ポートフォリオの人員構成・年齢分布及び女性の上位職比率が低いがゆえに差異が生じております。また、パート・有期労働者については、管理職以上の従業員を定年後に再雇用する際の雇用形態である嘱託行員など、相対的に給与水準の高い雇用形態の従業員が男性に多いため、差異が生じております。
女性の上位職比率の上昇とともに、差異は縮小傾向にあります。引き続き、女性の積極的な登用を進め、男女の賃金の差異を解消していきます。
※算出方法…出向者及び無給休職者を除いて算出
正規雇用労働者:正行員及び正行員に順ずる役割の行員
パート・有期労働者:嘱託行員、シニア行員(定年後再雇用者)、パートタイマー(パート・有期労働者については、
各社における正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数をもとに算出)
■正規雇用労働者の役職別人員構成(男女の賃金の差異の要因)
■パート・有期労働者の雇用形態別人員構成(男女の賃金の差異の要因)
(ウ)健康経営
当社グループでは、企業が健全であるためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが必要不可欠であると認識しております。保健指導や産業医面談等による従業員の健康保持・増進やメンタルヘルス対応としてカウンセリング窓口を設置するなど、フィジカルヘルス、メンタルヘルスの両面で不調者の早期発見に努めるとともに保健指導などを行っています。
これら健康経営の状況を示すものとして、「平均有給休暇取得日数」、「健康診断受診率」、「特定保健指導対象者率」を指標としました。
なお、常陽銀行と足利銀行は、2025年3月に経済産業省及び日本健康会議主催の「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されました。
※1 人間ドックの受診を含む