2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

住宅金融事業 住宅瑕疵保険等事業 住宅アカデメイア事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
住宅金融事業 3,626 47.7 1,052 75.1 29.0
住宅瑕疵保険等事業 3,349 44.0 287 20.5 8.6
住宅アカデメイア事業 634 8.3 61 4.4 9.7

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社3社(株式会社ハウスジーメン、株式会社住宅アカデメイア、一般社団法人住宅技術協議会)にて構成されており、中小規模の住宅事業者への経営支援を目的として、住宅分野に特化したローン・保険・保証等の金融サービスや住宅事業クラウドシステム等を提供しております。

 セグメントの概要は以下のとおりになります。

セグメント名称

事業・サービスの主な内容

事業主体

住宅金融事業

フラット35をはじめとした、住宅ローン等住宅金融サービスの提供

・日本モーゲージサービス株式会社(当社)

住宅瑕疵保険等事業

住宅瑕疵(かし)保険をはじめとした、住宅の品質確保のための商品・サービス等の提供

・株式会社ハウスジーメン

・一般社団法人住宅技術協議会

住宅アカデメイア事業

住宅引渡後の住宅保証サービスや、住宅事業クラウドシステム等の提供

・株式会社住宅アカデメイア

 

 当社グループでは、一棟の住宅に対しローン・保険・保証等の金融サービスをクロス販売する積上げ型のビジネスモデルを推進し、事業シナジーに重点を置いた経営を行っております。住宅が建設され、メンテナンスやリフォームを行いながら生活し、やがて中古住宅流通等にて次世代へと住み継がれる長い住宅ライフサイクルにおいて必要となる、ローン・保険・保証等の金融サービスをカバーし、クラウドと一体で提供できる住宅金融サービス会社は、唯一となります。

 サービス概念図は下図のとおりになります。

 

(1) 住宅金融事業

 当社グループの中核となるセグメントです。独立行政法人住宅金融支援機構(以下、「住宅金融支援機構」という)との提携による「フラット35」をはじめ、住宅ローン(固定金利型及び変動金利型)並びにつなぎローン等の住宅金融サービスを、住宅事業者を介して消費者(住宅資金需要者)に貸付けております。BtoBtoC型のビジネスモデルとなり、住宅事業者の様々な販売ニーズに対応し「販売金融」として住宅ローンを提供することで、住宅事業者の販売促進の面で貢献しております。ローン取扱事業会社やコンサルティング会社等とアライアンスパートナー・代理店として契約し、全国に販売チャネルを持ち、広告宣伝によらない営業展開を行っております。

 当事業における主な収入は、住宅ローンの融資実行による融資手数料収入、利息収入およびサービシングフィー収入等となっております。

 主な商品・サービスの概要は以下のとおりになります。

 

 

商品・サービス

ローン種別

特徴

MSJフラット35/

MSJフラット35MAX

住宅ローン

(固定金利型)

最長35年間の全期間固定金利型。独自の技術基準・検査で住宅品質を確保。当該貸付債権は住宅金融支援機構へ売却することにより、デフォルトリスクを最小化

MSJ住宅ローン

[十色(トイロ)]

住宅ローン

(変動金利型)

新築・中古住宅取得のほか、リフォーム等住宅に関する様々な資金使途ニーズに対応する、当社のプローパーローン。融資実行後直ちに信託会社へ信託譲渡し、デフォルトリスクを最小化

MSJプロパー

つなぎローン

住宅ローン

付帯商品

住宅ローンが実行されるまでの期間、土地購入資金や住宅工事に関する中間金、中古物件購入時のリフォーム費用等に対応。当社が住宅ローンの代理受領権を持ち、住宅ローンの実行時に貸付金を回収することでデフォルトリスクを最小化

 

(2) 住宅瑕疵保険等事業

 住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人として、法定義務保険である住宅瑕疵(かし)保険を販売しております。住宅瑕疵(かし)保険を販売できるのは、全国でも国土交通大臣が指定した5法人のみであり、参入障壁の高い事業となっております。他にも、住宅性能評価など、住宅建設分野における様々な審査・検査サービスおよび地盤保証等を住宅事業者に提供し、住宅品質の確保や可視化に貢献しております。また、3つのセグメントのなかで取引先となる住宅事業者の数が最も多く、住宅業界における当社グループネットワークの拡大に寄与しております。

 当事業における主な収入は、住宅瑕疵(かし)保険等の販売による保険・保証料収入および検査料収入等となっております。なお全ての保険・保証等サービスに関しては、再保険等の仕組みによりリスクを最小化しております。

 主な商品・サービスの概要は以下のとおりになります。

商品・サービス

特徴

新築住宅かし保険

新築住宅引渡しの際に必要な法定義務保険。住宅事業者は新築住宅を引渡す際、修理費用等の資力確保として保険又は供託の措置をとることが住宅瑕疵担保履行法によって義務付けられており、中小住宅事業者の多くは住宅瑕疵(かし)保険に加入する。保険期間は10年間

延長保証保険

10年間の住宅瑕疵担保責任期間の終了後に申込できる構造・防水に関する長期保証。住宅事業者のアフター事業支援として、近年需要が拡大

地盤保証

住宅を建設した後、地盤に起因する不同沈下等の事故が起きた場合への保証

住宅性能評価

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく、住宅品質に関する評価。税制の優遇措置や助成制度の申請にも用いられる

 

(3) 住宅アカデメイア事業

 当社グループにおける新規事業を担うセグメントとして、各種住宅保証サービスの提供および、住宅事業クラウドシステムの開発をしております。多くの中小住宅事業者が抱えるストック型事業への転換という経営課題を、住宅保証サービスをはじめとしたアフターメンテナンス分野の保証商品で支援し、また住宅事業クラウドを基軸に住宅事業者のDX化・経営合理化に貢献しております。

 当事業における主な収入は、住宅メンテナンス保証等の住宅保証サービスの役務提供による、住宅保証サービス管理収入(アドミニストレーションフィー)等となっております。なお保証等サービスに関しては、再保険等の仕組みによりリスクを最小化しております。

 主な商品・サービスの概要は以下のとおりになります。

商品・サービス

特徴

住宅設備延長修理保証

新築住宅に設置された住宅設備機器に対し、発生した補修費用を保証。保証期間は10年間

住宅メンテナンス保証

住宅事業者のアフターメンテナンス対応費用を保証。保証期間は2年間

 

 

 以上述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりとなります。

 

 

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における我が国経済は、資源価格の上昇や円安等によりインフレがさらに強まり、企業収益や個人所得の二極化が進行し、賃上げの動きも進んだものの消費者の実質賃金はマイナスが続きました。世界経済においても、各国で金融引き締め政策が継続し世界的な景気減速懸念も浮上、地政学リスクと併せて国際金融資本市場の動向が我が国経済へ与える影響を注視しなければならない不透明な状況が続きました。

 当社グループが属する住宅業界におきましては、円安等による建築資材をはじめとした建設コスト上昇により住宅価格の高騰が続くなかで、マイナス金利が解除となり住宅ローン金利も徐々に上昇し、消費者の住宅取得への行動に影響を与えました。国土交通省発表による全国新設住宅着工戸数においては、持家(注文住宅)が当第3四半期に35ヵ月ぶりに前年同月比でプラスに転じたものの市場縮小は続き、当社グループの顧客層である全国の中小住宅事業者(工務店・ビルダー)の経営環境は厳しい状況となり、与信の低下等により資金繰りが悪化するケースが増加しました。

 また、当社の主要セグメントである住宅金融事業が属する全国の住宅ローン市場におきましては、金利上昇懸念が高まる中で変動金利と固定金利の金利差が依然として大きく、住宅価格の上昇等により毎月返済額等の負担がより軽い変動金利が高いシェアを維持しました。

 このような事業環境のもと、当社グループは創業当時から掲げる「住宅事業者の経営を支援し、住宅産業の課題を解決する」という基本方針に基づき、グループ一体となり差別化を訴求する営業活動や、住宅事業者のサポート業務、住宅事業者の多角化経営を支援するための中古住宅向け戦略商品の開発検討等に注力し、各事業を推進いたしました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

 

A.財政状態

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比較して855,878千円増加し、22,097,277千円となりました。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して173,198千円増加し、13,320,158千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して682,679千円増加し、8,777,118千円となりました。

 

B.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、営業収益7,565,785千円(前年同期比6.4%増)、営業利益1,400,224千円(同0.2%増)、経常利益1,402,626千円(同0.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益982,664千円(同12.4%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

(A) 住宅金融事業

 住宅金融事業におきましては、事業の継続的成長に向け商品の多角化を推進するとともに、幅広い商品ラインナップやコンサルティング力等の強みを活かし、住宅事業者への経営支援やサポートを推進いたしました。営業拠点に関しましては、当連結会計年度において新規に8店舗を開設いたしました。

 全国の住宅ローン市場においては、住宅ローン金利が徐々に上昇傾向にあるなかで、固定金利型住宅ローンと変動金利型住宅ローンの金利差が依然として大きく、独立行政法人住宅金融支援機構と民間金融機関との提携による固定金利型住宅ローン「フラット35」の市場は大きく低迷しました。しかし当社では、プロパーローン商品の販売を強化することでカバーし、当連結会計年度における融資実行件数(銀行代理ローン商品及び提携ローン商品を除く)を、前年同期比で4.6%の減少にとどめました。また、融資手数料の価格競争が激化するなかにおいても、当社では住宅事業者への販売支援により差別化を強化することで、融資手数料の価格改定を実施いたしました。その他にも2024年12月にauじぶん銀行株式会社と新たに銀行代理契約を締結する等、他金融機関との提携により銀行代理ローンや提携ローンの取扱いを推進し、商品の多角化による地道な収益積上げを行い、収益性の向上に努めました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益3,625,693千円(前年同期比8.9%増)、営業利益1,051,567千円(同9.9%増)となりました。

 

(B) 住宅瑕疵保険等事業

 住宅瑕疵保険等事業におきましては、主力商品である戸建住宅及び共同住宅の「新築住宅かし保険」の販売を推進するため、従前より注力しております住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」及び「地盤保証」の同時提案に加え、新たに2024年7月より「新築住宅かし保険」のリモート現場検査、12月に補償オプションの認可をそれぞれ取得し、更なる差別化を前面に打ち出した積極的な営業活動を展開・継続し、複数商品のクロス販売を推進いたしました。

 住宅業界においては、持家(注文住宅)の全国新設住宅着工戸数は人口減少等により縮小が続くなかで、「新築住宅かし保険」等が影響を受けつつも健闘しました。加えて政府が推進する省エネ基準適合住宅の普及施策により「住宅性能評価」等の関連サービスが伸び、当連結会計年度における保険証券・保証書・評価書・適合証等の発行件数(時限的な経済政策に対応するものは除く)は、前年同期比で9.2%の増加となりました。しかし、本社移転に伴う費用の一部を一括計上したことにより、営業利益等が影響を受けました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益3,308,839千円(前年同期比4.3%増)、営業利益286,567千円(同21.9%減)となりました。

 

(C) 住宅アカデメイア事業

 住宅アカデメイア事業におきましては、住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」及びこれに連動する「住宅メンテナンス保証」「住宅設備延長修理保証」等の住宅保証サービスの提供を推進し、グループ戦略として「助っ人クラウド」の追加機能開発に注力いたしました。

 住宅アカデメイア事業では、助っ人クラウドを利用する住宅事業者に向けた住宅メンテナンス保証等のクロスセル提案や、省エネ基準適合住宅政策に関連して住宅事業者向けの設計サポートサービス(「住宅フルフィルメント・サービス」)を推進いたしましたが、住宅市況の落ち込みの影響を受けました。一部の住宅事業者において戸建住宅やマンションの引渡数が減少したものの、当連結会計年度における住宅保証サービス件数は前年同期比で4.8%の増加となりました。しかし、本社移転に伴う費用の一部を一括計上したことにより、営業利益等が影響を受けました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益631,252千円(前年同期比3.9%増)、営業利益61,459千円(同16.4%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、5,180,230千円と前連結会計年度末に比べ505,725千円増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により増加した資金は、1,819,395千円(前連結会計年度は1,596,984千円の収入)となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益1,400,352千円、減価償却費132,376千円、営業預り金の増加731,340千円、営業貸付金の減少1,343,742千円であり、主な支出要因は、営業未収入金の増加1,433,620千円、法人税等の支払額459,002千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により減少した資金は、225,399千円(前連結会計年度は38,336千円の支出)となりました。主な支出要因は、有形固定資産の取得による支出182,224千円、無形固定資産の取得による支出24,635千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により減少した資金は、1,088,270千円(前連結会計年度は1,302,783千円の支出)となりました。主な支出要因は、短期借入金の減少691,410千円、配当金の支払額293,987千円によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

A.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

B.受注実績

 当社グループの事業の性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

C.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

 住宅金融事業            (千円)

3,625,693

108.9

 住宅瑕疵保険等事業         (千円)

3,308,839

104.3

 住宅アカデメイア事業        (千円)

631,252

103.9

合計(千円)

7,565,785

106.4

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては後述の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。

 なお、経営者は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

A.経営成績等

(A) 財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比較して855,878千円増加し、22,097,277千円となりました。主な要因は、営業貸付金が1,361,842千円、ソフトウェアが76,978千円減少する一方、現金及び預金が521,893千円、売掛金が83,323千円、営業未収入金が1,433,620千円、建物が111,574千円増加したことによるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して173,198千円増加し、13,320,158千円となりました。主な要因は、短期借入金が691,410千円、長期借入金が102,096千円減少する一方、営業預り金が731,340千円、固定負債その他が127,003千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して682,679千円増加し、8,777,118千円となりました。主な要因は、当連結会計年度において、利益剰余金が688,625千円増加したことによるものです。

 

(B) 経営成績

(営業収益)

 営業収益は、住宅金融事業、住宅瑕疵保険等事業、住宅アカデメイア事業の全事業において増加したことにより、前連結会計年度と比較して454,963千円増加し、7,565,785千円(前年同期比6.4%増)となりました。

 

(営業原価、販売費及び一般管理費)

 営業原価は、営業収益の増加にともない住宅金融事業、住宅瑕疵保険等事業において増加したことにより、前連結会計年度と比較して69,392千円増加し、2,154,530千円(同3.3%増)となりました。

 販売費及び一般管理費は、住宅金融事業において販売促進費の増加に加えて、事務所移転にともなう消耗品費、地代家賃等が増加したことにより、前連結会計年度と比較して383,408千円増加し、4,011,029千円(同10.6%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加したことに加え、事務所移転費用等の特別損失が68,322千円減少したことにより、前連結会計年度と比較して108,204千円増加し、982,664千円(同12.4%増)となりました。

 

(C) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

B.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、金融サービスを取り扱っており、また主に住宅・不動産関連の業界に属する住宅事業者及び住宅を購入等する消費者を顧客としていることから、金利、住宅の建設・流通、国内の人口等の動向や不動産に関わる税制や消費税法の改正等の影響を受けることがあります。

 例えば、現在のような低い水準の住宅ローン金利が上昇した場合や、建材・資材価格の急激な上昇、景気悪化等による消費者の住宅取得マインドが低迷した場合、住宅着工・流通戸数が急激に減少した場合等は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、我が国の人口・世帯数は減少し続けることが予想されており、中長期的には新設住宅着工戸数も減少傾向が続くと予想されていることから、当社グループが新築住宅向けの住宅ローンや住宅瑕疵(かし)保険の販売に過度に依存し続けた場合、将来の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

C.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループのセグメントのうち、住宅金融事業では、住宅ローンの貸付に必要な資金を銀行より借入れることにより調達しております。当社は顧客への貸付を行うと同時に、当該貸付債権を独立行政法人住宅金融支援機構に譲渡し、この譲渡代金を銀行からの借入金返済に充てております。

 住宅瑕疵保険等事業では、当該事業の柱である瑕疵検査業務、及び瑕疵保険業務において、営業収益である検査料収入、瑕疵保険料収入はそれぞれ住宅事業者から前受で受取り、この資金をもって営業原価である検査員への検査料、損害保険会社への再保険料を支出しており、その他の必要資金は自己資金で賄っております。従って住宅金融事業、住宅瑕疵保険等事業においては、特に運転資金の調達は必要としておりません。

 住宅アカデメイア事業では、住宅保証サービス提供業務等において、基本的に売掛金の回収と買掛金の支払いはほぼ同時に行われます。また設備投資資金については、当社からの投融資で賄っております。

 

D.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、長期利益の実現を目指し、「堅実で持続的な増益」を最も重要な経営目標としております。増収も主要な目標のひとつと考えておりますが、顧客・投資家・株主・従業員・社会等のステークホルダーに対する責任を果たすためには、健全で積極的な投資を継続し持続的に成長していくことが肝要であるとの価値観から、増収よりも増益に重きを置き、「営業利益」を重要な指標として位置付けております。

 当連結会計年度における「営業利益」は1,400,224千円となり、前連結会計年度と比較して0.2%の増益となりました。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

(1) 報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 当社グループはサービス別の事業単位から構成されており、経済的特徴やサービスの内容等が概ね類似している事業セグメントを集約した「住宅金融事業」「住宅瑕疵保険等事業」「住宅アカデメイア事業」の3つを報告セグメントとしております。

 「住宅金融事業」は、独立行政法人住宅金融支援機構と提携し、フラット35等の住宅ローンの貸付(「MSJフラット35」として住宅資金需要者に貸付)等の業務を行っております。

 「住宅瑕疵保険等事業」は、国土交通大臣に指定された住宅瑕疵担保責任保険法人として「新築住宅かし保険」等の販売、並びに住宅性能評価機関や住宅金融支援機構登録の適合証明機関として、「住宅性能評価」をはじめとする検査・審査等各種サービスの提供、及び「地盤保証」の提供等の業務を行っております。

 「住宅アカデメイア事業」は、住宅引渡後の住宅保証サービス及び住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」の提供等の業務を行っております。

 

(2) 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 セグメント間の内部営業収益及び振替高は市場価格等に基づいております。

 

(3) 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報

 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表

計上額

(注2)

 

住宅金融事業

住宅

瑕疵保険等

事業

住宅

アカデメイア

事業

営業収益

 

 

 

 

 

 

外部顧客への営業収益

3,330,591

3,172,415

607,813

7,110,821

7,110,821

セグメント間の内部

営業収益又は振替高

42,728

2,694

45,423

△45,423

3,330,591

3,215,144

610,508

7,156,244

△45,423

7,110,821

セグメント利益

956,987

366,755

73,479

1,397,222

840

1,398,062

セグメント資産

16,907,188

3,776,598

793,739

21,477,527

△236,127

21,241,399

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

53,389

49,908

18,304

121,602

121,602

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

21,769

26,486

3,129

51,385

51,385

(注1)セグメント利益の調整額840千円、セグメント資産の調整額△236,127千円は、セグメント間取引消去額です。

(注2)セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

 

 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表

計上額

(注2)

 

住宅金融事業

住宅

瑕疵保険等

事業

住宅

アカデメイア

事業

営業収益

 

 

 

 

 

 

外部顧客への営業収益

3,625,693

3,308,839

631,252

7,565,785

7,565,785

セグメント間の内部

営業収益又は振替高

39,986

2,511

42,497

△42,497

3,625,693

3,348,825

633,763

7,608,282

△42,497

7,565,785

セグメント利益

1,051,567

286,567

61,459

1,399,594

630

1,400,224

セグメント資産

17,344,301

3,991,411

957,624

22,293,337

△196,059

22,097,277

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

69,732

44,656

17,988

132,376

132,376

有形固定資産及び

無形固定資産の増加額

179,838

7,831

1,389

189,058

189,058

(注1)セグメント利益の調整額630千円、セグメント資産の調整額△196,059千円は、セグメント間取引消去額です。

(注2)セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

(1) 製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

(2) 地域ごとの情報

① 営業収益

 本邦以外の外部顧客への営業収益がないため、該当事項はありません。

 

② 有形固定資産

 本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

(3) 主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への営業収益のうち、連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。