リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。
以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 製品の特性および特定製品への依存度が高いことについて
自動車用サスペンション製品のカーアフターマーケットにおいては、趣味・嗜好性や、さらに近年においては経済状況なども販売動向やユーザーニーズに強く影響を与える要因となっております。当社の製品は技術力とブランド力によって、主にドライビングにおける運動性能、快適性、スタイル性などを重視するユーザーから支持されておりますが、こうしたユーザーニーズが大きく変化した場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、自動車用サスペンションの開発、製造、販売という単一セグメントに属する事業をおこなっております。これにより当社グループは経営資源を集中的に投入することによって、製品ラインナップの充実を図るとともに、常にコストダウンにも努めておりますが、カーアフターマーケット向けサスペンション市場における販売競争が激化し、当社の製品が販売不振に見舞われた場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業活動に潜在するリスクについて
当社グループは事業拡大を図るため、国内・アジア地域を中心に世界の広範な地域で事業を展開しております。また、海外進出に当たっては十分な調査と計画に基づいて実施しておりますが、これらの事業活動においては、以下に掲げるようないくつかのリスクが潜在します。
① ユーザーニーズやマーケットの動向の変化
② 競合会社の存在
③ ビジネス慣習や労働環境・雇用慣習などの違いや変化
④ 為替レートの変動
⑤ 予期しない法令または規制などの変更
⑥ 不利な政治または経済的要因
⑦ 不利な税制の影響
⑧ テロ、戦争、クーデター、その他の要因による社会的混乱
⑨ 感染症の蔓延等による操業の停止や事業活動の制限
⑩ 物価、その他の高騰による影響
その他不確実要素が多く存在するため、将来において、当社グループが予期していない事象が発生した場合には、当該投資が計画通り回収できない可能性があります。
(3) 為替レートの変動について
当社グループには、海外に所在する連結子会社が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、為替レートの変動は当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製品の不具合について
当社グループは、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001:2015の認証を国内の全ての事業所ならびに中国工場の天御減振器制造(江蘇)有限公司において取得しておりますが、全ての製品について不具合が発生しないという保証はありません。また、製造物責任についてはPL保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。自主回収や製造物責任賠償につながるような内容の製品の不具合が発生した場合には、多額のコストを要したり、当社グループの製品やサービスに対するユーザーの支持を低下させることになり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 知的財産について
当社は、研究開発上の知的所有権を所有しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。当社が第三者より知的所有権に関する侵害訴訟などを提訴されている事実はありませんが、知的所有権を巡っての紛争が発生した場合には、当社の業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害その他の事故などによる影響について
当社製品の生産拠点は横浜市内の本社工場、ならびに中国宿遷市の中国工場の2箇所となっております。両工場ともに安全管理には十分に注意を払っておりますが、地震、台風その他の自然災害、突発的事象に起因する設備の破損や電力・水道の供給困難等により被害を受け、生産活動の継続が困難になった場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材不足の影響について
当社グループがグローバル規模で事業の拡大を図るためには、国内外での優秀な人材および良質な労働力の確保が必要不可欠と考えております。当社グループでは新卒者を中心とした採用をおこない、育成に努めておりますが、当社グループの求める人材・労働力の確保、育成が計画どおりに進捗しない場合には、今後の事業展開に支障が生じ、事業成長および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症等の異常事態の影響について
当社グループは、国内および中国に生産拠点を置き、また世界の広範な地域で事業活動をおこなっております。
新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック等の異常事態の発生により、サプライヤーからの製品用資材や消耗品等の調達の停滞、外出規制に伴う従業員の自宅待機による生産活動への影響や購買行動の変化、また渡航等の制限や営業活動の自粛など事業の正常な運営が困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。
(9) 物価、その他の高騰による影響について
当社グループは、資材・エネルギーコストその他の高騰に対して必要に応じて販売価格の見直しなどをおこなっておりますが、当該コスト増が販売価格の見直しで吸収できない場合、収益構造の悪化により、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、収益力の向上を図り、株主の皆様へ利益還元をすることが経営の最重要課題の一つであると考えております。利益配当については年1回期末に配分することとし、各期の連結業績、配当性向および内部留保等を総合的に勘案した上で、継続的かつ安定的な配当をおこなうことを基本方針としております。
なお、内部留保資金につきましては、健全な財務体質の維持を図るとともに競争力強化のための研究開発、また生産性向上を図るための設備投資など将来の事業展開に役立ててまいる所存であります。
この基本方針に基づき、普通配当の5円に連結損益計算書における前期の親会社株主に帰属する当期純利益の15%と当期の親会社株主に帰属する当期純利益の15%の合計を期末発行済株式数(自己株式を除く)で除した金額を特別配当として加算し、当期の配当金は36円00銭としております。
期末配当の決定機関は株主総会であります。
当社は中間配当をすることができる旨定款に定めております。
(注)基準日(2024年3月31日)が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。