2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    4,555名(単体) 13,634名(連結)
  • 平均年齢
    41.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    6,973,823円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業

8,546

(1,966)

HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業

3,468

(575)

航空機器事業

126

(25)

報告セグメント計

12,140

(2,566)

特装車両事業及びその他

517

(280)

全社(共通)

977

(97)

合計

13,634

(2,943)

 

(注) 1.従業員数は、就業人員であります。

2.従業員数には、当社から出向している従業員で出向先において役員の39人は含まれておりません。

3.全社(共通)は、当社の経理・総務・人事部門等の管理部門の従業員であります。

4.臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

 

(2) 提出会社の状況

 

2024年3月31日現在

 従業員数(人)

平均年齢(才)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

4,555

 (1,373)

41.3

16.7

6,973,823

 

 

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業

1,631

(784)

HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業

1,718

(460)

航空機器事業

126

(25)

報告セグメント計

3,475

(1,269)

特装車両事業及びその他

103

(7)

全社(共通)

977

(97)

合計

4,555

(1,373)

 

(注) 1.従業員数は、就業人員であります。

2.従業員数は、他社への出向者(123人)を除き、他社から当社への出向者(33人)を含んでおります。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)は、当社の経理・総務・人事部門等の管理部門の従業員であります。

5.臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

6.前連結会計年度末に比べ従業員数が671名増加しておりますが、主として2023年4月1日付で、当社の完全子会社であったKYB-YS株式会社を吸収合併したことによるものです。

 

(3) 労働組合の状況

提出会社の労働組合は上部団体としてJAMに加盟しております。一部連結子会社については独自に組織する労働組合があります。なお、労使関係については、特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

2.6

70.8

79.3

79.5

72.6

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

カヤバモーターサイクルサスペンション㈱

0.0

90.0

(注3)

58.9

59.9

56.5

金山カヤバ㈱

0.0

(注3)

86.4

86.9

121.6

㈱タカコ

3.5

66.6

(注2)

68.7

77.1

67.5

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

当社グループでは環境や社会の課題解決に向けた活動を実践し、持続可能な社会の実現に貢献するべく活動を推進しています。経営理念である「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」を根幹に、創業者から受け継がれてきた独創の精神に立ち返り、豊かな未来を描く新たな歴史を創り続けます。

気候変動問題に対しては、地球温暖化防止、循環型の持続可能な社会の実現に向けて、人と地球に優しい製品づくりを目指すとともに、省エネ化や再生可能エネルギーの導入、廃棄物削減などを推進します。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは持続可能な社会の実現へ貢献すべく各種取り組みを推進しており、会社全体を取りまとめる組織として、ESG推進部が事務局、社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティに関する取り組みを討議の上、取締役会へ3か月に1回報告または上申しております。

加えて、サステナビリティ委員会の傘下として、各事業部内に事業ESGワーキングチームを設置して、気候変動に関するリスクや機会の抽出、対応策の検討などを実施し、サステナビリティ委員会へ報告しております。また、気候変動リスクに対応するサステナビリティ委員会と会社全般のリスク管理を行うリスク管理委員会は連携しながら活動を行なっております。

取締役会ではサステナビリティ委員会からの報告または上申を受けてプロセスを監督し、必要に応じた決議を行っております。

また、気候変動や環境保全に関連して業績に影響を与える事項は、機能部門および事業部門が業務執行状況を報告する「経営報告会」や、安全・環境部による「環境安全監査」等においても監視を行っております。

サステナビリティに関する体制図は、以下のとおりです。

 


 

(2) 戦略

当社グループはESG経営を方針策定の基盤とし、環境への対応はもちろんのこと、機会を企業価値向上へと繋げ、持続可能な社会に貢献する製品開発を推進しています。またESG推進部を中心に環境・社会・ガバナンスに関するすべての社内活動を推進しています。

<気候変動>

当社グループは2050年カーボンニュートラル達成を目標として、温室効果ガス排出量削減の活動、製品の環境負荷物質低減のための対策、CO2低排出・省エネルギー製品の開発を行っています。気候変動に関するリスクとその影響から見えるビジネス機会に関しては、受注減や工場の操業が停止する事態に陥ることが重大な財務的影響の定義とし、発生の可能性、影響の大きさ、質的影響で分類し、どのくらいのインパクトがあるかを定義しています。下表に示すシナリオ分析により影響度を評価し、事業戦略や経営計画に反映させていきます。

リスクの分類

特定されたリスク

取組・対応策

物理

急性

気候変動に起因する自然災害の激甚化

2010年7月に東海地区を襲った集中豪雨において、工場の近くを流れる河川が氾濫し被害が生じた。

今後さらに地球温暖化が進むと大型化する台風、高潮などによる水害のリスクが高まることが想定されるとともに、WRIアキダクトでの分析でも一定のリスクがあることが判明している。

工場敷地内の浸水防止や排水機能強化に向けた取り組みを計画的に毎年継続で行っている。また、河川水位による移動処置のマニュアル化等、災害発生時に備えた活動を進めている。

移行

規制

温室効果ガス排出削減に関する規制強化

自動車のEV化が加速する中、ショックアブソーバへは、客先の多様化による要求仕様の多様化が、バッテリー搭載による重量増加から軽量化が、車両の静音化に伴う静音(無音)化への要求が加速すると想定され、ニーズに応えられない場合、市場から取り残されるリスクがある。

技術戦略として、自動車の次世代プラットフォームへの対応、コア技術である振動制御やパワー制御をより深化させ対応を進めている。特に軽量化に関しては、鋼材のハイテン化、アルミ化、樹脂化などの材料置換や、構造的な軽量化などの技術の追求に取り組んでいる。

 

 

機会の分類

特定された機会

取組・対応策

製品・

サービス

商品とサービスに対する需要増加に起因する売上増加

自動車市場から更なる「静粛性」「乗り心地」等を求められると予想され、コア技術である振動制御、パワー制御をより深化させ次世代プラットフォームへの対応によるビジネス拡大の機会がある。

炭素税が導入されるにつれて、モーダルシフト(道路貨物輸送から鉄道貨物輸送への転換)が加速する可能性があり、鉄道ダンパービジネス拡大の機会がある。

中期をエンジン車(動力)から電動車(動力)への移行期間とすると、共存の期間でありこの期間で電動化に適した製品を提供することで長期的な展望が見えてくると思われる。また、コア技術を活かして製品の付加価値を高めることにより差別化を図り、優位性を確保し消費者に満足していただけるものづくりを目指している。

 

 

また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりです。

※当社グループでは、「組織をつくるのは人であり、人は組織の財産」という考えのもと、人材を「人財」と表現しています。

<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針>

当社グループは、人財の多様性を経営健全化実現のための重要な取り組みの一つと捉え、多様な価値観、文化、慣習を受容・尊重した働きがいのある職場を創出するとともに、経営戦略、製品開発に柔軟性のある風通しの良い企業風土の構築を目指します。

<社内環境整備に関する方針>

当社グループは、「カヤバ健康宣言」において、従業員や家族の健康を重要な経営資源、企業活力の源泉と位置付けており、働きやすい環境の下で当社グループで働く一人ひとりがそれぞれの能力を最大限発揮できるよう、従業員の働きがい・エンゲージメント向上に取り組みます。

 

 

また、以下のような方策に取り組んでおります。

① 多様な人財の活用と適材適所の人員配置
ⅰ)女性の活躍推進

女性の活躍推進に対する管理職の意識を変えることを目的とした研修を2023年度より新規で開始しています。

また、当社では女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が優れている企業に与えられる「えるぼし」を2023年に取得し、その中で、女性管理職比率が2年連続向上した点を評価いただきました。女性管理職に関しては、2025年度目標にて24名を掲げていますが、2023年度実績においては18名に留まっております。管理職候補となる職位の女性従業員の数を増やすため、座談会による女性従業員からの意見収集を行い、2024年度は自身のキャリアを考えるステップアップ研修を開講予定です。今後も女性従業員が活躍できる環境整備を進めていきます。

ⅱ)障がい者雇用

障がい者の担当業務領域の拡充と受け入れ職場の拡大等により、障がい者雇用率の向上と、障がい者と健常者がともに働きがいを感じられる職場環境の実現に向けた活動を進めております。当社では2019年9月に「業務支援センター」を設置し、社内の各部門、官公庁、学校、各種団体と連携して雇用促進や定着率の安定に向けた取り組みを進めてきた結果、2019年3月末に1.88%であった障がい者雇用率が、2024年3月末現在では2.55%となり、2024年4月より引き上げられた法定雇用率2.50%を上回る雇用率となっています。引き続き、職場環境の実現に向けた活動をしていきます。

ⅲ)ローテーション促進

従来より人財の固定化による不正リスク防止を目的としたローテーションを進めてきましたが、定期的なジョブローテーションによる組織の活性化および従業員のスキル向上を目的に加え、従業員のローテーション促進を進めていきます。

 

② 経営理念の実現に貢献する人財育成
ⅰ)TQM(Total Quality Management)教育

2023中期経営計画において、TQM活動を起点に重点方策を実施することから、2023年度はTQM教育を全社展開してまいりました。2024年度から各事業・各本部を対象に、外部講師による実践教育を通じて、経営目標達成に必要な組織能力を高めるために抽出した実施事項に取り組んでまいります。全社の活動を共有しそれぞれが自分事として課題や問題を顕在化させ、改善、フィードバックすることにより、中期スローガン“品質経営を極める”を実現していきます。

ⅱ)人財育成プログラム

「経営理念(規範、活気、愛、独創)の実現に貢献する人財の育成」を基本とし、そのために必要な資質が備わる人財育成プログラムの体系を整備しています。2024年度より若手従業員の管理職へのステップアップを後押しするため、自身の位置づけや求められる期待役割を把握し、これからのキャリアについて学ぶ研修を開始していきます。

ⅲ)規範意識教育

従業員一人ひとりに規範意識が浸透し風通しの良い職場にするため、毎年10月に全従業員を対象とした教育を行うほか昇格時研修においても実施しております。

 

③ 働きがい・エンゲージメント向上
ⅰ)健康経営

経営トップ主導の元、2019年に立ち上げた健康経営推進プロジェクトを中心に健康経営に取り組んでおり、2023年度大規模法人、中小規模法人健康経営優良法人で、グループ計7社が認定されました。プロジェクト立ち上げ当初は、疾病による休業者を減らす活動を行っていましたが、現在は、疾病を未然に防ぐ健康増進活動にシフトしており、「喫煙率低減」「仕事満足度向上」「肥満該当率低減」「高ストレス者低減」「睡眠充足率向上」の5つを重点方策として掲げております。その活動による改善効果を経年で把握し、その後の施策検討をするため、健康診断結果や面談記録を一元管理する健康管理システムを2022年度に導入しました。また、上記重点方策のPDCAを回すためのツールとして、2023年度に「カヤバ健康支援サービス」を採用しました。2024年度は「喫煙率の低減」を最重要課題として捉え、受動喫煙・禁煙の双方の観点からの活動を強化するとともに、従業員の健康リテラシー向上を図るための「カヤバ健康支援サービス」の普及のため、人事部門・健康管理センター・健康保険組合・労働組合とコラボした活動を行っていきます。これら活動を継続することが、従業員の仕事満足度向上に寄与し、パフォーマンス最大化につながるものと考えています。

 


 

ⅱ)ワークライフバランス

安心して仕事に従事できる職場環境作りやワークライフバランスの両立支援につなげるためテレワーク制度、フレックスタイム制度、育児・介護休職および短時間勤務制度、配偶者転勤休職制度などの様々な制度を設け、多様な働き方を推進しています。中でも、育児制度においては、出産育児にかかわる制度周知を目的とした「出産・子育てのためのガイドブック」を女性従業員用・男性従業員用・幹部従業員用それぞれの作成と各事業所相談窓口設置等により男性の積極的な育児参加を推進する取り組みを進めています。

ⅲ)間接業務合理化

なくす・へらす・かえるの観点から間接部門における業務合理化を進めており、2023年度はカヤバ生産方式(KPS)の思想を用いた改善による抜本的な業務ムダどりの実践に取り組んできました。また、RPA(Robotic Process Automation)などのデジタル技術を活用した合理化実践にも積極的に取り組んでおり、今後も従業員の総就業時間低減と年次有給休暇取得率向上を目指していきます。

 

(3) リスク管理

会社全般のリスクへの対応については、取締役会の下部組織であるリスク管理委員会において、全社的な対策を講じる必要のある重点リスクと責任部署を決定し、各責任部署がリスク管理活動を行い、四半期毎に取締役会へ報告しています。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。気候変動に関するリスクについては、気候変動課題への対応を事業で推進するチームである事業ESGワーキングチームで、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業、特装車両事業のそれぞれでTCFDの推奨するシナリオ分析を活用して気候変動リスクの検討を実施し、サステナビリティ委員会で討議し、取締役会へ報告しています。現在は各事業の中期・長期のリスクと機会による財務影響度を検討しております。

 

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、上記「戦略」において記載した、気候変動について、当社及び連結子会社の生産拠点において次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

2023年度(実績)

年度

目標値

実績

評価

CO2総排出量(Scope1・2)

2023年度

218,951 tCO2

211,731 tCO2

達成

2030年度

138,578 tCO2

(取組中)

2050年度

0 tCO2 カーボンニュートラル

(取組中)

再生可能エネルギー導入率

2025年度

15%

12.9%

(取組中)

 

 


 

また、当社グループでは、上記「戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

なお、当該指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

項目

指標

目標

実績(当連結会計年度)

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

女性管理職人数

2026年3月までに24名

18名

障がい者雇用率

2026年3月までに2.70%

2.55%

社内環境整備に関する方針

喫煙率

2026年3月までに25

31.5%

仕事満足度

2026年3月までに60以上

58.8%

有給休暇取得率

2026年3月までに80%以上

83.8%