2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    34,956名(単体) 113,292名(連結)
  • 平均年齢
    40.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.3年(単体)
  • 平均年収
    7,772,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    5.4%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 人材戦略

 当社グループは、「“移動”の価値を創造する会社」への進化を目指し、2030年中長期事業戦略のもと、事業ポートフォリオ変革を推進しています。この戦略の実現には、社会やお客様の課題を自ら見出し、価値創出に向けて主体的に行動できる多様な人材の全員活躍が不可欠であると認識しています。

 こうした考えのもと、当社グループは人材戦略を経営の中核として位置づけ、その強化に取り組んでいます。具体的には、2030年に向けた人・組織の目指す姿を「グループ・グローバル連結でチャレンジ推進」「どこよりも人が育ち、全員が活躍」している状態と整理し、「プロ人材の活躍・成長」「チャレンジの促進」「グループ総合力の強化」の3つを軸に、人的資本の拡充を推進しています。

 これらの取組を通じ、組織能力の向上及びグローバルでの競争力強化をはかり、2028年中期経営計画における重点取組である「商品」「地域」「機能」軸の強化につなげていきます。

 

 

(プロ人材の活躍・成長)

 今後の事業環境変化の中でも持続的に価値を生み出していくためには、変化に強い人・組織への変革が不可欠との考えのもと、目指す人材像を「プロ人材」=「全体最適で持ち場・立場で自発的に考え行動する人」と定義しています。プロ人材の活躍・成長のためには、一人ひとりが自身の役割を認識し、全体最適に向けた自発的な行動を取ることが重要と考え、2023年より上位層から順に制度改定を行い、個々の役割明確化と主体性喚起を促しています。育成面においては、OJTを基盤としつつ、プロ人材の構成要素である「変革力」、「人間力」、「問題解決力」、「競合に勝てる高いスキル」の強化に向けた育成施策を実施しています。加えて知能化領域の強化やデジタル革新に向け、電動化、ソフトウェア及びDX領域におけるリスキリングを推進し、成長領域に対応した人材基盤の構築を進めています。

 

プロ人材育成 主な取組

 

主な取組

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

問題解決力

問題解決研修

中級・上級MAST研修

1,633名

2,260名

1,790名

2,235名

変革力

越境体験プログラム

30名

155名

121名

127名

人間力

志研修

296名

247名

224名

人間力OMOIYARIコミュニケーション研修

4,820名

5,890名

6,944名

(注) 各取組の対象範囲は以下のとおりです。

・問題解決研修:一般資格者を対象に必須の階層別教育として実施

・中級・上級MAST研修:新任部長及び新任課長を対象に必須教育として実施

・越境体験プログラム:管理職、一般資格者を対象に公募形式で実施

・志研修:2025年度までに部長級社員の50%を目標に実施

・人間力OMOIYARIコミュニケーション研修:役員、管理職層を対象に実施

 

(チャレンジの促進)

 戦略の実行にあたり、従業員一人ひとりが主体的に挑戦できる環境の整備が重要であると認識しています。「あるべき姿を描き一歩ずつ変化していく」=「チャレンジ」を生み出すため、「チャレンジする人・職場づくり」をキーワードに風土変革を進めています。

 プロ人材のチャレンジを促進するためには、個々の自発的努力と活躍できる環境の両方が重要との考えのもと、社員意識調査で測る「社員エンゲージメント」「社員を活かす環境」を重点KPIと定めています。これまで取り組んできた風通しの良い職場風土づくり、役割を軸にした人事制度改定、職場環境改善といった全社的な取組と、全員参加のAI活用等各職場における主体的な取組の両輪により、2025年度は前年度より結果が大きく向上し、日本製造業平均を上回る結果となりました。今年度は、将来に向けて付加価値の高い仕事へとシフトしていく過程そのものを、社員一人ひとりのチャレンジの機会と捉え、その実践を通じた成長を重視しながら、会社の成長と個人の成長の連動をはかっていきます。

 

(グループ総合力の強化)

 競争力強化に向けて、分社経営からグループ経営への転換を進めています。

 国内では、会社や組織の枠を超えたリソーセスシフトや人材交流を進め、組織や人材配置の最適化をはかっています。

 海外においては、地域軸経営の加速に向け、各地域が主体となって事業戦略を推進しながら、グローバルでの最適結果に導くリーダーの確保・育成を重要課題と認識しています。グローバル共通指標「AG2(アイシングローバルグレーディング)」を用いて重要ポストを特定し、サクセッションプランの策定・運用、経営人材育成プログラム「グローバルリーダーズセッション」により人材開発を推進し、現地の自立的な経営の実現につなげていきます。

 また、多様な人材の活躍が持続的成長に繋がるとの認識のもと、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。女性管理職比率を重点KPIと位置づけ、取組の対象を中核会社から国内グループ全体へ波及させるため、2030年の女性管理職比率目標を4.5%に再設定しました。本目標に向けては、年間で従来の2倍規模の女性管理職輩出が必要であることから、2030年までに必要となる女性の管理職昇格数に対し、約2.5倍の育成候補者を特定し、計画的な育成を強化しています。あわせて、昇格意欲を阻害する管理職の役割・働き方に関する暗黙の前提の払拭や、職場風土改革を通じ、多様な人材の活躍を促進していきます。

 

人材戦略における指標及び目標

 当社グループは、人材戦略の進捗を測定する以下の指標をマテリアリティKPIに設定しており、社長、CxO、本部長が出席するサステナビリティ会議にて進捗のモニタリング・フォローを行っています。

指標

実績

(2023年度)

実績

(2024年度)

実績

(2025年度)

目標

(2030年度)

参考値

社員エンゲージメント

53%

(単体53%)

61%

(単体59%)

日本製造業平均55%

社員を活かす環境

48%

(単体48%)

59%

(単体55%)

日本製造業平均54%

女性管理職比率

4社 2.6%

(単体2.8%)

4社 2.8%

(単体3.0%)

国内 3.0%

(単体3.1%)

国内 4.5%

(注1) 2024年度よりグローバル化を見据え社員意識調査を変更し、指標を「社員エンゲージメント」「社員を活かす環境」に見直し

(注2) 社員意識調査のグローバル展開完了後、実績や地域・文化等の特性を踏まえ、2027年度にグローバル目標を設定予定

(注3) 2024年度までは当社グループの主要4社(当社、アイシン高丘㈱、アイシン化工㈱、㈱アドヴィックス)で女性管理職比率を共通指標として管理。2025年度以降国内全グループに対象を拡大

 

健康経営

 グローバルに事業を展開する企業として、構内で働くすべての人が安全かつ健康的に働ける職場環境を維持・構築することは、あらゆる事業現場において実現されるべき重要な経営課題と位置づけています。当社グループは、いかなる際も「安全と健康はすべてに優先する」という考えを企業価値創造の重要な基盤と捉え、全従業員の安全と健康の向上に取り組んでいます。

 当社グループは、重大災害・休業災害の根絶に向けて、徹底的な再発防止活動と、健康意識の向上及び健康行動の習慣化に向けた各種施策を推進しています。2030年グループ安全ビジョンにおいてKPIを設定し、安心して働け、心身ともに健康で生き生きと活躍し続けられる職場環境づくりに取り組んでいます。

(安全衛生)

 2020年度より、リスク管理及びパフォーマンス改善を可能にする労働安全衛生マネジメントシステムを、構内請負業者を含めた当社グループで導入しています。社内外の課題や働く人及び利害関係者の要求事項を受け、年に1度、リスクと機会の抽出を実施しています。その結果から取り組むべき課題に優先順位をつけ、次年度の安全衛生計画に反映させ、目標達成に向けた活動を推進しています。また、活動結果やその他変動要因を踏まえ、マネジメントレビューを実施し、次年度に向けた方向性を明確にしたうえで、活動のレベルアップをはかっています。

 

(健康)

 従業員の健康増進を経営課題の一つと位置づけ、2021年4月に「アイシングループ健康宣言」を策定し、グループ従業員一人ひとりの健康意識の向上と健康行動の習慣化に向けた健康経営を推進しています。

 挑戦する企業文化の醸成に向けてチャレンジが促進されている状態を目指し、心身ともに健康な状態で能力発揮できるように戦略マップに落とし込み、活動に取り組んでいます。

 

健康経営における指標・目標

指標

実績

(2023年度)

実績

(2024年度)

実績

(2025年度)

目標

(2030年度)

重大災害件数

0件

0件

0件

0件

プレゼンティーイズムパフォーマンス度

83.1%

76.0%

79.7%

85.0%

(注1) プレゼンティーイズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態

プレゼンティーイズムパフォーマンス度:SPQ(東大1項目版)を用いて算出。健康な状態で発揮できるパフォーマンスを100%とした時に過去1ヶ月で80%以上発揮できたと感じる社員の割合

(注2) プレゼンティーイズムパフォーマンス度は、2025年度時点で共通の指標で管理をしている当社単体の数値を基に算出

 

② 給与決定方針

 給与制度においては、基本給、賞与及び各種手当で構成しています。基本給は、職能等級や役割に応じて設定しており、職能資格基準は、当社がプロ人材の構成要素として定義する「変革力」、「人間力」、「問題解決力」、「競合に勝てる高いスキル」を軸に定めています。賞与は、会社業績等を踏まえ支給水準を決定するなど業績と連動した処遇の実現をしています。また、全員活躍には、一人ひとりの役割認識が重要と考え、各階層での役割明確化と階層に応じた処遇への反映を行い、各従業員の評価結果を反映して個別支給額を決定しています。

 また、プロ人材の活躍・成長に向けて、チャレンジや失敗からの学びを評価する「加点主義」、現在の職責や成果に報いる「時価主義」、内向きの打破や適時適所適材を実現する「流動性・外向きの加速」を軸に上位資格から順に改定しました。

 2025年度にはベースアップを実施し、製造業平均を上回る水準とすることで、処遇競争力の維持・向上をはかりました。(対前事業年度比+5.4%)

 当社は処遇・賃上げは重要な「人への投資」と考え、意思を持って進めています。労使協議を重ねながら、全社一丸の活動を加速し、持続的な成長と配分の好循環の実現を目指します。

 

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

日本

63,954

[16,989]

北米

15,626

[1,315]

欧州

2,274

[184]

中国

13,020

[975]

アセアン・インド

17,599

[3,929]

その他

819

[25]

合計

113,292

[23,417]

(注1) 従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均雇用人員を外数で記載しています。

(注2) 臨時従業員には、期間工、パートタイマー、嘱託契約の従業員及び派遣社員が含まれています。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

34,956

[6,027]

40.7

17.3

7,772

5.4

(注1) 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均雇用人員を外数で記載しています。

(注2) 臨時従業員には、期間工、パートタイマー、嘱託契約の従業員及び派遣社員が含まれています。

(注3) 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金が含まれています。

(注4) すべての従業員及び臨時従業員は日本セグメントに属しています。

 

③ 労働組合の状況

 労使間に特記すべき事項はありません。

 

④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得割合及び労働者の男女の賃金の差異

(ⅰ)提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占め

る女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得

割合(%)

(注2)

男性労働者の

育児休業と

育児目的休暇

の取得割合

(%)

(注3)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期

労働者

3.1

79.8

96.3

69.1

69.3

70.6

 正規雇用労働者における男女間賃金差異の主な要因は、職能資格の構成割合の違いによるものです。当社の賃金体系及び人事制度において、性別による差異はありません。近年は女性の採用を拡大していることから、男性の平均勤続年数が女性より長く、高位資格者に占める男性比率が高いことが賃金差異に影響しています。

 非正規雇用労働者における男女間賃金差異の主な要因は、定年後再雇用者の構成差によるものです。再雇用者の処遇は、従事する役割や定年前の資格等を踏まえて決定しており、制度上の男女差はありません。現時点では、男女の在籍比率及び管理職比率の違いが賃金差異に影響しています。

(注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

(注2) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

(注3) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。配偶者が出産した年度と、育児休業等及び育児目的休暇を取得した年度が異なる男性労働者がいる場合、100%を超えることがあります。

 

(ⅱ)連結子会社

当事業年度

名 称

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得

割合(%)

(注2)

男性労働者の

育児休業と

育児目的休暇

の取得割合

(%)

(注3)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・有期

労働者

アイシン高丘㈱

1.1

61.3

118.1

67.3

65.0

78.7

アイシン軽金属㈱

5.0

92.8

96.4

83.3

81.4

89.7

アイシン開発㈱

5.3

60.0

180.0

55.5

65.0

32.0

アイシン機工㈱

0.9

76.9

94.2

69.9

68.8

98.0

アイシン辰栄㈱

5.5

77.1

85.7

76.0

74.2

107.4

㈱アイシン福井

1.9

92.3

105.1

70.1

70.2

69.9

豊生ブレーキ工業㈱

3.5

68.7

90.6

67.1

66.6

72.7

㈱アドヴィックス

1.4

79.1

94.5

68.1

69.8

51.3

アイシンシロキ㈱

2.4

47.0

111.7

67.7

73.6

79.8

アート金属工業㈱

12.5

75.0

83.2

81.9

99.1

アイシン九州㈱

1.8

52.1

104.3

66.4

71.9

81.2

㈱シーヴイテック

0.0

100.0

100.0

67.8

70.0

85.1

(注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

(注2) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

(注3) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。配偶者が出産した年度と、育児休業等及び育児目的休暇を取得した年度が異なる男性労働者がいる場合、100%を超えることがあります。

(注4) アート金属工業㈱は、パート・有期労働者について、正規雇用労働者の所定労働時間に基づき換算した人員数を用いて平均年間賃金を算出しています。

(注5) 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得割合及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。

(注6) 「-」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)において選択公表をしていない場合、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務がない場合を示しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」の経営理念のもと、ステークホルダーとの対話から、社会課題とニーズを先読みし、事業活動を通じた持続可能な社会の実現と企業価値向上の好循環を目指しています。

 サステナビリティ経営の基盤として、アイシングループサステナビリティ憲章を策定し、これを企業活動における指針としています。さらに、従業員が同憲章を遵守するために取るべき具体的な行動をアイシングループ行動規範として定め、周知徹底をはかっています。

 また、経営理念の実現に向けて中長期的に取り組むべき重要課題をマテリアリティとして特定し、経営戦略の中核に位置づけ、成長戦略と一体的に推進しています。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)全般的な考え方及び取組

① ガバナンス

(ⅰ)監督体制(ガバナンス機関又は個人)

 当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク及び機会の監督は、取締役会が担っています。取締役会は、サステナビリティ会議や各委員会において審議・決定された事項のうち重要な案件について、付議・報告を受けることを通じて、その内容を把握し、監督しています。なお、2025年度の主なサステナビリティ関連の議題は以下のとおりです。

 

取締役会議題

区分

推進会議体

サステナビリティ全般

アイシングループ行動規範の改定

報告

サステナビリティ会議

サステナビリティ経営に向けた活動進捗と今後の課題

報告

リスク管理全般

リスクマネジメントの取組状況

報告

リスクマネジメント委員会

気候変動

環境委員会の運用状況と課題

報告

環境委員会

人的資本

人的資本戦略について

報告

人事機能会議

 

(ⅱ)執行体制(経営者の役割)

 取締役会は、サステナビリティ関連のリスク及び機会をモニタリング・管理・監督するためのガバナンスに係るプロセス、統制及び手続における経営者の役割を、社長執行役員を議長とするサステナビリティ会議に委任しています。同会議は原則年2回開催され、サステナビリティに関する方針及び取組の方向性を議論・決定するとともに、マテリアリティに基づく取組の進捗管理を行っています。また、サステナビリティ会議で決定された方針は、各委員会等において活動計画へと落とし込まれ、目標達成に向けた取組が推進されています。

サステナビリティ推進体制

サステナビリティ会議

開催頻度

原則2回/年

議長

社長執行役員

事務局

総合企画部サステナビリティ推進室

参加者

執行役員、地域本部長、主要グループ会社社長他

主な議題

・サステナビリティに関する最新動向の共有

・サステナビリティに関する方針の議論・決定

・マテリアリティの見直し、指標と目標の決定、進捗フォロー

 

 

 

(ⅲ)取締役会に求められるスキル及びコンピテンシー

 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をはかるため、取締役会には的確・迅速・公正な意思決定と適切な経営の監督が行われることが求められます。そのため、当社の取締役に求められるスキルを特定し、業界の内外を問わず高度な専門性や国内外子会社での豊富な経験と幅広い見識を有する人材を選任しています。詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況 ①役員一覧」をご参照ください。

 

(ⅳ)サステナビリティKPIと役員報酬の連動

 サステナビリティ課題への取組に関する取締役(社外取締役を除く)のインセンティブを強化するため、サステナビリティKPIを業績連動報酬の算定指標に組み込んでいます。詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等 ①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項」をご参照ください。

 

② リスク管理

 当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価、優先順位付けし、モニタリングするために、次の方法を用いています。

 当社グループを取り巻く中長期の事業環境認識を踏まえて、マテリアリティの特定を行っています。具体的には、バリューチェーン全体を俯瞰し、主に自動車業界やサステナビリティに関わる課題をリスク及び機会の観点から網羅的に整理しています。これらを踏まえ、従業員ワークショップを通じて事業活動に関連する課題を抽出したうえで、社外取締役を含む役員による議論を経て、経営への影響度並びにリスク及び機会の観点から絞り込みを行いました。さらにステークホルダーエンゲージメントによりマテリアリティの妥当性を検証しています。これらの検討結果は、サステナビリティ会議において審議・決議され、その内容が取締役会に報告されることにより、取締役会による監督が行われています。また、サステナビリティ会議において、事業環境の変化等を踏まえ年1回確認を行い、必要に応じて見直しを行っています。

 上記のプロセスにより特定したマテリアリティから、国際的なガイドラインに示される考え方を踏まえ、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別しています。識別したリスクは全社のリスク管理に統合し、同一の枠組みで評価、管理をしています。また、重要な投融資案件については、意思決定に先立ち、サステナビリティに関連するリスクの有無や影響を含めて評価を行っています。全社のリスク管理の詳細については「3 事業等のリスク」をご参照ください。また、識別した機会については、各種主要会議や経営会議において事業戦略と一体的に管理しており、重要な案件については取締役会に付議・報告しています。

 

(2)気候変動への対応

 当社グループは、マテリアリティにおいて「自然との共生、持続可能な未来への貢献」を優先課題の一つに位置づけ、「バリューチェーン全体での環境負荷低減」をその実現に向けた方向性として定めるとともに、気候変動が事業活動にもたらすリスクと機会を経営戦略に反映しています。

 

① ガバナンス

 当社グループでは、環境全般に関する基本方針の審議及び業務執行の適正化と進捗管理を担う環境委員会と、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー及び自然共生に関する戦略検討・推進を担うCN・CE推進会議を設置しています。

 両会議は、カーボンニュートラル・環境推進センター センター長を議長として、それぞれ年2回開催しており、サステナビリティ会議で決定された方針に基づき、それぞれの役割に応じて審議及び検討を行っています。環境委員会において議論された重要な案件については、取締役会に付議・報告し、必要に応じて事業戦略や事業計画へ反映しています。

 

環境委員会

開催頻度

原則 2回/年

議長

カーボンニュートラル・環境推進センター センター長

事務局

CN環境推進部

参加者

社長執行役員、執行役員、センター長/本部長、主要グループ会社社長 他

主な議題

・環境全般に関する基本方針の審議・展開

・環境全般に関する業務執行の適正化と進捗管理

 

CN・CE推進会議

開催頻度

原則 2回/年

議長

カーボンニュートラル・環境推進センター センター長

事務局

CN環境推進部

参加者

センター長/本部長、主要グループ会社担当役員 他

主な議題

カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、自然共生に対する戦略検討・推進

 

② 戦略

 当社グループでは、気候変動が事業活動及び中長期的な企業価値に与える影響を踏まえ、カーボンニュートラルの実現を中心的な課題と位置づけています。

 「生産」と「製品」の両軸から施策を展開し、2035年の生産CO2カーボンニュートラル及び2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しています。

 生産面では、徹底した省エネ活動や革新生産技術の開発によるエネルギー使用量削減、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーの導入・切替を実施します。

 製品面では、電動車向け製品の更なる進化、エネルギーと資源循環システムの普及を進め、モビリティ・エネルギー技術融合による新価値創出を目指します。

 あわせて、資源の有効活用や廃棄物削減といったサーキュラーエコノミーの考え方を取り入れることで、環境負荷低減の取組を強化しています。

 なお、気候変動に伴う移行・物理的リスク、機会を下記対象・シナリオ・定義に基づき年1回分析し、定期的に対応を見直しています。

 

(ⅰ)分析対象

拠点:アイシングループ全拠点

事業:全事業

 

(ⅱ)シナリオ

 短中長期の視点を捉える中で、移行・物理的リスク及び機会が顕著に表れ、事業活動への影響が大きいことから下記2つのシナリオを選定し、分析を実施しました。

 

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

社会像

〔政策〕

炭素税導入や再生可能エネルギー促進等、温室効果ガス削減に向けた大胆な政策が実施される

〔技術革新〕

エネルギー効率、炭素回収・利用・貯留等の技術が急速に発展、社会実装化

〔市場変化〕

モビリティ市場における電動化シフトが急伸、温室効果ガス削減に寄与する製品・サービスが市場拡大

〔地球環境〕

気温上昇が4℃を超え、異常気象による事業へのマイナス影響が顕著になる

参照元

・IEA World Energy Outlook「NZE」

・自動車産業のシナリオ

IPCC AR6 SSP5-8.5

関連リスク

移行リスク

物理的リスク

 

(ⅲ)時間軸の定義

長:~2050年度、中:~2030年度、短:~2026年度

 

(ⅳ)財務影響の定義

大:100億円以上、中:10億円以上100億円未満、小:10億円未満

 

<気候変動のリスクと機会、当社グループの対応>

区分

リスク/機会

の種類

影響段階

当社グループへの影響

時間軸

長・中・短

財務影響

大・中・小

対応

移行

リスク

市場

製品需要

電動化の推進で電動車向け製品需要が拡大する一方、ガソリン車向け製品需要が減少

・電動ユニット、回生協調ブレーキ、熱マネジメントシステムや空力デバイスなど、幅広い製品によるモビリティの電動化とエネルギーソリューションでカーボンニュートラルへ貢献する製品の拡販を強化

・駆動ユニットのフルラインアップを強みに、ガソリン車需要取込によるシェアアップを推進

調達

低炭素原材料の需要が高まり必要な原材料の価格高騰による調達コストの増加

・製品設計時点での軽量化による使用原材料の削減

・サーキュラーエコノミーの推進による購入原材料の削減

政策・規制

直接操業

炭素税や再生可能エネルギー導入などの政策によるコストの増加

・エネルギー使用ミニマム化に向けた省エネ活動の推進

・地域ごとの特徴を活かした再生可能エネルギーの導入

物理的

リスク

急性

直接操業

気象災害(大雨、台風、洪水など)の発生頻度増加や激甚化による被災時のサプライチェーン寸断の発生や一時的操業の停止

・異常気象発生時における行動基準及びルールの策定

・調達物流のBCP高度化

・リスクのある拠点を抽出して定期的にモニタリング

・浸水対策計画の策定、実施

機会

製品/

サービス

製品需要

電動化の推進による電動車向け製品の需要拡大

・駆動ユニットのフルラインアップを強みに、増加するPHEV、HEV需要を獲得

・高効率&小型化により電費向上したeAxleの拡販を推進

回生協調ブレーキシステムの進化による電費や感性性能の向上に伴う拡販推進

・関連製品の生産能力拡大

CO2削減に寄与する製品・サービスへの需要拡大に伴う新規事業創出

・ペロブスカイト太陽電池の市場投入・シェア確保

・ヤシ殻由来のバイオ成型炭(Bio-M-Coke®)の販売

・CO2固定化技術の確立と事業化

省エネルギーかつ低炭素排出製品の需要拡大

・家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム(SOFC)」の高効率化と拡販を通じて、高効率で安定したエネルギー供給の実現及び停電時の自立発電機能によるレジリエンス向上に貢献

・自治体と協業で脱炭素事業を推進し、街づくりへ貢献

資源効率性

直接操業

エネルギー利用の効率化による調達コストの減少

・動力源、熱源、無駄レスの徹底による省エネルギー化

・革新生産技術の開発

・CO₂の回収・利活用やバイオ成型炭等の開発・導入によるクリーンエネルギー化

 

③ リスク管理

 環境委員会等は、「3 事業等のリスク」に記載の全社的なリスク管理プロセスのもと、②戦略で識別されたリスク及び機会への対応を協議・決定し、定期的に進捗をフォローしています。なお、対応策の検討にあたっては各国の法規制、ステークホルダーとの対話、顧客動向等を考慮しています。

 

④ 指標及び目標

 アイシングループ全拠点を対象として、下記目標を設定しています。

<2050年度目標>

・Scope1、2、3:カーボンニュートラル

<2035年度目標>

・生産CO2排出量(生産拠点のScope1、2):カーボンニュートラル

<2030年度目標>

・Scope1、2:2019年度比46.2%削減(SBTiによる認定取得)

・Scope3:2019年度比27.5%削減(カテゴリ1、11のみSBTiによる認定取得)

<2024年度実績>(注)

・Scope1、2、3:2,360万t-CO2e(2019年度比9.3%削減)

・Scope1、2:221万t-CO2e(2019年度比20.5%削減)

・Scope1:54万t-CO2e

・Scope2:167万t-CO2

・Scope3:2,139万t-CO2e(2019年度比8.0%削減)

・生産CO2排出量(生産拠点のScope1、2):215万t-CO2(2013年度比22.5%削減)

(注) 2025年度実績は、第三者検証後に当社サステナビリティサイト

https://www.aisin.com/jp/sustainability/)にて2026年9月末公開予定

 

(3)人的資本

 当社グループにおける、「人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する取組」及び「社内環境整備に関する取組」については「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。