人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数32,547名(単体) 195,109名(連結)
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平均年齢43.9歳(単体)
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平均勤続年数21.0年(単体)
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平均年収9,326,000円(単体)
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平均年収の
対前年増減率4.1%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
<当社グループの人的資本経営・人材戦略>
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標」を参照ください。
<従業員給与等に関する方針>
当社は事業戦略と連動した人材戦略の一環として従業員給与等の方針を定めています。
給与制度の根幹となる考え方は「実力主義」であり、意欲の高い多様な人材が最大限能力を発揮できる制度とすることで、人材の確保と定着を支える基盤と位置づけて運用しています。
一般従業員については、能力・実績主義の考え方に基づき、発揮した能力や成果と行動プロセスの両面から評価し処遇する制度を導入しています。
賃金においては、全従業員が安心して働ける環境を整えるとともに、中長期的な事業環境などを踏まえて労使交渉を行い、決定しています。
賞与については、短期の業績に対する適切な配分において労使交渉を行い、決定しています。
管理職については、役割を重視するトランスフォーメーション職と能力発揮を重視するイノベーション職の2つの給与体系とし、それぞれの職種に適した実力主義の制度を導入しています。
また、管理職の賃金は、市場との比較により対他競争力ある水準とするとともに、管理職の一部には株式報酬制度を導入し、中長期の企業価値向上へのコミットメントを高めています。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(注) 従業員数は就業人員です。また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。
② 提出会社の状況
(注) 1 従業員数は就業人員です。また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
③ 労働組合の状況
提出会社、連結子会社ともに、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。
提出会社の状況
④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しています。当該役員・従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容 ② 従業員に対する株式交付制度(株式付与ESOP信託)」に記載しています。
⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
a.提出会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。過年度に出生した子に係る育児休業等の取得者を含めて算定しているため、取得率が100%を超える場合があります。
4 当社の労働協約適用会社である㈱本田技術研究所、㈱ホンダ・レーシング、学校法人ホンダ学園、㈱ホンダアクセスを含んでいます。
b.主要な連結子会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。過年度に出生した子に係る育児休業等の取得者を含めて算定しているため、取得率が100%を超える場合があります。
4 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3. 事業等のリスク」を参照ください。
(1) サステナビリティ関連財務開示
①ガバナンス
(ガバナンス機関)
当社グループは、「基本理念」、「社是」および「運営方針」の3つから構成されている「Hondaフィロソフィー」に根ざした企業活動を推進しています。当社グループでは、長期経営方針や中期経営計画は経営会議や取締役会で承認・決議しています。
気候変動問題などへの対応を含む重要事項の最終的な監督機関は取締役会であり、経営会議では取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
また、事業活動に伴う多様なリスクへ対応し、社会と当社グループの持続的な発展に向けた事業運営を監督する観点から、「ESG・サステナビリティ」を必要スキルの1つとして定めています。当社グループは、人の自由な移動をサステナブルに提供していくための課題として、2050年に「Hondaの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」と「交通事故死者ゼロ」をめざしております。そのため、環境(気候変動問題を含む)や安全、人権など、ESG・サステナビリティのテーマに精通した知見が必要であると考えており、これらの考え方を踏まえて取締役を選任しています。
取締役のスキル開発については、環境負荷ゼロ社会の実現や交通事故ゼロ社会の実現といった重要テーマの取り組みに関する取締役会での定期的な報告等を通じて理解を深めています。
また、社外取締役の機能発揮のため、取締役会室が中心となり社外取締役へのサポートを行っています。詳細は「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況」を参照ください。
非財務の経営管理指標(注)については、取締役会において年1回、経営会議においては年1回から3回を目安に進捗状況を確認しています。
当社グループでは、環境負荷ゼロ社会の実現や交通事故ゼロ社会の実現といった重要テーマについて、長期経営方針や中期経営計画の承認や、リスク管理のプロセスおよび関連する方針の監督において考慮しており、意思決定にあたっては、環境負荷低減等の社会課題への対応と収益性のバランスや、他の経営課題との関係も含めて、経営会議や取締役会で多角的に検討し、意思決定に反映しています。
取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化をはかっています。
財務指標および非財務指標に連動した役員報酬制度については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。
(注) 経営管理指標:取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPI
(経営者の役割)
各本部・統括部や各子会社では、全社の長期経営方針や中期経営計画に基づき、実行計画・施策を企画・推進し、重要事項については経営会議で適宜、報告・承認されています。
「環境」「安全」「人材」「人権」「労働安全衛生」「品質」「サプライチェーン(購買・物流)」などの各領域では、会議体を設け、情報共有や議論などを通じてグローバルマネジメントを推進しています。また、気候変動問題への対応など、部門をまたぐ重要課題については経営メンバーが直接指揮を執る「部門横断タスクフォース」を 組成し、実行計画・施策の検討提案を適宜行い、重要事項については経営会議で報告・承認されています。
また、各領域に関するコンプライアンスやリスク管理については、当社の内部統制システム整備の基本方針に基づいて運用されています。
②リスク管理
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、リスクを能動的にコントロールすることで、「持続的成長」や「経営の安定化」につながる活動を行っています。リスクマネジメントオフィサーの監視・監督のもと、当社グループの有形・無形の資産、企業活動、ステークホルダーに重大な被害・損失を与え、企業経営に影響をもたらす可能性があるものと定義したリスクを分類・管理・対応しています。各組織でリスクの特定・評価を実施し、その評価結果をもとに各本部のリスクマネジメントオフィサーが「本部重点リスク」を特定しています。また、社内のリスク認識に加え社外のリスクトレンドも反映し、コーポレートとして重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論を行っています。リスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。
③戦略
当社グループは、「環境」と「安全」は何よりも真摯に向き合うべき社会課題であると捉えています。それぞれ 「環境負荷ゼロ社会の実現」、「交通事故ゼロ社会の実現」をテーマに掲げ、実効性ある施策をスピーディーに展開していきます。
(環境戦略)
当社グループはすべての企業活動において環境負荷があることを認識しています。課題達成のためには企業活動を製品ライフサイクルに合わせた各工程に分けて、それぞれの環境負荷を考えることが重要です。当社グループが認識する主な環境負荷として、「温室効果ガス排出」・「化石燃料由来のエネルギー使用」、大量な「資源採掘・廃棄」、そして「生物多様性への影響」を設定しました。
当社グループは、持続可能な企業活動をめざし、それぞれが連鎖している環境負荷を網羅的に低減する取り組みに向けて、全社の重要テーマの1つを「環境負荷ゼロ社会の実現」と設定し、環境負荷への対応を4つのマテリアリティ(注)として定めています。
(注) 持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した 「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題
Triple Action to ZERO
「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロ、カーボンフリーエネルギー活用率100%、サステナブルマテリアル使用率100%をめざす姿として、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます。
「Triple Action to ZERO」の各取り組みは密接に関連しており、それぞれの連鎖を考慮してシナジー効果の最大化を目指していきます。またこの取り組みは、国際的な要求が高まっている、生物多様性の保全を含む自然共生にもつながると考えています。その推進においては「自然に根差した解決策」(注)も考慮していきます。
(注) 自然生態系を保全・再生しながら社会課題への対応を進める取り組み(Nature-based Solutions(NbS))
マテリアリティ達成に向けた主要施策とマイルストーン
当社グループはパリ協定(注)を支持し、環境負荷ゼロ社会の実現に向けて、2050年に「Hondaの関わる全ての製品と企業活動全体を通じてカーボンニュートラルを実現する」ことをめざします。
当社グループは、環境領域の4つのマテリアリティのうち、カーボンニュートラルに向けて「気候変動問題への対応」と「エネルギー問題への対応」について優先度をあげて取り組んでいます。優先的な実行施策として製品使用のCO2排出削減と企業活動のCO2排出削減を主要施策とし、より具体的な取り組みにつながる施策に細分化して取り組んでいます。具体的には、各事業領域の個別の製品群についてのCO2排出や、各々の製品工場や製造設備のCO2排出を積みあげ、製品・工場ごとのCO2排出削減量の把握につなげています。
当社グループは、地域ごとの市場環境、需要動向を見極めながら、EV、ハイブリッド車、カーボンニュートラル燃料、カーボンオフセット技術などを組み合わせた多角的なアプローチを加速させます。
マテリアリティ「資源の効率利用」に紐付く、長期的な負荷低減施策については、当社グループとして既存の枠組みを超えた新たな取り組みが必要となる施策もあります。現在は、製品ライフサイクルにおける資源の採掘(上流)から廃棄(下流)工程における、将来のCO2排出削減への準備の段階にあり、これらの取り組みは、マテリアリティ「生物多様性の保全」など自然への影響を考慮しながら進めていくことも重要と認識しています。当社グループは「2050年カーボンニュートラル」に向けた取り組みのみならず、「環境負荷ゼロ社会の実現」のために長期的な視点を持って将来への取り組みを継続していきます。
(注) パリ協定では、世界共通の長期目標として、産業革命前からの平均気温の上昇を2℃より十分下方に保持し、1.5℃に抑える努力を追求することが目的とされています。
(安全戦略)
当社グループは、Honda安全3つの要素として掲げる「人の能力(啓発活動)」、「モビリティの性能(技術開発)」、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」をそれぞれ進化させ、組み合わせることでさまざまな要因により引き起こされる事故に対応しています。
2030年に向けた重要課題は、新興国における二輪車関与の死亡事故削減です。この課題に対応するため、「人の能力(啓発活動)」においては、インストラクターの養成や交通教育センター(注1)での企業向けの研修、個人向けのスクールを積極的に展開します。
「モビリティの性能(技術開発)」においては、二輪車では、ABSやCBS(注2)などの先進ブレーキシステム、視認性・被視認性を高める灯火器の採用を拡大します。四輪車では、新興国で二輪検知機能付「Honda SENSING」を、また、先進国で「Honda SENSING 360」をはじめとする先進運転支援システム(ADAS)の普及や機能進化を地域の実情に合わせて推し進めます。「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」においては、交通安全に関する国連などの国際的な機関との連携を強化しています。当社グループの長年の安全活動から培われた知見やノウハウを、こうした機関を通じて、新興国を中心とした各国へ提供することで制度改革、啓発、インフラ整備などの安全政策を支援します。
2050年に向けた大きな課題として、歩行者、自転車利用者、二輪車のライダーなどの交通弱者の死亡事故を削減する必要があります。この課題に対応するため、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」の取り組みを加速させます。具体的には、「安全・安心ネットワーク技術」の研究開発と、社会実装に向けた技術の標準化を推し進めます。
「安全・安心ネットワーク技術」は、通信を介した情報提供により、事故リスクが生じる前に各交通参加者が自ら備え、対処できるよう支援する技術です。
(注) 1 交通安全に関する社内外の指導者養成や、企業・学校・個人のお客様に安全運転教育を行う当社グループの施設
(注) 2 コンバインドブレーキシステム
④指標及び目標
(環境目標)
当社グループは、「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、取り組みを実行していきます。管理指標および目標値については以下のとおりです。
当社グループでは、当連結会計年度および当連結会計年度の末日から当有価証券報告書提出日までの期間に、2031年3月期を目標年度とする目標を見直しました。
製品CO2排出原単位削減率については、二輪事業で34.0%から15.0%へ、四輪事業で27.2%から13.6%へ、パワープロダクツ事業で28.2%から13.4%へ変更しています。これらの変更は、市場環境の変化や通商政策動向の変化等により、パワートレーンポートフォリオと商品投入計画を見直したことによるものです。
また、これまで当社グループは電動製品販売比率を指標として掲げてきましたが、市場環境・顧客ニーズ・事業性の変化が複雑化している状況も踏まえ、手段の一つである電動製品の販売ではなく、より本質的なアプローチである、社会全体での温室効果ガス排出量削減へ活動の幅を広げていくことに致しました。この考えに基づき、経営管理指標は従来の電動製品販売比率から、今後はライフサイクル全体での温室効果ガス排出総量削減率へとシフトしていくことを前提に、2036年3月期を目標年度とする具体的な目標値の検討を進めていきます。
さらに、当社グループは「資源の効率利用」に関する2050年のめざす姿と連動した、より本質的でチャレンジングな目標を設定しました。
2031年3月期の目標として、KGIを「取水総量削減率(BAU(注)比)」から「工業用取水量削減率」に、「廃棄物総量削減率(BAU比)」から「工業系廃棄物削減率(焼却・埋立処理)」に変更しました。また、KPIに「再生材・バイオマス材使用率」を新たに設け、目標値を定めました。
(注) 2031年3月期生産計画を基に、削減に向けた対策・施策を行わないと仮定した場合の推計値(Business As Usual)
(安全目標)
当社グループは、2050年に全世界で、Hondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします(注1)。また、そのマイルストーンとして2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします(注2)。これらは、新車だけでなく、登録・届出されたすべてのHondaの二輪車・四輪車が対象となります。
2030年のマイルストーンの実現に向けて、四輪車では、衝突安全性能の強化や先進運転支援システム(ADAS)の進化・普及を推進するとともに、二輪車ではABSやCBSなどの先進ブレーキシステム、視認性・被視認性を高める灯火器の採用を拡大します。これらの進捗状況を把握するため、管理指標(KPI)として、先進国の四輪車(注3)における「Honda SENSING 360」、新興国の四輪車(注4)における「Honda SENSING」、新興国の二輪車(注5)における先進ブレーキシステム(ABS/CBS)など先進安全装備適用率を設定し、目標値を定め、着実に推進します。
指標と目標
(注) 1 Hondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故:Hondaの二輪車・四輪車に乗車中に発生した交通事故(歩行者、自転車等の他者との衝突を含む)。ただし、故意による悪質な交通ルール違反や、飲酒・薬物等の使用により自ら正常な運転能力を欠いた状態での事案は除外する。
(注) 2 2020年比で2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
(注) 3 日本、米国、中国、欧州
(注) 4 代表測定国:インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ブラジル
(注) 5 代表測定国:インド、インドネシア、ベトナム、タイ、ブラジル
(2) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標
① 戦略
<当社グループの人的資本経営・人材戦略>
当社グループの人的資本経営とは、全社の方針である「自由な移動の喜びをサステナブルに創造し、夢に向かって動き出そうとする人のパワーになる」の実現に向けて、人と組織の力を引き出し、お客様価値の創出を通じて、将来の競争力と企業価値向上につなげていく取り組みです。Hondaはこれまでも、「人間尊重」を中心に、一人ひとりの内発的動機を起点として、多様な個が融合し、新たな価値を生み出すことを重視してきました。
一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、市場構造の変化、技術進化の加速、AI前提の業務・意思決定への転換、不確実性の高まりなどにより、大きく変化しています。加えて、事業戦略の見直しや財務状況の変化を踏まえ、経営資源の配分や事業運営のあり方についても、従来以上に選択と集中が求められる局面にあります。こうした環境下においても、当社グループは、人と組織への取り組みを短期的な収益状況に応じて変動させる対象ではなく、中長期的な競争力を支える重要な基盤と位置づけ、人的資本の価値最大化に継続して取り組んでいきます。
そのため人的資本についても、従来の状態把握や注力領域への投入状況にとどまらず、人と組織への取り組みがお客様価値の創出にどのようにつながっているかを、より一貫して捉えていく必要があります。こうした認識のもと、当社グループでは、人的資本経営において中長期・短中期の観点から達成すべき二つの人材マテリアリティ(注1)を設定しています。
一つ目は、中長期の視点での「従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合」です。一人ひとりがHondaを通じて実現したい夢を持ち、その挑戦がお客様価値の創出につながる状態をめざすとともに、多様な個が尊重され、安心して意見を交わし、力を発揮できる組織風土の醸成を進めています。これは、Hondaらしい価値創出の源泉である人と組織の力を、永続的に高めていくための重要な取り組みです。
二つ目は、短中期の視点での「将来の競争力を支える人と組織基盤の強化」です。事業環境が大きく変化し、短期的な業績変動や不確実性が高まる局面においても、将来の価値創出を支える人材基盤の構築を止めないことが重要であると考えています。そのため、当社グループでは人材に関する取り組みを短期的な収益状況に応じて見直すものではなく、将来の競争力を形づくる先行投資として位置づけ、その水準と継続性を把握していきます。
さらに、人材マテリアリティごとに主要テーマを設定し、経営管理指標(注2)および2031年3月期までの目標、ならびに注力して取り組むべき施策を定めることで、その実現に向けた活動を推進しています。なお、2025年3月期から「人・組織」についての重要課題を検討する経営会議の諮問機関を設け、経営戦略・事業戦略と人材戦略の連動を一層高めています。
(注) 1 マテリアリティ:持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題。
(注) 2 経営管理指標:取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPI。戦略に基づく指標ごとに対象範囲を設定し、グローバル(国内労働協約適用会社および海外連結子会社)と日本(国内労働協約適用会社)に区分しています。
② 指標及び目標
<人材マテリアリティ(中長期観点):従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合>
- 主要テーマ①価値創出行動を促す人マネジメントの進化と組織活性化
・経営管理指標(KGI)および実績/目標
(注) 1 本指標の対象範囲は日本国内の労働協約適用会社および海外連結子会社です。
(注) 2 2027年3月期より算定方法を見直しているため、2026年3月期の実績値および目標値は参考値として従来の算定方法による値を記載しています。
・経営管理指標(KGI)の考え方
当社グループではHondaを通じて実現したい夢を持ち、それに向けて挑戦する意思があることに加え、お客様視点に立って行動していること、ならびに上司がその挑戦を後押ししていることが、価値創出行動の発現において重要であると考えています。当社グループはこれまでもお客様視点を重視してきましたが、事業環境や経営課題の変化を踏まえ、これまで以上にその重要性を高め、人的資本の取り組みと価値創出とのつながりをより明確に把握していく必要があると考えています。こうした考えのもと、従来の「従業員の内発的動機」および「マネジメントの支援意欲・後押し」に加え、「お客様視点の価値創出行動」をより明示的に反映した指標として、従業員エンゲージメントスコアを設定しています。これにより、Hondaの核である「夢」を起点としながら、その挑戦がお客様価値の創出につながっている状態を継続的に把握していきます。
・計算式
各地域で実施している従業員サーベイ(1回/年)における、「高い目標に向けて挑戦する意思」、「お客様視点に立った行動」および「上司による挑戦への積極的な支援」に関する三つの設問について、各設問の肯定的回答率(5段階中4と5の回答割合)を用いて算出しています。
なお、2027年3月期より、お客様視点の価値創出行動をより明示的に反映するため、「お客様視点に立った行動」に関する設問を追加するなど、算定方法を見直しています。
- 主要テーマ②多様な個が融合し活躍できる組織風土の醸成
・経営管理指標(KPI)および実績/目標
(注) 女性管理職数比率は国内労働協約適用会社のみを対象とした指標
・経営管理指標(KPI)の考え方
(インクルージョンスコア)
当社グループでは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の実現を通じて、多様な個が尊重され、受け入れられ、安心して力を発揮できる状態を、価値創出を支える重要な基盤であると考えています。こうした考えのもと、職場におけるインクルージョンの浸透度を把握するため、インクルージョンスコアを設定しています。
(女性管理職数比率)
日本においては、女性管理職数比率を、多様な人材の登用・活躍状況を示す補完的な指標として活用しています。これにより、組織風土としてのインクルージョンの浸透度に加え、多様性の進展状況についても継続的に確認していきます。
・計算式
(インクルージョンスコア)
各地域で実施している従業員サーベイ(1回/年)において「多様性受容度」「組織内での帰属意識・個の発揮」「心理的安全性」に関する設問スコアの平均値より算出しています。
(女性管理職数比率)
日本において2021年3月期時点の女性の管理職数に対する倍数。
<人材マテリアリティ(短中期観点):将来の競争力を支える人と組織基盤の強化>
- 主要テーマ③将来の価値創出を支える人的資本投資
・経営管理指標(KPI)および実績/目標
・経営管理指標(KPI)の考え方
当社グループでは、将来の競争力を支える人と組織基盤を強化するためには、人材施策の取り組みを、単年度の収益状況に応じて変動する対象ではなく、将来の価値創出に向けた先行投資として継続することが重要であると考えています。こうした考えのもと、全社として人材にどの程度資源を投下しているかを把握するため、人的資本投資額を設定しています。
また、経営管理指標としては全社で実施する人的資本投資の総額を捉え、その内数として注力領域への投資額を把握することで、人材投資の総量と重点配分の双方を継続的に確認していきます。
・計算式
人的資本投資額は、採用、育成、配置・活用支援、定着、HRインフラ整備等に係る投資額を合算して算出しています。なお、注力領域への投資額については、人的資本投資額の内数として別途把握しています。
(3) 気候変動対応 (TCFDに基づく気候関連財務情報開示)
当社グループは金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)により設置されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同しており、TCFDが提言する情報開示フレームワークに沿った開示を行っています。
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ関連財務開示 ①ガバナンス」を参照ください。
②リスク管理
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。気候変動関連リスクである、気候変動に起因する環境規制に関わるリスクや自然災害等リスクについてもこの管理・監視項目の中で把握し、組織特性を踏まえたより効果的なリスクマネジメント活動の展開をはかっています。コーポレート戦略本部では、全社重点リスク等の社内のリスク認識に加え、社外のリスクトレンドも反映のうえ、TCFD提言に基づいたシナリオ分析を行い、気候変動関連リスクを評価・特定しています。気候変動関連リスクに関するシナリオ分析の結果は、リスクマネジメント委員会へ共有しています。気候変動関連リスクへの対応は、コーポレート戦略本部、事業本部、地域本部を中心に、各本部・統括部、各子会社および「部門横断タスクフォース」で推進しています。気候変動関連リスクへの対応を含むリスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。リスクマネジメント活動におけるリスク評価・管理プロセスについては「(1) サステナビリティ関連財務開示 ②リスク管理」を参照ください。
③戦略
(気候関連のリスク及び機会の識別)
当社グループの事業活動および見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスクおよび機会を、移行リスクについては、低炭素社会への急速な移行が進展する1.5℃シナリオ、物理リスクについては気候変動対策が十分に進まない4℃シナリオを想定し、以下のとおり識別しています。
<主なリスク>
<主な機会>
(注) 1 当社グループは、戦略的意思決定に用いる計画期間との整合性を鑑みて、これらのリスクおよび機会の影響が生じると合理的に見込み得る時間軸を以下のとおり定義しています。
短期:当連結会計年度末から1年以内(年度ごとの実行計画期間) 中期:短期終了後から2031年3月期まで(中期経営計画期間) 長期:中期終了後から2050年(カーボンニュートラルの実現に向けた基準年)
(注) 2 当社グループは、リスク及び機会の影響度として、財務的影響が算定可能なものは金額基準を、その他は定性的な閾値を適用し、評価を実施しています。
大:1,000億円以上または全社規模の影響 中:100億円以上1,000億円未満または複数地域にまたがる影響 小:25億円以上100億円未満または特定の地域内での影響
(ビジネスモデル及びバリューチェーンに与える影響)
<気候関連のリスク及び機会が集中している部分>
当社グループの温室効果ガス排出量の大半は、製品使用時におけるCO2です。このため、気候関連の移行リスクのうち、燃費規制未達による罰金支払いや販売停止のリスクについては四輪事業に、また、燃費規制強化等によるICE新車販売台数減のリスクについては二輪事業および四輪事業に、気候関連のリスクおよび関連する機会が集中していると認識しています。
当社グループの温室効果ガス排出量の残りは、企業活動による直接排出および間接排出ならびに資源採掘・廃棄等に関わる排出です。これらの領域に、炭素税や排出権取引(ETS)の導入による費用負担増のリスクおよび関連する機会が集中しています。
また、当社グループは製造工程において水利用を伴う事業モデルであることから、自然災害に伴う水リスクを主な気候関連の物理的リスクとして認識しています。当社グループの完成車工場が所在する地域のうち、インド、タイ、ベトナムおよびメキシコについては洪水リスクが高く、物理的リスクが集中している地域であると認識しています。
<気候関連のリスク及び機会が現在・将来へ与える影響>
当社グループは2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、影響度の大きい製品使用のCO2排出と、自社企業活動の責任領域である企業活動のCO2排出の削減をマイルストーンに設定し、優先的に推進しています。
自動車業界を取り巻く環境は日々激しく変化し、環境規制の変化や通商政策動向の変化など、事業環境の不透明さが増していますが、中長期的に燃費規制やZEV規制が強化された場合は、ICEの新車販売台数の減少や、規制未達による罰金等や販売停止のリスクが生じる可能性があります。
当社グループは地域ごとの市場環境、需要動向を見極めながら、EV、ハイブリッド車、カーボンニュートラル燃料、カーボンオフセット技術などを組み合わせた多角的なアプローチを加速させます。
また、自社の企業活動に伴うCO2排出については、今後導入が予想される炭素税・排出権取引(ETS)の導入により、税務負担など財務面での影響を受けるリスクがあります。
自社企業活動の責任領域である企業活動のCO2排出削減に対しては、①生産効率の向上と省エネルギー施策の実施、②生産設備の電化、③再生可能エネルギーの活用を3つの主な技術・ノウハウとして、自社の企業活動によるCO2排出削減を実施していきます。
加えて、自社の企業活動だけではなく、素材・部品調達から設計・開発・生産・輸送・販売・使用・廃棄段階に至るまでのライフサイクル全体を対象とし、グローバルに展開する多くのパートナーとともにCO2削減の施策に取り組んでいきます。
(戦略及び意思決定に与える影響)
<気候関連の移行リスク及び機会への対応>
当社グループは、2050年のカーボンニュートラル実現にむけて、EVをはじめとする電動化を長期的な気候関連の機会として位置付けています。一方で、当社グループでは足元需要動向を見据えたパワートレーンポートフォリオの見直しを行い、当面は需要の高いハイブリッド車を主軸に環境対応を行うため、開発・生産リソースを再配分する意思決定を行っています。
これらの意思決定にあたっては、電動化によるCO2排出削減の加速と、市場環境との間で生じるトレードオフを考慮しています。
当社グループでは、地域ごとの市場環境や、需要動向を見極めながら、EV、ハイブリッド車、カーボンニュートラル燃料、カーボンオフセット技術などを組み合わせた多角的なアプローチを加速させます。EVについては、さらに競争力のあるEVハードウェアプラットフォームの導入や全固体電池の研究開発についても引き続き進めていきます。また、短中期的には内燃機関搭載製品の販売も継続する計画であることから、二輪・四輪・パワープロダクツ製品の環境性能向上にも継続的に取り組みます。
製品の電動化によってCO2排出削減は進みますが、各国・地域の再生可能エネルギーの普及・適用状況によっては、電動製品使用によるCO2排出が残ります。また、既存車も含めた内燃機関搭載製品に関しては、カーボンニュートラル燃料の普及へ対応していくことも必要と認識しています。
そのために当社グループは、製品使用段階におけるCO2排出削減に取り組むとともに、再生可能エネルギーの自社利用だけにとどまらず、エネルギーのクリーン化の促進に向けた渉外活動にも取り組んでいきます。当社グループは、お客様へのクリーンエネルギー供給に直接的に携わることも視野に入れながら、社会全体のクリーンエネルギー化の拡大に貢献していきます。
当社グループは、実質的なCO2排出ゼロに到達した生産拠点を「カーボンニュートラル工場」と定義し、企業活動のCO2削減の取り組みを進めています。四輪車の生産拠点である埼玉製作所完成車工場では①生産効率の向上と省エネルギー施策の実施、②生産設備の電化、③再生可能エネルギーの活用という3つの主な技術・ノウハウを適用することで、2026年3月期第4四半期より当社グループ初のカーボンニュートラル工場を実現し、操業しています。当社グループは、全世界の四輪生産拠点でカーボンニュートラル工場を実現することをめざし、取り組みを進めていきます。
2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画については、「(1)サステナビリティ関連財務開示 ③戦略」を、投入資源に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照ください。
<事業別の主な対応計画・進捗>
二輪事業では、2025年11月のEICMA(ミラノショー)で初の電動モーターサイクル「Honda WN7」を公開し、欧州市場への供給を開始しました。2026年1月には固定式バッテリー搭載の「Honda UC3」をタイとベトナムで発売しました。両国では固定式バッテリー搭載車用の二輪CHAdeMO充電ステーションを整備しながら、交換式バッテリーステーションの設置も進め、充電インフラの拡充を図ります。
四輪事業では、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、市場環境の変化に柔軟に対応しながら、電動製品の普及による確実なCO2削減を推進しています。
EV領域では、2025年9月に発売した「N-ONE e:」を皮切りに、2026年には「Super-ONE」を日本、英国、アジア各国で順次展開します。さらに、2027年にはグローバル戦略車「Honda 0 α」を日本やインドを中心に投入します。一方で、高効率なハイブリッド技術の活用も強化しています。2025年9月発売の「PRELUDE」に加え、独自に開発を進める次世代のハイブリッドシステム技術を応用し、特に北米市場で需要の高い中・大型車セグメントを中心に適用を拡大します。
<気候関連の物理的リスクと適応策>
当社グループでは「AQUEDUCT」や「Water Risk Filter」などの評価指標に、浸水解析(CaMa-Flood(注))やハザードマップによる評価補正を行い、洪水などによる操業リスクを評価し、評価結果は、拠点ごとの対策検討や改善計画の立案に活用しています。
物理的リスクの高い地域にある各拠点では、事業への影響を軽減する措置として、拠点建設時の高低差確保、増水時における下水管等からの逆流防止策の実施に加え、内水氾濫防止に向けた排水能力の強化などの対策を実施しています。また、渇水や枯渇リスクについては、節水対策や、取水/排水規制が厳しい地域に対するリサイクル設備の導入等で対策をしています。これらの取り組みにより、拠点ごとの操業リスク軽減を図っています。
(注) CaMa-Flood:河川流量や氾濫を推定するための全球規模の氾濫解析モデル
(気候レジリエンス)
当社グループは、当連結会計年度における気候関連リスク評価プロセスの一環として、毎年気候関連のシナリオ分析を実施しています。当有価証券報告書に記載の内容は直近の報告期間に実施した分析結果に基づいています。
<シナリオ分析の概要>
当社グループでは、気候変動が事業に与える影響を評価・考察するため、パリ協定の目標である「産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える」ことを想定した政策移行の影響が大きいシナリオ(1.5℃シナリオ)および環境規制が強化されず物理リスクが高まるシナリオ(4℃シナリオ)を選択し、シナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析では、対象範囲を当社グループの二輪・四輪・パワープロダクツ事業に加え、これら事業が活動する拠点とし、気候変動関連移行リスクと物理リスクならびに機会を検討のうえ、シナリオ下における中長期の財務的影響を可能な限り定量化しました。なお、影響度の定量化において、移行リスクは中期および長期、物理リスクは長期の時間軸を用いています。
各シナリオ下において想定される主要な仮定は以下のとおりです。
■ 1.5℃シナリオ
1.5℃シナリオでは、IEA(国際エネルギー機関)の「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」およびIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のAR6「SSP1-1.9」の報告内容を参考にしました。本シナリオでは、長期的には世界全体で2050年カーボンニュートラルに向けた施策が推進され、新技術の開発や利用の促進により脱炭素製品が広く普及することや、再生可能エネルギーの利用が拡大することが想定されます。EV普及の前提となる各地域での環境規制の変化などによるEV市場拡大スピードの鈍化や通商政策動向の変化など、事業環境の不透明さが増していますが、長期的には燃費・ZEV規制が強化され、先進国を中心にEVやFCEVの需要が増加すると想定されます。
■ 4℃シナリオ
4℃シナリオはIPCCのAR6「SSP3-7.0」を参考にしました。本シナリオでは、温室効果ガス排出が高水準で継続することにより気温上昇が進行し、その結果、台風や洪水等の極端な気象現象の頻発化・激甚化、降雨パターンの変化や海面上昇など、物理的リスクの顕在化が進展することが想定されます。
④指標及び目標
当社グループの気候関連目標は以下のとおりです。
(温室効果ガス排出目標)
当社グループは、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指して、当社グループのスコープ1、スコープ2温室効果ガスおよびスコープ3温室効果ガス排出(カテゴリー11)を対象として、2031年3月期を目標年度とする目標を設定しています。
企業活動CO2排出総量削減率は、総量ベースの絶対量目標として設定しています。
本目標はパリ協定を踏まえ、2020年3月期比で温室効果ガス排出量を46%削減することをめざすものであり、CO2(二酸化炭素)、CH₄(メタン)、N₂O(一酸化二窒素)、HFCs(ハイドロフルオロカーボン類)、PFCs(パーフルオロカーボン類)、SF₆(六フッ化硫黄)およびNF₃(三フッ化窒素)を対象としたスコープ1の温室効果ガス排出量ならびにスコープ2の温室効果ガス排出量(マーケット基準)に対して設定しています。
設定においては、科学的根拠に基づくCO2削減目標(Science Based Targets、以下 SBT)のセクター別炭素アプローチを用いておりませんが、SBTのクロスセクター絶対量削減アプローチを用いて算出しています。
また、当社グループは、影響度の大きい製品使用段階におけるCO2排出への対応に向けて、CO2に関するスコープ3温室効果ガス排出(カテゴリー11)を対象として製品CO2総量目標および製品CO2排出原単位削減率(2020年3月期比)目標を設定しています。
当該目標は、パリ協定の考え方およびSBTにおけるセクター別炭素アプローチを参考にしています。
当社グループは、様々な施策や工夫を行い、CO2排出の抑制や削減に取り組んでいますが、CO2排出のゼロ化が困難なものも一部想定されるため、どうしても排出されるCO2については、高品質なクレジットなどの活用も選択肢の一つとして考え、気候変動への対応を進めていきます。
<目標設定、レビュー、モニタリング方法>
当社グループがめざす姿を実現するため、2050年での野心的目標の達成に向けた注力すべき重要テーマを設定し、5年おきに10年後の目標を設定した上で、毎年、単年での目標設定と戦略の策定・実行・評価を行っていく経営管理としています。
当社グループは、目標に対する進捗を把握するため、各管理指標を設定しており、取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化を図っています。
また、当社グループは、取締役会および経営会議によるモニタリング機能を発揮し、事業環境の変化を踏まえ、適宜目標の変更要否について検討を行っています。なお、上記の目標および目標設定の方法論について、第三者の認証を受けていません。
当連結会計年度および当連結会計年度の末日から当有価証券報告書提出日までの期間の気候関連の目標見直し内容は、「(1)サステナビリティ関連財務開示 ④指標及び目標」を参照ください。