2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,580名(単体) 8,712名(連結)
  • 平均年齢
    44.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.7年(単体)
  • 平均年収
    7,645,998円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    7.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当社は、ビジョンや中期経営計画を実現するための重要な基盤は「人財」であり、人的資本の価値向上は重要な経営課題の一つと位置付けています。パワートレイン事業の深化に加え、モビリティの電動化製品事業の確立、モビリティの枠を超えた領域での社会貢献などへの対応が急務となっている中、これらのチャレンジを、「働きがい」と「働き方」の両面で後押しするため、従業員エンゲージメント調査を起点とし、当社の人・組織に関する課題を把握し、その解決に取り組んでいます。人・組織の実力を高め、当社の持続的な成長につながるグッドサイクルを回し、引き続き企業価値の持続的な向上に努めてまいります。

当社経営戦略ならびに人財戦略における人・組織のありたい姿の実現に向け、従業員に対する報酬に関しては、生産性向上や収益構造改革によって創出した成果を適切に還元することを大原則としながら、世間相場に追従する待遇改善のみならず、現行の人事制度・賃金制度の改定のための原資を含めて、「人への投資」として必要なところに必要な分を配分しています。

なお、過去13年連続で毎年ベースアップを含めた賃金改定や初任給の改定を実施しており、代表的な報酬に関しては2022年度と比較して以下のとおりとなっております。

代表指標・項目

2022年度との比較

a) 新卒初任給(学部卒)

+37.0%

b) 非管理職標準給与

+23.9%

c) 管理職標準年収

+12.1%

 

なお、当社はグループ各社と連携し、人的資本経営における重要課題への取り組みを推進しておりますが、全ての会社で同一の取り組みが行われているものではないため、当社のものを記載しております。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

3,194

〔1,061〕

アジア

3,611

〔1,526〕

米州

1,363

〔57〕

欧州

544

〔―〕

合計

8,712

〔2,644〕

 

(注)1 従業員数は、就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)であり、臨時雇用者数は〔  〕内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時雇用者数には、期間従業員、パートタイマー、嘱託契約の従業員、派遣社員を含めております。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

2,580

〔740〕

44.6

21.7

7,645,998

7.5

 

(注)1 従業員数は、就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数は〔  〕内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。

2 臨時雇用者数には、期間従業員、パートタイマー、嘱託契約の従業員、派遣社員を含めております。

3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

4 提出会社のセグメントは日本であります。

 

 

(3) 労働組合の状況

当企業集団のうち、提出会社の労働組合は愛三工業労働組合と称し、全トヨタ労働組合連合会に加盟し、全トヨタ労働組合連合会を通じて全日本自動車産業労働組合総連合会に所属しております。なお、労使関係は円満に推移しており、現在会社と組合との間に懸案事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

① 提出会社

2026年3月31日現在

管理職に占める

女性労働者の割合(%) (注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート、

有期労働者

2.5

85.9

74.1

73.6

53.0

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

2026年3月31日現在

名称

管理職に占める

女性労働者の割合(%) (注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート、

有期労働者

テイケイ
気化器㈱

9.5

100.0

71.4

78.8

42.3

愛協産業㈱

3.6

16.7

54.4

71.1

106.3

アイサン
コンピュータ
サービス㈱

100.0

75.5

79.1

87.2

㈱ニチアロイ

100.0

71.1

72.8

73.8

愛三熊本㈱

33.3

73.5

74.7

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、持続可能な社会の実現に向けてサステナビリティ基本方針を策定するとともに、VISION2030を基に、2050年以降を見据えた長期視点で事業、環境、人財・風土、社会、ガバナンスの5つの観点から当社の取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しました。特定したそれぞれのマテリアリティを経営戦略や方針へ反映させ、ありたい姿と具体的なKPIを設定しています。


詳細につきましては、下記の当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.aisan-ind.co.jp/sustainability/materiality.html

 

≪ガバナンス≫

CROを議長とするサステナビリティ委員会において、サステナビリティ基本方針に基づき、経営層がESG分野全般の方向性、適正性について、2回/年以上のマネジメントレビューを実施しています。年2回開催するサステナビリティ委員会において、サステナビリティ関連会議から報告を受け、内容を審議しています。これらの審議の結果のうち、重要事項は取締役会や経営役員会へ報告し、監督を受けています。

 

≪リスク管理≫

当社グループでは、リスクマネジメント委員会において、本部長クラスを基本とするリスクオーナーから報告を受けた経営に重要な影響を与えるリスクに対して、総合的な管理を実施しています。リスクオーナーから報告されてきたリスクは、抽出・分析・評価を行ったうえで優先的対応リスクを選定し、所管部署が中心となってリスク低減に関する各種施策を実施しています。

各種施策の進捗状況やリスクの最新状況を確認するとともに、リスクマネジメント委員会に報告します。リスクマネジメント委員会は、報告に基づいてリスク管理に関する指示・監督を行っています。

 

 

≪人財の育成および社内環境整備に関する方針、戦略≫

当社における経営方針・経営戦略の実現に向けた人・組織の目指す姿として、『「自律的に学び、考え、果敢に挑戦する」人財が、「認め合い、活かしあい」ながら、ともに成長し続けるチーム・組織をめざす』をスローガンに風土改革、人財変革、多様な人財活躍の3本柱で人財基盤を強化する取り組みを推進しています。

(1) 風土改革

当社では、経営理念の中に「人を大切にする明るい職場を築く」ことを掲げ、従業員ひとりひとりが高い志とやりがいを持ち、イキイキと仕事することを通じて個人も会社も成長を実感できる風土づくり、職場づくりに取り組んでいます。

周辺環境変化が速く、大きく、激しい自動車産業において、企業が健全に成長するためには従業員エンゲージメントを向上させることが重要であるとの認識に立ち、2022年よりサーベイを実施し、組織・従業員の状態を可視化しています。

調査結果を踏まえ、会社・経営陣が本気で会社風土を変えるための意思を示すための全社アクション「働きがい改革」の一環として、2023年より役員・幹部と従業員(非管理職)の対話会「愛三カタリバ」を継続実施しております。また、2025年度においては、管理職を各職場における従業員エンゲージメント向上のキーパーソンと位置づけ、管理職を対象とした「愛三カタリバ管理職版」を新たに開催いたしました。引き続き、対話文化の醸成に努めてまいります。

また、調査で明らかになった「自身のキャリアへの不安」に対する全社施策として、キャリア自律支援のため「Aisanキャリアキャンバス」と称し、キャリア形成支援策を強化しています。具体的には「キャリアデザイン研修」やロールモデルとの直接対話の場「キキバ」などを新たに開催し、参加従業員の自己成長やキャリア形成に対する意識を高める機会を提供しました。

これらの取り組みや、各部門でのエンゲージメント結果を踏まえた施策の効果もあり、2025年度のエンゲージメントスコアは、調査開始の2022年度に対し4Pts.向上しています。

今後も当社発展の源泉である従業員ひとりひとりが、働きがいを実感しながら自律的に成長できる職場環境の実現を目指し、さらなる取り組みを推進してまいります。

 

(2) 人財変革

当社の持続的成長には、成長の屋台骨である既存のパワートレイン製品事業の競争力強化はもとより、電動化対応や、非モビリティ領域へのチャレンジのどれもが重要であり、その基盤となる人財育成が不可欠です。従業員のスキル向上(リスキリング、アップスキリング)に向けて、これまでソフトウェア教育やDX教育の実施、企業内訓練校(愛三学園)での電子テクノロジー講座の開設など、積極的な投資を行っています。

また「自律的に学び、考え、果敢に挑戦する」人財育成にも注力しています。2023年にはオンデマンド型学習ツールや学習管理システム「愛三マナビバ」を導入するとともに、これまで「選抜型」が中心であった社内教育体系を、2025年度より段階的に「自律(手挙げ)型」の枠組みへ移行・改定しています。

従業員ひとりひとりの成長を支えるため、マネジメント向けの研修における傾聴やコーチングの強化や、1on1ミーティングの導入職場拡大を通じて、マネジメントスタイルも「管理型」から「支援型」へ転換を進めております。

 

 

(3) 多様な人財活躍

社会や人の価値観が多様化している現在において、新たな価値を生み出し社会に貢献していくためには、これまでの意識や働き方を大きくアップデートする必要性があります。

とりわけ、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進は当社の持続的成長に欠かせない経営戦略であるとのダイバーシティ宣言を発出以降、「認め合い、活かし合う」をキーメッセージに、年齢・性別・国籍・障がいの有無・時間的制約の有無に関係なく、多様な価値観を持つ人財が個性や能力を最大限発揮できるフィールドを整備しています。

当社ではこれまで、女性活躍を重点課題と位置づけ、管理職を対象にしたアンコンシャスバイアス研修や女性技能職の社外交流会、健康推進セミナー、育児休業取得者を対象とした育児者交流会「愛三パパママサロン」などに継続的に取り組んできました。

こうした活動が評価され、2022年7月には女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優秀な企業に与えられる「えるぼし(2つ星)」に認定されました。また、2023年7月には仕事と育児の両立サポート企業として「くるみん」に認定されました。

2023年4月からはDEI推進における行動改革期の活動として、職場課題の解決に向けてワンチームとなる”DEIイキイキ職場づくり活動”をスタートし、これまでに18職場が参加しました。(2025年度は4職場増)

なお、男性育児休業取得の理解度向上をねらいとしたマネジメント勉強会や、工場で働く従業員へのDEI教育の実施などの取り組みを継続した結果、2025年度の男性育児休業取得率は85.9%となり、前年度(76.9%)を上回る高い水準となっています。

また、今後も海外売り上げの拡大が進んでいく中、海外現地でパフォーマンスを発揮できる駐在員や、日本から現地をサポートすることができる人財の需要が拡大していることから、当社グループとしてグローバル人財の育成が急務であるとの認識のもと、言語力・異文化理解・関係構築・グローバルビジネス意識の4要素の向上を目指し、意欲・素養のある人財に短期間の海外勤務機会を提供する海外トレーニー制度を立上げ、2024年1月よりトライアルを実施しており、2025年度は新たに6名のトレーニーを各地域拠点(米州2名・インド1名・ASEAN3名)へ計画的に派遣いたしました。

また一方で、海外拠点が自律的に施策を実行できる体制を目指し、グループ全体で強固な人財基盤の構築に取り組んでいます。海外拠点のナショナルスタッフの幹部職充足率の目標値を設定し、幹部候補の明確化と日本への短期留学制度や指導者による出前教育制度の構築、拠点毎のニーズに合わせた受入教育などを推進しています。

愛三グループにとって従業員は「財(たから)」であり、企業の持続的成長には欠かせない貴重な財産であると考えています。ひとりひとりの人権を尊重することは、経営理念やサステナビリティ基本方針における重要な取り組み課題であると捉え、「人権方針」を2022年8月に策定しました。人権DD(デューデリジェンス)のフレームワークを策定し、社内アンケート調査や法務省の指針、および外部評価機関の調査項目を基に当社の優先課題を特定し、具体的な取り組みを推進しています。人権方針策定以降、当社では毎年世界人権デーには外部講師を招き、従業員が人権を身近に感じ、互いを思いやる心をもって行動できる風土の醸成に努めています。2026年2月には、性的マイノリティ(LGBTQを含む)をはじめとする多様な人々が「自分らしく生きること」を尊重できる環境を構築するため、LGBTQに関する研修会を開催しました。この研修を通じて、ハラスメントを防止し、誰もが働きやすい職場環境を共に考える機会としました。これからもグループ会社や取引先へも積極的に訪問し、人権に関するヒアリングを行うなど、社内外における人権啓発活動を継続的に実施してまいります。

2018年6月に「健康宣言」を制定し、当社・健康保険組合・労働組合が一体となって健康経営推進体制を構築し、グループ会社と連携しながら従業員が健康に高い意識を持てるよう「健康チャレンジ活動」を積極的に推進してまいりました。健康経営を支える基盤整備に加え、従業員の主体的な行動変容の促進や、組織全体への健康文化の浸透、さらには地域社会への健康経営の普及を目指した活動が高く評価され「健康経営優良法人-ホワイト500-」に8年連続で認定されています。今後も「従業員がイキイキと輝き、働きがいを感じ続けながら活躍し、地域・社会へ貢献できる企業」を目指し、従業員の健康保持・増進に努めてまいります。

 

 

(4) 指標および目標

当社では、上記「人財の育成および社内環境整備に関する方針、戦略」において、次の指標を用いています。

指標

目標

当期実績

ものづくり電子人財

単独

2030年までに111人

31人

デジタル人財

単独

2030年まで220

73

女性管理職
 (女性マネージャー)

単独

2030年までに10人

10人

連結

2030年までに110人

101人

海外拠点幹部(部長以上)ポスト
ナショナルスタッフ充足率(※)

連結

2030年までに90%

76.0%

従業員エンゲージメント

単独

2030年までに60Pts.

53Pts.

男性育児休業取得率

単独

2030年まで90

85.9

災害発生度数率
(2024年度産業別実績 製造業:1.30)

単独

2030年まで0

0.47

人間ドック受診率

単独

2030年まで100

87.0

 

※ 海外グループ会社の目標値です。

 

なお、当社はグループ各社と連携し、人的資本経営における重要課題への取り組みを推進しておりますが、全ての会社で同一の取り組みが行われているものではないため、当社のものを記載しております。

 

 

≪TCFD提言に基づく情報開示≫

近年、パリ協定で掲げられた1.5℃目標の達成に向け、世界的に脱炭素化の動きが加速しています。日本においても、エネルギー政策のもと、エネルギーの安定供給や経済成長と両立した脱炭素化の実現が求められており、気候変動への対応は企業にとって重要な経営課題となっています。

愛三グループでは、このような事業環境を踏まえ、気候変動問題を重要な経営課題のひとつとして認識し、2022年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しました。以降、TCFDの提言に基づき、気候変動が事業活動および中長期的な企業価値に与える影響について、リスクと機会の両面から分析し、対応を進めています。

当社は今後も、気候変動への取り組みの実効性を高めるとともに、TCFD提言に沿った情報開示の充実を通じて、持続的な事業成長と企業価値の向上を目指してまいります。

(1) ガバナンス

CROを委員長とするサステナビリティ委員会において、気候変動問題を含むサステナビリティ分野全般の方向性や適正性を確認しております。気候変動問題については、サステナビリティ委員会の下部のカーボンニュートラル推進会議(3ヶ月に1回以上開催)において、気候変動問題に関連する計画の策定、実行および管理を行います。

年2回開催するサステナビリティ委員会において、カーボンニュートラル推進会議、全員活躍推進会議およびガバナンス会議から報告を受け、内容を審議しています。これらの審議の結果のうち、気候変動を含む重要事項は少なくとも1回/年以上取締役会や経営役員会に報告し、取締役会の監督を受けています。

■2025年度開催実績と主な議題


 

 

取締役会

サステナビリティ委員会

カーボンニュートラル

推進会議

開催回数 ※

1回

3回

4回

議題

・サステナビリティ活動状況

・2025年度重点活動

・サステナビリティ関連

 会議体の見直し

・2025年度重点活動年央点検

・TCFD開示内容について

・2025年度算定の状況と課題

・CFP算定の現状と課題

・2025年度CN基盤方針進捗

 

※ 開催回数:気候変動関連の内容が含まれた回数

 

 

(2) 戦略

① シナリオ分析の前提

当社グループは、車の電動化の普及の節目となりうる2030年時点に加えカーボンニュートラル目標の2050年の事業影響について、愛三グループ(連結)を対象としたシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析は、不確実な将来に適切に対処することにより、持続可能な競争力の強化を図ることを目指して、1.5℃/2℃および4℃の複数のシナリオを採用しました。この2つのシナリオについて、移行リスクの分析では、主に国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook 2024などを参照し、物理リスクの分析では、主に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書などを参照しました。


② シナリオにおける社会像

1.5℃/2℃シナリオでは、炭素税の導入やGHG排出規制の強化・厳格化など、現在よりも社会の脱炭素に向けた政策・法制度が整備され、当社を含む自動車業界では製造工程のみならず、素材や走行時から廃棄に至るまでの製品ライフサイクルでのCO2排出削減が強化・厳格化されることを想定しています。その結果、新車販売の中で、電気自動車(BEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・燃料電池車(FCV)のシェアが広がることを想定しています。

一方で、4℃シナリオでは、地球温暖化が進行することで、自然災害の頻発化・激甚化・長期化が進み、被災によりサプライチェーンが寸断され、生産の一時停止などが発生することを想定しています。

③ 気候変動に伴い想定されるリスクと機会

愛三グループでは、シナリオにおける社会像に基づき、「ステークホルダーにとっての重要性」と「愛三グループにとっての重要性」を考慮した上で、愛三グループにとってのリスクと機会を整理しました。長期時間軸として2050年を想定した、各国・地域の状況や事業内容を踏まえたリスク・機会の抽出を行いました。その中で、特に重要度が高いと判断した項目についてそれぞれの2030年度における財務的影響の評価を行い、リスク軽減と機会創出の対応に取り組んでいます。

 

■気候変動リスク・機会と対応


※1 台数前提は2℃シナリオにて算出 ※2 FFV : Flexible-Fuel Vehicle

(注)1 時間軸

短期:~2026年  中期:~2030年  長期:~2050年

2 影響度

単年度の営業利益に与える影響:大 20億円以上、中 1億円~20億円未満、小 1億円未満

3 当社グループの対応

2025年2月に発表した中期経営計画に脱炭素に向けた計画および気候関連リスクの軽減と機会創出の取り組みを織り込んで活動を推進しています。

詳細につきましては、下記の当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.aisan-ind.co.jp/ir/strategy.html

 

■財務影響

〈1.5℃(2℃未満)シナリオ:脱炭素社会への移行が進む〉

炭素税導入によるコスト増、エンジン部品の販売量減少他による2030年の影響額(リスク)を約210億円と想定しました。一方で電動化の加速による業界再編や低炭素製品の拡張・開発による2030年の影響額(機会)を約230億円と想定しました。

〈4℃シナリオ:地球温暖化が進む〉

自然災害の頻発・激甚化等による2030年の影響額(リスク)を約6億円(※3)と想定しました。

※3 愛三単独の影響

 

 

(3) リスク管理

愛三グループは、リスクマネジメント委員会において、カーボンニュートラル推進会議から報告を受けた経営に重要な影響を与える気候変動リスクの他に、定期的にさまざまな部署から構成されるリスクオーナーより意見を集約し、重点リスクの見直しを行います。また、インシデント情報の共有強化、リスク対応状況の評価などを行い、必要性に応じて取締役会へ報告します。取締役会はリスクマネジメント委員会を監督し、必要な指示や助言を行い、そのプロセスの有効性についても年1回以上の頻度でレビューしていきます。

また、リスクが顕在化した場合は、CROの指示に基づき速やかに対策本部の設置とインシデント対応ができる体制を整備しています。

詳細につきましては、下記の当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.aisan-ind.co.jp/sustainability/governance/risk.html

 

(4) 指標および目標

外部環境を踏まえ、当社の中期経営計画(2025-2030)では、持続可能な循環型社会の実現に向け、気候変動リスクに対応するための移行計画を策定し、インターナルカーボンプライシング(ICP)を活用したカーボンニュートラル関連投資など温室効果ガス排出量削減に取り組んでいます。また、新分野・将来製品への足掛かりとして、あらゆるエネルギー・モビリティの進化と、モビリティの枠を超えた領域でも社会課題解決に貢献してまいります。

■カーボンニュートラル目標(2030年)


〈カーボンニュートラル実績〉

環境データにつきましては、下記の当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.aisan-ind.co.jp/sustainability/environment/data.html