2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,538名(単体) 8,781名(連結)
  • 平均年齢
    44.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.9年(単体)
  • 平均年収
    7,114,814円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

日本

3,128

〔926〕

アジア

3,575

〔1,138〕

米州

1,447

〔107〕

欧州

631

〔10〕

合計

8,781

〔2,181〕

 

(注) 1  従業員数は、就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む)であり、臨時雇用者数は〔  〕内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。

2  臨時雇用者数には、期間従業員、パートタイマー、嘱託契約の従業員、派遣社員を含めております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

2,538

〔646〕

44.5

21.9

7,114,814

 

(注) 1  従業員数は、就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数は〔  〕内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。

2  臨時雇用者数には、期間従業員、パートタイマー、嘱託契約の従業員、派遣社員を含めております。

3  平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

4  提出会社のセグメントは日本であります。

 

(3) 労働組合の状況

当企業集団のうち、提出会社の労働組合は愛三工業労働組合と称し、全トヨタ労働組合連合会に加盟し、全トヨタ労働組合連合会を通じて全日本自動車産業労働組合総連合会に所属しております。なお、労使関係は円満に推移しており、現在会社と組合との間に懸案事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

① 提出会社

2025年3月31日現在

管理職に占める

女性労働者の割合(%) (注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート、

有期労働者

1.6

76.9

74.1

73.1

51.8

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

2025年3月31日現在

名称

管理職に占める

女性労働者の割合(%) (注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート、

有期労働者

テイケイ
気化器㈱

4.5

68.6

74.8

80.2

愛協産業㈱

3.5

66.7

48.2

67.1

83.0

アイサン
コンピュータ
サービス㈱

73.6

76.6

87.3

㈱ニチアロイ

71.9

74.7

88.5

愛三熊本㈱

66.2

73.1

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき、算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、持続可能な社会の実現に向けてサステナビリティ基本方針を策定するとともに、VISION2030を基に、2050年以降を見据えた長期視点で事業、環境、人財・風土、社会、ガバナンスの5つの観点から当社の取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しました。特定したそれぞれのマテリアリティを経営戦略や方針へ反映させ、ありたい姿と具体的なKPIを設定しました。


 

≪ガバナンス≫

CROを議長とするサステナビリティ委員会において、サステナビリティ基本方針に基づき、経営層がESG分野全般の方向性、適正性について、2回/年以上のマネジメントレビューを実施しています。年2回開催するサステナビリティ委員会において、下部委員会から報告を受け、内容を審議しています。これらの審議の結果のうち、重要事項は取締役会や経営役員会に報告されています。

 

≪リスク管理≫

当社グループでは、サステナビリティ委員会において、下部委員会(※)から報告を受けた経営に重要な影響を与えるリスクに対して、総合的な管理を実施しています。下部委員会から報告されてきたリスクは、抽出・分析・評価を行ったうえで優先的対応リスクを選定し、所管部署が中心となってリスク低減に関する各種施策を実施しています。

下部委員会では、各種施策の進捗状況やリスクの最新状況を確認するとともに、サステナビリティ委員会に報告します。サステナビリティ委員会は、報告に基づいてリスク管理に関する指示・監督を行っています。

※ 下部委員会:TCFD委員会、CN委員会、安全衛生委員会、働き方改革委員会、BCP委員会およびガバナンス委員会

 

 

≪人財の育成および社内環境整備に関する方針、戦略≫

当社は、『「自律的に学び、考え、果敢に挑戦する」人財が、「認め合い、活かしあい」ながら、ともに成長し続けるチーム・組織をめざす』をスローガンに風土改革、人財変革、多様な人財活躍の3本柱で人財基盤を強化する取り組みを推進しています。

(1) 風土改革

当社では、経営理念の中に「人を大切にする明るい職場を築く」ことを掲げ、従業員ひとりひとりが高い志とやりがいを持ち、イキイキと仕事することを通じて個人も会社も成長を実感できる風土づくり、職場づくりに取り組んでいます。

VUCA(※)といわれる環境下において、企業が健全に成長するためには従業員エンゲージメントを向上させることが重要であるとの認識に立ち、2022年より半期ごとにサーベイを実施し、組織・従業員の状態を可視化しています。

調査結果を踏まえ、2023年には会社・経営陣が本気で会社風土を変えるための意思を示すための全社アクション「働きがい改革」の一環として、役員・幹部と従業員の対話会「愛三カタリバ」を開催し、2024年には、第2弾として「愛三カタリバ キャリア編」を開催しました。この試みでは、従業員が自身のキャリアについて経営陣や自身以外の従業員と対話を深めることで、自己成長やキャリア形成に対する意識を高める機会を提供しました。

これらの取り組みや、各部門でのエンゲージメント結果を踏まえた施策の効果もあり、2024年のエンゲージメントスコアは全社で1ポイント上昇し、53Pts.に達しました。(23年実績:49Pts. ⇒ 52Pts.)

また、設問項目別に見ると「自社への将来性」が5Pts.、「キャリア実現」が2Pts.増加しました。

今後も従業員ひとりひとりが働きがいを実感できる職場環境の実現を目指し、さらなる取り組みを推進してまいります。

※ Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取り、将来の予測が困難な状態のことを指します。

(2) 人財変革

CASE(※1)、MaaS(※2)、カーボンニュートラルへの対応など、変化が速く、大きく、激しい現在の自動車業界において、当社の持続的成長には、既存のパワートレイン製品事業の競争力強化はもとより、電動化対応や、非モビリティ領域へのチャレンジが欠かせず、その基盤となる人財育成が不可欠です。従業員のスキル向上(リスキリング、アップスキリング)に向けて、ソフトウェア教育やDX教育の実施、企業内訓練校(愛三学園)での電子テクノロジー講座の開設など、積極的な投資を行っています。

また「自律的に学び、考え、果敢に挑戦する」人財育成にも注力しています。2023年にはオンデマンド型学習ツールや学習管理システム「愛三マナビバ」を導入し、2024年には従業員の自律的なキャリア形成を支援する「世代別キャリアデザイン研修」を開催しました。さらに2025年には教育体系を「選抜型」から「自律型」へ全面改訂する予定です。

従業員ひとりひとりの成長を支えるため、マネジメントスタイルも「管理型」から「支援型」へ転換を進めています。具体的には、コーチング研修の強化や1on1ミーティングの拡大を実施し、個々の従業員に寄り添った支援を強化しています。

また、変革に向けてチャレンジする従業員を適正に評価・育成していくため2020年度から新人事制度を段階的に導入しています。2024年10月から従業員の会社貢献度を従来以上に反映できるよう退職金制度を改訂いたしました。2025年4月からは経営と執行を分離し、経営のスピードと内容の充実を図るため、「経営役員」を設置し、経営戦略の策定および業務執行の監督を担当するとともに、執行職に「執行幹部」を新設し、経営戦略に基づいた業務の執行を担当するように役員体制ならびに執行職体制を見直しました。

※1 Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electricの頭文字

※2 Mobility as a Serviceの略 あらゆるモビリティ(移動)をひとつのサービスととらえる新たな「移動」の概念

 

(3) 多様な人財活躍

取り巻く環境が激しく、価値観が多様化している現在において、新たな価値を生み出し社会に貢献していくためには、これまでの意識や働き方を変える必要性があります。

とりわけ、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)推進は当社の持続的成長に欠かせない経営戦略であるとのダイバーシティ宣言を発出以後、「認め合い、活かし合う」をキーメッセージに、年齢・性別・国籍・障がいの有無・時間的制約の有無に関係なく、多様な価値観を持つ人財が個性や能力を最大限発揮できるフィールドを整備しています。

当社では、女性活躍を重点課題と位置づけ、管理職を対象にしたアンコンシャスバイアス研修や女性技能職の社外交流会、外部有識者を招聘した健康推進セミナー、育児休業取得者を対象とした育児者交流会「愛三パパママサロン」などに継続的に取り組んできました。

 

こうした活動が評価され、2022年7月には女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優秀な企業に与えられる「えるぼし(2つ星)」に認定されました。また、2023年7月には仕事と育児の両立サポート企業として「くるみん」に認定されました。

2023年4月からはDEI推進における行動改革期の活動として、職場課題の解決に向けてワンチームとなるDEIイキイキ職場づくり活動”をスタートし、これまでに14職場が参加しました。

なお、男性育児休業取得の理解度向上をねらいとしたマネジメント勉強会や、工場で働く従業員へのDEI教育の実施などの取り組みを継続した結果、2024年度の男性育児休業取得率は76.9%となり、前年度に引き続き高い水準を維持しています。

 

また、今後も海外売り上げの拡大が進んでいく中、海外現地でパフォーマンスを発揮できる駐在員や、日本から現地をサポートすることができる人財の需要が拡大していることから、当社グループとしてグローバル人財の育成が急務であるとの認識のもと、言語力・異文化理解・関係構築・グローバルビジネス意識の4要素の向上を目指し、意欲・素養のある人財に短期間の海外勤務機会を提供する海外トレーニー制度を立上げ、2024年1月よりトライアルを実施しています。

また一方で、海外拠点が自立的に施策を実行できる体制を目指し、グループ全体で強固な人財基盤の構築に取り組んでいます。海外拠点のナショナルスタッフの幹部職充足率の目標値を設定し、幹部候補の明確化と日本への短期留学制度や指導者による出前教育制度の構築、拠点毎のニーズに合わせた受入れ教育などを推進しています。

 

愛三グループにとって従業員は「財(たから)」であり、企業の持続的成長には欠かせない貴重な財産であると考えています。ひとりひとりの人権を尊重することは、経営理念やサステナビリティ基本方針における重要な取り組み課題であると捉え、「人権方針」を2022年8月に策定しました。人権DD(デューデリジェンス)のフレームワークを策定し、社内アンケート調査や法務省の指針、および外部評価機関の調査項目を基に当社の優先課題を特定し、具体的な取り組みを推進しています。2024年9月には取引先研修会にて、当社の人権尊重経営×ダイバーシティの取り組みを報告し、グループディスカッションを通してお互いに理解を深めました。また、取引先を訪問し技能実習生を含む人権課題について共有と生産現場の皆様から日頃の活躍を伝えていただきました。

 

2018年6月に「健康宣言」を制定し、当社・健康保険組合・労働組合が一体となって健康経営推進体制を整備し、従業員が健康に高い意識を持てるように「健康チャレンジ活動」を積極的に推進してまいりました。今回、健康経営の実践に向けた積極的な土台作りや、従業員だけでなく他社・地域社会への健康経営の普及を目指した活動が高く評価され「健康経営銘柄2025」に初選定 「健康経営優良法人-ホワイト500-」にも7年連続で認定されました。今後も「従業員がイキイキと輝き、働きがいを感じ続けながら活躍し、地域・社会へ貢献できる企業」を目指してさまざまな取り組みを行い、従業員の健康保持・増進に努めてまいります。

 

 

(4) 指標および目標

当社では、上記「人財の育成および社内環境整備に関する方針、戦略」において、次の指標を用いています。

指標

目標

当期実績

ソフトウェア・電子人財育成

単独

2030年までに270人

105人

デジタル人財

単独

2030年まで220

53

女性管理職
 (女性マネージャー)

単独

2030年までに10人

6人

連結

2030年までに110人

89人

海外拠点幹部(部長以上)ポスト
ナショナルスタッフ充足率(※)

連結

2030年までに90%

73.1%

従業員エンゲージメント

単独

2030年までに60Pts.

53Pts.

男性育休取得率

単独

2030年まで90

76.9

災害発生度数率
(2023年産業別実績 製造業:1.29)

単独

2030年まで0

1.07

人間ドック受診率

単独

2030年まで100

82

 

※ 海外グループ会社の目標値です。

 

なお、当社はグループ各社と連携し、人的資本経営における重要課題への取り組みを推進しておりますが、全ての会社で同一の取り組みが行われているものではないため、当社のものを記載しております。

 

 

≪TCFD提言に基づく情報開示≫

当社グループでは、気候変動問題を重要な経営課題の1つとして認識し、2022年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明し開示を行いました。

TCFDの提言内容を踏まえ、気候変動が事業に与えるリスクや機会についての分析と対応を進め、関連する情報の開示とその充実に努めています。

(1) ガバナンス

CROを委員長とするサステナビリティ委員会において、気候変動問題を含むサステナビリティ分野全般の方向性や適正性を確認しております。気候変動問題については、サステナビリティ委員会の下部委員会であるTCFD委員会(3ヶ月に1回以上開催)において、気候変動問題に関連する計画の策定、実行および管理を行います。

年2回開催するサステナビリティ委員会において、TCFD委員会やその他の委員会から報告を受け、内容を審議しています。これらの審議の結果のうち、重要事項は取締役会や経営役員会に報告されています。

(2) 戦略

① シナリオ分析の前提

当社グループは、車の電動化の普及の節目となりうる2030年時点に加えカーボンニュートラル目標の2050年の事業影響について、愛三グループ(連結)を対象としたシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析は、不確実な将来に適切に対処することにより、持続可能な競争力の強化を図ることを目指して、1.5℃/2℃および4℃の複数のシナリオを採用しました。この2つのシナリオについて、移行リスクの分析では、主に国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook 2022などを参照し、物理リスクの分析では、主に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書などを参照しました。


② シナリオにおける社会像

1.5℃/2℃シナリオでは、炭素税の導入やGHG排出規制の強化・厳格化など、現在よりも社会の脱炭素に向けた政策・法制度が整備され、当社を含む自動車業界では製造工程のみならず、素材や走行時から廃棄に至るまでの製品ライフサイクルでのCO2排出削減が強化・厳格化されることを想定しています。その結果、新車販売の中で、電気自動車(BEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・燃料電池車(FCV)のシェアが広がることを想定しています。

一方で、4℃シナリオでは、地球温暖化が進行することで、自然災害の頻発化・激甚化・長期化が進み、被災によりサプライチェーンが寸断され、生産の一時停止などが発生することを想定しています。

③ 気候変動に伴い想定されるリスクと機会

当社グループでは、シナリオにおける社会像に基づき、「ステークホルダーにとっての重要性」と「愛三グループにとっての重要性」を考慮した上で、当社グループにとってのリスクと機会を整理しました。長期時間軸として2050年を想定した、各国・地域の状況や事業内容を踏まえたリスク・機会の抽出を行いました。その中で、特に重要度が高いと判断した項目についてそれぞれの2030年度における財務的影響の評価を行い、リスク軽減と機会創出の対応に取り組んでいます。

 

■気候変動リスク・機会と対応


※1 台数前提は2℃シナリオにて算出 ※2 FFV : Flexible-Fuel Vehicle

注1 時間軸

短期:~2025年  中期:~2030年  長期:~2050年

注2 影響度

単年度の営業利益に与える影響:大 20億円以上、中 1億円~20億円未満、小 1億円未満

注3 当社グループの対応

2025年2月に発表した中期経営計画に脱炭素に向けた計画及び気候関連リスクの軽減と機会創出の取り組みを織り込んで活動を推進しています。詳細は、当社HPに掲載しております。

https://www.aisan-ind.co.jp/article_source/data/ja_news/files/8291852a00beeac61bbcb4574d84152f472efa36.pdf

 

 

■財務影響

〈1.5℃(2℃未満)シナリオ:脱炭素社会への移行が進む〉

炭素税導入によるコスト増、エンジン部品の販売量減少他による2030年の影響額(リスク)を約310億円と想定しました。一方で電動化の加速による業界再編や低炭素製品の拡張・開発による2030年の影響額(機会)を約250億円と想定しました。

〈4℃シナリオ:地球温暖化が進む〉

自然災害の頻発・激甚化等による2030年の影響額(リスク)を約6億円(※1)と想定しました。

※1 愛三単独の影響

 

 

(3) リスク管理

当社グループは、サステナビリティ委員会において、TCFD委員会から報告を受けた経営に重要な影響を与える気候変動リスクの他に、各委員会(※)から報告されてくるその他の経営に重大な影響を与えるリスクを含めて、総合的なリスク管理を実施しています。各委員会から報告されてきたリスクは、抽出・分析・発生の可能性と影響度を考慮し評価を行ったうえで優先的対応リスクを選定し、所管部署が中心となってリスク低減に関する各種施策を実施しています。具体的には欧州等の電池規制に向けたカーボンフットプリント(CFP)への対応や当社製品の環境リスク把握と低炭素製品に向けた付加価値向上等を進めています。

各委員会は、各種施策の進捗状況やリスクの最新状況を確認するとともに、サステナビリティ委員会に報告しています。サステナビリティ委員会は、報告に基づいてリスク管理に関する指示・監督を行っています。

ガバナンス委員会において気候変動を含めた全社リスクアセスメントを実施しており、「重点リスク」を特定しています。

※ 各委員会:CN委員会、安全衛生委員会、働き方改革委員会、BCP委員会およびガバナンス委員会

(4) 指標および目標

2024年度は、気候変動への国際的な対応が新たな局面を迎え、COP29では、パリ協定で定めた1.5℃目標達成に向け、各国が定める削減目標の引き上げの必要性が求められました。また、日本の第7次エネルギー基本計画では、2040年やその先のカーボンニュートラル実現に向けた今後取り組むべき政策課題や対応の方向性がまとめられ、エネルギーの安定供給、経済成長、そして脱炭素の三つを同時に実現していく必要性が示されました。

こうした外部環境を踏まえ、当社の中期経営計画(2025年~2030年)では、持続可能な循環型社会の実現に向け、気候変動リスクに対応するための移行計画を策定し、インターナルカーボンプライシング(ICP)を活用したCN関連投資など温室効果ガス排出量削減に取り組んでいます。また、新分野・将来製品への足掛かりとして、あらゆるエネルギー・モビリティの進化と、モビリティの枠を超えた領域でも社会課題解決に貢献してまいります。

 

〈カーボンニュートラル目標(2030年)〉


 

〈カーボンニュートラル実績〉

環境データにつきましては、当社HPのこちらのURLをご参照ください。

https://www.aisan-ind.co.jp/news/2025/03/31/4-environment.pdf