リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)エンジン車の減少リスクについて
当社グループは、自動車をはじめとするエンジンに使用される部品(主にエンジンバルブ)を生産・販売することを事業としております。しかしながら、電気自動車等の普及により、エンジンを使用する自動車が大きく減少し、売上が減少することで、グループ経営が厳しくなるリスクがあります。
当社グループの取り組み
・専門部署(構造改革部)を設置し、保有技術を活用した新規事業を模索・検討
また、自動車業界に拘らない広い視野での事業の拡大の検討(M&A含む)
(2)自然災害等のリスクについて
地球規模の気候変動による超大型台風、集中豪雨、極度の渇水等の被害規模拡大に伴い、日本各地で都市機能、ライフラインの麻痺または一時的な機能停止をする恐れがあります。また、当社グループの主要な国内生産拠点である静岡県西部は、南海トラフを震源とする大規模地震の防災対策強化地域となっております。
将来予測される自然災害の発生に備え人的安全を第一に考え、なおかつ建物、生産設備、仕掛品、製品などの資産が損傷・損失しないよう対策を講じておりますが、その対応には限界があります。
もし、自然災害によりライフライン等の機能停止が発生した場合、一時的に生産活動が停止する可能性があります。また、大規模地震等の自然災害や火災等の事故など、重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになる恐れがあります。
当社グループの取り組み:
・自然災害に対するBCPの見直しと防災訓練の継続的実施、防災備蓄品の定期的な整備
・自家発電設備の稼働訓練と定期メンテナンスの実施
(3)グループ事業の失敗リスクについて
当社グループでは、海外4社・国内4社の子会社があり、グループを形成していますが、特に一部の海外子会社は、設立から10年以内でまだ収支が安定せず、経営(販売・生産・資金)に問題が起きた場合、当社を含むグループ全体に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・海外子会社に対し、事業内容・経営内容の把握のため、毎月経営者への報告会議を実施
・海外子会社の収支・資金繰り等を担当部署が把握し、各子会社へ改善を指示
(4)ハラスメント事件の発生リスクについて
当社グループでは工場内の製造ラインや部課等の組織で従業員が業務をおこなっておりますが、組織内外において、パワーハラスメント行為やセクシャルハラスメント行為、その他のハラスメントが発生することにより、被害従業員の身体的・精神的悪影響や退職・休職リスク、職場内の意欲低下による生産性低下、社会的事件となることでの会社の信用度やイメージが低下するリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・ハラスメント防止の社則化および全従業員対象のハラスメント教育の実施
・内部通報制度の社則化および周知
(5)パンデミックリスクについて
世界的な感染症の流行が発生した場合、当社グループの事業運営や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこのようなグループ全体に影響を及ぼすリスクに対し、必要に応じ専門委員会を設置するなどし、随時対処方針を審議しております。
(6)CO2削減(カーボンニュートラル)への対策失敗リスクについて
当社グループは、地球環境を守るためのCO2削減活動を推進する活動を行います。しかしながら、目標に対し未達成(施策が未実施・不十分)となることによる周辺環境の悪化、企業イメージの低下を起こすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
(目標:CO2排出量の削減目標(2013年度比)…2026年度35%減、2030年度50%減)
・太陽光発電の積極的採用(国内外の工場・建物に発電パネルの設置)
・脱炭素へ向けた新エンジン向け製品の開発
(7)ESG経営の取組失敗リスクについて
当社グループは、「ESG」を意識した経営を行っていくことにより環境や社会に貢献できる企業を目指しておりますが、産業廃棄物などの環境問題や人権侵害、差別等の社会問題、内部統制不備等のガバナンスに関する問題が発生するリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・産業廃棄物の2030年度排出ゼロ化に向けた計画実施
・SDGs活動への積極的な取り組み
・ガバナンス委員会(任意の指名・報酬等の諮問委員会)の設置
(8)製品の欠陥によるリスクについて
当社グループでは、製品の製造にあたって、品質安定化の追求と、厳格な検査・保証管理体制を構築するとともに、損害保険加入等の対策をとるなど、品質不適合リスクその他事業活動に伴う種々のリスクについて対策を講じております。しかしながら、大規模な製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、その結果によっては、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・IATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の認証取得(2018年)
・品質管理委員会(年1回)および品質会議(月1回)において製品品質担保活動の立案・実行
・経営会議にて経営陣への品質クレーム案件の原因と対策の報告
(9)法的規制等について
当社グループは国内、海外において事業活動を行っており、その遂行にあたっては、法令その他社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を展開しております。しかしながら、将来における法令、規範の変更や社会の諸要求の厳格化による解釈の変更などによって発生する事態が、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・内部統制システム監査(外部・内部)の実施
・定期的な全社コンプライアンス教育の実施(年1回以上)
・監査室を中心に当社各部および当社グループ各社への業務監査の実施
(10)新製品の開発リスクについて
当社グループでは、現在の製品についての新技術・新工法、また新たな製品の開発について、研究開発を続けております。しかしながら、新製品、新技術や新工法の開発遅れや工法の陳腐化により、顧客からの要望に応えられず、製品の販売に大きな打撃を受ける可能性があります。
当社グループの取り組み:
・研究開発に対する人的・金銭的経営資源の投入
・顧客との共同開発への積極的な参加
(11)ⅠT環境・情報セキュリティリスクについて
当社グループは、業務遂行に際しコンピュータを使用し、インターネット等も利用しておりますが、社内からの情報漏洩インシデント、また外部からの重大なコンピュータインシデント(サイバー攻撃やウイルス感染)が発生した場合の重要なデータの破損・喪失および復旧の遅れにより、グループ経営や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの取り組み
・情報管理に関する取り組み(社則、情報管理体制)の見直し
・サイバー攻撃・ウイルス感染等に対するセキュリティ対策の見直し
(12)原材料・エネルギー価格の高騰リスクについて
当社グループで使用する原材料(鋼材)は、親会社グループより購入しておりますが、価格の大幅な高騰に対し販売先への価格転嫁の遅れ等により経営に影響を与えるリスクが生じる可能性があります。また、電力等のエネルギー価格が大幅に高騰することにより、グループ経営や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・原材料の成分毎の価格の変動に対応し、購入・販売価格のサーチャージ制度の導入
・電力会社との個別契約の取り交わし
・太陽光発電による電力の活用と他の自然エネルギー(風力等)の検討
なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。
配当政策
3 【配当政策】
当社は株主の皆様に対する利益還元を重要な経営政策として認識し、配当政策につきましては、今後の業績・財政状態や配当性向などを総合的に勘案して、安定的な配当水準を継続することを基本方針としております。
当社剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
継続的な安定配当の基本方針のもと、期末配当につきましては、1株当たり150円とし、中間配当金(100円)とあわせて、当事業年度の剰余金の配当は250円としております。
内部留保金の使途につきましては、将来に向けた新事業への投資、新技術・新製品の開発および設備投資をはじめ、国内外の生産・販売体制の整備・強化、研究開発活動等に有効に活用する考えであります。
なお、当社は会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
(注)当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っておりますが、上記は当該株式分割前の配当金の額を記載しております。