リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループは、これらのリスク管理が経営の最重要課題の一つであることを認識し、管理態勢の充実・強化に努め、安定的な収益の確保と健全な経営基盤の確立を図ってまいります。
本項につきましては将来に関する事項が含まれておりますが、当該リスク情報は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(重要なリスクへの対応)
当社グループは金融をコアとする総合サービスグループとして、地域の持続的発展を支える金融仲介機能を担っており、貸出金を中心とした信用リスクをその影響度から最も重要性のあるリスクと認識しております。また、当社グループは預金や借入金等で調達した資金を、貸出金や債券・株式等で運用することで得られる収入を主たる収益源としていることから、金利変動や株価変動などの市場リスクを負っております。当社グループではこれらのリスクを財政状態・経営成績等に影響を与える重要なリスクと認識しております。
上記認識のもと当社グループでは、自己査定などを通して取引先の実態把握に努め、統計的手法であるVaR(バリュー・アット・リスク)を用いて、ある確率(信頼区間99%)のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積り・把握しております。
(1) 信用リスク
当社グループは、資産の健全性の維持・向上を図るため、不良債権の圧縮に継続して取組んでおります。しかし、今後の経済環境、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消滅し、損失が発生するリスクがあります。これら経済環境や与信先動向の変化の結果、当社グループの業績及び財務内容の悪化、自己資本の減少につながる可能性があります。
(2) 市場リスク
資産・負債の金利又は期間のミスマッチが存在する中、金利変動により損失が発生するリスク(金利リスク)があります。また、有価証券等の価格の変動に伴って資産価値が減少するリスク(価格変動リスク)があります。さらに外貨建資産・負債において、為替レートが変動することにより損失が発生するリスク(為替リスク)があります。これらリスクの発生により、業績及び財務内容の悪化、自己資本の減少につながる可能性があります。
(3) 流動性リスク
財務内容の悪化等により必要な資金が確保できなくなること、又は通常よりも著しく高い金利での調達を余儀なくされるなど、資金繰りが困難になることにより損失が発生するリスク(資金繰りリスク)があります。また、市場の混乱等により取引ができなくなること、又は通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされるなど、市場流動性の枯渇により損失が発生するリスク(市場流動性リスク)があります。
(4) 事務リスク
当社グループは、銀行業務を中心に、幅広い金融サービスを提供しておりますが、役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等により損失の発生につながる、又は信用が失墜する可能性があります。
(5) システムリスク
コンピュータシステムのダウン、又は誤作動など、システムの不備に伴い損失の発生につながる可能性があります。また、コンピュータが不正に使用される(外部からの侵入を含む)ことにより損失の発生につながる可能性があります。
(6) 風評リスク
風評の発生や、当社グループに関する誤った情報が伝えられること等により、当社グループの業績や財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 法務リスク
各種取引において法令等違反や不適切な契約等により、損失の発生につながる、又は信用が失墜する可能性があります。
(8) コンダクト・リスク
法令や社会規範に反する行為、または法令として整備されていないが社会規範に悖る不適切な行為等により、顧客保護、市場の健全性・公正な競争、公共の利益及び当社グループのステークホルダーに悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報漏洩リスク
「個人情報保護法」並びに「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」により、個人情報の取扱いが厳格化され、罰則規定が設けられています。当社グループでは、顧客に関するデータの漏洩、不正使用や悪用等がないよう最大限の努力をしているものの、今後においてそのような事態が生じた場合には、当社グループが、顧客の信用を失うほか、顧客の経済的・精神的損害に対する賠償等、業績に直接的な影響を与える可能性があります。
(10) マネー・ローンダリング及びテロ資金供与等の金融犯罪防止に関するリスク
当社グループは傘下の銀行子会社を中心としてマネー・ローンダリング及びテロ資金供与等の金融犯罪防止に係る態勢の強化に努めておりますが、当社グループが想定の範囲を超える金融犯罪等に利用された場合、業務の停止、及び不測の損失等が発生するとともに、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 人的リスク
当社グループでは、労働関連法令に基づき適切な労務管理を行っておりますが、人事運営上の不公平・不公正(報酬、手当、解雇等の問題)、差別的行為(セクシャルハラスメント・パワーハラスメント等)等の問題等に起因して損失が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 有形資産リスク
当社グループが所有又は賃貸中の土地、建物及び車両等の有形資産について、自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等がある場合には、毀損、滅失、あるいは劣化することにより業務の運営に支障をきたす可能性があります。また、固定資産の減損会計適用に伴い、評価額が低下した場合等には損失が発生する可能性があります。これらの有形資産に係るリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) その他のリスク
① 感染症の流行にかかるリスク
新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等、感染症の流行によって、当社グループ役職員の感染者が増加する等により、業務継続に支障をきたす可能性があります。また、感染症の影響が経済・市場全体に波及し、当社グループの信用リスク、市場リスク、流動性リスクが増加する、あるいは当該リスクが顕在化することにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 持株会社のリスク
持株会社である当社は、その収入の大部分を当社が直接保有している銀行子会社から受領する配当金及び経営指導料に依存しております。一定の状況下では、様々な規制上または契約上の制限等により、当該銀行子会社が当社に支払う配当金等が制限される可能性があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合、当社株主に対し配当を支払えなくなる可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
(1) 配当方針
当社は金融をコアとする総合サービスグループとしての公共性に鑑み、経営体質の強化を図り、安定的な配当を継続することを基本方針としております。
事業年度毎の配当回数は、中間と期末の2回を基本とし、中間配当に関しては取締役会、期末配当に関しては株主総会の決議にて配当を決定いたします。なお、当社は取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当を実施することができる旨、定款に定めております。
(2) 当事業年度の配当
当事業年度の期末配当につきましては、2024年6月26日の第3回定時株主総会において、上記の基本方針に基づく普通配当金40円と決議されました。なお、中間配当(1株当たり配当額は40円。)と合わせ、年間の1株当たり配当金は80円、配当性向は32.80%となりました。
内部留保金につきましては、これまで以上にお客さまの利便性向上のため、ICT等の機械設備やより良い商品開発など戦略的な投資を行なうとともに、自己資本の充実を図りながら、引き続き安定的な配当を継続できるよう努めてまいります。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。