リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(素材ビジネスに関するリスクについて)
(1) オフィス需要による変動について
素材ビジネスにおいて原料となる使用済みカーペットタイルの排出量は、その利用実態から企業のオフィス移転並びにオフィスの建替えや補修の影響を受けます。加えて、当社グループが販売する再生樹脂製品の大部分が再生カーペットタイルの原料として利用されていることから、当社グループの再生樹脂製品の販売量は、新規オフィスの供給量や企業のオフィス移転等のオフィス需給動向に依存します。足許においては以下のとおり、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)における新規オフィス供給量が減少する一方で、オフィス空室面積は増加しており、産業の空洞化によるオフィスの海外移転や新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークの拡大等によって国内での企業のオフィス移転ニーズが衰退し、原材料となる使用済みカーペットタイルの調達量が確保できず、再生樹脂が十分に製造できない場合や、カーペットタイルの需要が減少する場合には当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(出典:三鬼商事株式会社公表の東京(都心5区)オフィスビル市況より当社作成)
(2) 市場動向について
カーペットタイルの国内市場は安定的な需要が見込まれるものの、今後の国内での成長余地はそれほど大きくはない状況にあります。一方でカーペットタイル市場での再生原料を使った製品比率は増加傾向にあり、今後も環境配慮型製品の市場ニーズの高まりによって再生原料の需要は高まっていくと予測しております。しかしながら、カーペットタイルの市場が大幅に縮小する等により再生原料の需要が想定どおり推移しない場合は、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(3) 最終処分費用の動向について
当社グループは産業廃棄物の中間処理業として使用済みカーペットタイルを回収し、当該回収物を原料として再生樹脂の製造販売を行っております。現在当社グループの回収が継続的に実現できている背景としては、排出業者等が支払う廃棄費用を比較した場合、最終処分委託費用よりも当社グループに支払う中間処理委託費用が割安であることが挙げられます。最終処分場の処理容量の残存年数は2022年度時点で全国では19.7年、首都圏では13.4年(参考資料:環境省 産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(2022年度実績))と逼迫しているため、現状の料金構造は変わらないものと想定しておりますが、今後新たな最終処分場が造成されたり、海外での受け入れ先が確保されたりする等の要因により大きな構造転換が生じコストが逆転した場合は、当社グループの使用済みカーペットタイル回収量が減少し、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(4) バージン樹脂の原材料等の市況変動について
当社グループの提供する再生樹脂は石油由来のバージン樹脂と比較した場合の価格優位性が差別化要因の一つとなっているものと認識しております。そのため、現状においてもバージン樹脂と比較して価格優位性は保っておりますが、原油相場や為替動向により石油由来のバージン樹脂の価格が現状よりも大きく低下した場合、価格優位性が失われることで当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(5) 特定の取引先等への依存について
当社グループは使用済みカーペットタイル由来の再生樹脂を販売しており、当該製品の大部分は株主である住江織物株式会社をはじめとした各インテリアメーカーのカーペットタイル製品の原料として利用されております。報告セグメントにおける素材ビジネスの売上高の約半分以上は最終的にはインテリアメーカーに対して供給されているものと認識しております。現在当社グループが生産する再生樹脂は、環境対応製品として需要が増加しているものと認識しておりますが、各取引先とは納入数量、価格等に関する長期納入契約を締結しておりません。従って、カーペットタイル市場の需要の増減により当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(6) 新製品開発について
当社グループは、素材を再生させる独自技術を核とする事業展開を目指して、継続的に研究開発を行っております。使用済みカーペットタイルの繊維部分を原料とした製鋼副資材、及び自動車エアバッグの基布や使用済み漁網を原料とした再生ナイロンの製造に向けた研究開発を行い、ナイロン再生設備に関する設備投資を行いました。当社グループでは、製鋼副資材の市場価値並びにナイロン原料としての汎用性から十分な収益性があるものと認識しておりますが、新たな技術開発を行う場合、一般的に以下のリスクがあります。
① 技術の急激な進歩、顧客の要求の変化、規格・標準の変動に対し、当社グループが開発している製品が適合できない可能性があること
② 開発技術が確立したとしても、安定的に一定品質の製品製造を継続することができない可能性があること
③ 販売価格が顧客要求水準と合わないこと
④ 新製品や新技術の開発に必要な資金や資源を十分に投入できる保証がないこと
⑤ 新製品又は新技術の市場投入の遅れにより、当社グループの製品が陳腐化する可能性があること
⑥ 新製品・新技術を開発したとしても、市場からの支持を広く獲得できるとは限らず、これらの製品の販売が成功する保証がないこと
上記リスクをはじめとして、当社グループが顧客ニーズや市場ニーズの変化を的確に把握することができず、魅力ある新製品を開発できない場合には、研究開発費及び設備投資額を回収できない可能性及び、当社グループの将来の成長と収益性を低下させ、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(7) 技術革新について
当社グループにおける再生樹脂製造は、基幹技術である軟質樹脂製品の切削加工及び破砕分級技術によって支えられています。当該技術は当社グループ独自のものであり、これにより競合他社と比べ高品質の再生樹脂を低コストで製造できていると考えております。当社グループとしては、研究開発を積極的に実施し、より高品質・低コスト化を目指していく方針ではございますが、当該技術を上回る技術が開発された場合には、当社グループの競争優位性が低下する結果、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(資源ビジネスに関するリスクについて)
(8) 事故及び労働災害について
資源ビジネスでは、解体工事や廃棄物の仕分け作業の中で、トラックやフォークリフト等大型機械の操作を含め多数の危険を伴う業務があります。当社グループでは事故並びに労働災害の発生を防ぐべく、労務・安全管理に十分留意しながら事業を遂行しております。しかしながら事故や労働災害の発生リスクは常に存在しており、今後当該リスクが顕在化した場合は、損害賠償請求の発生等により当社グループの経営成績及びレピュテーションに影響が及ぶ可能性があります。
(9) 中間処理施設容量について
資源ビジネスに関連して当社グループでは3つの中間処理施設を保有し、当該施設で回収した廃棄物の分類等を行っております。現在のところ当該3施設の処理容量は十分確保されており、業務遂行は問題なく行われております。しかしながら今後取引先の産業廃棄物の排出量が急激に増加し、同施設の許容量一杯の廃棄物が搬入された場合、又はなんらかのトラブルにより中間処理業務が滞った場合は、新規での受け入れが困難となります。そのような場合は当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(当社グループ経営全般について)
(10) 知的財産権について
当社グループの製品である使用済みカーペットタイルから製造される再生樹脂の製造方法、漁網・エアバッグから製造される再生樹脂の製造方法等の独自開発技術については、第三者への技術流出を回避するため、基本的な特許出願に留め詳細な技術については特許出願を行っておりません。現在技術優位性はあるものと認識しておりますが、競合他社が当社グループと同じような製品を製造する技術開発を行い、事業展開した場合、人材流出等によりノウハウが外部に流出した場合、また、ライセンス供与により供与先に開示した当社グループ独自技術のノウハウが流出した場合は、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
他方、他社の有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、万が一他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(11) プラスチック利用の減少に関するリスク
令和4年4月1日に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」により、廃プラスチックの削減、再利用の促進を進めております。廃プラスチック削減に向けたワンウェイプラスチックの使用減少などの取組みが拡大しプラスチック使用量の減少となる場合は、当社グループの廃棄物収集量の減少、再生樹脂の原料である廃プラスチックが減少するリスクがあり、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(12) 情報管理に関するリスク
技術等のノウハウや顧客情報、個人情報等の重要情報の管理は、当社グループ事業の根幹をなすものであります。当社グループでは、社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の管理について対策を講じておりますが、情報の漏洩が全く起きないという保証はありません。万が一、情報の漏洩が起きた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(13) 法規制等について
当社グループの事業活動の前提となる事項に係る主要な法規制及び行政指導は、次に記載のとおりであります。当社グループがこれらの規制に抵触することになった場合には、事業の停止命令や許可の取消し等の行政処分を受ける可能性があります。
また、次の一覧表記載以外にも収集運搬過程では道路運送車両法や自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法等、処分過程においては労働安全衛生法、環境保全やリサイクルに関する諸法令による規制を受けております。
(主要な法規制)
(主要な行政指導)
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃掃法」という。)は、1997年と2000年に大改正が行われましたが、その後も2003年以降毎年のように改正され、廃棄物排出事業者責任や処理委託基準、不適正処理に対する罰則などの規則が強化されております。特に2010年の改正では、廃棄物排出事業者責任の強化のための規定が多数追加されたことに伴い、廃棄物排出事業者により処理業者に対する監視も厳しくなってきております。また、2000年6月には「循環型社会形成推進基本法」が制定され、廃棄物を再生可能な有効資源として再利用すべくリサイクル推進のための法律が施行されております。当社グループの事業に関係する「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」など各産業、素材別のリサイクル関係法令が整備されております。更に、環境問題に対する世界的な関心の高まりもあり、廃棄物の再生資源としての循環的利用、環境負荷の低減に対する社会的ニーズが高まっております。当社グループは、法規制の改正等をむしろビジネスチャンスとして、積極的に廃棄物の処理及び再資源化事業に投資を行っておりますが、今後の法規制及び行政指導の動向によっては当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
① 許可の更新、範囲の変更及び新規取得について
資源ビジネスは各都道府県知事の許可が必要であり、事業許可は有効期限が5年間(優良産業廃棄物処理業者認定制度による優良認定を受けた場合は7年間)で、事業継続には更新が必要となります。また、事業範囲の変更及び他地域での事業開始、処理施設の新設・増設に関しても別途許可が必要です。
当社グループのこれらに関する申請が廃掃法第十四条第5項又は第10項の基準等に適合していると認められない場合は、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
なお、廃掃法第十四条第3項及び第8項において、「更新の申請があった場合において、許可の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する」旨規定されております。
② 事業活動の停止及び取消し要件について
廃掃法には事業の許可の停止要件(廃掃法第十四条の三)並びに許可の取消し要件(廃掃法第十四条の三の二)が定められております。不法投棄、マニフェスト虚偽記載等の違反行為、処理施設基準の違反、申請者の欠格要件(廃掃法第十四条第5項第2号)等に関しては事業の停止命令あるいは許可の取消しという行政処分が下される恐れがあります。当社グループは、現在において当該要件や基準に抵触するような事由は発生しておりませんが、万が一、当該要件や基準に抵触するようなことがあれば、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループ各社の有する許認可の内容並びに取り消し要件等については以下のとおりです。
(リファインバース株式会社)
(注) 法令違反の要件及び主な許可取消事由については以下のとおりであります。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第十四条の三の二
1 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消さなければならない。
一 第十四条第五項第二号イ(第七条第五項第四号ハ若しくはニ(第二十五条から第二十七条まで若しくは第三十二条第一項(第二十五条から第二十七条までの規定に係る部分に限る。)の規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号チに係るものに限る。)又は第十四条第五項第二号ロ若しくはヘに該当するに至ったとき。
二 第十四条第五項第二号ハからホまで(同号イ(第七条第五項第四号ハ若しくはニ(第二十五条から第二十七条までの規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号チに係るものに限る。)又は第十四条第五項第二号ロに係るものに限る。)に該当するに至ったとき。
三 第十四条第五項第二号ハからホまで(同号イ(第七条第五項第四号ホに係るものに限る。)に係るものに限る。)に該当するに至ったとき。
四 第十四条第五項第二号イ又はハからホまでのいずれかに該当するに至ったとき(前三号に該当する場合を除く。)。
五 前条第一号に該当し情状が特に重いとき、又は同条の規定による処分に違反したとき。
六 不正の手段により第十四条第一項若しくは第六項の許可(同条第二項又は第七項の許可の更新を含む。)又は第十四条の二第一項の変更の許可を受けたとき。
2 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が第十四条の三第二号又は第三号
のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。
(株式会社ジーエムエス)
(注) 法令違反の要件及び主な許可取消事由については、リファインバース株式会社の記載内容と同様であります。
(株式会社コネクション)
(注) 法令違反の要件及び主な許可取消事由については、リファインバース株式会社の記載内容と同様であります。
(14) 工場用敷地及び建物又は産業廃棄物の中間処理施設の賃貸借契約について
当社グループは、千葉県富津市に工場用敷地、千葉県八千代市及び愛知県一宮市に工場用敷地と建物を、また、東京都臨海地区に中間処理場1ヵ所、東京都堀切に中間処理場1ヵ所賃借しております。
現時点においては、用地及び建物の貸主と当社グループの関係は良好であり、貸主から契約期間中の解約の申し出がなされる可能性は低いものと考えておりますが、貸主側の事情の変更等により、予期せぬ解約の申し出がなされる可能性があります。仮に解約の申し出がなされた場合、当該施設は工場用敷地等及び産業廃棄物の中間処理施設であることから、適切な代替の用地及び建物の確保が必要であります。従って解約の申し出がなされた場合に代替の用地及び建物が適時に確保できない場合には、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
なお、2024年9月30日時点での賃貸借の状況は以下のとおりであります。
(15) 大規模災害による影響について
リファインバース株式会社においては、千葉県八千代市、富津市及び愛知県一宮市に再生樹脂製造工場を置き、株式会社ジーエムエスにおいては、東京都臨海地区に処理場1ヵ所、東京都堀切に処理場1ヵ所、株式会社コネクションにおいては、東京都足立区に処理場1ヵ所保有しております。
関東圏内における大規模震災や火災等の影響を受けて工場・処理場が被災した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(16) 借入金への依存について
当社グループ事業の運営上、収集運搬車両、中間処理工場、及び原料生産工場等への投資が必要であり、金融機関からの借入を行っております。当連結会計年度末(2024年6月末)で連結資産に占める有利子負債の割合は79.0%、当連結会計年度(2024年6月期)の支払利息は31,889千円となっております。このため、今後の金利変動によっては支払利息の負担が増加して当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(17) 人材の確保・育成について
当社グループが今後成長していくためには、営業活動及び研究開発活動並びに組織管理のための優秀な人材を確保することが重要であります。しかしながら、優秀な人材の獲得・育成・維持は必ずしも容易ではありません。適正な人材の獲得・育成・維持確保が計画どおりに進行しなかった場合には、当社グループの業務や事業計画の遂行に支障が生じ、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(18) 特定の人物への依存
当社の代表取締役社長である越智晶は、経営方針や戦略の決定をはじめ、当社グループの事業推進において各方面に重要な役割を果たしております。事業拡大に伴い積極的な権限移譲を実施し、同氏に過度に依存しない経営体質の構築に取り組んでおりますが、不測の事態等により同氏の当社グループにおける業務執行が困難となった場合、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(19) 感染症の影響について
当社グループでは、感染症が流行した際に、テレワーク(在宅勤務)の活用、Web会議や社内チャットツールの利用等を導入し、それらを現在も継続的に利用しており、今後感染症が流行した場合でも事業を継続する体制は整っておりますが、感染拡大の影響度合いによっては工場が操業停止となるなど事業運営が困難となった場合や内外経済の停滞が長引いた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(20) 継続企業の前提に関する重要事象等
前連結会計年度および前事業年度において、特別損失の計上により連結財務諸表及び個別財務諸表ともに当期純損失を計上しておりました。また、個別財務諸表において、前事業年度末における負債合計が資産合計を超過しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しておりました。
当連結会計年度および当事業年度において、連結財務諸表および個別財務諸表ともに当期純利益を計上しております。また、個別財務諸表において、当社は子会社からの受取配当金により当事業年度に債務超過を解消しております。
よって、当連結会計年度および当事業年度において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況は解消したと判断しております。
(21) その他
① 潜在株式について
当社は、グループ社員へのインセンティブを目的として、新株予約権(以下「ストック・オプション」という。)を付与しております。本書提出日現在における潜在株式数は91,600株であり、発行済株式総数の2.7%に相当いたします。これらのストック・オプションが行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、株式市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
② 配当政策について
当社は、剰余金の配当につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と財務基盤の強化のための内部留保とのバランスを保ちながら、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としております。
将来的には、業績及び財政状態等を勘案しながら株主への利益配当を目指していく方針でありますが、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
③ 繰越欠損金について
リファインバース株式会社及びリファインマテリアル株式会社は、過年度において当期純損失を計上してきたため、税務上の繰越欠損金を抱えております。そのため同社に対する法人税は当該繰越欠損金が解消されるまでは課税所得が減殺され、納税負担額が軽減されております。今後現存する税務上の繰越欠損金が解消され、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が発生する場合において、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益及び連結キャッシュ・フローに影響を与える恐れがあります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけておりますが、現在成長過程にあると考えていることから、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズにこたえる技術・製造開発体制を強化し、さらには事業拡大のため有効な投資を行うことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。
このことから創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は、新規事業展開のための投資、既存事業の規模拡大のための必要運転資金として内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
なお、当社は現在は配当を行っておりませんが、将来的に配当を行う場合は中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を実施していく方針としております。
これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
なお、当社は、「取締役会の決議により、毎年12月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。