2025年11月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社の将来的な事業展開その他に関し、リスク要因の可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。当社はこれらのリスク発生の可能性を把握した上で、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努めます。

具体的には、当社の事業遂行に関わる様々なリスクについてその主管部を定めてリスクごとに管理を行うとともに、リスクマネジメント委員会において個別リスク分析と重要性判断を行う管理体制を構築しております。詳しくは「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②会社の機関の内容 e.リスクマネジメント委員会」をご参照ください。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。

 

 (1) リスクの分類

当社は、管理対象とするリスクを、「外部環境」「事業戦略」「財務リスク」「オペレーショナルリスク」「エマージングリスク」の5つのリスクカテゴリーに分類しております。以下は、大分類ごとの主なリスクを示したものです。

 

  リスク項目

大分類

小分類

①外部環境

ESGリスク

(気候変動・経済環境変化・法改正等)

②事業戦略

戦略リスク

レピュテーションリスク

③財務リスク

流動性(資金繰り・市場)リスク

信用リスク

価格変動リスク

不正会計リスク

④オペレーショナルリスク

オペレーショナルリスク

事務リスク

情報セキュリティリスク

システムリスク

法務・コンプライアンス

人事・労務

事業継続リスク

⑤エマージングリスク

エマージングリスク

 

 

 (2) 重要性が高いリスク

「(1) リスクの分類」において管理対象とするリスクのうち、発生した場合の影響度及び発生可能性の観点から特に重要性が高いと評価されるリスクは以下のとおりです。

① 外部環境

保険業法等の法改正により、従来の営業手法が制限を受けるリスクについて(顕在化可能性:小 / 影響度:大)

 当社は、生命保険代理店・損害保険代理店として保険業法に基づく登録を行っており、同法及びその関係法令や関係当局の監督等による規制・指導等を受けながら、サービス提供及び保険募集を行っております。これら法令に違反する行為が行われた場合や、やむを得ず遵守できなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に、代理店登録の取り消しに至った場合には、事業活動全体に深刻な影響が出る恐れがあります。

 令和7年保険業法改正に係る政令(案)については既に対応に着手していますが、今後も保険業法や監督指針、自主規制等の大きな変化があった場合には、当社のサービス提供及び保険募集の方法が制限を受け、運営方式の見直しやコスト増加、代理店手数料体系の変更を余儀なくされる可能性があります。

 当社は、2025年8月に関東財務局より受領した行政処分(業務改善命令)に基づき提出した業務改善計画の着実な実行と、新たなコーポレートスローガン「NEXT」の推進に取り組んでいます。また、保険業法等の法改正や監督指針の変更等を今後も速やかに把握し、迅速な対応策の実施や販売チャネルの多様化等、ビジネスモデルの変革に努めることで、これらのリスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

② 事業戦略

a. 特定人物への依存について(顕在化可能性:小 / 影響度:大)

当社代表取締役社長である黒木勉は、創業者として企業文化の創造や経営方針、戦略の決定等に重要な役割を果たしてきました。そのため、健康上の理由やその他の事由により同氏の業務遂行が困難になった場合、当社の意思決定や事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

当社では経営に関する重要な事項は取締役会で決定しており、意思決定プロセスを特定の個人に依存しない体制と、適切な業務フォローを整えているため、リスクが顕在化した場合でも、その影響度は低減できると考えています。万が一の際は創業家との連携を密にとりリスクを最小限にとどめます。

 

b. 新聞・テレビ・雑誌及び同業他社などによる風評流布リスクについて(顕在化可能性:中 / 影響度:大)

当社に関する新聞・テレビ・雑誌・YouTube等の報道によって、一時的に信用を毀損する事態が発生し、株価や営業活動、ブランドイメージなどに影響を及ぼし、その結果として業績悪化につながる可能性があります。 

2024年11月期以降、当社に対する保険会社からの便宜供与に関する一連の報道を受け、少なからず業績に影響を及ぼしましたが、規程等の整備やガバナンス体制の強化等、さまざまな対応策を講じてまいりました。今後も、常に法律や規則を遵守した適切な業務運営に努め、社会的信用の向上に努めます。社内の関係者や顧問弁護士、専門機関等と連携体制を整えているため、万が一リスクが顕在化した場合においても、被害を最小限に抑える行動ができると考えております。また、当社ホームページやプレスリリースを通じて正確な情報発信を行うことで、リスク低減を図ります。

 

③ オペレーショナルリスク

a. 情報セキュリティリスク及びシステムリスクについて(顕在化可能性:中 / 影響度:大)

当社では、事業運営にあたり、複数のシステムを活用しております。外部からの不正なアクセスによる情報漏えい、予期せぬシステム障害、攻撃型メール等の影響で、当社システムが利用不能となり事業活動が停止することがあります。また、場合によっては身代金の要求や情報漏えいによる損害賠償請求が生じ、経済的な損失リスクが発生し、当社の信用やブランドイメージ、財務状況に重大な影響を及ぼす恐れがあります。

当該リスク軽減のため、現時点で可能な範囲で物理的なアクセス制限やセキュリティ対策を講じています。さらに、役職員に対しては定期的に情報セキュリティに関する研修・教育や訓練を行い、リスクへの感度を高めるなどの対策を進めています。

 

b. 人材の確保について (顕在化可能性:中 / 影響度:大)

当社事業においては、営業社員数の確保が最も重要な経営課題の一つです。しかし、人員計画どおりに採用が進まなかった場合や、退職者が急増した場合には、十分な営業体制を維持できず、財政状態や経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。

また、管理部門でも高度な専門性が求められるため、優秀な人材の確保や人員の維持ができない場合には、事業展開やコンプライアンス対応に支障が生じる可能性があります。

当社では、リファラル採用の推進をはじめとした採用強化策や、柔軟な勤務制度の導入等、定着率向上に向けた取組を進めています。そのため、現時点では大きなリスクが顕在化する可能性は低いと考えています。

今後も採用強化とともに、従業員の定着率を向上させるため、働き方の見直しを社会情勢にあわせて継続的に行ってまいります。また、適宜ジョブローテーション等を行い、従業員エンゲージメントを高める職場環境づくりに取り組むことで、リスク軽減に努めています。

 

c. 役職員の不祥事に係るリスクについて (顕在化可能性:中 / 影響度:中)

役職員においては、関連法令及び社内規程遵守が求められています。また、業務外においても不適切な商取引などに関与しないよう、十分注意する必要があります。

一方で、役職員が業務上、詐欺行為や脅迫、横領、インサイダー取引等を行い、会社が社会的責任を問われるリスクがあります。さらに、サービスに関する顧客からのクレームや、従業員が業務範囲外で顧客と接触したり、副業を勧誘したりすることで信用失墜を招くリスクもあります。加えて、SNS等で従業員の不適切な対応が拡散され、炎上した結果、社会的な信用が低下するリスクも存在します。このように、役職員個人の意識欠如により、さまざまな不祥事等が発生し、それが当社の財務状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスク低減のために、当社では役職員向けの法令等遵守体制の強化・維持に取り組んでいます。定期的に業務全般に関するコンプライアンス研修や確認テストを実施し、法令遵守の徹底を図っております。また、業務外においても就業規則及び社会一般通念上の規範遵守はもちろんのこと、適切性が疑われる事案等への関与を避けるため、社内研修を通じて注意喚起を行っています。これらの取組によって、リスク低減は実現可能と考えています。

 

d. 大規模自然災害等による事業継続リスクについて (顕在化可能性:小~大 / 影響度:小~大)

水害や地震等の自然災害、戦争、新型コロナウイルス感染症といった流行の発生により、事業活動が制限される可能性があります。これらの事象が起きた場合、顧客との面談機会の減少や営業活動の停滞等が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクについては事象によって顕在化する可能性や影響度合いに違いがあるため、当社では複数の対策を総合的に実施しています。具体的には、大規模災害の発生に備えて、「危機管理規程」や「災害に関する事業継続計画(BCP)基本計画書」を制定し、緊急時でも的確に対応できる体制を整備しています。コロナ禍におけるテレワーク勤務や「オンラインFP相談」導入により、影響を最小限に抑えた実績があることから、自然災害や感染症によって出社制限や対面営業の停止が必要になった場合にも、リスクを低減することができると考えております。これらの施策は、将来の類似事象発生の際のリスク低減策として有効に機能すると考えております。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、財務体質の強化と事業拡大のために必要な内部留保を考慮した上で、累進配当を継続して実施することを基本方針としております。配当性向については45%を目安としております。また、機動的な配当政策を図り、株主の皆様への利益配分を充実させるため、剰余金の配当等の決定機関を取締役会とし、中間配当及び期末配当の年2回実施できる旨定款に定めております。

当期の期末配当につきましては、2026年1月28日開催の取締役会決議により、1株当たり47円の配当とさせていただきました。

基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たりの配当額(円)

2025年6月16日

取締役会決議

1,079,672

47.00

2026年1月28日

取締役会決議

1,092,115

47.00

 

(注)2026年1月28日取締役会決議の配当金の総額は、2025年11月30日における最終の株主名簿に記載された自己株式31,105株を除いて記載しております。