2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    324名(単体) 638名(連結)
  • 平均年齢
    42.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.8年(単体)
  • 平均年収
    6,953,000円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

国内営業本部

313

(141)

海外営業本部

163

(8)

工機営業本部

43

(3)

CUSPA営業本部

80

(11)

全社(共通)

39

(5)

合計

638

(168)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

324

(102)

42.3

12.8

6,953

 

セグメントの名称

従業員数(人)

国内営業本部

178

(86)

海外営業本部

42

(3)

工機営業本部

39

(3)

CUSPA営業本部

26

(5)

全社(共通)

39

(5)

合計

324

(102)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1、3

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、4

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

7.8

20.0

62.5

71.9

56.5

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

(注)2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

(注)3.女性活躍推進法の目標(2026年度 管理職比率10%)の達成に向けて、中長期的には採用した社員に占める女性比率を直近4年間で27.6%から38.9%に高めている、今後候補となる中堅女性社員への研修実施を計画するなど、女性管理職登用に向けた育成に努めております。

(注)4.平均勤続年数と管理職比率の差が、賃金格差の主な要因です。今後、女性活躍推進法の行動計画の実施により女性管理職比率を高めていくことで、男女間賃金格差の是正は進んでいく見込みです。

 

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

当社は、経営理念である「誠実(Sincerity)に生き、情熱(Passion)を持って仕事をし、親切(Kindness)な対応ができる企業人の集団」を中核に据え、設立以来100年以上にわたり、近江商人の精神である「三方よし、始末して気張る、進取の気性」を経営方針として受け継いでまいりました。特に「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の考え方は、現代のサステナビリティ経営に通じるものであり、当社の持続的な価値創造の根幹となっております。

当社は、企業としての利益のみならず、株主、投資家、取引先、社員など、あらゆるステークホルダーの信頼に応え、社会全体に対して貢献する企業であり続けることを目指しています。そのため、持続的な企業価値の向上に向けた「サステナビリティ経営」を重要な柱と位置づけております。

2024年度においては、ESG推進室を新設し、当社およびグループ会社の従業員をメンバーとするESG推進コミッティを通じて、ESGに関する理解の促進、課題の抽出、及び取り組みの方向性の検討を行いました。その結果、当社本体においては、抽出された課題に対する具体的な対応策について、次年度に向けた準備を開始しております。グループ会社においては、コミッティで得られた知見や考え方を各社に持ち帰り、社内への浸透を図る活動を実施いたしました。

 

(1)サステナビリティ全般

① ガバナンス

当社は、サステナビリティに関する方針の策定および推進体制の強化を目的として、コーポレート統括本部内に「ESG推進室」を設置しています。ESG推進室は、代表取締役の指揮のもと、経営会議および取締役会と連携しながら、全社的なESG戦略の立案と実行を担っています。

また、同室はコーポレート統括本部の機能を活かし、国内・海外・工機・CUSPAの各営業本部およびグループ会社と密接に連携しながら、ESG課題への対応を統括的に推進しています。重要事項については、経営会議での審議を経て取締役会に報告・付議され、経営層による意思決定のもとで実施されています。サステナビリティに関する最終的な責任は取締役会が負っており、その監督責任は社内外の取締役によって担保されています。

2024年度には、サステナビリティ経営の高度化と全社的なガバナンス強化を目的として、以下のような体制整備と運用を進めました。

まず、2024年4月1日付で「ESG推進室」を新設し、同年6月には全国の拠点から選出された15名による「ESG推進コミッティ」を発足。コミッティは各本部や営業所、グループ会社の従業員で構成されており、月に1回の定例会議を行っております。この定例会議では、現場の視点を活かし事業継続の観点から重要な課題の抽出、マテリアリティ(重要課題)の特定、リスクと機会の定量分析を実施しました。

ESG推進コミッティで行った議論内容を、ESG推進室が主体となって情報をまとめ、経営会議において精査された後、取締役会に付議され、最終的な意思決定がなされるというプロセスを行っております。現場から経営層、そして取締役会へとつながるこの一連の流れは、当社におけるESG経営の実効性を高める大きな一歩となりました。さらに、管理部門を統括する「コーポレート統括本部」が、全社横断的な課題解決、経営管理、リスク管理体制の構築を推進しており、ESG推進室は同本部内に編成されています。

 

 

② 戦略

当社は中期経営計画「VISION2030」において、「サステナブルな低炭素社会への貢献」および「多様な人材が活躍するグローバル企業の実現」を重要な柱として掲げております。この方針は、当社のサステナビリティ戦略と完全に整合しており、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の各領域において、持続可能な企業価値の創出に向けた具体的な取り組みを推進しています。環境面では、TCFD提言に基づくシナリオ分析を通じて、気候変動に起因する物理的・移行的リスクを評価し、再生可能エネルギーの導入や温室効果ガス排出量の削減、BCP(事業継続計画)の整備などを進めています。これらの施策は、2050年までにGHG排出量実質ゼロを目指す長期目標、および2030年までの中間目標と連動しており、KPIの設定と進捗管理を通じて実効性を確保しています。

社会面では、人的資本を中長期的な競争力の源泉と位置づけ、従業員の成長と働きがいの向上を重視しています。ESG推進体制のもと、現場の声を反映したマテリアリティの特定を行い、人材育成、柔軟な働き方、ダイバーシティ推進、安全衛生の強化など、多面的な施策を展開しています。これにより、従業員エンゲージメントの向上と人材の定着を図り、企業の持続的成長を支える基盤を構築しています。

今後も当社は、「VISION2030」の実現に向けて、サステナビリティ経営を経営戦略の中核に据え、全社一丸となって取り組みを深化させてまいります。

 

マテリアリティの特定とプロセス

2024年度、当社はサステナビリティ経営の実効性を高めるため、全社的なマテリアリティ(重要課題)の特定プロセスを実施しました。これは、同年4月に新設された「ESG推進室」と、6月に発足した「ESG推進コミッティ」による主導のもと、全社横断的な体制で進められました。コミッティは、各本部や営業所、グループ会社の従業員から選出されたメンバーで構成され、現場の視点を活かしたボトムアップ型の議論を通じて、事業継続や企業価値向上の観点から重要な課題を抽出。経営方針である「三方よし」の精神を基盤に、今後の中長期的な成長に向けた課題を深掘りし、マテリアリティの特定に至りました。特定された課題は、ESG推進室から経営会議に報告され、経営層による検討を経て、最終的に取締役会にて審議・決議されました。なお、2024年度における活動の成果としては、マテリアリティの特定に加え、それらに基づき取り組むべき活動の洗い出しまでを実施した段階であり、現在は次年度以降の施策展開に向けた準備を進めております。今後はこれらのマテリアリティを指針として、具体的な施策を展開し、指標を設定のうえ、定期的に進捗と成果を評価・見直してまいります。

 

サステナビリティについての講義

外部アドバイザーを招き、ESG推進コミッティメンバーに向けてサステナビリティについての講義及び気候変動や人的資本に関する考え方の講義を行い、メンバー全体での知識レベルの統一を行いました。

課題の洗い出し

ESG推進室とコミッティメンバーと1on1を設け、メンバー個人や所属部署での課題の洗い出しを行いました。また、GRIやSASB等を基に課題の抽出を行い、メンバーからのヒアリングと合わせて課題の洗い出しを行いメンバーに共有しました。

定量分析

各課題に対して、事業へのインパクトの定量分析を行いました。定量分析に際して、シナリオ分析を行い、1.5℃、3℃、4℃シナリオの3種類のシナリオを設定し、課題に基づくデータの収集を行い、近い将来に発生する事業インパクトの算定を行いました。

妥当性の確認

定量分析結果をコミッティメンバーに共有を行い、定量分析のロジックの確認や妥当性の確認を行いました。確認が取れなかったものに関しては、再度分析を行いメンバー全員の理解を得られる形まで落とし込みました。

経営レベルで承認

ESG推進コミッティで行ったマテリアリティの洗い出し~定量分析までを経営層に向けて説明会を実施しました。

 

 

③ リスク管理

当社は、持続可能な企業価値の向上を図るうえで、リスク管理を経営の重要課題と位置づけ、全社的な体制整備と運用強化を進めております。

2024年度には、コーポレート統括本部を中心に、事業継続、環境対応、人的資本、コンプライアンス等の多様なリスクを網羅的に把握・評価する体制を構築しました。特に、ESG推進室およびESG推進コミッティを通じて、現場からの課題抽出を起点としたボトムアップ型のリスク発見から評価・報告する体制を構築しました。今後も、リスクの変化に柔軟に対応できる体制を維持・強化し、取締役会による監督機能の下、全社的なリスク管理の高度化を推進してまいります。

 

④ 指標及び目標

当社として、重要課題としている「気候変動」と「人的資本」において、指標及び目標を設定し、次項以降で示す目標に向けて取り組むこととしております。

 

(2)気候変動に関する取組み

① ガバナンス

「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」にて記載のガバナンス体制で対応に取り組んでいます。

 

② 戦略

当社グループは2030年に目指す姿「VISION2030」で「モビリティビジネスのグローバル商社」となることを掲げ、国内経済の動向や環境・人的資本などへの社会的要請、更には自動車業界や株式市場といった当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化する中で、変革に取り組んでおります。こうした変化の中で当社は、環境問題が自社に及ぼす影響について定量分析やシナリオ分析を行い、それを非常に重要な課題と位置づけています。気候変動に伴う社会の変化に対しては、対策を講じるとともに適応を進め、レジリエンスを高めることで、持続可能な企業価値の創出を目指しています。

2024年度は、TCFDの提言に基づくシナリオ分析を通じて、物理的・移行的リスクの評価を実施しました。

 

③ リスク管理

当社は、気候変動に起因する物理的・移行的リスクを経営上の重要リスクと捉え、TCFDの枠組みに基づき、ESG推進室およびESG推進コミッティを中心にリスクの特定・評価を実施しています。特定されたリスクは、経営会議にて審議された後、取締役会に付議され、対応方針が決定される体制を構築しており、現場から経営層、取締役会まで一貫したガバナンスのもとでリスク管理を行っています。

 

環境(E)に関する取組:気候変動への対応

当社グループは、「気候変動」を経営の重要課題の一つと位置づけ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークに基づいたシナリオ分析を実施し、リスクと影響度を定量的に評価しました。特に、以下のような施策に取り組んでおります。

・温室効果ガス排出量の可視化と削減努力

再生可能エネルギー導入に向けた計画立案を進め、排出量の定期的な把握と削減を推進。

・エネルギー効率の向上

各営業所および倉庫の照明をLEDへ切り替えるなど、電力使用量の削減施策を実施。

・BCP(事業継続計画)の整備

自然災害による流通への影響を評価し、在庫管理体制の強化を通じたリスク軽減策を検討。

・環境配慮型商品のニーズ調査

環境に優しい品のリビルド動向を調査し、ラインアップの拡充に向けた準備を開始。

なお、本社および営業所で使用する電力については、再生可能エネルギーへの段階的な移行を検討中です。

 

物理リスク: 事業所ごとのリスクを分析:

当社では、気候変動に伴う水害リスクに関するシナリオ分析を実施するにあたり、国土交通省が公表する「浸水マップ」等の公的資料を活用し、事業所周辺の洪水リスクを評価しました。具体的には、対象地域の浸水可能性、被害率、在庫額等を組み合わせることで、想定される損失額を算出しております。なお、本分析においては、IPCCやIEA等の国際機関が提示するシナリオ(SSP、RCP、STEP等)ではなく、国内の信頼性の高い公的データに基づくローカルリスク評価を採用しております

≪参考資料≫

国土交通省:https://suiboumap.gsi.go.jp/ShinsuiMap/Map//?x=138.71337890625003&y=35.35321610123823&z=5

 

 

当社グループのリスク・機会の概要と事業及び財務への影響は以下の通りです。

リスク・機会

概要

シナリオ分析

事業及び財務への影響

1.5度

3

4

環境・気候変動関連

リスク

移行リスク

政策規制

国内及び海外の炭素税導入やカーボンプライシングへの取り組み強化

直接・間接コストの増大

市場

ガソリン車の販売規制によりEV化への加速が想定されるが、それに伴い部品点数の大幅減や既存品からEV/CASE商品へのシフトを迫られる可能性がある

売上減や研究開発費の増大

排出ガス抑制への活動が投資家などに不十分と捉えられた際のレピュテーションリスク等

マーケット対策費などの増大

気候変動に伴うマーケットの変化や消費者意識の変化による原材料の高騰

原材料高騰に伴い、車離れの加速による需要の減少

物理リスク

急性

気候変動に起因する自然災害による倉庫・事業所の損害、商品毀損

甚大な気候災害により事業者や倉庫への被災による営業停止や商品毀損

慢性

気候変動に起因する夏場の熱中症等のリスクや感染症の罹患による倉庫・事業所の機能不全

慢性的な極端な気候による倉庫の労働環境の悪化

機会

市場

商品・サ|ビス

グローバルな事業展開の下で、EV/CASE用の商品・サービスやリビルト・リサイクル部品の活用の需要が高まることが想定される

輸送コストが増大している中、部品をリビルトし日本国内で生産することで価格を抑えた商品の開発

凡例:小:5億以下  中:5億以上10億以下  大:10億以上

 

 

④ 指標及び目標

本年度の、Scope1およびScope2の算定は以下の通りです。

 

(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標及び目標について

イ.Scope1・2のGHG排出量削減目標

当社は1.5℃シナリオの実現に向け、目標年である2050年度に連結ベースでのGHG排出量(Scope1・2)の実質ゼロを目標として掲げております。また、中間目標として2030年度には2021年度(基準年)のGHG排出量1,326.02t-CO2の22.5%に当たる298.35t-CO2の削減を目指しています。

 

ロ.実績並びにその他の指標

当社は、温室効果ガス(GHG)排出量について、Scope1(直接排出)およびScope2(間接排出)を対象に、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」に基づきマーケット基準にて算定しております。2024年度のGHG排出量実績は以下のとおりであり、事業活動において使用する電力に占める再生可能エネルギーの使用実績および比率についても併せて開示しております。

 

Scope1・2のGHG排出量実績並びに事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー使用実績および比率

 

 

(単位:CO2換算トン)

 

基準年度

2021年度(*1)

実績

2024年度(*1)

Scope1

 

1,016.92

Scope2

 

650.28

Scope1 + Scope2

1,326.02

1,667.20

再生可能エネルギー使用実績

4.29MWh

(0.31%)(*2)

43.2MWh

(2.8%)(*2)

(*1)連結対象の海外現法6社(売上比率18%)については、データ収集困難なため、本体単体の使用量から算出。

(*2)グループ消費電力量 2021年度:1,393.57MWh 2024年度:1,525.90MWh

 

(b)排出量削減に向けての主な取組状況と今後の課題

イ.主な取組状況

・2021年11月 近畿営業所の新築移転に伴い、太陽光パネル設置。また営業車としてEV1台導入

・2022年5月 東京営業所にEV2台導入。蓄電設備等を整えるとともに2023年2月に太陽光パネルを設置。(伊藤忠商事との協業による実証実験)

・2022年9月 名古屋営業所に太陽光パネル設置。同営業所は本件によりNearly ZEBの認証を取得

・2023年9月 竣工の新本社ビルについては、省エネ設備を駆使しZEB READYを取得

・2023年11月 広島営業所において、倉庫をLED照明に切替

・2024年3月 札幌営業所において、LED照明に切替

・2024年度、各営業所は、蛍光灯の交換時にLED照明へ切替えを徹底

 

今後、営業所などで使用しているガソリン車を先進環境対応車に順次入れ替えていきます。

また、電力プランも再生可能エネルギーを利用するものに見直すことを検討していきます。

 

ロ.Scope3の取組等について

リビルト、リサイクル事業者との協業等を進め、商品ライフサイクルにおけるGHG排出量削減を目指します。また一部の商品で用いられているプラスチックボトルの削減、代替品の活用等についても検討を進めてまいります。なお、上記以外のScope3の取組や算定等については今後、検討していく予定です。

 

(3)人的資本への対応

当社グループは、人的資本経営を重要課題と定め、全社的に取り組みを強化しています。経営理念である「誠実(Sincerity)に生き、情熱(Passion)を持って仕事をし、親切(Kindness)な対応ができる企業人の集団」は、まさに人づくりが事業基盤となるため、従業員一人ひとりの個性や能力を最大限に引き出し、働きがいをもって活躍できる人材育成と社内環境の整備に取り組んでいます。

すでに人事制度の見直しや業績評価制度の導入など各種制度の整備を進めていますが、今後は、育成面やインセンティブの充実、労働環境の改善、従業員の健康増進、キャリアアップ支援など施策を進めながら、従業員のエンゲージメントを高めてまいります。それによって、生産性の向上、リテンション効果、顧客満足度の向上、収益性の向上など事業への好循環が図れるものと見ております。

 

① ガバナンス

「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」にて記載のガバナンス体制で対応に取り組んでいます。

 

② 戦略

当社グループは2030年に目指す姿「VISION2030」で「モビリティビジネスのグローバル商社」となることを掲げ、国内経済の動向や環境・人的資本などへの社会的要請、更には自動車業界や株式市場といった当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化する中で、変革に取り組んでおります。

こうした変化の中で当社は、人的資本を中長期的な競争力の源泉と位置づけ、従業員の成長と働きがいの向上を通じて、持続可能な企業価値の創出を目指しております。

2024年度には、ESG推進室およびESG推進コミッティを中心に、現場従業員との1対1ヒアリングを実施し、労働環境、人材育成、安全衛生等に関する課題を抽出。これらの意見をもとに、経営層との協議を経て、人的資本に関するマテリアリティを正式に特定しました。

2024年度に特定した人的資本に関する重要課題を今後、対策や改善に努め社員や従業員の風通しがよい働きやすい環境整備を行い、「モビリティビジネスのグローバル商社」へと変革を行ってまいります。

 

③ リスク管理

当社は、人的資本に関するリスクを中長期的な経営課題と捉え、従業員の確保・育成・定着、労働環境の整備、多様性の推進等に関するリスクを体系的に管理しています。

2024年度には、ESG推進室およびESG推進コミッティを中心に、現場ヒアリングを通じて人的資本に関する課題を抽出し、経営会議での審議を経て、取締役会にてマテリアリティとして正式に特定しました。これにより、現場と経営層が連携したボトムアップ型のリスク管理体制を構築しています。

リスクは、定期的にESG推進体制を通じてレビューされ、必要に応じて経営会議および取締役会に報告されることで、継続的な改善とガバナンスの実効性を確保しています。

 

リスク種別

想定されるリスク

管理・対応策

働き方改革の推進

労働生産性の低下、従業員満足度の低下

育児介護時短対象年齢の拡張、柔軟な勤務制度の導入

採用強化/人材育成・確保の強化

人材流出、スキルミスマッチ

社内キャリアコンサルタント体制の整備、採用基準・スキル要件の見直し、教育プログラムの充実、人材確保戦略の策定

ダイバーシティの促進

人材確保の困難化

多様な人材の活躍を支援する社内イベントやネットワーク形成の推進

労働環境の改善

気候変動による労働環境の過酷化

空調設備の見直し、熱中症対策など、安全・健康に配慮した職場づくり

これらの施策は、従業員のエンゲージメント向上と人材の定着・活躍を促進し、企業の持続的成長を支える基盤として位置づけられています。

 

 

④ 指標及び目標、実績について(*1)

目的

指標

目標

2026年度

実績

(項目)

2023年度

2024年度

ダイバーシティ

管理職に占める

女性従業員の割合

10.0%以上

5.8%

7.8%

女性社員比率

30.0%以上

21.9%

23.8%

男性従業員の

育児休業取得率

50.0%以上

40.0%

20.0%

外国人社員比率

1.4%

2.3%

障がい者雇用率(*2)

2.70%

2.35%

2.49%

人材育成

総研修費用

10,000千円

9,208千円

8,270千円

従業員

エンゲージメント

サーベイ結果(*3)

75.0以上

66.6

65.8

従業員持株会入会比率

90.0%以上

84.1%

81.5%

離職率(*4)

8.0%以下

9.1%

7.1%

健康・安全

平均残業時間(*5)

15.0時間

20.3時間

19.8時間

有給休暇取得日数

15日

9.7日

9.1日

ガバナンス

コンプライアンス研修受講率

100%

100%

(注)*1.当社においては、指標についての具体的な取り組みを進めているものの、連結グループすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記指標については、提出会社の実績及び目標を記載しております。

*2.障がい者雇用率は厚生労働省宛の「障がい者雇用報告書」に基づく実績(6月1日時点)を記載しています。

*3.インソース社による「エンゲージメント診断」において、従業員エンゲージメントの状態を示す主要6項目の平均値

*4.離職率は常用労働者を対象にしています。

*5.平均残業時間は管理職を除く正社員を対象にしています。