2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 営業・販売に関わる人材の確保、育成について

当社の化粧品販売事業は、コンサルティング販売を柱とした営業展開を行っておりますので、人的労力に負う部分が非常に大きなウエイトを占めており、スタッフの資質、技量によって店舗売上が左右される面があります。当社では、コンサルティング販売の徹底、レベル維持のためスタッフ教育に注力しておりますが、極めて少人数で年齢的にも若いスタッフに店舗運営を委ねているため管理面が統一されにくいこともあり、スタッフのモチベーションとモラルの低下が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、リラクゼーションサロン事業では、民間の資格を持ったリフレクソロジストにより施術を行うため、出店に応じたリフレクソロジストの確保が必要となり、人材確保が出来なかった場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 商品の品質管理について

当社は、PB商品を企画・開発し販売するにあたり、研究開発室を中心としてOEMメーカーの協力を得て万全の体制をとっておりますが、万一不測の事態により商品の品質に欠陥が生じ、大量の消費者トラブルおよびクレームが発生した場合、損害賠償責任のみならず百貨店をはじめとした出店先から信用低下により出店契約が解除される事態となる可能性があり、その場合は当社の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 商品の仕入について

当社は、PB商品をファブレス形式でOEMメーカーに生産を委託しております。商品の品質管理及び安定供給の維持等については、当社規格の製品検査及び覚書等で万全の体制をとっておりますが、OEMメーカーの対応に支障が生じた場合や、OEMメーカーが倒産した場合、商品の開発、一部商品の供給に支障が生じ、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 商品開発について

当社が取扱う自然志向の化粧品には、化粧品原料基準等で認可されている原材料を用いており、また健康食品にはビタミン類、ミネラル類などの原材料を用いております。これらの原材料の許認可については行政の意向が強く反映されるため、行政の意向により当社の商品製造・販売計画に支障が生じる可能性があります。

 

⑤ 顧客情報の管理について

当社は各店舗において顧客の個人情報を多数有しております。よって、当社は顧客情報の管理を重要と考え、顧客情報管理規程を制定し、内部監査により管理の徹底状況を確認しておりますが、万が一顧客情報の漏洩等が発生した場合は、損害賠償の請求を受ける恐れがあります。また、信用の低下により販売活動に悪影響を与え、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 差入保証金について

当社は保証金を差し入れている店舗があり、当該保証金は、解約時には返却される契約となっております。当社では出店先の経営状況を必要に応じて確認しておりますが、出店先の業績不振、倒産等により保証金の回収が困難となった場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 物流機能について

当社は物流センターが店舗用倉庫と通販用倉庫に分かれておりますが、地震等の自然災害、交通災害等により物流機能が阻害される可能性があります。

 

 

⑧ 法的規制および主要な事業活動の前提となる事項について

当社の化粧品・医薬部外品等販売事業、健康食品販売事業、その他の事業における法的規制に関しては、「医薬品医療機器等法」関係の規制のほか、「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」「特定商取引法」「景品表示法」等の規制がなされております。また各販売事業における商品の品質、有効性、安全性の確保を目的とした社内規制を設けております。当社はこれらの法的規制を遵守し、行政通知等の情報収集に努め、規制内容に疑義が生じた場合は監督官庁等へ照会し回答を受けた上で実施するなど慎重な対応を行っております。化粧品・医薬部外品等販売事業につきましては、2014年11月25日施行の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく化粧品製造販売業許可(許可番号:13C0X00125)及び医薬部外品製造販売業許可(許可番号:13D0X00068)の交付を監督官庁より受け、当社PB化粧品及びPB医薬部外品の製造販売業務を行っております。製造販売業許可の有効期間は、共に2022年3月11日から2027年3月10日までとなっております。

なお、化粧品及び医薬部外品の製造販売業許可の失効または取消し等につきましては、医薬品医療機器等法第12条の2「許可の基準」、同法第75条「許可の取消し等」に定められております。当社の主要な事業活動の継続には、上述のとおり化粧品及び医薬部外品の製造販売業許可が必要であり、そのために「医薬品医療機器等法」等の関係法令を遵守した事業活動を実施する必要がありますが、現時点において、当社は当該業許可の取消しまたは更新要件の欠落の事由に該当する事実は無いと認識しております。しかし、将来何らかの理由により許可の失効、取消しまたは業務停止等の行政処分を受けた場合は、当社の主要な事業活動に支障をきたすと共に、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、上記法律等の改廃、法的規制の新設等が生じた場合、あるいは万一法的規制を遵守していない事態が生じた場合は、事業活動が制限され、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 当社のリフレクソロジーと「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」との関係

当社は、自然志向の化粧品の販売を主たる事業としておりますが、2000年よりリラクゼーションサロン事業を開始し、リフレクソロジーの単独店舗又は化粧品等との併設店舗等の店舗展開を積極的に行っております。当社の行うリフレクソロジーにおける足裏等に対する施術はあん摩マッサージ指圧に類似する行為でありますが、上記施術は、行為自体の強度の点で対象者が痛みを感じるほどの強さをもって行うものではなく、また同時に提供される「色彩」、「照明」、「香り」、「音楽」、「飲み物」等と一体となってリフレクソロジーとして「リラクゼーション」の効果を有するものであることなどから総合的に判断し、「医師法」に規定される医療行為及び「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に規定されるあん摩マッサージ指圧行為及び医業類似行為には該当しないと解しております。

但し、今後当社の行うリフレクソロジーが上記法律に何らかの形で抵触すると判断された場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 製品開発と新規参入、競合について

当社の主要事業が属する国内の化粧品市場は既に成熟した市場であり、業界の出荷高は近年横ばいの傾向にあるといわれております。このような中、自然志向、健康志向の高まりに対応すべく、独自の自然志向化粧品、サプリメント等の健康食品の開発・提供をしてきましたが、この分野においても新規参入が増加する傾向にあります。当社では、常に新たな商品の開発による他社との差別化を図り収益の確保を追求してまいりますが、類似品の登場などにより当社製品の競争力が低下するような場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 知的財産権について

当社では、競合他社との差別化を図り、一定の知的財産権を確保する措置を講じておりますが、他社による模倣品の販売により当社の商品の市場が侵食されるような場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の開発販売するPB商品は、商標等の他社の知的財産権に抵触しないよう事前に入念な調査を行っておりますが、万が一、他社の知的財産権を侵害し、権利を有する他社がこれを先に発見した場合は、警告を受けるとともに、差止請求権、損害賠償請求権を行使される可能性があり、その内容及び結果によっては、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 出店政策について

当社の直営店は、主に百貨店及び専門店を中心に展開しております。今後も百貨店コーナーでの販路拡大を継続するほか、ショッピングセンター等へ積極的に出店を行って参りますが、何らかの事情により、百貨店やショッピングセンター等での販売に変調が見られた場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 親会社等について

現在、株式会社ワコールホールディングスが筆頭株主として当社の議決権の21.2%を保有しており、当社は同社の持分法適用関連会社として位置づけられております。

当社と株式会社ワコールホールディングスを中心とする企業グループ(ワコールグループ)は、「美しさ」「快適さ」および「健康」を顧客へ提供する経営理念を共有しておりますが、経営そのものは完全に独立しており、当社は独自に事業展開しております。

同社との取引については、当社が運営する新業態型店舗において、ワコールグループの中核企業である株式会社ワコールから一部商品を仕入れております。

人的関係では、株式会社ワコールホールディングス常勤監査役が当社の社外取締役に就任しており、当社の取締役会および監査等委員会において適宜、助言・提言を受けております。なお、出向者等の受入はありません。

同社による議決権所有割合は、将来的に変動する可能性はありますが、相互の独立性は今後とも十分確保していく方針です。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、利益配分につきましては、業績、経営環境等を総合的に勘案した利益還元を行っていくことを基本方針とし、かつ安定的な配当の継続を図ってまいります。同時に長期的、安定的な将来の事業展開に備え、財務体質を一層強化するため、内部留保の充実にも努めます。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本的な方針としております。なお、これら剰余金の配当の決定機関は、中間配当及び期末配当共に取締役会であります。

なお、当社は会社法第459条第1項各号に定める事項については、取締役会の決議によって定める事ができる旨を定款に定めております。

当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり25円の配当(うち中間配当12円50銭)を実施することを決定しました。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月6日

取締役会決議

58,780

12.50

2024年5月14日

取締役会決議

58,780

12.50