2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、ここで記載する内容は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループを取り巻く経済環境

 花きは嗜好性が高い商品なので少子化や高齢化社会におきまして、年齢層ごとにどのような消費動向になるか予測が難しい面があります。花き購買層の中心である中高年層の消費意欲の継続性も含め当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクに対応するため、変化する生活環境を考え顧客に寄り添い、消費者が求めることを捉えていくことに努めてまいります。そのためにも生活者視点で経営資源を投入、バランスを図ってまいります。

 

(2)天候による影響

 花きの商品価値は供給・需要双方で天候の影響を受けます。供給面では生産段階から花店が一般の消費者へ販売する時点まで品質・物の良し悪しに影響し、需要面では、購入時点における嗜好に影響いたします。したがって、温暖化も含め天候により供給と需要のバランスがくずれ取引量や取引価額に影響する場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクに対応するため、供給面・品質面では保冷倉庫棟の設備強化を行っています。このことは顧客サポートにもつながり、消費者ニーズにも応える花きの提案を行ってまいります。

 

(3)自然災害や疾病の流行などによる影響

 自然災害や疾病の流行などの有事が発生した場合、当社グループで人的・物的被害を受けたり、有事により社会情勢が大きく変化した際に、全部の事業、又は一部の事業の継続が困難になるなど影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクに対応するため、事業継続計画を作成し、有事での対応、手順を整え備えております。

 

(4)債権回収リスク

 当社グループは売上債権及び貸付金の貸倒による損失に備えて貸倒引当金を計上しております。取引先の信用力や支払条件等、与信リスクの最小化を図っておりますが、花店の経営において花きは“フレッシュ”であることが求められ、在庫期間が短いという商品特性上在庫が直ちに損失となる可能性が高く、これにより取引先の経営・資金繰りが悪化した場合には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクに対応するため、営業本部を中心に部署横断で顧客管理を行い、債権管理も含めた取引先のリスク管理に努めております。

 

(5)法的規制について

 当社は生鮮食料品等の取引の適正化等を目的とする「卸売市場法(1971年法律第35号)」及び卸売市場法に基づく「東京都中央卸売市場条例」その他関係諸法令による規制の対象となっております。2020年6月21日、卸売市場法の改正が施行され卸売市場の規制が大きく緩和されました。このことは花き卸売事業を花き流通の要と捉えている当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクに対応するため、法令順守に努める一方で、花きを取り巻くシーンで卸売市場流通が生活者視点でのインフラとして認識されるように花き流通のプラットフォーマーの役を担い、顧客に寄り添い、必要とされるグループとなるように努めてまいります。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様が長期的かつ安定して保有していただくために、安定した配当を継続的に行っていきたいと考えております。その上で、事業年度の収益状況や今後の見通し、配当性向、キャッシュ・フローなどを勘案し、将来における安定的な企業成長と環境変化に対応するために必要な内部留保金を確保しつつ、適切な配当を実施してまいります。
 併せて企業体質の強化ならびに競争力を増強するための戦略的投資に備えるため内部留保資金を継続して確保してまいります。剰余金の配当等の決定機関は取締役会であり、期末配当の年1回を基本的な方針としております。なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定めております。
 この基本方針に基づき、当期の剰余金の配当につきまして、1株当たり普通配当12円とさせていただきました。


 基準日が当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2024年5月24日

61,052

12

取締役会決議