2025年4月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)事業運営上のリスク

① 原材料の高騰

当社グループでは、自然災害や異常気象の発生に伴う農作物の収穫量や水産物の漁獲高の減少により、需給バランスが変動し、さらに為替の変動が重なることで、主要原材料である米を含む食材の安定的な確保に支障が生じる可能性があることを、事業運営上の重要なリスクとして認識しております。特に、米価の高騰は当社グループのコスト構造に大きな影響を及ぼす要因の一つと考えております。また、世界情勢の変化等によりその他の食材価格が高騰した場合にも、業績に影響を及ぼす恐れがあります。

このようなリスクに対しては、米をはじめとする原材料について複数の仕入先・産地からの購買やレシピの変更等により調達リスクの分散を図るとともに、店舗においてはメニュー構成や商品構成の見直しを通じて客単価の向上に努め、売上総利益の確保及び価格改定の実施により、影響の最小化に取り組んでおります。

② 出店

出店につきましては、立地条件、賃借条件及び店舗の採算性等を勘案し、決定しております。希望条件通りの物件が見つからない、店舗運営に必要な人材確保が困難等により出店が不可能な場合や出店先である商業施設等の閉鎖及び極度の集客力低下、近隣への競合店舗の出店等、出店後に環境が大幅に変化した場合におきましては、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては店舗開発部門において随時、開発事業者及び不動産会社から物件や当該物件周辺の状況等の情報を収集し、出店不可能や出店後の環境悪化の回避に取り組んでおります。

③ 新業態開発

当社グループでは、外食事業及びテイクアウト事業において、顧客層のニーズに応じた新業態の開発を進めることで業容拡大を図っております。しかしながら、これらに続く新業態の開発及び事業化が計画どおりに進まず、遅延が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があることを、事業運営上の重要なリスクとして認識しております。

このようなリスクを低減するため、当社グループでは各事業部門とは別に新業態開発専任の部門を設置し、開発や事業化に支障や遅延が生じないよう体制を整えております。

④ 店舗の賃借物件への依存

当社グループでは、店舗展開にあたり、店舗の賃貸人と定期建物賃貸借契約等を締結し、その契約内容に基づき敷金・保証金及び建設協力金を差し入れております。しかしながら、賃貸人の破産等が発生した場合、これらの資金の回収が不能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があることを、事業運営上の重要なリスクとして認識しております。

また、賃貸借期間については、賃貸人との合意により更新が可能ではあるものの、賃貸人側の事情により更新ができない場合や、更新時の家賃の値上げ等により計画外の退店が発生した場合にも、業績に影響を及ぼす恐れがあります。

さらに、店舗等における定期建物賃貸借契約等で規定される原状回復義務については、原状回復工事費用が高騰した場合に資産除去債務の見積額を再計算する必要が生じ、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 固定資産の減損

当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、主に店舗を単位とし、遊休資産は個別の物件ごととし、同様の単位で減損処理の可否の判断をしております。固定資産の収益性低下による投資額の回収が見込めない店舗等の増加により多額の固定資産の減損損失が計上された場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 海外進出

当社グループでは、国内における人口減少や少子高齢化等の影響による売上規模の縮小に対応するため、タイ王国やベトナム等の東南アジアにおける事業拡大を戦略の一つとして位置付けており、海外子会社を通じて直営店の運営を行っております。しかしながら、海外子会社の展開国においては、戦争、政情不安、経済情勢の変動、法規制の変更、自然災害の発生、さらには各国特有のビジネス慣習等、予測が困難なリスクが存在しており、これらが当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があることを重要なリスクとして認識しております。

 

 

⑦ 有利子負債

当社グループの2025年4月期末における有利子負債残高は166億66百万円となっており、総資産に対する割合は72.6%と高い水準にあります。このように有利子負債依存度が高い状況下で、今後さらに金利の上昇が続いた場合には、支払利息の増加等により当社グループの財政状況や業績に影響を及ぼす可能性があることを、事業運営上の重要なリスクとして認識しております。

当社グループでは、こうしたリスクに対して、営業キャッシュ・フローの状況に応じて設備投資総額を適切にコントロールする等、財務の健全性を維持するために必要な対応を継続的に実施してまいります。

 

(2)食の安全性

食中毒・健康被害等の重大事故の発生により、食品等の廃棄、営業許可の取消、営業停止、信用の低下等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、コンプライアンス・危機管理委員会の下に食の安全委員会を設置し、グループ各社が品質管理等に関する情報共有をするとともに、内部監査室による定期的なグループ内店舗の衛生状態の点検を実施し、食中毒や異物混入等の事故防止に努めております。

 

(3)人的資本

当社グループの円滑な事業運営を継続するためには、パートタイマーを含めた人員の安定的な確保及び人材育成が不可欠であると認識しております。新入社員や中途社員の採用等、継続的な人材確保に注力しておりますが、計画どおりの採用が進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があることを、事業運営上の重要なリスクとして認識しております。また、店舗責任者や経営幹部等の人材育成をはじめとした育成対応が遅れた場合には、組織運営力の低下を招き、事業運営に影響を及ぼす恐れがあります。

 

(4)業績の季節偏重

当社グループの主力事業である「外食事業」及び「テイクアウト事業」の需要は、忘新年会や歓送迎会、おせち販売や節分等の季節イベントに合わせて高まることから、当社グループの売上高及び営業利益は下半期に偏重する傾向にあります。なお、2025年4月期における当社グループの四半期毎の業績推移は下記のとおりです。

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高(百万円)

6,884

6,971

8,405

7,179

29,440

構成比(%)

23.4

23.7

28.5

24.4

100.0

営業利益(百万円)

46

△179

637

46

550

構成比(%)

8.4

△32.6

115.8

8.4

100.0

 

(5)顧客情報等のセキュリティ

当社グループの当該顧客情報につきましては、厳重に運用・管理しておりますが、不正及びハッキング等の発生等により顧客情報が漏洩した場合、損害賠償の発生や信用の失墜等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社はグループ全体のセキュリティ対策としてウイルス対策ソフトやソフトウエア更新による脆弱性解消に努めております。

 

(6)大規模災害、感染症等

気候変動に伴う異常気象の影響による地震、台風、集中豪雨等の大規模な自然災害や、感染症の発生、さらに事故等による交通遮断により、当社グループの製造、物流、販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害が生じる可能性があります。これらの事態が発生した場合、製造活動の停止、店舗の休業、交通網の遮断に伴う商品供給の遅延などが生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす恐れがあることを、事業運営上の重要なリスクとして認識しております。

 

(7)法令諸規制について

当社グループは事業活動において、食品衛生法、食品表示法、環境・リサイクル関連法規、法人税等の事業運営に関わる各種法令・諸規制の適用を受けております。これらの法令・諸規制は将来的に新設、変更、または廃止される可能性があり、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす恐れがあることを認識しております。

 

 

(8)風評被害について

当社グループにおいて法令違反等の不適切な事象が発生した場合には、速やかに適切な措置を講じてまいります。しかしながら、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等を通じて発生し、または拡散した場合には、その内容が事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用を著しく毀損し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあることを認識しております。

 

(9)コンプライアンスについて

当社グループは、透明性の高い誠実な企業グループを目指し、コンプライアンス意識の浸透及び定着に継続的に取り組んでおります。管理すべきリスクを明確に定め、コンプライアンス管理体制の整備・充実を図り、コンプライアンス運営委員会を設置してグループ内の各種リスクを統括的に管理するとともに、適切な対応を行っております。しかしながら、従業員による法令違反や社内規定違反、または社会通念上不適切な行為等のコンプライアンス問題が発生した場合には、当社グループの社会的信用を毀損し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあることを認識しております。

 

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとしております。ROE(自己資本利益率)を向上させ、収益構造の構築に努め、財務体質の改善、配当性向並びに内部留保の充実等を総合的に勘案して安定的な配当を実施する方針であります。

剰余金の配当回数は、期末配当の年1回とすることを基本方針としております。なお、当社は、「取締役会の決議により、毎年10月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

当連結会計年度は、普通株主に係る配当につきましては、中間配当金1株当たり5円とし、期末配当金につきましても1株当たり5円を予定しております。A種優先株式に係る配当につきましては、定款及び発行要項の定めに基づき、中間配当金1株当たり20,276.18円とし、期末配当金につきましては1株当たり19,835.62円を予定しております。

また、内部留保金につきましては、出店・改装、新規事業開発、システム投資、M&A等、企業の継続及び発展のための資金として有効に活用してまいります。

 

決議年月日

株式の種類

配当の原資

配当金の総額

(千円)

1株当たり配当額

(円)

2024年12月16日

普通株式

その他資本剰余金

44,335

5.00

取締役会決議

2024年12月16日

A種優先株式

その他資本剰余金

16,220

20,276.18

取締役会決議

2025年7月29日

普通株式

その他資本剰余金

44,334

5.00

定時株主総会決議(予定)

2025年7月29日

A種優先株式

その他資本剰余金

15,868

19,835.62

定時株主総会決議(予定)