2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)国内市場・経済の動向及び人口の変動による影響について

 当社グループの売上は、その多くが酒類販売で構成されておりますが、酒類販売は、景気動向、人口変動、少子高齢化等による影響を受けやすく、これらの動向が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)労働環境の変化、人財の確保について

 当社グループが、今後更なる業容拡大を図るためには、配達職、パート・アルバイト労働者、優秀な人財の確保及び社内人財の育成、人財の外部流出の防止が重要な課題と考えております。足元ではEコマース市場の成長による宅急便需要の増加やサービスの高度化により、人財確保競争が激しくなっております。

 当社グループは、運転免許取得支援や社員寮の拡充、多様な働き方の提供や業務に見合った報酬体系を構築することで、配達職の確保に努めておりますが、今後、労働力の減少により人財確保競争の激化、景気回復、雇用環境の好転に伴う賃上げ圧力の増大、社会保障政策に伴う社会保険料率の引き上げ等による人件費の上昇、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法等により労働コストが増加した場合、社内人財の育成及び採用が進まない場合、人財が外部に流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)地震、台風、津波、豪雪等の自然災害について

 当社グループの店舗・施設の周辺地域において、予想を超える大地震・津波・風水雪害等の自然災害、火災等による、①商品、店舗、物流施設、情報システム及びネットワークの物理的な損害、②当社グループの販売活動や物流・調達活動の阻害、③料飲店等の事業運営に支障が出る等の場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの拠点が東京都23区に集中していることから、東京都23区及びその周辺において上記の自然災害が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法律、規制等の変更について

 当社グループは、国内で事業を遂行していくうえで、酒税法、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律、食品衛生法等様々な法的規制等の適用を受けております。これらの法律、規制、基準等が変更された場合、又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)税制改正について

 消費税や酒税等の税制改正により税率が引き上げられた場合には、顧客の消費が落ち込み、売上高の減少が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)酒類販売業免許について

 当社グループでは、酒税法に規定されている「酒類販売業免許」を取得しております。酒類販売業免許は酒類を継続的に販売すること(営利目的とするかどうか又は特定若しくは不特定の者に販売するかどうか問わない)が認められる免許で有効期限はありません。当該免許は、当社グループの主要な事業活動を継続する上で不可欠な免許であり、本書提出日までの間、取消事由は発生しておりません。しかしながら、将来において、当該免許の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)競合による影響について

 当社グループは、国内酒類市場において、飲食店向け販売及び家庭向け販売に事業展開をしております。飲食店向け販売については、当社グループを含めた大手酒販店での競争が激しくなっており、家庭向け販売については、酒類専門小売業者以外にも、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、インターネット通信販売等の大小様々な事業者が多く存在しており競争が激化しております。

 顧客の利便性を日々追求し、消費財流通サービスを飲食店向け販売及び家庭向け販売ともに拡大して参りますが、予期し得ない競合他社の活動、顧客嗜好の変化等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)特定商品への依存について

 当社グループは、ビール類が仕入高の重要な割合を占めております。ビール類以外の酒類全般における商品ラインアップの充実、酒類事業以外の飲料、食品の取扱い等の拡大を図っておりますが、市場動向によるビール類販売の大幅な減少等、予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)通信回線について

 通信網等の維持管理は電話事業者において行われており、当社グループが顧客にサービスを確実に提供するためには、電話事業者の通信網等が適切に機能していることが前提となります。電話事業者の通信網等が適切に機能していないことにより、受注業務等に支障が生じた場合、サービスの全部若しくは一部の停止、又は水準低下が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報セキュリティ及び個人情報の管理について

 当社グループは、情報セキュリティ及び個人情報保護を経営の重要課題の1つとして捉え、体制の強化や従業員教育などを通じて、システムとデータの保守・管理に万全を尽くしております。しかしながら、万一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合や不正利用等の事態が生じた場合は、社会的信用が毀損し、売上の減少又は損害賠償による費用の発生等が考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)重大交通事故による社会的信用低下について

 当社グループは、公道を使用して車両による配達サービス及び営業活動を行っております。当社グループは車両運行にあたり、人命の尊重を最優先とし、安全管理対策に努めておりますが、従業員が重大な交通事故を発生させてしまった場合には、社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)訴訟その他法的手続きについて

 当社グループは、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような訴訟等は発生しておりませんが、その事業活動の遂行において、消費者、取引先及び従業員等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しています。これらの手続きは結果の予想が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいて当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)業績の季節変動、天候等について

 酒類販売の需要は、季節や天候に影響を受けやすく、当社グループにおいては、3月や12月に需要が高まり、売上が増加いたします。このような繁忙期に季節変動や天候不順により営業に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)商品の安全性について

 当社グループは、商品の安全性に日頃より十分な注意を払い、商品管理の徹底、チェック体制の確立などに努めておりますが、取扱商品に重大な事故が生じた場合には、当社グループに対する信頼の低下、商品回収や廃棄等の対応コストが発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)レピュテーションリスクについて

 当社グループは、事業を遂行していくため、多くの従業員を雇用しておりますが、現在業績及び財務状況に影響を及ぼすような従業員等による不適切な情報発信からなる風評被害は発生しておりません。近年、社会的に、SNS等を用いた従業員による不適切な情報発信からなる風評被害が頻発していることを受け、当社グループでもSNSに関するガイドラインを設けて研修、教育を行い防止に努めておりますが、従業員から不適切な情報が発信された場合には、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)親会社との関係について

①資本的関係について

 当社の親会社である株式会社SKYグループホールディングスは、当連結会計年度末現在、当社発行済株式の47.1%を所有しております。同社から当社グループに対する事業上の制約はなく、当社グループの自主性・独立性は確保されておりますが、同社による議決権の行使の結果によっては、当社グループの意思決定に対して影響を与える可能性があります。

 

②人的関係について

 当社グループと株式会社SKYグループホールディングス及びその子会社(以下親会社グループ)との間で、役員の兼務、従業員の出向等の人的関係はありません。今後も親会社グループからの独立性を確保していくために、親会社グループとの間で役員の兼務、従業員の出向等は行わない方針であります。

 

③競合について

 親会社グループ各社の事業内容は、業務用食品・食材の企画・販売、オフィス建装、生花・花器・輸入及び販売、冠婚葬祭用の贈答品、投資事業等となっております。

 しかし、今後当社グループの経営方針及び事業展開を変更した場合、又は親会社グループ各社が経営方針及び事業展開を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に何らかの影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)感染症の発生について

 当社グループは、感染症の発生及び拡大に際して、顧客、取引先及び従業員の安全第一を考え、地域のライフラインとして営業継続するための対策を講じております。しかしながら、感染症の影響が当社グループの想定を上回る規模に拡大した場合、景気の悪化及び各種イベントの中止や延期等による酒類・飲料・食品の全体消費量の減少が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)M&A及び事業提携・資本提携について

 当社グループは、既存事業の規模拡大及び新たな事業分野に進出する際、M&A、資本提携を行う場合があります。実行するにあたっては対象会社に対して、入念な調査、検討を行いますが、実施後に業績未達等によるのれん等の減損、当初予期していなかった事業上の問題の発生・取引関連費用の負担等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、資本・業務提携については、当初に企図した成果が得られないと判断される場合は、契約の解消による出資の解消等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)減損損失について

 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。今後とも収益性の向上に努める所存でありますが、店舗業績の不振等により、固定資産及びリース資産の減損会計による損失を計上することとなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)資金調達及び調達コストについて

 当社グループは、資金の一部を有利子負債で調達しております。調達の際は、金利の変動リスクを軽減するために、固定金利による調達も一部利用しているものの、金利の大幅な上昇があった場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)国際情勢等の影響によるリスク

 当社グループが営業活動を行っている地域や、主要な取引先が営業活動を行っている地域がテロ・戦争等の国際紛争や貿易摩擦の影響を被った場合、サプライチェーンの寸断等により商品の仕入れが滞るなど、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループの配達業務には、軽油・ガソリンなどの燃料が不可欠であり、世界的な原油価格の高騰や為替変動による燃料価格の想定を超えた値上がりは、コストの増加要因となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)財務制限条項等

 当社の借入金の一部には財務制限条項及び資産制限条項が付されております。財務制限条項及び資産制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 財務制限条項等の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係 5 財務制限条項等」に記載のとおりであります。

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置付け、将来における持続的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保を講じつつ、利益の還元を安定的かつ継続的に行うことを基本方針としております。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり50.0円の配当(うち1株当たり中間配当25.0円)を実施することを決定いたしました。

 当社の剰余金の配当は、毎年9月30日を基準日とする中間配当及び毎年3月31日を基準日とする期末配当の年2回を基本方針としており、このほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。また、会社法第459条第1項各号の定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。

 この基本方針に従って、安定的かつ継続的な配当水準の向上に努めてまいります。内部留保資金につきましては、事業基盤拡充のための積極的な投資並びに財務体質の強化のための原資として有効活用し、安定的かつ継続的な成長に努めてまいります。

 

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月14日

240

25.0

取締役会決議

2024年5月28日

241

25.0

取締役会決議