2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,292名(単体) 2,767名(連結)
  • 平均年齢
    38.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    10.1年(単体)
  • 平均年収
    7,828,240円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

半導体製造装置

1,564

(698)

計測機器

986

(467)

全社(共通)

217

(93)

合計

2,767

(1,258)

 

(注) 1.従業員数は就業人員数です。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数です。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,292

38.9

10.1

7,828,240

(804)

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

半導体製造装置

904

(565)

計測機器

313

(193)

全社(共通)

75

(46)

合計

1,292

(804)

 

(注) 1.従業員数は就業人員数です。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数です。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合はJAMに加盟しています。なお、労使関係について特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1.

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

2.6

54.2

57.4

74.6

61.1

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.正規雇用労働者 :社外への出向者、社外からの受入出向者、年度途中での入社・退職者、休職者を除く。

4.パート・有期労働者 :契約社員、パート、嘱託社員。

5.賃金 :通勤手当等を除く。

6.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の割合を記載しています。なお、同一資格における男女間の格差はなく、資格別人員構成の差によるものです。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1.

男性労働者の

育児休業取得率(%) (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1.

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱東精エンジニアリング

0.0

73.3

44.4

83.4

61.0

㈱トーセーシステムズ

0.0

100.0

72.5

73.1

77.2

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.正規雇用労働者 :社外への出向者、社外からの受入出向者、年度途中での入社・退職者、休職者を除く。

4.パート・有期労働者 :契約社員、パート、嘱託社員。

5.賃金 :通勤手当等を除く。

6.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の割合を記載しています。なお、同一資格における男女間の格差はなく、資格別人員構成の差によるものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) ガバナンス及びリスク管理

当社グループは企業理念のもと、お客さまであるモノづくり企業の製造プロセスや省エネ・省資源製品に不可欠な精密測定機器、半導体製造装置の提供を通じて、社会の利便性向上と環境負荷低減に貢献してきました。

一方で、企業を取り巻く環境が大きく変化するなか、当社グループはサステナビリティが重要な経営課題であることを認識し、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目的とした取り組みの指針となるサステナビリティ基本方針を制定しています。

 

(サステナビリティ基本方針)

1. 環境問題への取り組み

提供する製品のライフサイクルを含む全てのバリューチェーンを通じて、CO2排出量削減、廃棄物削減と再利用促進、生物多様性を含めた地球環境保護などに取り組むことで、人と地球環境を大切にする社会の実現に貢献します。

2. 社会からの信頼の確立

あらゆる法令や規則を厳格に遵守し、公正な競争、お客様のニーズに合致した安全かつ高品質な製品・サービスの安定的な提供、製品や企業情報の適切な開示など誠実かつ公正な企業活動を遂行するとともに、お客様をはじめ事業活動に関わるすべてのステークホルダーの情報資産の管理・保護を徹底し、社会から高い信頼を得る経営を実現します。

3. 人権の尊重

性別、国籍などの個人の属性に関わらず、社会的に弱い立場にある人を含むすべてのステークホルダーの人権を尊重するとともに、多様な従業員がいきいきと働き一人ひとりの能力を最大限発揮できる、安全・健康で働きがいのある職場づくりを推進します。

4. 人財育成

従業員は、当社グループの財産です。従業員とともにWIN-WINの仕事で世界No.1の商品を創るためには、従業員一人ひとりがプロフェッショナル人財として自らの強みを最大限に発揮するとともに、多様な人財の多様な価値観を受け入れ、認め合い、お互いの強みを引き出し、ともに成長していくことが必要です。

当社は、そうした従業員の成長を支援するため教育研修をはじめとしたプログラムを用意するとともに、多様な人財が働きがいを感じられる職場環境の構築に取り組んでいきます。

5. 地域社会への参画と貢献

事業活動を通じて社会に貢献するとともに、企業市民として健全で持続可能な社会づくりのため、各地域の課題、ニーズに応じて解決に向けた社会貢献活動を実践することで、地域社会の活性化や生活環境の改善に向けた取り組みを推進します。

6. 公平、透明で効率的なガバナンス体制の構築と運営

株主の皆様の権利を尊重し経営の公平性・透明性を確保するとともに、企業理念の実現に向けて、コーポレートガバナンスを経営上の重要課題と位置づけ、迅速かつ的確な意思決定および監督機能の強化を図ります。また、中長期にわたる企業価値向上と経営の健全性維持のため継続的にコーポレートガバナンスの充実に取り組みます。

 

 

当社グループは、サステナビリティ活動の推進強化を目的として、2021年11月に体制を再編し、CSR推進委員会を発展させたサステナビリティ委員会を新設しました。

代表取締役会長を委員長とする同委員会は、年2回の定期開催のほか、必要に応じ臨時で開催され、サステナビリティ活動に関する企画・立案・計画・実施を統括し、基本方針の策定や、運営体制の構築、目標・指標の設定/審議に加え、情報のモニタリングや調査を実施するとともに、執行役員会議や取締役会への報告・提言等の活動を推進しています。

本委員会の傘下には、3つの重要課題対応チームを設置しています。また、重要項目の検討や立案等が必要な場合には、本委員会の委員長が分科会を任命し、対応を図っています。

 


 

 

(2) サステナビリティへの取り組み

事業と社会の持続可能性を追求する上で、社会課題や環境課題への対応が加速している時代の流れに則したマテリアリティ(重要課題)への対応が重要になっています。

当社グループは、2025年度-2027年度中期経営計画の策定に伴い、サステナビリティ基本方針(環境問題への取り組み、社会からの信頼の確立、人権の尊重、人財育成、地域社会への参画と貢献、公平、透明で効率的なガバナンス体制の構築と運営)に基づき、事業活動のバリューチェーンの状況と環境、社会への影響など配慮すべき課題を整理し、マテリアリティを見直しました。具体的な取り組みや目標を示し、従業員一人ひとりの取り組むべき課題を明確化し、その業務の価値を理解しやすくすることでモチベーションの向上につなげるとともに、今後も必要に応じて適宜見直していきます。

テーマ

マテリアリティ

優先的な活動(2025年度中期計画)

豊かな社会の実現に貢献

社会課題を解決する製品の創出と提供

社会課題を解決する新製品やサービスの提供

未来を創り社会を豊かにする
半導体製造への貢献

製品及びサービスの普及

精密測定を通じたモノづくりの
イノベーションへの貢献

製品及びサービスの普及

持続可能な社会づくりに貢献する事業活動の推進

バリューチェーンにおける
温室効果ガスの削減

事業のCO2排出量削減

エネルギー管理の徹底

地球環境に貢献する製品の創出と提供

環境に配慮した製品開発

環境保全と資源管理の最適化

水使用量の削減

有害物質管理の徹底

生物多様性保全活動の推進

サーキュラー・エコノミーの実現

資源循環(サーキュラーエコノミー)への移行

環境マネジメントシステムの高度化

ISO14001維持管理

ステークホルダーの信用・信頼に応える企業姿勢の維持・強化

バリューチェーンにおける
サステナビリティの推進

サステナブル調達の推進

人権の尊重

製品品質と安定供給の確保及び
カスタマーサポートの充実

顧客満足度の向上

品質管理の高度化

ステークホルダーエンゲージメントの推進

IR活動推進

産官学連携での技術発展への貢献

地域美化活動の推進

迅速・公正な情報開示

多様な人々が前向きに活々と働ける職場環境の醸成

多様性・公平性・包摂性(DE&I)の推進

女性活躍推進(女性中核人財の採用と育成)

障がい者が活躍できる職場環境の整備

心身ともに健康で安全に働ける職場づくり

従業員の健康推進に資する施策の周知と強化

従業員の安全衛生意識の向上

従業員エンゲージメントの向上

パーパス、ビジョンの浸透

失敗を恐れずにより高度な課題にチャレンジできる風土の醸成

カンパニーや部門間の垣根を越え、一体感のある組織風土の醸成

公正な企業活動の基盤となるガバナンスの強化

コーポレート・ガバナンスの強化

企業倫理・法令順守の厳格化

適時・適切な情報開示

コンプライアンスの強化

内部統制機能の維持・向上

リスクマネジメントの推進

リスクマネジメントの強化

情報セキュリティ対策強化

サイバーセキュリティの強化

事業基盤の強化

人財育成の推進

イノベーション創出に繋がる人財育成

自律型人財の育成

職種ごとに必要なスキル標準の作成

研究開発力の強化

最先端技術への対応力強化

知的財産の管理と活用

知的財産投資・活用

DXの推進

デジタル技術活用(DX推進とAI活用)

変革を支える企業風土の醸成

当社パーパス浸透のための施策の推進

持続可能な安定経営の実現

リカーリングビジネスの強化

事業継続計画の継続的な見直しと改善

効率的な資本の活用

公正な利益分配

 

 

 

(3) 気候変動への取り組みとTCFDへの対応

当社グループは、気候変動がもたらす気温上昇や自然災害の激甚化等が社会経済に及ぼす影響は大きく、当社事業においても大きなリスクと考えています。一方で、気候変動への対応を進めることで、企業の強靭化や製品競争力強化につながるほか、事業の拡大といった機会にもなりえると考えています。

当社グループは、2021年8月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応プロジェクトを発足し、2022年3月にTCFDの提言への賛同を表明し、サステナビリティ委員会の重要活動として推進してきました。2023年11月にTCFD対応プロジェクトを発展させた気候変動対応ワーキンググループを発足し、気候変動が事業に与えるリスクと機会を分析し、課題を共有・展開するとともに、TCFDの枠組みに基づいた気候関連財務情報の開示を進めています。

 

① ガバナンス

当社グループは、気候変動を経営上の重要課題として認識しており、気候変動問題に関するリスク・機会の管理をサステナビリティ委員会で審議し、その内容を定期的に取締役会に付議・報告します。

サステナビリティ委員会の委員長は代表取締役会長が務め、年2回定例のサステナビリティ委員会で審議するとともに委員長が必要と認める場合、取締役会に付議・報告します。

取締役会では気候変動にかかるリスク・機会の課題を共有し、目標管理や課題解決に向けた議論を行います。各取締役は、刻々と移りかわる気候変動関連の状況を把握するために、さまざまな機会や方法を通じて情報収集を行い、知見を深めています。

② リスク管理

気候変動対応ワーキンググループでは、気候変動に関するリスク(移行/物理)の特定・評価を行っています。本ワーキンググループは原則月に1回、その他緊急性に応じて開催し、サステナビリティ委員会へ報告します。事業経営に影響すると思われる事案に関しては、委員会より取締役会に速やかに報告し、審議されます。

その他の事業リスクを管理するリスク管理委員会とも情報共有し、社内全体の対応にあたります。

③ 戦略

当社国内事業所を対象にScope1とScope2の分析を行っています。国内および海外子会社グループ企業のGHG排出量については、今後モニタリングを進めながら順次対応していく予定です。Scope3については、排出量が大きいと予測されるカテゴリ1とカテゴリ11の把握を進めてきました。2025年より他のカテゴリの把握を進めています。

シナリオ分析は将来予測の不確実性を考慮し、複数のシナリオを参照して検討を行いました。2℃未満シナリオのもとでの対応では不十分との国際的な世論が形成されつつあり、1.5℃シナリオを視野に入れて分析を行いました。一方、1.5℃シナリオへの対応では、物理的リスクへの意識が希薄化することから、現状の経済活動を継続した場合に気温が上昇する4℃シナリオでの事業環境を想定しました。

また、環境リスク・機会の再分析を行い、中期・長期で取り組むアクションを以下のように見直しました。

・気候変動に対する全体像の整理と取組方針

・新規事業領域模索

・気候変動対応を起点としたBCPの強化

・LCA・Scope3(顧客・サプライヤとの連携含む)

 

※参照したシナリオ

1.5℃シナリオ:(IEA ) NZE 、 1.5℃ 特別報告書  (IPCC ) SSP1-1.9

4℃シナリオ:(IEA ) STEPS  (IPCC ) SSP2-4.5 、 SSP3‐7.0

 

 

(リスク機会と事業インパクトの分析)

シナリオ

リスク機会

 

イベント

内容

財務インパクト

発生時期

1.5℃

リスク

規制

カーボンプライシング

・炭素税導入による原材料・資機材・エネルギー・輸送費用等の上昇

・国境炭素税の導入により製品輸出への制約

▲▲

中期

市場

EV化

・従来の事業・製品(内燃機関関連部品向け計測器)の需要縮小

▲▲▲

短期

脱炭素化プレミアム

・脱炭素化に伴う材料価格の高騰、調達難、代替品確保に伴うコスト発生

・非化石エネルギーの調達難や調達コストの上昇

▲▲

中期

評判

脱炭素化対応の遅れ

・気候変動対応をはじめとするESG対応の遅れは資金調達や取引関係に悪影響

▲▲

中期

機会

市場

EV化、電化・デジタル化

・EVの新たな素材・部品への計測需要が拡大・半導体利用が増加し、生産能力が拡張

▲▲▲

中期

再生可能エネルギー市場拡大

・再生可能エネルギー市場拡大に伴う計測機器需要の拡大

長期

資源効率エネルギー

生産設備

・工場内の省エネ対策(設備やプロセス)や資源の再利用により生産性向上と顧客の脱炭素化要望に対応

短期

製品サービス

低炭素製品・
サービス

・LCA観点による環境負荷の低減により市場での製品評価や優位性が向上

・顧客の軽量化ニーズを実現捕捉(計測製品需要拡大)

▲▲

短期

4℃

リスク

物理(急性)

激甚化災害の発現

・リスク対策費用(BCP対応)の増加

・被災による物的損害と復旧費用の発生

・被災による操業停止(自社・サプライヤー要因)

▲▲▲

中期

機会

レジリエンス

災害対応

・災害時における製品・サービスの安定供給により顧客生産体制の維持に貢献

▲▲

中期

 

凡例 財務インパクト:▲▲▲ 大、▲▲ 中、▲ 小 発現時期:短期2022~2024、中期2025~2029、長期2030~

 

④ グループ企業(国内および海外子会社)のGHG排出量のモニタリング

当社グループ企業のうち生産拠点におけるScope1とScope2のGHG排出量の調査を開始しました。

 

⑤ Scope3の開示に向けた取り組み

当社のほとんどの製品は、部品・部材を調達し、自社で製造・販売、お客さまの現場で稼働しています。そのため、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量を把握することが重要であると考えています。

2024年度より新たにScope3対応プロジェクトを発足し、カテゴリ1~カテゴリ15の把握を進めています。
 

 

 

⑥ リスクに対する戦略

(BCP・BCMS強化)

気候変動による自然災害などのリスクの高まりに加え、経済安全保障などの観点からも、有事の事業継続ニーズが高まっています。そうした背景を受け、当社では事業継続計画(BCP)および事業継続マネジメントシステム(BCMS)の強化に取り組んでいます。

また、気候変動に伴う災害激甚化に備え、自社工場の操業停止、サプライヤーや協力会社の被災を想定し、以下の計画・マネジメントを実施しています。

 

自社工場の被災想定  :当社工場(八王子、土浦、飯能、古殿)の浸水リスクを自治体のハザードマップなどを基に評価し、浸水リスクが十分に小さいことを確認しています。

サプライヤー・協力会社:取引金額や代替不可能性など、当社事業への影響の大きさを考慮のうえ、自治体のハザードマップや世界資源研究所(WRI)「Aqueduct Floods」などの評価ツールを用いて浸水リスクを評価し、リスクが高いと判断したサプライヤーに対しては、対策の検討を順次進めています。

 

⑦ Scope3(カテゴリー11)に対する戦略

LCAを元にしたScope3カテゴリー1, 11を算出した結果、半導体製造装置のカテゴリー11のインパクトが最も大きく、削減取り組みの重要度が高いことが分かりました。

半導体製造工程では、当社製品自体の電力消費に加えて、クリーンルームの維持や温度制御、半導体の洗浄に必要な超純水の製造でもエネルギーが消費されます。

また当社のLCA結果に基づくと、ダイシングマシンにおいては、間接排出量に関連するCO2排出量が、製品使用時の電力消費に関連するCO2と同程度か数倍となる場合もあり、その削減も重要となっています。当社としても、製品のフットプリント(専有面積)を削減することで、製品あたりに必要な空調のエネルギー削減や、半導体の切削・加工をより少量の水(超純水)で行える製品開発などに取り組んでいます。

当社の新製品開発における設計原則には、「コンパクト化」「ライフサイクルでの省エネ設計」「省資源設計」が含まれ、製品開発時に間接排出量に関するCO2排出も含めたLCAの評価と目標値の設定を行っています。

 

⑧ 目標・指標

当社グループは、2050年カーボンニュートラルを目指します。

当社は、2025年度および2030年度達成に向けたCO2(Scope1およびScope2)排出量削減目標を策定しています。当社が排出する温室効果ガス(GHG)は、工場操業時に使用される購買電力換算分の二酸化炭素(CO2)が大半を占めるため、省電力に重点を置いた活動に取り組んでいます。

今後半導体需要はますます拡大していくことが予想され、当社グループもこのニーズに応えていくため、生産能力の拡大を企図しており、エネルギー消費の増加が見込まれます。2023年度は、飯能工場の竣工と充放電試験装置事業の譲受に伴う古殿工場が傘下となったことから、購入電力量にあわせてCO2排出量が増えました。

今後は、省エネルギー活動の推進や太陽光発電システムの増設の計画とともに、非化石証明書を活用してCO2排出量削減に向けて取り組みます。

 

 

(CO2排出量削減目標)

2025年目標:2025年度までに、Scope1およびScope2の排出量を35%削減(2018年度比)

2030年目標:2030年度までに、Scope1およびScope2の排出量を50%削減(2018年度比)

 

対象範囲:当社単体

Scope1:自社による温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、自家発電、工業プロセスからの排出)

Scope2:他社から供給された電気、熱の使用に伴う間接排出(例えば電力会社からの買電など)

 

(CO2排出量の実績と2025年度の目標)

 

前5か年計画

新5か年計画期間*

 

2019年度

実績

2020年度

実績

2021年度

実績

2022年度

実績

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度(目標)

2030年度(目標)

排出量(t-CO2)

11,982

9,524

8,191

8,257

11,598

12,733

8,003

6,156

(2018年度比)

2.68%減

22.64%減

33.47%減

32.94%減

5.80%減

3.42%増

35.00%減

50.00%減

電力使用量(Mwh)

25,448

28,843

29,835

29,546

37,432

43,316

CO2排出量

生産高原単位
(t-CO2/百万円)

0.191

0.129

0.080

0.074

0.111

0.103

 

対象範囲:当社単体

2023年度の実績には、飯能工場の実績は竣工した7月以降、古殿工場の実績は事業譲受後の10月以降のデータが含まれます。

*2021年に削減目標値を見直し、期間を1年延長しました。

 

当社グループのサステナビリティへの取り組みに関する詳細は、当社ホームページにて開示しています。

https://www.accretech.com/jp/sustainability/index.html

 

 

(4) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

① 人財育成

従業員一人ひとりの成長は、当社グループが持続可能な成長を続ける上で不可欠なものであるという考えのもと、下記のとおり人財育成方針を定めています。

 

(人財育成方針)

当社グループのミッションは、

「世界中の優れた技術・知恵・情報を融合して世界No.1の商品を創りだし、皆さまと共に大きく成長していく」

「WIN-WINの仕事で世界No.1の商品を創ろう」です。

 

そして、そのミッションを果たすために求められる人財像は、以下のとおりです。

・お客さまの課題に向き合い、お客さまの課題を解決することで高い信頼を得られる人財

・多様な価値観を受入れ、相手の視点でものを見ることで、お互いの強みを引き出し、協力し合うことができる人財

・自らの思いを、技術や業務の革新につなげ、高い目標にチャレンジし、自律的に成長できる人財

 

当社グループは、最大の財産である従業員の成長を支援するため、以下の社内環境を整備し、施策を推進します。

・従業員の成長段階に応じた教育研修をはじめとした教育プログラムの提供

・現場でのチャレンジの場や上司とのコミュニケーションによる支援の場の設定

・多様な人財が働きがいを感じ、活躍できる環境づくりや各種施策の推進

 

(研修制度)

当社では、技術・営業・製造・サービス・管理の職種ごとにキャリアパスを設定しており、「従業員一人ひとりが、自主性に基づき教育研修に参加できる環境・機会(プラットフォーム)を提供する」、「会社が、従業員の成長タイミングに合わせ、必要な知識習得支援を行う」という考えに基づき、従業員の能力開発のためのさまざまな研修制度を設けており、人財育成に取り組んでいます。

 

研修は、共通研修、階層別研修、部門別研修に分かれており、それぞれの研修において、従業員がお互いに学びあう集合研修、実務を通じての成長を促すOJT、自律的な学びをサポートする自己啓発支援を実施しています。

・共通研修  : 全社共通で求められる知識・スキルの習得を目的として実施

・階層別研修 : 各職階において担当業務を遂行する上で必要となるスキルの習得を目的として実施

・部門別研修 : 組織別、業務別に必要となる専門性の高い知識を各部門で実施

 

共通研修(主要テーマ)

時間

人財育成力研修

1,541.9

360度フィードバック振り返り研修

703.5

e-learning

2,431.4

4,676.8

 

 

 

階層別研修(主要テーマ)

時間

新入社員研修

6,843.9

管理職研修

1,955.9

新任管理職向け研修

87.0

新任主任向け研修

319.1

新任主任補向け研修

406.1

デザインシンキング研修

277.4

30-40代向けライフプランセミナー

102.0

9,991.4

 

 

部門別研修(主要テーマ)

下記研修をはじめ、各部門で必要に応じた教育を実施しています。

(社内)技術研修、機械設計研修、電気回路設計研修、SEAJ推奨安全教育

(外部)プログラミングセミナー、ソフトウェア関連セミナー、半導体関連セミナー

 

 

(自律人財の育成)

当社では、自律的に成長する従業員の育成に向け、上司に対して「人財育成力研修」を推進しています。その研修を通じ、上司が「成長を促進する対話力」を身に付けることを目指しています。2025年3月末時点で、上司の78.4%が本研修を受講しており、部下育成に取り組んでいます。今後も引き続き、新たに上司となった従業員へ研修を実施していきます。

また、上司が自らの行動を客観的に振り返る機会として、360度フィードバックを年に一度実施するとともに、振り返り研修会を実施しています。

 

(自己啓発支援)

自己啓発の一環として、e-learningと通信教育を導入しています。コースは技術、ビジネス、マネジメント、PC、語学等のスキル、資格取得等幅広い分野の講座を用意し、従業員が身に付けたいスキルを自ら選択し、受講することができます。e-learningは受講料無料、通信教育修了者には受講料の全額補助を行っています。コース内容や補助を充実させることにより、従業員の成長に合わせ、スキルアップの支援をしています。

 

② 多様性

当社グループは、多様な視点や発想が、互いを刺激しあって新たな価値を創造し、個人の能力の総和を超える相乗効果を得ることができると考えています。そのため、年齢、性別、人種、宗教、出身国、障がい者等を理由とする一切の差別的行為を防止するとともに、多様な人財が、安全・健康で働ける職場の実現に努めています。

そして、従業員一人ひとりの個性が尊重され、自身の持つ能力を最大限発揮でき、やりがいを持って働ける環境を構築していきます。

 

 

(女性活躍の推進)

当社は、中核人財として女性が一層活躍できる組織の実現に向け、女性正社員の採用拡大及び職場環境の整備が喫緊の課題であると認識し、「女性活躍推進に関する行動計画」(2021年度-2025年度)を策定のうえ、各種施策を推進してきました。

その結果、2025年度末を目標として掲げていた各指標について、前倒しで達成することができました。これを受け、当社は新たに「女性活躍推進法に基づく行動計画」(2025年度-2026年度)を策定しました。

今後も、女性正社員の採用拡大を継続するとともに、これまで以上に女性の活躍を促進するための取り組みを強化し、持続可能な組織づくりを目指していきます。

 

<女性活躍推進に関する行動計画(2021年度-2025年度)における目標>

・採用者に占める女性割合(正社員) 20%

・従業員に占める女性割合(正社員) 10%

 

<女性活躍推進法に基づく行動計画(2025年度-2026年度)における目標>

・管理職及び主任、主任補の女性を2025年3月比で1.5倍以上とする

・フルタイム労働者の平均所定外労働時間を25時間未満とする

 

上記行動計画は、当社ホームページにて開示しています。

https://www.accretech.com/jp/sustainability/esg/diversity.html

 

 

2021年度末

実績

2022年度末

実績

2023年度末

実績

2024年度末

実績

採用者に占める女性割合(正社員)

17.0

18.3

22.1

21.8

従業員に占める女性割合(正社員)

7.4

8.5

10.3

11.6

 

 

管理職に占める女性割合、男性の育児休業取得率、男女賃金の格差につきましては、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載しています。

 

<具体的な取り組み>

女性採用

・新卒採用にて、女性学生の志望度向上を目的として、女性学生向けパンフレットを制作

(若手女性社員の座談会記事、入社15年目女性社員のインタビュー記事を掲載)

・新卒採用にて、理系女性との接点機会増加のためスカウトサービスを継続的に活用

女性社員のキャリア開発支援

・上司向けの人財育成力研修にて女性部下育成に関する意識啓発を実施

上司が部下との個別面談を通し、女性活躍推進に取り組んでいます

・外部カウンセリングサービスを2022年4月より導入(女性に限らず、全従業員利用可能)

女性社員交流の場

・女性新入社員には女性先輩社員をパートナーに選定し、定期的な面談等による交流を促進

 

 

(障がい者雇用の推進)

障がい者の方々が社会的に自立し活躍できる職場づくりに取り組んでいます。ハローワークとの連携や、就労支援機関や特別支援学校等との協力により、個々の適性に合った業務や職場への就労支援を行っています。

 

<具体的な取り組み>

雇用の創出

・障がい者が成長を実感し、会社へ貢献することを通じて、働きがいをもって就業できる職場づくりを目的として、2023年4月より、障がい者を中心とした職場を設置。サポート専任者を配置し、障がい者3名で稼働を始め、2025年4月時点で障がい者16名まで拡大。事業部門より、スキャン業務や組立業務等を委託され行っています

・障がい者雇用への理解を深めるためのe-learningを実施し、障がい者のいない部門へ雇用への理解と業務創出について依頼

連携

・就労支援機関、特別支援学校等と協力して職場見学や実習の実施

・地域企業と障がい者雇用に関する情報交流を継続的に実施

支援

・受入部門の社員がサポーター養成講座に参加し、受入体制を強化

・障がい者支援専任者の採用

 

 

2021年6月

2022年6月

2023年6月

2024年6月

障がい者雇用率

1.95

2.07

2.17

2.43

法定雇用率

2.30

2.30

2.30

2.50

 

 

(外国籍及び中途採用者雇用)

当社において中途採用人財は既に欠かせない戦力となっています。また当社は国籍に関わらず優秀な人財を採用、登用しています。中途採用人財、外国籍人財いずれも多様な視点や発想及び海外との緊密な連携等に大きな力を発揮しています。

当社の管理職における外国籍従業員割合は0.4%、同中途採用者割合は43.9%です。

 

③ エンゲージメント

当社グループが変化の激しい環境の中で大きな成長を実現するためには、従業員が能力を最大限に発揮し、最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが重要と考えています。

当社では、従業員の創造力やチャレンジスピリットを育み、モチベーションの向上を図ることを目的として、改善提案表彰、技術表彰、新事業企画提案表彰の制度を設けています。受賞者については、社内報での特集や成功事例報告会での発表の場を設ける等、会社として創意工夫や新しい取り組みへの挑戦を評価していることを従業員へ周知しています。

また、当社では、従業員のエンゲージメントの状態を測定するため、2023年3月よりエンゲージメントサーベイをスタートしました。各部門と連携し、職場の実態にマッチするエンゲージメント向上施策を検討していきます。

 

④ 健康

当社グループは、人がその能力を最大限に発揮していきいきと働くためには、心身ともに健康で、家族も健やかであることが大切であると考えています。当社グループでは、従業員とその家族の健康な生活を後押しし、長時間労働を避けるための就労時間管理を厳格に行う等、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

 

 

(ストレスチェック実施)

当社は毎年、定期健康診断、人間ドック、婦人科健診など社員の健康チェックを実施し、有所見者への再検査勧奨や特定保健指導を行っています。また、ストレスチェックについては、海外赴任者や出向者も含めて受検率が99%を超えており、自身のメンタル不調に早く気づいてもらうきっかけとして運用が定着しています。ストレスチェック結果については、法令に従った個人結果管理と本人へのフィードバック、高ストレス者への産業医面談を実施しています。さらに、組織分析を行い、リスクコンプライアンス委員会及び安全衛生委員会に報告の上、職場の環境改善に取り組んでいます。

 

(健康増進)

当社は、従業員が心身ともに健康で働けるよう専属産業医と連携し、面談等による従業員のフォローや所属部門長へのフィードバック、健康トピックの動画配信、衛生講話ビデオ、社内報での健康増進コラム連載等を進めています。

また、健康保険組合連合会東京連合会に「健康企業宣言」を行い、2020年8月に「健康優良企業 銀」を取得しました。

 

「健康企業宣言」は、当社ホームページにて開示しています。

https://www.accretech.com/jp/sustainability/esg/health.html

 

(ワークライフバランス)

当社グループでは、従業員一人ひとりが仕事と生活を両立しながら、その能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。

子育てや家族の介護、病気やケガなど、さまざまな事情を抱える従業員を支援するため、当社では法定基準を大きく上回る独自の休業制度を設けています。

さらに、従業員が仕事と子育てを両立し、すべての従業員が安心して働ける環境を実現するため、「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画(2025年度-2026年度)を策定しました。

 

各種制度、並びに上記行動計画は、当社ホームページにて開示しています。

https://www.accretech.com/jp/sustainability/esg/work_life_balance.html