2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

消化器内視鏡ソリューション サージカルインターベンション その他 内視鏡 治療機器
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
消化器内視鏡ソリューション 697,359 69.0 136,359 112.8 19.6
サージカルインターベンション 313,109 31.0 -14,986 -12.4 -4.8
その他 208 0.0 -499 -0.4 -239.9

3【事業の内容】

 当社グループは、オリンパス株式会社(当社)、子会社80社、関連会社2社及び共同支配企業1社で構成されており、消化器内視鏡ソリューション事業及びサージカルインターベンション事業を主な事業とし、さらに各事業に関連する持株会社及び金融投資等の事業活動を展開しています。
 次の「消化器内視鏡ソリューション事業」及び「サージカルインターベンション事業」の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に掲げるセグメントの区分と同一です。

 なお、当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとしていましたが、中間連結会計期間より、「消化器内視鏡ソリューション事業」及び「サージカルインターベンション事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。

 

区分

主要製品及び事業の内容

主要な会社名

消化器内視鏡ソリューション

消化器内視鏡、消化器科処置具、
医療サービス

当社

(連結子会社)

オリンパスメディカルシステムズ㈱、

オリンパスマーケティング㈱、
会津オリンパス㈱、白河オリンパス㈱、長野オリンパス㈱、

青森オリンパス㈱、ティーメディクス㈱、
Olympus America Inc.、Olympus Europa SE & Co. KG、

Olympus Deutschland GmbH、

KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd.、
Olympus Winter & Ibe GmbH、

Olympus (Beijing) Sales & Service Co.,Ltd.、

Olympus (Suzhou) Medical Device Co., Ltd.、
Olympus Korea Co., Ltd.、Olympus Singapore Pte. Ltd.、

Olympus Vietnam Co.,Ltd.

(共同支配企業)

Swan EndoSurgical, Inc.

サージカルインターベンション

泌尿器科製品、呼吸器科製品、

外科内視鏡、

エネルギー・デバイス、

耳鼻咽喉科製品、婦人科製品

当社

(連結子会社)

オリンパスメディカルシステムズ㈱、

オリンパスマーケティング㈱、
白河オリンパス㈱、青森オリンパス㈱、ティーメディクス㈱、

Olympus America Inc.、Olympus Europa SE & Co. KG、

Olympus Deutschland GmbH

Gyrus ACMI, Inc.、Olympus Winter & Ibe GmbH、
Olympus (Beijing) Sales & Service Co.,Ltd.、
Olympus Korea Co., Ltd.、Olympus Singapore Pte. Ltd.

(関連会社)

ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ㈱

共通

持株会社、金融投資

当社

(連結子会社)

Olympus Corporation of the Americas、

Olympus Europa Holding SE、Olympus Europa SE & Co. KG、

Olympus (China) Co.,Ltd.、

Olympus Corporation of Asia Pacific Limited.、
Olympus Global Treasury Services Limited

 

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、当社グループの2026年3月31日現在の状況は次のとおりです。

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

① 業績

 当期における世界経済は、緩やかに回復しているものの、中東情勢に加え、アメリカの関税をはじめとする通商政策による下振れリスクや、金融資本市場の変動等の影響、欧米の政策を巡る動きなど、国際情勢に起因する不確実性に注視する必要があります。わが国経済においても、景気は緩やかに回復している一方で、世界経済の先行きを注視する必要があります。

 こうした環境下において、当社グループは、私たちの存在意義である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」に向けて、引き続き取り組んでいます。

 

業績の状況

 以下(1)から(10)は継続事業の業績を、(11)は継続事業と非継続事業の合計の業績をそれぞれ示しています。

(単位:百万円)

 

2025年3月期

2026年3月期

増減額

増減率(%)

(1)売上高

997,332

1,010,676

13,344

1.3%

(2)売上原価

313,635

356,586

42,951

13.7%

(3)販売費及び一般管理費

495,654

507,080

11,426

2.3%

(4)持分法による投資損益/
その他の収益/その他の費用

△25,581

△49,890

△24,309

-

(5)営業利益

162,462

97,120

△65,342

△40.2%

(6)調整後営業利益

188,509

143,310

△45,199

△24.0%

(7)金融損益

△3,392

△3,126

266

-

(8)税引前利益

159,070

93,994

△65,076

△40.9%

(9)法人所得税費用

41,270

25,822

△15,448

△37.4%

(10)継続事業からの当期利益

117,800

68,172

△49,628

△42.1%

(11)親会社の所有者に帰属する当期利益

117,855

68,172

△49,683

△42.2%

為替レート(円/米ドル)

152.58

150.77

△1.81

-

為替レート(円/ユーロ)

163.75

174.79

11.04

-

為替レート(円/人民元)

21.10

21.25

0.15

-

 

(1)売上高

 消化器内視鏡ソリューション事業は増収、サージカルインターベンション事業は減収となり、前期比133億44百万円増収の1兆106億76百万円となりました。詳細は以下のセグメント別の動向に関する分析に記載しています。

(2)売上原価

 前期比429億51百万円増加の3,565億86百万円となりました。売上原価率は、米国関税の影響やセールスミックスの悪化により、35.3%と前期比3.8ポイント悪化しました。

(3)販売費及び一般管理費

 前期比114億26百万円増加の5,070億80百万円となりました。販売費及び一般管理費の対売上高比率は、セールス機能及び製造機能に係る費用の増加により、50.2%と前期比0.5ポイント悪化しました。

(4)持分法による投資損益/その他の収益/その他の費用

 持分法による投資損益、その他の収益およびその他の費用の合算で498億90百万円の費用となり、前期比で損益は、243億9百万円悪化しました。

 持分法による投資損益に関しては、エンドルミナルロボット製品の開発を目指して設立された合弁会社Swan EndoSurgical,Inc.にRVLHC SE Holdings, LLCと共同で出資し、当出資に関して約44億円の費用計上を行った影響で、前期比で41億66百万円悪化しました。

 その他の収益に関しては、前期に当社の連結子会社であるOlympus (Shenzhen) Industrial Ltd.が中国・深圳市に保有する土地使用権及び建物を深圳市政府へ返還したことに伴う補償金約12億円を計上していた一方で、当期は株式会社エビデントとのライセンス使用許諾等に関する合意に基づく対価約60億円や、当社の連結子会社であるOlympus Czech Group, s.r.o.が保有する建物の売却益約12億円を計上しており、前期比で60億99百万円増加しました。

 また、その他の費用に関しては、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約86億円減少したことに加え、前期に計上していた社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用約29億円がなくなったものの、グローバルレベルで組織体制を変革し、ポジションの最適化を図るための施策の実施に伴う費用約269億円や、サージカルインターベンション事業における一部の技術関連資産等の無形資産の減損損失約16億円を計上したことや、消化器内視鏡ソリューション事業およびサージカルインターベンション事業における開発資産の減損損失がそれぞれ約34億円、約25億円増加したことにより、前期比で262億42百万円増加しました。

(5)営業利益

 上記の要因により、前期比653億42百万円減益の971億20百万円となりました。

(6)調整後営業利益

 営業利益からその他の収益およびその他の費用を除外した調整後営業利益は、上記の要因により、前期比451億99百万円減益の1,433億10百万円となりました。

(7)金融損益

 金融収益と金融費用を合わせた金融損益は31億26百万円の損失となり、前期比で損益は2億66百万円改善しました。前期比では為替差損が縮小した一方で、当期はSwan EndoSurgical,Inc.に対するオプションの公正価値評価を計上していることに加え、借り換えによる借入利率の上昇に伴い支払利息が増加しました。

(8)税引前利益

 上記の要因により、前期比で650億76百万円減少となる939億94百万円となりました。

(9)法人所得税費用

 税引前利益が減少したことにより、前期比で154億48百万円減少し、258億22百万円となりました。

(10)継続事業からの当期利益

 上記の要因により、前期比で496億28百万円減少となる681億72百万円となりました。

(11)親会社の所有者に帰属する当期利益

 継続事業からの当期利益が減少したことにより、前期比で496億83百万円減益となる681億72百万円となりました。

 

(研究開発支出および設備投資)

 当期においては、非継続事業を除いた継続事業で1,099億48百万円の研究開発費を投じるとともに、922億39百万円の設備投資を実施しました。

 

(為替影響)

 為替相場は前期に対して、対米ドルは円高、対ユーロ及び人民元は円安で推移しました。期中の平均為替レートは、1米ドル=150.77円(前期は152.58円)、1ユーロ=174.79円(前期は163.75円)、1人民元=21.25円(前期は21.10円)となり、売上高では前期比で135億60百万円の増収要因、営業利益では前期比で3億39百万円の減益要因、調整後営業利益では前期比で4億90百万円の増益要因となりました。なお、為替の影響を除くと、連結売上高は前期並み、連結営業利益は前期比40.0%の減益となります。

 

セグメント別の動向に関する分析

 当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとしていましたが、より効率的、かつ患者さんとお客様中心の展開とするため、事業部門の再編成を含む組織改編を実施し、中間連結会計期間より報告セグメントを「消化器内視鏡ソリューション事業」「サージカルインターベンション事業」の2区分に変更しています。

 

売上高

営業利益又は営業損失(△)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率

(%)

消化器内視鏡ソリューション

674,043

697,359

3.5

171,441

136,359

△20.5

サージカルインターベンション

322,759

313,109

△3.0

15,265

△14,986

-

小計

996,802

1,010,468

1.4

186,706

121,373

△35.0

その他

530

208

△60.8

△474

△499

-

消去又は全社

-

-

-

△23,770

△23,754

-

連結計

997,332

1,010,676

1.3

162,462

97,120

△40.2

(注) 製品系列を基礎として設定された事業に、販売市場の類似性を加味してセグメント区分を行っています。

 

[消化器内視鏡ソリューション事業]
 消化器内視鏡ソリューション事業の連結売上高は、6,973億59百万円(前期比3.5%増)、営業利益は1,363億59百万円(前期比20.5%減)となりました。

 消化器内視鏡分野は、期初は軟調でしたが、当第4四半期連結会計期間には北米、欧州、アジア・オセアニアで二桁成長を達成し、前期比増収となりました。当期の成長は、特に英国をはじめ複数の国で好調に推移した欧州およびアジア・オセアニアにおける堅調な業績に支えられたものです。北米においては、前期に消化器内視鏡システム「EVIS X1」の新製品効果及び能登半島地震によるバックオーダーの解消に伴う押し上げ効果があった一方で、当期はデモンストレーションのタイミングによる影響などにより、四半期の実績には波がありましたが、当第4四半期連結会計期間にはEDOF(被写界深度拡大)技術搭載スコープや内視鏡用超音波観測装置「EU-ME3」の販促活動が奏功し、非常に好調に推移しました。中国においては、競争激化や国産優遇策といった継続的な課題により、当第4四半期連結会計期間の業績を圧迫しました。日本においては、病院層の予算執行は引き続き厳しいものの、NBI技術とTXI技術を組み合わせた観察モードを搭載した「EVIS X1」ビデオシステムセンターを第3四半期連結会計期間に発売した効果もあり、期末にかけてマイナス幅は縮小しました。

 消化器科処置具分野は、一部製品の出荷止めの向かい風があったものの、各地域の強い実行力と新製品効果により前期比増収となりました。2026年1月に発売した胆管用メタリックステント「GORE VIABIL Biliary Endoprosthesis」の貢献もあった北米が、好調に推移しました。ステント関連の製品群の他、膵管や胆管などの内視鏡診断・治療に使用するERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影術)関連製品も全体の成長にプラスに寄与しました。

 医療サービス分野は、好調な欧州が牽引し、前期比増収となりました。

 消化器内視鏡ソリューション事業の営業損益は、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約58億円減少したことや、前期に計上していた社外転進支援制度の実施に伴う特別支援金等の費用約16億円がなくなった一方で、米国関税の影響及びセールスミックスの悪化による原価率の悪化に加え、エンドルミナルロボット製品の開発を目指して設立された合弁会社Swan EndoSurgical,Inc.にRVLHC SE Holdings, LLCと共同で出資し、当出資に関して約44億円の費用計上を行ったことや、グローバルレベルで組織体制を変革し、ポジションの最適化を図るための施策の実施に伴う費用を約141億円計上したこと、開発資産の減損損失が約34億円増加したことにより、減益となりました。

 なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比2.1%の増収、営業利益は前期比21.4%の減益となっています。

 

[サージカルインターベンション事業]

 サージカルインターベンション事業の連結売上高は、3,131億9百万円(前期比3.0%減)、営業損失は149億86百万円(前期は152億65百万円の営業利益)となりました。

 泌尿器科分野は、前期にバックオーダーの解消に伴う押し上げ効果などがあった一方で、当期には一部製品の出荷止めの影響を受けている北米で売上が減少したものの、英国をはじめ複数の国で好調に推移した欧州が増収となり、前期比増収となりました。BPH(前立腺肥大症)用の切除に係る製品群が堅調に推移しました。

 呼吸器科分野は、北米や欧州で売上が増加し、増収となりました。一部製品の出荷止め等の向かい風があったものの、EBUS-TBNA(超音波気管支鏡ガイド下針生検)で使われる超音波気管支鏡や処置具が好調に推移しており、この影響を相殺しています。

 外科内視鏡分野は、外科内視鏡システム「VISERA ELITEIII」は好調に推移しましたが、国産優遇策などの影響もあり競争環境が激化する中国や、病院層の予算制約が厳しい日本で売上が減少し、減収となりました。

 その他の治療領域は、出荷止めの影響のあったサージカルデバイスなどで、減収となりました。

 サージカルインターベンション事業の営業損益については、品質保証・法規制対応の変革プロジェクトElevateに係る一時的な費用が約28億円減少したものの、減収による売上利益の減少や、米国関税の影響及びサージカルデバイスの一部製品の自主回収に伴う費用約25億円引当計上したことにより原価率が悪化したことに加え、グローバルレベルで組織体制を変革し、ポジションの最適化を図るための施策の実施に伴う費用約67億円や、一部の技術関連資産等の無形資産の減損損失約16億円を計上したこと、開発資産の減損損失が約25億円増加したことにより、営業損失となりました。

 なお、為替の影響を除くと、売上高は前期比4.3%の減収、営業損益は前期比286億32百万円の減益となっています。

 

② 財政状態の状況

 

 

前連結会計年度末

(百万円)

当連結会計年度末

(百万円)

増  減

(百万円)

増減率

(%)

資産合計

1,433,273

1,537,162

103,889

7.2

資本合計

751,733

812,040

60,307

8.0

親会社所有者帰属

持分比率

52.4%

52.8%

0.4%

 

 

[資産]

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から1,038億89百万円増加し、1兆5,371億62百万円となりました。当連結会計年度末の為替レートが前連結会計年度末に比べ円安に推移したこと等により、営業債権及びその他の債権が526億73百万円、有形固定資産が238億69百万円、棚卸資産が199億47百万円、その他の金融資産が179億57百万円、のれんが136億45百万円それぞれ増加しています。一方で、自己株式の取得により500億2百万円を支出したことを主因に現金及び現金同等物が644億94百万円減少しました。

 

[負債]
 負債合計は、前連結会計年度末から435億82百万円増加し、7,251億22百万円となりました。主に未払費用が増加したことによりその他の流動負債が135億44百万円増加しました。また、当連結会計年度の財務活動および当連結会計年度末の為替レートが前連結会計年度末に比べ円安に推移したことにより、社債および借入金が104億74百万円増加しました。

 

[資本]

 資本合計は、前連結会計年度末から603億7百万円増加し、8,120億40百万円となりました。在外営業活動体の換算差額の増加によりその他の資本の構成要素が569億83百万円増加しています。

 


 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の52.4%から52.8%となり、0.4ポイント増加しました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

 

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

190,463

100,585

△89,878

投資活動によるキャッシュ・フロー

△65,469

△87,408

△21,939

財務活動によるキャッシュ・フロー

△211,542

△87,627

123,915

現金及び現金同等物期末残高

252,532

188,038

△64,494

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,005億85百万円の増加(前連結会計年度は1,904億63百万円の増加)となりました。税引前当期利益939億94百万円や減価償却費及び償却費の調整672億16百万円によりキャッシュ・フローが増加した一方、法人所得税の支払623億74百万円によりキャッシュ・フローが減少したことが主因です。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、874億8百万円の減少(前連結会計年度は654億69百万円の減少)となりました。有形固定資産の取得による支出555億58百万円、無形資産の取得による支出268億65百万円が主な要因です。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、876億27百万円の減少(前連結会計年度は2,115億42百万円の減少)となりました。自己株式の取得による支出500億2百万円、配当金の支払225億56百万円、リース負債の返済による支出199億10百万円が主な要因です。

 

 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して644億94百万円減少し、1,880億38百万円となりました。

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

消化器内視鏡ソリューション

652,512

△0.4

サージカルインターベンション

258,579

1.4

その他

399

△49.4

計

911,491

0.0

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。

 

② 受注実績

 当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しています。

③ 販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

消化器内視鏡ソリューション

697,359

3.5

サージカルインターベンション

313,109

△3.0

その他

208

△60.8

計

1,010,676

1.3

(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

 

(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものです。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

 2026年3月期は、FDA関連の輸入警告や自主的な出荷止め、米国関税の影響など、事業運営においてさまざまな課題に直面した1年でした。このような状況にありながらも、消化器内視鏡ソリューション事業において欧州・アジア・オセアニアを中心に需要が堅調に推移し、第4四半期には北米でも力強い成長が確認されるなど、事業基盤の強さを示す結果となりました。しかしながら、輸入警告や自主的な出荷止めの影響もあり、売上高は為替の影響を除くと前期比で横ばいとなりました。

 調整後営業利益率は、前期比で4.7ポイント悪化し、14.2%となりましたが、上記の一過性要因を除けば収益性は概ね安定して推移しています。

 今後も、品質対応の進展や供給の正常化に加え、新製品の投入やオペレーティングモデルの改善を通じて、持続的な売上成長と収益性の向上に取り組んでいきます。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況

(i) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、当社グループは、当連結会計年度において、営業活動により資金が増加した一方で、投資活動及び財務活動による支出により、当連結会計年度末時点で保有する手元資金は1,880億38百万円(前連結会計年度末より644億94百万円減少)となりました。この手元資金規模は、安定した事業運営および財務基盤の確保に十分な水準であると認識しています。

 

(ⅱ) 財務政策

 当社グループは、適切に財務レバレッジをコントロールすることで財務健全性の維持を図りつつ、投資機会に機動的に対応していく方針です。本方針のもと、通常時にはBBB+以上の格付け水準を維持する財務運営を行っていきます。また、戦略的なM&Aの機会を逸することのないよう、投資適格の格付け水準(BBB-以上)の維持を前提に、必要に応じたレバレッジ拡大の柔軟性も確保していきます。

 なお当社は、格付投資情報センター、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン、およびムーディーズ・ジャパンより信用格付けを取得しており、2026年3月31日現在における状況は、次のとおりです。

 

格付投資情報センター:A+(長期、見通し安定的)、a-1(短期)

S&Pグローバル・レーティング・ジャパン:BBB+(長期、見通しネガティブ)

ムーディーズ・ジャパン:Baa1(長期、見通し安定的)

 

(ⅲ) 資金需要

 当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に必要な材料および部品の購入費、製造費のほか、人件費や広告・販売促進費用などの営業費用です。また、当社グループの投資資金需要は主に、研究開発や設備投資などの事業の運営・維持に必要な支出に加え、M&Aを含む成長を牽引する機会への投資です。

 これらの資金需要に対しては、まず手元資金及び営業活動により創出されるキャッシュ・フローを充当していますが、次のとおり、必要に応じて金融機関からの借入や社債の発行による資金調達を行っています。

 

(ⅳ) 資金調達

 当社グループは、資金調達の基盤として、主要な取引先金融機関との良好かつ安定的な取引関係に加え、複数の投資適格の信用格付けを維持していることから、国内外の社債を含む、多様な調達手段による安定的な資金調達が可能であると考えています。また、市場環境の急激な変動や一時的な資金需要の増加に備え、主要通貨建てのグローバルコミットメントラインを設定しており、必要な資金を確実かつ機動的に調達できる体制となっています。今後も(ⅱ)財務政策に記載の方針を前提に、資金調達コストの低減に努めつつ、資金需要に応じて適切な資金調達を行っていきます。

 

(ⅴ) キャピタルアロケーション

 当社はこれまで、M&Aを含む成長を牽引する機会への投資を優先した上で、配当については、安定的かつ段階的に増配し、自己株式の取得については、投資機会と資金状況に応じて機動的に実施する方針としてきました。当期の年間配当金は、公表予想どおり、前期より10円増配の1株当たり30円としました。

 当社グループの持続的な成長を実現するため、成長を牽引する機会への投資を優先していく方針に変わりはありません。その上で、株主還元については、今後は1株当たり配当金の維持を基本としていく考えですが、自己株式の取得を含む株主の皆様に価値を還元する方法については、柔軟性を確保していきます。

 

③ 重要性がある会計方針および見積り

 当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りにつきましては、合理的な基準に基づいて実施しています。重要性がある会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。

 

 

セグメント情報

6.事業セグメント

(1)報告セグメントの概要

 当社グループの事業セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、定期的に検討を行う単位となっているものです。

 当社グループは、従来「内視鏡事業」及び「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとしていましたが、中間連結会計期間より「消化器内視鏡ソリューション事業」及び「サージカルインターベンション事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更しており、前連結会計年度についても同様の形で表示しています。

 当社グループは、より効率的、かつ患者さんとお客様中心の展開とするため、2025年4月1日付で事業部門の再編成を含む組織改編を実施しました。この組織改編に合わせて、報告セグメントについても従来の「内視鏡事業」、「治療機器事業」から「消化器内視鏡ソリューション事業」、「サージカルインターベンション事業」に変更しました。また、かねてより進めてきた事業ポートフォリオの選択と集中、医療事業への特化により全社共通機能の役割も変化したことから、共通費用の配賦方法を見直し、当該機能から事業部門に対して基礎研究等の費用を新たに配賦しています。

 なお、今回の組織再編及び業績管理区分の見直しに伴い、従来「内視鏡」及び「治療機器」に計上していたセグメント間の売上高は同一セグメント内の取引となり、セグメント間の売上高がなくなったことから、中間連結会計期間より当該項目についての開示を行っていません。比較可能性を確保するため、前連結会計年度についても、変更後の区分に組み替えて表示しています。

 

 報告セグメントに属する主要な製品及びサービスは以下のとおりです。

報告セグメント

 

主要な製品及びサービス

消化器内視鏡ソリューション

 

消化器内視鏡、消化器科処置具、医療サービス

サージカルインターベンション

 

泌尿器科製品、呼吸器科製品、外科内視鏡、エネルギー・デバイス、耳鼻咽喉科製品、婦人科製品

 

 

(2)報告セグメントの収益、業績及びその他の項目

 報告セグメントによる収益、業績及びその他の項目は、以下のとおりです。なお、報告セグメントの会計処理の方法は、注記「3.重要性がある会計方針」における記載と同一です。

 

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注1)

調整額
(注2,3,4,5,6)

連結

財務諸表

計上額

 

消化器内視鏡

ソリューション

サージカル

インターベンション

計

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

674,043

322,759

996,802

530

-

997,332

計

674,043

322,759

996,802

530

-

997,332

営業利益又は損失

171,441

15,265

186,706

△474

△23,770

162,462

金融収益

 

 

 

 

 

3,449

金融費用

 

 

 

 

 

6,841

税引前利益

 

 

 

 

 

159,070

その他の項目

 

 

 

 

 

 

持分法による投資損益

△27

493

466

-

-

466

減価償却費及び償却費

38,695

26,702

65,397

142

811

66,350

減損損失

2,216

925

3,141

-

495

3,636

セグメント資産

604,295

500,099

1,104,394

4,599

324,280

1,433,273

持分法で会計処理されている投資

334

148

482

-

-

482

資本的支出

55,090

28,588

83,678

5

1,276

84,959

 

(注1) その他の金額は、新規事業に関する研究開発や探索活動などの報告セグメントに含まれない事業セグメントの金額です。

(注2) 営業利益(又は損失)の調整額は、セグメント間取引消去並びに報告セグメントに帰属しない一般管理費等からなる全社収益及び全社費用です。

(注3) セグメント資産の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産です。

(注4) 減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる減価償却費及び償却費です。

(注5) 資本的支出の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる固定資産の増加額です。

(注6) 当社は、当連結会計年度より共通費用の配賦方法を見直し、当該機能から事業部門に対して基礎研究等の費用を新たに配賦しています。当該変更の影響により、消化器内視鏡ソリューションの営業利益が9,054百万円減少、サージカルインターベンションの営業利益が7,091百万円減少し、調整額の営業損失が16,145百万円減少しています。

 

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注1)

調整額
(注2,3,4,5)

連結

財務諸表

計上額

 

消化器内視鏡

ソリューション

サージカル

インターベンション

計

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

697,359

313,109

1,010,468

208

-

1,010,676

計

697,359

313,109

1,010,468

208

-

1,010,676

営業利益又は損失

136,359

△14,986

121,373

△499

△23,754

97,120

金融収益

 

 

 

 

 

6,171

金融費用

 

 

 

 

 

9,297

税引前利益

 

 

 

 

 

93,994

その他の項目

 

 

 

 

 

 

持分法による投資損益

△4,437

737

△3,700

-

-

△3,700

減価償却費及び償却費

38,917

27,384

66,301

52

863

67,216

減損損失

5,253

5,790

11,043

-

1,042

12,085

セグメント資産

735,067

555,240

1,290,307

1,464

245,391

1,537,162

持分法で会計処理されている投資

377

1,020

1,397

-

-

1,397

資本的支出

61,880

29,464

91,344

-

895

92,239

(注1) その他の金額は、新規事業に関する研究開発や探索活動などの報告セグメントに含まれない事業セグメントの金額です。

(注2) 営業利益(又は損失)の調整額は、セグメント間取引消去並びに報告セグメントに帰属しない一般管理費等からなる全社収益及び全社費用です。

(注3) セグメント資産の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産です。

(注4) 減価償却費及び償却費の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる減価償却費及び償却費です。

(注5) 資本的支出の調整額は、報告セグメントに帰属しない全社資産にかかる固定資産の増加額です。

 

(3)製品及びサービスに関する情報

 製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しています。

 

(4)地域別に関する情報

 売上高及び非流動資産の地域別情報は、以下のとおりです。

売上高

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

  至 2026年3月31日)

日本

110,529

103,905

北米

413,896

405,493

欧州

254,620

281,070

中国

95,738

82,452

アジア・オセアニア

93,707

102,586

その他

28,842

35,170

合計

997,332

1,010,676

(注1) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。

(注2) 本邦以外の区分に属する主な国又は地域は、次のとおりです。

(1)北米……米国、カナダ

(2)欧州……ドイツ、イギリス、フランス等

(3)アジア・オセアニア……シンガポール、韓国、オーストラリア等

(4)その他……中南米、アフリカ等

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、米国における外部顧客への売上高は、それぞれ386,469百万円及び379,639百万円です。前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本及び米国を除き、外部顧客への売上高について、重要性のある単一の国及び地域はありません。

 

非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2025年3月31日)

当連結会計年度

(2026年3月31日)

日本

144,602

149,986

米州

204,976

235,330

欧州・中東

161,081

168,591

アジア・オセアニア

29,024

34,054

合計

539,683

587,961

(注1) 国又は地域の区分は、地理的近接度によっています。

(注2) 本邦以外の区分に属する主な国又は地域は、以下のとおりです。

(1)米州………米国、カナダ、メキシコ、ブラジル

(2)欧州・中東………ドイツ、イギリス、フランス等

(3)アジア・オセアニア……シンガポール、中国、韓国、オーストラリア等

 米州のうち、米国における前連結会計年度末及び当連結会計年度末の非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)は、それぞれ、198,423百万円及び221,896百万円です。欧州・中東のうち、ドイツにおける前連結会計年度末及び当連結会計年度末の非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)は、それぞれ、66,665百万円及び69,574百万円です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、日本、米国及びドイツを除き、非流動資産(金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)が重要な単一の国及び地域はありません。

 

(5)主要な顧客に関する情報

 単一の外部顧客との取引については、それぞれの売上高が当社グループの売上高の10%未満であるため、記載を省略しています。