2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,469名(単体) 28,138名(連結)
  • 平均年齢
    44.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    15.7年(単体)
  • 平均年収
    10,056,995円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    -3.8%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

i. 人材戦略に関する基本方針

 当社グループにおいて、最も重要な経営資源は「人」であり、世界中の従業員がその無限の可能性を結集させることでイノベーションを創出し、Our Purposeである「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を目指しています。多様な人材が共通の価値観で結びつき、個々人の成長に会社と従業員が誠実に向き合い、互いに成長を続けるという組織としての盤石な基盤のもと、変化の激しい世界情勢や患者さんのニーズに速やかに対応できる人材・組織を必要としています。

 

 当社は、2027年3月期から始まる経営戦略を策定しました。経営戦略の三つの戦略基盤である「イノベーションによる成長」「シンプル化」「責任ある行動」を通じて、内視鏡による新たな基準を確立するイノベーションを開発し、世界中の患者さん、医療従事者、医療システムにより良い医療を提供していきます。

 

 経営戦略達成に向けて、人事戦略を策定しています。Growth Mindsetを組織文化として定着させ、AI人材のスキルアップを通じて変化に強い組織へと進化していきます。加えて、リーダーシップおよびタレント戦略を全社で実行することで、人材の力を将来の競争優位を支える基盤へと変えていきます。また、すべての従業員が安心して働き、パフォーマンスを発揮できる組織基盤として、従業員のエンゲージメント向上にも取り組んでいきます。

 

 当社は世界中の人材を適所適材で最大限に活躍できる基盤としてグローバル共通人事制度を導入しています。また、優秀な人材の確保および定着を図ることを目的として、上位役職に就く従業員の報酬制度の一部として、グローバル共通の株式報酬制度を導入しています。

 

 これらの達成に向けて各重点テーマに対し、以下の目標を設定して取り組んでいます。

 

 

ii. 給与の額や内容の決定に関する方針

 当社の報酬制度は、真のグローバル・メドテックカンパニーへ飛躍することを目的に、世界中の人材を適所適材で最大限に活躍できる基盤として導入したジョブ型人事制度の下、経営理念”Our Purpose, Our Core Values”を体現して成果を上げた人材を適切に評価・処遇する体系としています。

 

 当社の報酬体系は、基本給と賞与で構成されています。基本給は、仕事(職責)の大きさに応じて区分した12階層(管理職7階層、非管理職5階層)の等級ごとにレンジを設定し、年間におけるパフォーマンス(成果と行動)評価に基づき毎年7月に改定を行っています。賞与は、基本給年額の25%を標準賞与年額とし、個人のパフォーマンス評価と会社業績に応じて支給額を決定し、毎年7月に支給する仕組みとなっています。

 

 報酬水準に関しては、人材の獲得・確保の観点で、医療ライフサイエンス分野をベンチマーク先として、市場における競争力確保を常に意識しています。

 

<株式報酬について>

 当社は2023年3月期より、社外取締役、執行役および執行役員に加え、上位役職に就く従業員の報酬制度の一部として、グローバル共通の株式報酬制度を導入しています。本制度は、グループの中長期的な企業価値及び株主価値の向上への貢献に対するインセンティブを従業員にも拡大することにより、優秀な人材の確保および定着を図ることを目的としています。

 従業員向けの株式報酬については、役員と同様に、「事後交付型譲渡制限付株式報酬(RSU)」および「業績連動型株式報酬(PSU)」の2種類により構成されています。

 

(2)【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

(2026年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

消化器内視鏡ソリューション

17,938

(810)

サージカルインターベンション

6,856

(192)

その他

0

(0)

本社管理部門

3,344

(185)

合計

28,138

(1,187)

(注)1 従業員数は就業人員数であり、当社グループ外への出向者は含まず、当社グループへの出向受入  者は含みます。また、臨時雇用者数の年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。
2 当期に内視鏡事業、治療機器事業を消化器内視鏡ソリューション事業、サージカルインターベンション事業の新しい部門に再編しています。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

(2026年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,469

44.10

15.74

10,056,995

△3.8(注)

(注)
平均年間給与は前事業年度比3.8%減少しておりますが、これは主として業績に連動して算定される賞与の支給額が前事業年度を下回ったことによるものであります。

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

消化器内視鏡ソリューション

1,259

サージカルインターベンション

515

その他

0

本社管理部門

695

合計

2,469

(注)1 従業員数は、就業人員数です。

2 当社外への出向者は含まず、当社への出向受入者は含んでいます。

3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

4 当事業年度に内視鏡事業、治療機器事業を消化器内視鏡ソリューション事業、サージカルインターベンション事業の新しい部門に再編しています。

5 当事業年度より、本社管理部門セグメントの集計方法を変更しています。

 

(3) 労働組合の状況(2026年3月31日現在)

名  称   オリンパス労働組合

労使関係   安定しており特記すべき事項はありません。

組合員数   4,390人

 

(4) 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異

 

提出会社及び連結子会社

全従業員数

(人) (注) 1

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%) (注) 2

男性労働者の育児休業取得率(%) (注) 3

労働者の男女の賃金の額の差異(%) (注) 1

全従業員

うち正規雇用従業員

うちパート・有期従業員

提出会社

6,646

11.9

101.4

74.6

74.7

63.4

長野オリンパス㈱

579

3.2

90.9

70.0

70.9

48.0

会津オリンパス㈱

2,161

19.0

100.0

70.4

71.8

73.5

白河オリンパス㈱

1,003

6.8

100.0

66.7

66.9

56.1

青森オリンパス㈱

865

21.1

100.0

65.5

66.0

66.8

オリンパスマーケティング㈱

620

7.5

73.3

70.0

69.9

76.1

オリンパスサポートメイト㈱

179

20.0

-

(注) 4

111.6

111.9

70.9

ティーメディクス㈱

69

0.0

100.0

74.6

83.5

62.1

[対象期間] 管理職に占める女性労働者の割合:2026年3月時点

           男性の育児休業等取得率、男女の賃金差異:2025年度(2025年4月~2026年3月)

[収集対象] 国内8社

 

(注)

1. 出向者を出向元の従業員として集計しています。

2. 出向者は出向先の従業員として集計しています。「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

3. 出向者は出向先の従業員として集計しています。「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出しています。対象期間中に育児休業等を取得した従業員には、対象期間以前に配偶者が出産した従業員も含まれるため、取得率が100%を超える場合があります。

4. 男性の育児休業等の取得対象となる従業員が無いことを示しています。

 

男女の賃金の差異

 女性活躍推進の指標の一つである男女の賃金の差異に関して、当社では74.6%となっています。勤続年数が男性の方が長いこと、平均年齢が男性の方が高いこと、管理職の採用における男性比率が高いこと、そして給与の高い職群の比率が女性よりも男性のほうが高いこと、これらが差異に影響していると考えています。これらを解消するための取組みとして、オリンパス株式会社で女性活躍推進法に則って日本の女性管理職比率を目標設定し、仕事と生活の両立を実現する環境を強化し、管理職や上級管理職、役員の女性比率を向上させるための施策を実行しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ共通

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 当社グループはその存在意義である、「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を目指す活動を通じて社会に貢献することで、当社グループ自身がサステナブルな企業であり続けることができると認識しており、当社のESG戦略はそれを実現する上で重要なものです。

<ガバナンス>

 ESGの推進においては、2021年4月にESG担当役員を新設し、中長期事業計画の中でKPIを設定する仕組みを構築する等、その強化を図っています。ESG担当役員はESGを包括的に推進するとともに進捗状況をモニタリングし、グループ経営執行会議および取締役会に報告しています。また、2021年3月期より執行役の報酬について、長期インセンティブ報酬の業績連動型株式報酬の一部がESGの取組成果と連動するようになりました。執行役の報酬におけるESGの取組成果を測る指標として、2026年3月期までは自社で定めたKPIの達成率と外部のESG評価機関による評価結果を併用していましたが、自社のESG戦略をより加速させることを目的として2027年3月期から自社で定めたKPIの達成率のみを評価基準として採用しています。ESGへの取り組みは、企業活動そのものと一体である恒久的な取り組みであるため、評価対象は長期インセンティブに連動させると共に、単年度ではなく3年間の成果に基づいて評価する設計としています。また、2024年3月期に定めたグループレベルでのESGガバナンス体制を現在も継続し、各機能部門の責任者を中心に構成され、ESG戦略の遂行及びモニタリングを推進する「ESG委員会(ESG Committee)」を設置し、その下に機能横断的に取り組む必要のあるテーマごとにテーマ別ワーキンググループを置いて戦略を遂行しています。またESG委員会を通じてグループ経営執行会議及び取締役会に対して戦略の実施状況や活動成果、課題等が定期的に報告されています。2026年3月期は、グループ経営執行会議には1年間で2回、取締役会には1回の定期報告が実施されました。グループ経営執行会議並びに取締役会からの指示・助言を受けることで、適切なガバナンス体制の下、ESG戦略を適切に実行しています。

 

<ガバナンス体制>

 

<戦略>

 当社グループでは2023年3月期に経営戦略の一環としてESG戦略を策定しました。ステークホルダーの皆様のご意見をお聞きし、社会から企業が求められるサステナビリティへの期待値・要求事項を踏まえ、メドテック業界における動向も参考にしながら、グループ経営執行会議および取締役会に諮る等のプロセスを経て、「6つの重要領域(Focus Area)」の下に「25項目の重要課題(Materiality Topics)」を特定しました。また、この「25項目の重要課題(Materiality Topics)」を特定するプロセスの中では、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社の事業へのインパクト」の2つの軸から、これら「25項目の重要課題(Materiality Topics)」をTop Priority/High Priority/Othersの3段階に優先順位付けをしています。更に2025年4月には、全ての従業員が等しく機会を享受できる「多様性(Diversity, Equity & Inclusion)」の取組みを深化させ新たに「インクルージョン (Inclusion)」として再定義をすることに合わせ、関連する一部の重要課題 (Materiality Topics)に見直しを行いました。これにより「25項目の重要課題(Materiality Topics)」は「24項目の重要課題(Materiality Topics)」に再編されています。

 2025年11月に発表した新経営戦略では「イノベーションによる成長」「シンプル化」「責任ある行動」の3つの優先事項を掲げており、この中でESGの推進を「責任ある行動」における重要な取り組み項目の一つとして位置づけています。新経営戦略のもと、当社グループでは引き続きESG戦略と経営戦略・事業戦略・機能戦略との親和性・一貫性を重視してESGの活動を推進しています。

 

 2026年3月期に、従来のESG戦略をベースに2027年度3月期を初年度とする新ESG戦略を策定しました。新ESG戦略の検討にあたり、経営戦略・事業戦略・機能戦略との一貫性を更に高めるべく、グループ経営執行会議および取締役会での議論を反映しています。

 また、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社の事業へのインパクト」の2つの軸から特定した従来の「6つの重要領域 (Focus Area)」及び「24項目の重要課題(Materiality Topics)」を維持しつつ、新たなESG戦略では、新経営戦略の柱である「シンプル化」に基づき、それぞれに設定していた定量的・定性的なKPI及びターゲットを見直しました。

 この「6つの重要領域 (Focus Area)」及び「24項目の重要課題(Materiality Topics)」は、当社グループの経営活動・事業活動と一体化し、これらの活動を通じて広く社会課題の解決に貢献することを表明するものです。当社グループが競争力あるグローバル・メドテックカンパニーへと成長し、サステナブルな社会の実現に貢献するために、ESGを重要な課題と捉えています。マテリアリティは社会・事業変化によって変化し得るものであり、今後も必要に応じて見直しを行います。

 

    6つの重要領域(Focus Area)

・医療機会の幅広い提供およびアウトカムの向上

・コンプライアンスおよび製品の品質安全性への注力

・責任あるサプライチェーンの推進

・健やかな組織文化

・社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献

・コーポレートガバナンス

 

<リスク管理>

    当社グループは、経営理念や企業戦略などの達成を支えるため、エンタープライズ・リスクマネジメント手法に基づき、事業に影響を及ぼす可能性があるリスクを抽出し、事業運営への影響度が大きいリスクを特定・評価しています。その中で、サステナビリティ・ESGに関するリスク項目も抽出し、全社のリスクモニタリング管理体制を通じてリスク管理を実施しています。

    特定したリスクは、顕在化した場合の影響度および発生可能性をもとに優先順位をつけて評価し、対応策を策定してリスクを管理しています。特に事業運営にとって影響の大きいリスクについては、組織のリスクマネジメント状況を定期的にモニタリングし、その結果をグループ経営執行会議および取締役会へ報告しています。エンタープライズ・リスクマネジメントの詳細は、「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

<指標と目標>

    2026年3月期においても前年度に引き続き世界の代表的なコーポレート・サステナビリティ評価指標である「Dow Jones Best-in-Class Indices(DJBIC Indices, 旧DJSI※1)」をESG活動の指標とし、各種Indexに選定されることを目標としました。当社はこれまでの間、2018年に初めて「DJBIC Asia Pacific(旧DJSI Asia Pacific)」の構成銘柄に選定された後、執行役の長期インセンティブと外部ESG評価機関の評価結果との連動を開始した2022年3月期の翌年、2022年12月に初めて「DJBIC World(旧DJSI World)」の構成銘柄に選定されました。それ以降、現在までにDJBIC Worldは5年連続、DJBIC Asia Pacificは7年連続の選定となりました。

    また、当社はESG戦略策定の中で、特に重要度の高いTop Priorityに位置付けられる「重要課題(Materiality Topics)」を中心に、これを実施するための具体的な「代表的実施項目(flagship initiatives)」を定め、それぞれに定量的・定性的なKPI及びターゲットを定めています。2025年3月期からDJBIC Indicesという外部指標だけでなく当社が定めたESG戦略のKPI及びターゲットに基づき執行役の報酬の成果評価を実施しておりましたが、自社のESG戦略をより加速させることを目的として2027年3月期から自社で定めたKPIの達成率のみを評価基準として採用しています。今後は、引き続き外部評価指標であるDJBIC Indicesを参照しつつ、当社の「6つの重要領域 (Focus Area)」及び「24項目の重要課題(Materiality Topics)」を軸にESG活動を進めます。

 

※1:2025年2月より「DJSI(Dow Jones Sustainability Indices)」から「DJBIC(Dow Jones Best-in-Class)Indices」へ名称が変更されたことがS&P グローバル社からアナウンスされました。

 

<2026年3月期までのESG戦略:6つの重要領域とトッププライオリティ重要課題>

 

 

 

2026年3月期 実績

 

 

<2027年3月期からのESG戦略:6つの重要領域とトッププライオリティ重要課題>

 

(2)気候変動

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

<ガバナンス>

 気候変動に関するガバナンスは、(1)サステナビリティ共通<ガバナンス>に記載の体制に包含されます。ESG担当役員をオーナーとし、各機能部門の責任者を構成メンバーとする「ESG委員会」において、重要施策の審議および進捗モニタリングを行っています。ESG委員会で確認された内容は、グループ経営執行会議および取締役会に報告され、両会議体はこれに対して助言・指示を行うことで、プロセスの有効性を担保しています。ESG委員会の傘下にカーボンニュートラルワーキンググループを設置し、機能横断的に施策の検討や活動推進を行っています。

 また、気候変動対応を含むESGへの取組みに対する経営層のコミットメントを強化するため、執行役の報酬について、長期インセンティブ報酬の業績連動型株式報酬のうち一部が自社事業所からのCO2排出量削減目標の達成度と連動しています。

 

 

<戦略>

 当社グループは、シナリオ分析の手法を用いて、短期、中期および長期の時間軸ごとに気候変動関連のリスクと機会を特定しています。シナリオ分析では、IEA(国際エネルギー機関)が提示している「1.5℃:RCP1.9(NZE)(産業革命前からの世界の平均気温上昇を 1.5℃未満とするシナリオ)」および「4℃:RCP8.5(産業革命前からの世界の平均気温上昇を 4℃と想定するシナリオ)」に沿って気候変動の事業活動への影響を分析しています。短期(1年未満)及び中期(1年~5年)においては、自然災害による操業停止やサプライチェーンの断絶、ならびに気候変動への対応不足や不十分な情報開示によるステークホルダーからの評価・評判の低下を主なリスクとして認識しています。一方、長期(5年以上)においては、炭素税の導入や温室効果ガス削減規制の強化による事業コストの増加や、製品分野における温室効果ガス削減規制強化への対応不足に伴う競争力低下などを主な課題と捉えています。

 気候変動のリスクは、オリンパスグループの戦略・財務計画に影響を与えますが、影響度合いは比較的小さいと推定しています。移行リスクとしては、炭素税導入等による操業コストの増加が将来的に見込まれますが、事業コスト全体でみると工場でのエネルギーコストは小さいため、影響は限定的であると考えます。物理的リスクについては、自社工場の操業が台風などの自然災害によって影響を受けるといったことが考えられますが、自社工場の所在地はいずれもそれらのリスクが低いことを確認しており、さらに有事の際にも事業活動を継続できるよう、各拠点において事業継続計画を策定しています。サプライチェーンの面でも、昨今世界規模で台風や洪水が発生し、資材調達や製品供給の面での影響が予想されるため、代替サプライヤーによる生産確保などの体制構築を進めています。

 また、気候変動の機会については、温室効果ガス削減に寄与する製品へのニーズの高まりを機会ととらえて、省エネルギー等に配慮した環境配慮型製品の開発を継続していきます。ただし、当社グループの製品は製品自体が小型で使用によるエネルギー消費量が少ないこと、気候変動による製品・サービス需要への影響が小さいことから、事業活動に大きな影響を及ぼすほどの機会ではないと認識しています。

 

 

 

シナリオ

環境変化

リスク

機会

対策

1.5℃

シナリオ

低炭素社会への移行に伴う規制強化と市場の変化

<移行リスク>

炭素税・排出権取引や各国の温室効果ガス削減規制の強化による調達・操業コストの増加

 

製品に対する温室効果ガス削減規制の強化への対応不足による市場競争力の低下

 

気候変動への対応不足、不十分な開示によるステークホルダーからの評価・評判の低下

省エネルギーによる事業コスト削減

 

環境配慮型製品の開発による市場競争力の向上

 

製品や包装材の見直しにより、原材料コストや廃棄物量が低下

 

ステークホルダーとの関係強化によるサプライチェーン全体での温室効果ガスの削減

 

 

 

 

エネルギー効率改善

 

再生可能エネルギー導入拡大

 

サプライヤーの多様化

 

サプライヤーとのエンゲージメント強化

 

気候変動対応への考え方・取り組みの開示情報の充実

 

製品・サービスの設計開発段階での環境配慮設計

4℃

シナリオ

気温上昇・異常気象の発生増加

<物理的リスク>

台風や洪水等の自然災害規模の拡大による操業停止およびサプライチェーンの断絶(サプライヤ―からの納品停止、物流拠点及び販売・修理サービス拠点の休業による顧客への納入停止等

 

平均気温上昇による空調コストの増加、従業員の体調変化による労働生産性の低下

 

<リスク管理>

 当社グループは、経営理念や企業戦略などの達成を支えるため、エンタープライズ・リスクマネジメント手法に基づき、事業に影響を及ぼす可能性があるリスクを抽出し、事業運営への影響度が大きいリスクを特定・評価しています。その中で、サステナビリティ・ESGに関するリスク項目も抽出し、全社のリスクモニタリング管理体制を通じてリスク管理を実施しています。なお、これには気候変動に関連する規制や技術の変化、ならびに自然災害に起因するリスクも含まれます。

 特定したリスクは、顕在化した場合の影響度および発生可能性をもとに優先順位をつけて評価し、対応策を策定してリスクを管理します。特に事業運営にとって影響の大きいリスクについては、組織のリスクマネジメント状況を定期的にモニタリングし、その結果をグループ経営執行会議および取締役会へ報告しています。エンタープライズ・リスクマネジメントの詳細は、「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

<指標と目標>

 当社グループは、2031年3月期までに自社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2)を実質ゼロとし、2031年3月期までに自社の事業所で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来とする目標を設定しています。また、脱炭素社会の実現に広く貢献するためには、自社からの温室効果ガス排出量の削減に加えて、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みが必要であると考え、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)を2040年3月期までにネットゼロとする目標を策定しています。2023年10月には、SBTi(The Science Based Targets initiative)より当社グループの短期目標及びネットゼロ目標がパリ協定で定められている1.5℃目標の水準と整合したものであるとの認定を取得しています。

 

 

 2025年3月期における実績は、温室効果ガス排出量(Scope1,2)を2020年3月期比で70%削減(カーボンオフセットによる相殺分を除いた場合は62%削減)、再生可能エネルギーの電力導入率89%を達成しました。今後は2031年3月期までの目標達成に向け、世界各国の拠点での継続的な製造改善活動や省エネの推進と、再生可能エネルギーの導入を進めます。あわせて、サプライチェーン全体での温室効果ガス削減を目的として、環境配慮型製品の開発、グリーン調達の推進、物流効率の改善等に継続的に取り組みます。

 

2025年3月期の実績と目標

 

2025年3月期

2031年3月期

 

目標

実績

目標

温室効果ガス排出量

(Scope1,2)

60%削減

(2020年3月比)

70%削減*1

(2020年3月比)

カーボンニュートラル達成*2

再生可能エネルギー電力導入率

85%

89%

100%

*1:カーボンオフセットでの相殺分を除いた場合、温室効果ガス排出量は2020年3月期比で62%削減となります。

*2:自社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2)を70%削減し、残存する温室効果ガス排出量に相当する量をカーボンオフセットで相殺し、全体としてゼロとすること。

 

 

サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(単位:t-CO2e)

カテゴリー

2025年3月期

Scope1

24,120

Scope2

8,054

合計(scope1+2)

32,174

Scope3

863,583

合計(scope1+2+3)

895,757

※実績データは本有価証券報告書提出時に第三者保証が得られている2025年3月期のもの

 

 

詳細な情報は当社ホームページ並び「サステナビリティレポート2025」に掲載していますので、ご参照ください。

URL:https://www.olympus.co.jp/csr/download/pdf/olympus_sustainability_report_2025_jp.pdf

なお、「サステナビリティレポート2026」は2026年10月頃に当社ホームページにて掲載予定です。

 

(3)オリンパスグループの人的資本に対する考え方

「オリンパスグループの人的資本に対する考え方」については「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」をご参照ください。