人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数3,042名(単体) 35,702名(連結)
-
平均年齢47.8歳(単体)
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平均勤続年数19.7年(単体)
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平均年収8,210,453円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
報告セグメントの名称 |
従業員数(名) |
ライフケア |
24,561 |
情報・通信 |
10,811 |
その他 |
215 |
全社(共通) |
115 |
合計 |
35,702 |
(注)1.従業員数は就業人員であります。
2.全社(共通)には、グループ本社及び海外の地域本社・支店に所属している従業員数を記載しております。
(2)提出会社の状況
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|
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2024年3月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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3,042 |
(987) |
47.8 |
19.7 |
8,210,453 |
報告セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
ライフケア |
2,224 |
(920) |
情報・通信 |
671 |
(64) |
その他 |
44 |
(-) |
全社(共通) |
103 |
(3) |
合計 |
3,042 |
(987) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)には、グループ本社及び海外の支店に所属している従業員数を記載しております。
(3)多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。
管理職に占める女性従業員の割合・正規従業員に占める女性従業員の割合・男性の育児休業等の取得率・
従業員の男女の賃金差異
2024年3月31日現在 |
||||||
名称 |
管理職に占める女性従業員の割合(%)(注)1. |
正規従業員に占める女性従業員の割合(%) |
男性従業員の育児休業取得率(%)(注)2. |
従業員の男女の賃金の差異(%)(注)1. |
||
全従業員 |
正規雇用 従業員 |
非正規 従業員 |
||||
当社 |
16.1 |
30.9 |
46.9 |
39.5 |
59.0 |
72.5 |
HOYA Technosurgical 株式会社 |
9.1 |
19.0 |
40.0 |
74.3 |
80.3 |
56.8 |
当社及び国内連結会社 |
15.5 |
29.7 |
45.2 |
40.6 |
60.4 |
66.7 |
当社及び国内連結子会社全体で2026年3月を期限に、管理職に占める女性従業員の割合を18%、正規従業員に占める女性従業員の割合を32%とする新たな目標を設定し、その達成に向けて、性別による役割分担意識の排除、女性管理職を担いうる人材の計画的育成および機会提供、外部からの人材の雇用といった取り組みを積極的に推進しております。
男性の育児休業等の取得率については、当社及び国内連結子会社全体で2026年3月を期限に男性の育児休業等の取得率を50%とする目標を設定し、管理職をはじめとする従業員の意識改革やベストプラクティスの共有等の社内PR活動を推進し、取得率向上に努めております。
男女の賃金格差は、男性の賃金に対する女性の割合を示しております。当社の賃金制度は、年齢、性別に関係なく、同一の職務であれば同一の賃金を支払うこととして設計されております。しかし、現状において、当社及び国内連結子会社において、男女間で40.6%という賃金格差が生じております。これは、全従業員における女性非正規従業員の比率が提出会社においてコンタクトレンズの小売部門の影響により35.1%と非常に高くなっているほか、上記のとおり、管理職に占める女性従業員の割合が低い水準にとどまっていることなどが要因となっております。今後は、上記の取組をはじめとする性別に関係なく適材適所による人材活用の取組を推進してまいります。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下「女性活躍推進法」という。)」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.男性従業員の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3.全従業員は、正規雇用従業員と非正規従業員を含んでおります。
4.海外現地法人への出向者は含まれておりません。
5.全従業員数における女性の非正規従業員数が提出会社及び国内連結子会社で33.5%となっております。
6.当連結会計年度実績は、2024年3月31日時点のものとなります。
7.2025年度目標値は、提出会社及び国内連結子会社全体で設定しています。
8.女性活躍推進法に基づくその他の開示情報は、当社ウェブサイトに掲載します。
(4)労働組合の状況
当社グループ各社と労働組合との労使関係は、相互理解と信頼のもとに建設的な労使協議会を通じて、積極的に生産性向上運動を推進しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は指名委員会等設置会社の体制をとっており、取締役会はモニタリングボードとして、執行側を監督し、グループ全体の経営方針に関する重要事項を審議し決定しています。経営に対する監督機能と客観性を担保するため、当連結会計年度では取締役7名中5名を独立社外取締役としております。社外取締役には経営者としての十分な経験や国際感覚を備えた方を招聘しております。また気候変動に関してもマネジメントとして気候変動に対する重要な意思決定を行った経験を有する人物を配しています。当社グループのサステナビリティに関する基本方針、マテリアリティ、TCFDやRE100などの重要施策は取締役会における審議・決定手続きを経て開示しています。また、取締役会は、チーフサステナビリティオフィサー(CSO)からグループレベルでの気候変動への対応を含むサステナビリティ関連課題およびグループの取組みに関し定期報告(当連結会計年度の期間においては年2回)を受け進捗をモニタリングしています。さらに取締役会での各事業部門の事業レビューの際に、当該事業における気候変動対応について報告を受け、多角的な観点から助言をおこなっています。またHOYAグループ全体の人事施策についてはグループCHROが定期的に取締役会に報告を行っています(当連結会計年度の期間においては年1回)。
なお、ポートフォリオマネジメントによる事業部制での経営をおこなっていることから、各事業部の気候変動や人的資本を含むサステナビリティ関連課題への具体的な対応方針は各事業の経営戦略、経営計画、年間予算に反映されており、取締役会で承認・決定されます。
また、各事業部門の責任者(事業部長)により事業部門におけるサステナビリティ/ESG担当チームが任命され、事業部長のもとでグループ目標に整合した事業部門のKPIをCSOと協議の上、設定し、設定されたKPIに向けた施策を展開しています。
なお、2022年度より、執行役報酬の中長期インセンティブであるパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)においてESG指標を導入し、外部機関による評価や重視するESGテーマ(外部機関による評価、気候変動・人的資本を含む)の取組状況に応じた目標を設定しており、さらに2023年度からは各事業部門の事業部長の年次インセンティブについても各事業部門で設定したESG関連目標のうち重要なKPIを評価項目(例:再生可能エネルギー使用比率。以降、「再エネ率」)とするなど実効性を高めています。
サステナビリティに関する社内体制
当社は2022年3月、CSOならびにグループ本社にESGの専任部門であるESG推進室を設けました。CSOおよびESG推進室が中心となってHOYAグループ全体のサステナビリティ/ESGに関する活動を推進しています。さらに、ESG推進室は各事業部門で任命されたサステナビリティ/ESG担当チームと連携し、経営層の議論も反映し、グループ目標に向けて一体的な活動を促進していきます。
(2)戦略
当社は、2021年10月に「温室効果ガス(GHG)の削減」「製品品質・安全」「従業員エンゲージメント・ダイバーシティ&インクルージョン」「サプライチェーンマネジメント」の4つのESGマテリアリティを特定し、各マテリアリティに対する取組を進めています。
気候変動問題においては、2022年度にTCFD提言に基づくシナリオ分析を開始し、気候変動に関するリスクおよび機会の特定と財務インパクトへの評価を実施し、その対応策の策定、実施の取組を進めています。
人的資本においては、HOYAグループは、人材を最優先すべき資本の一つと位置付けており、継続的な投資を行うことで、継続的な競争優位性を確保することを目指して人材戦略を策定しています。
HOYAグループは多様な事業の最適地生産・最適地販売をグローバルで推進しています。その中で当社において人材の多様性は強みであり持続的な価値創造の源泉であると考えています。そのうえで、経営理念と経営基本原則に記されたHOYAグループの基本的な理念と価値観に従って、HOYAグループの従業員が業務を遂行する中で遵守すべき基本的な指針として定めた「HOYA行動基準」を27言語でグループ内に周知徹底させており、多様な従業員へHOYAグループ従業員としての一体感を醸成しております。
一方、個人の尊重を経営基本原則の1つに据えており、個人の自主性と創造性を最大限に発揮できる機会の拡大と、安全で働きやすい環境の確保で、従業員のゆとりと豊かさの実現に最大限努力しております。
なお、新たな価値創造を目指して、従業員のウェルビーイングを重視した、多様な人材が活躍できる環境作りに努めることは、HOYAグループにおけるサステナビリティ方針の1つです。優秀な人材確保の世界的な競争激化がリスクとして存在する一方、多様な人材の確保・育成による価値創造イノベーションの機会は増加していると考え、国内外投資家を含むステークホルダーの意見・フィードバックを参考にした総合評価で「従業員エンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョン」をHOYAグループのマテリアリティの一つとして特定しています。
a) 気候変動:
重要性に鑑み、当連結会計年度のTCFD開示においてはビジョンケア事業部(メガネレンズ)とMD事業部(ハードディスク用ガラスサブストレート)の2事業部を対象としました。また、分析対象をオプティクス事業(光学レンズ・ガラス)まで拡大しました。当該3事業部のCO2排出量の合算で、HOYAグループ全体の88%を占めています。なお、当社として重要な気候変動リスクと考えている物理リスク(洪水)に関しては、全事業部門の製造拠点を分析対象としました。
シナリオ分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)といった専門機関が想定する1.5℃ならびに4℃のシナリオに基づき、移行リスク・物理リスク・機会の3つの側面から分析を行い、重要度を発生可能性と財務影響度から3段階で評価しました。なお、期間としては短期(1~3年)、中期(2030年)、長期(2050年)を設定し、今回は2030年時点での影響を想定しています。
※TCFD提言に基づくシナリオ分析の詳細は、「TCFD提言に基づく情報開示」をご参照ください。
URL:https://www.hoya.com/wp-content/uploads/2024/05/TCFD-Disclosure-J_Final-2024.pdf
表1 ビジョンケア事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
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内容 |
対応策 |
移行リスク |
・消費者の気候変動に対する意識向上への対応遅滞による市場シェア低下と売上減少 ・顧客のサプライヤー選定に気候変動対策/情報開示が導入され、これに遅滞した場合の顧客喪失、売上減少 ・CO2排出量削減や水リサイクル等の環境関連課題への不十分な対応によるレピュテーション低下と売上減少 |
・製品へのCO2排出量表示検討 ・マーケティング戦略の見直し:製品イノベーションを通じた気候変動影響低減、情報発信強化 ・顧客をはじめ、外部ステークホルダーに対するESGの進捗状況の定期的な報告 ・TCFDやCDP開示など、気候変動関連の情報開示の拡充 |
物理リスク |
異常気象をきっかけとした感染症の発生による生産活動やサプライチェーンの乱れ、ロックダウン等の行動制限による顧客であるメガネ小売店の営業制限による需要減 |
・自社工場に関するBCPの策定とアップデート ・生産拠点の分散化 |
異常気象による生産や販売活動の停滞、洪水による生産拠点の水没や損壊 |
・生産拠点分散と個々の水害対策の推進 ・材料や在庫の確保をはじめとするBCPの策定 |
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機会 |
低炭素製品へのニーズが高まり、製品開発にいち早く成功することで売上が増加 |
・カーボンフットプリントの表示 ・環境負荷低減のマインドセットの製品を開発戦略へ組み込む ・材料メーカーとの連携 |
リサイクル/リユースが容易な製品へのニーズが高まり、製品開発にいち早く成功することで売上が増加 |
・サプライヤーや顧客との協業を通じた循環型社会に焦点を当てた製品戦略構築 |
|
DX等による製造工程の効率化の実現 |
・生産効率向上によるCO2削減と関連コストの削減 ・DXならびにDXトレーニングへの投資 |
|
BCP策定、自社生産拠点と仕入先の多様化 |
・BCPの導入と訓練 ・各工場の改修、拠点の地理的分散など |
表2 MD事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
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内容 |
対応策 |
物理リスク |
異常気象をきっかけとした感染症の発生による生産活動やサプライチェーンの乱れ、顧客の工場稼働低下による需要減 |
・自社生産拠点に関するBCPの策定とアップデート ・生産拠点の分散化の推進 ・顧客での気候変動リスクを低減するプランの検討 |
機会 |
ESGや気候変動への取組と情報開示により金融市場での評価向上、資金調達コスト低減 |
・TCFDでの開示とESG開示への展開 ・CDPでの開示とランクアップ |
低炭素製品へのニーズが高まり、製品開発にいち早く成功することで売上が増加 |
・カーボンフットプリントの表示 ・製品戦略の見直し ・技術開発予算の増額 ・材料メーカーとの連携 |
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地球温暖化による水資源不足の結果、水の再利用・使用量削減技術を開発し費用削減 |
・使用水量の少ない製造方法の確立 ・水の高度処理技術導入、再利用増 |
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DX等による製造工程の効率化の実現 |
・生産効率向上によるCO2削減と関連コストの削減 ・DXならびにDXトレーニングへの投資 |
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BCP策定、自生産拠点と仕入先の多様化 |
・BCPの導入と訓練 ・各工場の改修、拠点の地理的分散など |
表3 オプティクス事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
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内容 |
対応策 |
物理リスク |
異常気象・自然災害による原材料調達先の操業停止に伴う納期遅延・生産量減少 |
・在庫の確保(特に調達先が限定される重要部材の場合) ・重要部材の複数調達先の確保 |
異常気象をきっかけとした感染症の発生による生産活動やサプライチェーンの乱れ、顧客の工場稼働低下による需要減 |
・自社工場に関するBCPの策定とアップデート ・他拠点での生産バックアップ体制の整備 |
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異常気象による生産や販売活動の停滞、洪水による生産拠点の水没や損壊 |
・生産のバックアップ体制と水害対策の推進 ・材料や在庫の確保をはじめとするBCPの策定 |
洪水リスク評価
気候変動に伴う自然災害の増加や激甚化、感染症の発生、及び水不足は自社拠点における操業だけでなく、原料調達、顧客側の生産・販売などサプライチェーンなどへも影響を与えるおそれがあります。HOYAグループでは国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)によるAqueduct Water Risk Atlasのツール等を用いて、また拠点のヒアリングも行いながら生産拠点の洪水リスク及び水ストレスリスクを評価しています。当社グループはグローバルな視点で効率的な企業運営を行うため、最適地での経営判断、研究開発、生産、販売を推進しており、特に生産は東南アジアを中心に拠点を構えています。リスク評価の結果、ベトナム・タイ・インドネシア等の東南アジア生産拠点の洪水リスクが比較的高い結果となりました。
洪水対策
2011年のビジョンケア・タイ生産拠点での洪水被害の経験から、各生産拠点における浸水対策やBCP(事業継続計画)構築及び定期的な見直し、そして従業員の安全確保のための体制整備・訓練を推進しています。
また、洪水リスクを低減するために生産拠点の分散化、ならびにサプライチェーン寸断を考慮した場合の適正在庫確保などの対応を図り、リスク低減に努めています。
感染症対策
COVID-19流行以前より、新型インフルエンザ等の新興感染症のパンデミックを想定した「新型インフルエンザ等行動計画ガイドライン」を策定し、積極的に新興感染症のリスク対策に取り組んでいます。当ガイドラインでは、HOYAグループ感染症危機管理対策チームの設置、事業継続計画の策定、情報収集および伝達‧共有ルートの整備に加え、社員やその家族、関係者等の安全確保を最優先として、健康被害を最小限に抑えながら製品等を安定供給できるよう、体制を整備しています。
b) 人材育成方針
HOYAグループは多様性を尊重して受け入れ、その「違い」を積極的に活かすことで、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに柔軟に対応し、ひいては企業価値の創造に繋がると考えています。ライフケア事業と情報・通信事業の更なる成長に向けて、多様な人材を採用するとともに、育成・活用していくことを人材戦略の要として位置づけています。
すべての人が持てる力を最大限に発揮して、切磋琢磨しながら組織や事業に貢献する、これがHOYAの目指す従業員像です。従業員の多種多様な能力開発ニーズにこたえ、また業界に必要な専門知識やスキルを習得してもらうため、HOYAグループでは、事業部や地域ごとに最も適した人材育成を進めています。
多様な人材の採用
必要な時に必要な人材を採用するという考え方のもと、当社はこれまでも国籍・性別等にとらわれず各個人の能力に基づく採用を進めてきました。従業員の90%以上が日本以外の拠点に属しており、また現地の優秀な人材を積極的に登用し活躍の機会を増やすことで、グループ全体のグローバル化を進めています。その結果、現在では海外現地法人の9割で日本人以外が責任者を務めています。今後も多くの優秀な人材に機会を均等に提供していきます。
多様な能力開発ニーズに応えるためのキャリア開発プログラム
企業の競争力を維持するうえで、継続的な知識のアップデートやリスキリングが重要であると考えています。HOYAグループでは、オンデマンドによるオンラインの学習プラットフォームを提供し、HOYAの成長戦略を支える従業員の再教育、従業員の生涯学習の活性化などの様々なキャリア開発ニーズをサポートしています。
事業・地域に最適化された人材育成プログラム
HOYAグループでは、事業部門や地域ごとに最も適した人材育成プログラムを個別に展開しています。例えば、「コンタクトのアイシティ」を運営するアイケア事業部では、店舗で販売業務に従事するスタッフ“アイ-コンシェルジュ”の接客スキル向上とホスピタリティマインドの醸成などを目的とした育成プログラムを事業部内で設計し、内容の充実に取り組んでいます。
c) 社内環境整備に関する方針:
多様な人材が能力を発揮して活躍できる環境と、より生産性高く効率のよい働き方を可能とする制度を整えることで、仕事のやりがいと個人の成果の充実を実現し、企業価値との両立を図っていきます。
HOYAグループでは、基本的人権を保護し、人種、国籍、性別、宗教、信条、出生、年齢、心身の障がい、性的指向、その他の法的要件による差別やハラスメントを行わず、従業員が最大限に能力を発揮できる職場環境を提供することを「HOYA行動基準」に明文化しています。私たちはこれに基づき従業員の安全と健康に配慮するとともに、人権を尊重し、差別やハラスメントがなく、多様な人材がそれぞれの能力や専門性を最大限に生かし自律的かつ柔軟に働くことができる職場環境の整備をしていきます。
HOYA行動基準の浸透
全ての従業員が本行動基準を理解していることを確認するために、HOYAグループでは1年に1度、各国において適切な方法で、本行動基準についての見直しと確認を実施します。多様な従業員への周知徹底のため、27言語に翻訳のうえ、年に一度所属グループでの読み合わせやオンライン教育・確認テストなどを実施しています。また、内部監査を実施して、上記の手順が実施されていることを確認します。当連結会計年度のグループ全従業員対象の本行動基準の順守に関する確認書の提出率は98%でした。
従業員エンゲージメントサーベイ
「HOYA」という職場が、会社が「求める行動」を従業員個人が体現しつつ、個人をより一層成長させていける“フィールド”であるために、エンゲージメントサーベイを通して改善点を見出し理想とする職場に近付けていくことが、従業員・会社の双方にとって重要な取組と捉えています。HOYAでは、グローバル全従業員を対象に定期的な調査を実施しており、サーベイの結果を受けて各職場でディスカッションを行い、結果をより深く理解した上で改善点を特定して行動計画へとつなげています。2024年度においても調査を実施し、得られた結果を分析したうえで、一連の施策を実行に移していく予定です。
パフォーマンス・マネジメント(業績評価制度)
従業員の能力発揮を促すには、成果を公正かつ客観的に評価できる仕組みの整備が不可欠であると考えています。そのためにこれまでのHOYAグループのパフォーマンス・マネジメント(業績評価制度)のフレームワークを発展させ、グローバル共通の仕組みとして運用しています。業績評価で得られた結果を報酬に反映させていくことのほか、人材育成のための定期的かつ効果的なフィードバックへとつなげています。
健康経営
HOYAグループでは、「従業員の健康保持・増進に関する取組は経営上の“投資”である」との認識にたち、会社の支援とすべての従業員の協力により、健康経営に取組んでいます。
CEOによる健康経営宣言とともに、「HOYAグループ社員が守る7ヶ条」が従業員へのメッセージとして配信されています。 HOYAグループでは、従業員の豊かなライフプランと企業の永続的な発展の実現を目指し、従業員が健全な心身で生き生きと働けるように、生活習慣病予防及び重症化予防対策、メンタルヘルス対策、喫煙対策など施策を通じて、健康の保持・増進にグループ全体で取組んでいます。2017年に「健康経営優良法人認定制度」が開始されて以降、連続して認定を取得しています。
(3)リスク管理
当社グループはポートフォリオ経営をおこなっており、経営環境の変化に対してポートフォリオを見直すことで対応をおこなっています。また、グループ本社にコンプライアンス、薬事規制対応、サイバーセキュリティー、安全衛生など当社にとってリスクの大きいと考える機能について責任者を置き、事業部ごとにおける同機能の責任者を通じてリスクの特定と予防をおこなっています。グループ本社の各責任者は、担当業務につき定期的に事業部門の活動をモニタリングし、重要リスクの認識と対応状況について執行役に報告しています。それらの内容をもとに当社グループのリスクが取締役会に報告され、審議されています。
各事業に深刻な影響をもたらすような重大な事業リスクに対する対応方針は、各事業部門が各々の事業環境や事業特性に対する深い理解に基づき特定しています。それらのリスクが実現した場合の悪影響を予防するための施策が各事業部門の戦略、計画、年度予算に反映されており、取締役会によって定期的に監督されています。さらに、取締役会において事業部長が自らの事業部門の事業内容を説明する際に、地政学リスクや調達リスクなど、当該事業部門に関連する固有のリスクについて社外取締役より多角的な質問を受け、リスク対応への認識をさらに深めております。
各事業部門内には内部監査担当が設置され、各事業部門の内部監査を実施する過程でリスクが特定されます。グループの内部監査部門を通じて監査委員会に内部監査の内容が報告され、監査委員会から取締役会に報告される方法により独立した機関による客観的なリスク管理も実現しています。
気候変動に関するリスク管理
気候変動を取り巻く状況変化については、CSOのもとESG推進室が外部専門家も交えてモニタリングし、分析をおこないます。2022年度は、当社グループの中でGHG排出量が多く気候変動の影響が大きい2事業部の海外拠点についてリスクおよび機会の分析を行いました。2023年度は、これら2事業部に次いでGHG排出量が多いオプティクス事業部にも分析対象を拡大しました。
モニタリングの結果、状況が大きく変化した場合は、気候変動に関連した物理リスクについては本社ESG推進室、IR、環境安全衛生部のメンバーを含む本社TCFDプロジェクトと事業部門が協働でリスクを見直し、その対応は各事業部長の統括のもと各事業部門内の適切な部門(例:生産本部、店舗開発部門、調達部門)が連携し、おこなっていきます。
また気候変動による事業環境の変化に伴うリスク(移行リスク)についても、シナリオ分析に基づき世界各国にいる事業部門のサステナビリティ/ESGチーム・担当者やサステナビリティに関連する環境、品質保証、調達などの部署と共有し、それぞれの事業部門に適した対応策を策定していきます。
(4)指標及び目標
a) 気候変動
気候関連のリスクと機会の評価に使用する測定値として、スコープ1・2の温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力の再生可能エネルギー比率を指標としています。
当社グループの温室効果ガス排出量(スコープ1・2の合計)の97%はスコープ2であり(2021年度実績より)、その大部分が購入電力由来の間接的排出であることから、電力の再エネ化に積極的に取組むことで温室効果ガス排出抑制へ効果的に繋げることができるため、2023年1月にRE100へ加盟し、2040年再エネ率100%(中間目標:2030年再エネ率60%)を会社目標に設定し、再エネ化の取組を加速させています。
各事業部では会社目標に沿って再エネ化計画を策定し、RE100(再エネ化)目標の達成度を各事業部長の年次インセンティブに反映することで実効性を高めています。またグループ全体の気候変動関連を含むESG目標の達成度合いは担当執行役の年次インセンティブ、ならびにすべての執行役の中期インセンティブの評価項目としています。
項目 |
2021年度実績 (基準年) |
2022年度実績 |
2030年度目標 |
2040年度目標 |
再生可能エネルギー電力比率(%) |
1% |
2% |
60% |
100% |
HOYAグループCO2排出量 (スコープ1・2) |
522千-CO2 |
499千t-CO2 4%削減 |
60%削減 |
100%削減 |
※当連結会計年度(2023年度)の実績は会社ウェブサイトにて2024年7月に公開予定です。
URL:https://www.hoya.com/sustainability/environment/environment/
※2021・2022年度実績は、63製造拠点(国内10拠点、海外53拠点)および45非製造国内拠点(アイシティの小売全店舗、10集計単位を含む)の集計データです。また、限定的保証業務により第三者検証を実施しております。
再生可能エネルギー由来の電力導入・省エネルギー活動によるCO2削減施策
各生産拠点や販売拠点において再エネ電力への切り替えを進めています。2022年度にHOYAグループで初となる自社拠点における太陽光発電設備を光学ガラス・光学レンズの中国・山東省の生産拠点に導入しました。さらに各生産拠点における太陽光発電設備の設置可能性を検討し、順次導入を進めていきます。
また、再エネが普及している国を中心に電力契約の見直しやエネルギー属性証書の調達により再エネ化を加速させています。再エネ電力プラン(エネルギー属性証書付)により、HOYA株式会社ビジョンケア部門 松島工場とドイツ拠点にて100%再エネ電力を調達しています。さらに、HOYAグローバル本社(日本)オフィスでの使用電力は、FIT非化石証書の調達により実質100%再エネ化を実現しています。
また、生産拠点における省エネルギー活動として、氷蓄熱システムや高効率変圧器の採用など省エネタイプの設備への更新や、ボイラーや空調機の運転時間の最適化などの省エネルギー活動、屋上緑化などを推進しています。また、オフィスでの軽装の導入、適切な室内温度調整、効率的な照明の実施など非生産拠点からのCO2排出抑制にも努めています。
b) 人的資本・多様性
女性活躍推進法に基づく実績・目標を「従業員の状況」に記載しております。そちらをご参照ください。