2023年9月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しておりますが、当社に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経済状況について

当社が商品の卸販売をしている市場・顧客は大部分が日本国内であります。顧客の店舗は広く国内に展開しており、最終的には一般消費者に販売されるため、日本国内の景気の影響を受けます。また一部の顧客では積極的に海外店舗の拡大を図っており、当社商品も間接的に輸出されていくため、世界経済の景気の影響も受けます。

日本国内及び世界経済の景気低迷により需要が減退する場合、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 消費動向について

当社の商品は世間のトレンドや消費者の嗜好にマッチしたデザインに特徴を有します。そうしたトレンドや嗜好の変化を予測し、また柔軟に対応しながら商品の開発に努めてまいりますが、市場動向に対応できなかった場合には、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 商品・原材料等の仕入・調達について

当社の商品・原材料等は国内外の協力企業より仕入・調達を行っており、安全性、品質管理の徹底には万全の注意を払っております。このうち海外企業からの仕入・調達金額が約95%を占めており、安定的な供給が確保されるよう体制を整えております。しかし、予期せぬ病災害等の発生や当該国の政情を含むカントリーリスクなどにより、必要数量が必要な時期に納入されない可能性があります。仕入の混乱、物流費用の増加、ひいては顧客への供給に影響が生じ、販売機会の喪失等が発生した場合には、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は商品の仕入れに際し、同一商品に対し複数の協力企業から見積りを徴収し、協力企業間での競争環境を形成することにより仕入原価の低減を図っております。

当社の求める品質水準を満たせる協力企業数が少なく競争環境を形成することが出来ない場合や、原油価格の値上がりなどを始めとする原材料費の高騰、あるいは当該国での法令変更や規制強化に伴う製品価格への波及、商品形状(大型化)や販売先の要求の高度化(新素材・新製法等の採用)への対応などの要因により、当社の商品仕入価格が上昇し、当該上昇を適切に販売価格に反映できない場合には、当社の業績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 商品の安全性及び品質管理について

当社は商品の企画及び開発にあたり、自社の品質管理基準を設定し、安全性確保や品質向上に取り組むとともに、関連法規の遵守に努めておりますが、何らかの事情により取扱商品の品質や安全に関しての問題が生じた場合、製造物責任や損害賠償責任などによる、不良品回収のためのコストやその他の多額の費用が発生する可能性は否定できません。これらに起因する、当社の社会的信用力の低下による売上高の減少などにより、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の取扱商品や競合他社の類似商品の安全性をめぐる重大なクレームや風評が発生した場合、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 自社企画商品について

当社のビジネスモデルはファブレス型のメーカーです。自社企画商品については、原則として仕入先からの買い取りであるため、仕入先への返品は困難であります。当社は販売先並びに最終消費者の需要動向等を勘案して、計画的に商品発注を行うなど在庫水準等の適正化を図っておりますが、消費者の嗜好及び販売先の需要は急激に変化する可能性があることから、市場動向の判断を誤り、適時適切に販売先への商品の供給ができなかった場合は、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制等について

当社は、各種法令につきコンプライアンスの遵守に努めております。しかし、ラッピング商品に対する食品衛生法、容器包装リサイクル法、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法及び下請法などをはじめとして、今後の法規制の動向によっては、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社が提供する商品のデザインに関しては、意匠権や著作権を始めとする第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。商品の企画にあたってはこれらの知的財産権の有無の確認を行っておりますが、商品の提供後にこれらの権利を巡る係争が発生した場合には、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報漏洩によるリスクについて

当社は、顧客情報取扱規程や個人情報に関する取扱規程の制定などを通じて、情報管理に努めておりますが、コンピューターへのハッカーの侵入等により、万が一、情報漏洩が起きた場合には、お客様に対する損害賠償の発生、信用及びブランドイメージが低下することにより、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 大規模災害による影響について

当社は本社として東京都港区に事業拠点を有しております。地震台風等の大災害への対策は実施しておりますが、その損害の程度によっては、事業拠点の損壊やシステム障害の発生等により事業運営上の支障が生じ、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また当社の仕入先、委託先及び販売先に同様の影響が生じた場合も同様に当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 為替相場の急激な変動について

当社は、前述のとおり海外との輸入取引を行っておりますが、これら輸入品は主としてUSドル建てでの決済を行っているため、為替相場の急変等により仕入価格が上昇した場合には、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 特定の販売先への依存について

当社の主要な販売先は、主に国内100円ショップ業界でありますが、それら企業のうち、株式会社セリア及び株式会社大創産業に対する販売依存度が高くなっており、これら企業との取引の増減が当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼします。

当社は、今後ともこれら企業との緊密な関係を維持し、そのニーズに応える商品提供に努めてまいりますが、当社の取組みが十分な結果を得られない等、何らかの理由により各社の取引方針が変更され、契約更新の拒絶、解除その他の理由により契約の終了等が生じた場合、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当事業年度における当社の売上高に占める特定の販売先への売上高割合

 

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

株式会社セリア

4,396,746

54.1

株式会社大創産業

1,882,452

23.2

 

 

(11) 業績の季節変動について

当社の商品は、主にギフトラッピング、デザイン文具、キッチン・テーブルウエア、フラワー関連商品であり、商品の特性から、ハロウィン(10月)、クリスマス(12月)、バレンタイン(2月)などの行事に関連して販売されるものが多くを占めております。

当社では年間を通じて定常的に販売されるアイテムを増加させるため、新商品の企画・開発を進めておりますが、当社の業績特性として、これら商品の需要が高まる上半期(10月~3月)に、売上高が集中する傾向があります。営業損益についても、売上高と同様の変動要因により、上半期(10月~3月)に集中する傾向があります。

 

前事業年度及び当事業年度における各四半期の売上高及び営業損益

 

 

前事業年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

第1四半期会計期間

(10月~12月)

第2四半期会計期間

(1月~3月)

第3四半期会計期間

(4月~6月)

第4四半期会計期間

(7月~9月)

売上高      (千円)

1,717,742

1,584,255

1,127,881

1,489,610

営業損益     (千円)

203,848

137,267

△4,874

△40,744

 

 

 

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

第1四半期会計期間

(10月~12月)

第2四半期会計期間

(1月~3月)

第3四半期会計期間

(4月~6月)

第4四半期会計期間

(7月~9月)

売上高      (千円)

2,529,900

2,138,280

1,690,255

1,772,945

営業損益     (千円)

157,178

108,573

△19,663

△64,491

 

 

(12) 競合について

当社事業については、事業開始に際して許認可が必要とされないため参入障壁が比較的低く、今後も競合他社による新規参入、あるいは市場環境の変化等により、競争が激化する可能性があります。

当社は、デザイン企画開発を自社内で行うことにより、外部に依存しない独自の商品群を揃えるとともに、年間約2,200アイテムの新しい商品を低コストで供給しております。

しかしながら、当社の商品開発力、コスト競争力を上回る企業、あるいは既存の競合他社が当社を上回る商品力を具備した場合、当社の事業に影響を与える可能性があり、これらの競合先に対し効果的な対抗策を実現できず、当社が想定している事業展開が図れない場合には、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 商品企画開発力について

当社は、商品開発部署に女性を中心とした40名以上のデザイナーを有し、更に国内外のネットワークを通じて常時100名以上のフリーランスイラストレーターを起用して、当社独自の世界観に統一されたデザインに基づく商品の企画開発を行っております。

この企画開発を通じた販売数は年間約1億50百万個に達しています。また、このうち新規に開発、更新されるアイテムは年間約2,200アイテムに上ります。

しかしながら、当社の商品開発部署におけるデザイナーに欠員が生じたり、人員強化が計画通り進まない場合、あるいは国内外のイラストレーターとの連携強化に支障が生じた場合には、商品開発力に低下が生じる可能性があり、これらの事態に適切な対応が図れない場合には、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(14) 倉庫について

当社は持たざる経営を基本としており、倉庫スペースの確保並びに商品の入荷検品・在庫管理・出荷等のハンドリング業務は、取扱商品別に外部倉庫業者4社に委託しております。当社の事業特性から、商品在庫量には季節による変動があるため、繁忙期には倉庫業者から賃貸するスペースを拡大することを通じて、経費の増大を回避しております。

『amifa』ブランドである当社ワンプライスNB(ナショナルブランド)商品の販売数量が、ワンプライス商品全体の7割超にのぼり、当該商品を取り扱う倉庫業者(株式会社バン・テック)からの賃貸面積が全賃貸坪数の7割程度を占めるため、当該業者への依存度が高い状態にあります。このため、予期せぬ天変地異や火災の発生等の事態により、当該倉庫に保管する当社商品に直接の被害が及んだり、又は当該倉庫業者の業務運営に支障が生じた場合には、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、顧客先ブランドで製造するワンプライスPB(プライベートブランド)商品でも、販売数量が年々拡大を続けており、当該商品を取り扱う倉庫業者(有限会社さくら梱包)を通じた出荷数量も増加しております。このため、出荷数量の変動に応じて当該業者が近隣での倉庫スペースを借り上げることで、出荷数量の急激な増加への対応を図ります。ただし、当該業者の倉庫立地が東京都心に近いため、将来に亘って当社が必要とする倉庫スペースが適時適切に確保できるとは限らない状況にあります。このため、今後周辺エリアでの倉庫需要の高まりや市況の変動によっては、倉庫スペースの確保が困難になる事態や、倉庫賃料等の上昇を通じて、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 物流について

当社の販売するワンプライス商品数は年間約1億50百万個に及びますが、これら商品は顧客が全国に展開する小売店舗に向け直接出荷されております。

商品は一般に段ボール箱に格納いたしますが、商品の形状や性質によりひと箱当たりの格納効率が異なってまいります。

商品の輸送は外部の運送業者に委託しており、その起用にあたっては、全国ネットワークを有しかつ物量の季節変動にも対応できる信頼性の高い企業を選定しております。

しかしながら、何らかの理由でこれら運送業者の輸送能力に障害が発生した場合や、輸送運賃が値上げされた場合、あるいは商品の単位当たりの格納効率が低下し輸送数量が増加した場合には、当社の輸送関連経費が増大し業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 感染症の流行について

当社が商品の卸販売をしている市場・顧客は、大部分が日本国内、一部は顧客を通じて海外であり、最終的には一般消費者に販売されています。また商品・原材料等は国内外の協力会社より仕入・調達を行っています。感染症の流行により、需要の減退、商品・原材料の調達困難、当社社員及び関係者の感染による業務継続への支障等が発生した場合、当社の業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして認識しております。利益還元につきましては、将来の事業展開と経営基盤強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的な剰余金の配当の実施を基本方針としており、配当性向30%を目標として取り組んでまいります。

当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって決定することができる旨を定款に定めております。また、期末配当の基準日は毎年9月30日、中間配当の基準日は毎年3月31日とし、この他、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。

なお、当社が展開するビジネスの特性上、利益が上期偏重型となっており、通期業績をもって配当方針に沿った配当金額を決定すべく、年1回の期末配当にて剰余金の配当を行うことを基本としております。

 

当事業年度の配当につきましては、上記の方針に基づき、当期の業績及び今後の事業展開に向けた投資等を勘案し、1株当たり24円といたしました。

 

内部留保資金につきましては、ICT投資及び新商品の開発等に充当し、企業基盤強化のため有効に活用していく考えであります。

 

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額
(千円)

1株当たり配当額
(円)

2023年11月14日

取締役会決議

71,878

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