リスク
3【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業展開上、リスクと考えられる主な事項を記載いたしました。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生を未然に防止し、かつ万が一発生した場合においても適切に対処する所存であります。
なお、以下の記載内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであるとともに、当社株式への投資判断に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。
(1)事業環境における制度変更等のリスクについて
当社グループの主力製品である医療・介護用ベッド(以下「ベッド」といいます。)は、医療保険制度や介護保険制度に基づき運営されている医療施設及び高齢者施設並びに要介護の方がいらっしゃるご家庭で使用に供されるものであります。ベッドは、これらの公的制度のもとで公定料金(診療報酬・介護報酬)が設定されている製品ではありませんが、医療保険制度又は介護保険制度等に係る制度変更や定期的な公定料金の改定の影響により、最終顧客である医療施設等の設備投資が減少することも考えられるため、当社グループの事業、業績及び財政状態は、このような制度変更等により悪影響を受ける可能性があります。なお、こうした状況に対応するため、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、医療・介護の分野で長年培ってきた技術や知見をもとに、今後は健康の分野でも皆さまに貢献することを新たな目標とし、取り組みを強化してまいります。
(2)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつと位置付けております。しかしながら、海外市場においては、国内市場では通常想定されないリスク、たとえば輸出・輸入規制の変更、技術・製造インフラの未整備や人材の確保の難しさ等に関わるリスクも発生する可能性があると考えております。もしこうしたリスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、生産拠点・販売拠点の所在する国・販売する地域における政治・経済・社会的状況や関連する規制等の情報(特に各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、医療機器登録関連規制等の強化、変更等)を日々収集し、必要な対応を行っています。
(3)特定の資材等の調達に伴うリスクについて
当社グループの資材等の調達については、特殊な資材等があるため、少数特定の仕入先からしか入手できないものや、仕入先や供給品の切替えや代替が困難なものがあります。当社グループは、そのような事態に陥らないよう努めておりますが、もし不可欠な資材に供給の遅延・中断があり当該資材の供給不足が生じ、タイムリーに調達できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。
(4)製品や部品(製品等)の欠陥によるリスクについて
当社グループの製品は、品質システムに関する国際規格や各種の自社基準に基づき製造されており、当社グループは製品の品質管理には万全の体制を敷いており、また賠償責任保険を付保するなどの対応をとっておりますが、もし予測し得ない製品等の欠陥が生じ、それが大規模な無償交換(リコール)につながる場合には、多大な費用負担が生じ当社グループの社会的な信用も低下することが予想され、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。
(5)自然災害等によるリスクについて
地震等の自然災害又は大規模火災等により、当社グループや調達先の生産拠点に重大な損害が発生し、操業中
止、生産や出荷の遅延や減少等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性
があります。なお、このような事態に備え、大地震等の発生を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、安否確認システムや緊急時の連絡網を整備するとともに、定期的に訓練を行うなどの取り組みを行っています。
(6)情報セキュリティに関するリスクについて
当社グループは事業の特性上、個人情報を含む様々な機密情報を保有しており、情報システムに対するセキュリティ対策を実施するとともに機密情報の漏洩がないよう情報管理に努めております。しかしながら、クラウドサービスやネットワークの大規模な障害、サイバー攻撃等の想定を超える出来事により、情報システムの停止や情報流出が発生した場合、当社グループの社会的な信用が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性があります。なお、このような事態に備え損害賠償保険に加入するとともに、従業員の情報セキュリティ意識を向上させるなど、当該リスクの軽減を図る取り組みを行っています。
また、(1)-(6)のリスクに対して、当社グループとしては、個々のリスクへの対応を強化するとともに、様々な角度から事業の幅を広げ、個別のリスクにより特定の事業に影響が生じてもグループ経営の継続性への影響は軽微に留められるよう努めてまいります。例として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、医療・介護の分野に加えて健康の分野に取り組むことは、事業分野別のリスクによる影響の軽減につながります。また日本全国において事業を行うことや、日本・インドネシア・中国・インドなど複数の国で事業を大きくしていくことで、特定の地域や国でリスクが生じても他の地域や国での事業への影響は軽微となります。当社グループ最大の生産拠点である千葉工場が損害を受けた場合や、感染症等で営業活動が制限されるなどのリスクに対しては、福祉用具レンタル卸事業など継続的なサービスを強化していくことで、売り切り事業モデルのリスクによる影響を軽減できると考えております。
配当政策
3【配当政策】
当社グループは、株主の皆様への利益還元を経営の重要な政策と位置づけており、株式公開以来業績の向上に対応して1株当たりの配当金の増額に努めるとともに、株式分割や記念配当など、積極的に実施してまいりました。
配当金額については、将来の急激な事業環境の変化に備え財務体質を強固にするため内部留保の充実は継続する一方、企業価値の持続的な向上を目指し事業投資を強化するとともに、株主の皆様に成長を共に実感いただける配当政策のもと、金額を決定しております。
具体的には、2020年度から2023年度までの中期経営計画においては、純資産配当率2.7%及び配当性向30%を目安としてまいりました。
当連結会計年度の配当につきましては、継続的な利益還元の観点から、期末配当は1株当たり34円とし、年間配当金については1株当たり65円の配当を実施いたしました。これにより、純資産配当率2.8%、配当性向35.6%(いずれも連結ベース)という結果になりました。
なお、今後につきましては、純資産配当率4.0%及び配当性向50%を目安といたします。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めており、これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当・期末配当とも、取締役会であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2023年10月30日 |
1,807 |
31 |
取締役会決議 |
||
2024年5月27日 |
1,952 |
34 |
取締役会決議 |