2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,175名(単体) 2,173名(連結)
  • 平均年齢
    44.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    20.3年(単体)
  • 平均年収
    5,148,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    4.3%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略に関する方針

 当社は、事業を取り巻く経営環境の変化に自律的に対応し、高い専門性と創造性をもって新たな価値を創造し続ける「自律型人材」の育成・確保を人材戦略の中核に据えています。

 中長期的な経営戦略として、海外市場の開拓、国内の非住宅・リフォーム・商環境分野の強化を進めるとともに、それらを支える顧客提案力の向上および生産性向上等に取り組んでいます。これらの戦略を実現するためには、変化する市場環境や顧客ニーズを的確に捉え、自ら課題を発見し、主体的に行動できる人材が不可欠であると認識しています。

 この考えのもと、当社では経営戦略の実現を担う人材の採用・定着を図るとともに、従業員が主体的に挑戦し成長できる環境づくりを推進しています。その基盤となる人事制度では、「等級(役割)」「評価(貢献)」「報酬(結果)」を三位一体で連動させることで、求められる役割や成果を明確化し、挑戦と成長を適切に評価・処遇へ反映する仕組みを構築しています。

 また、階層別研修や専門教育の充実、多様な経験機会の提供を通じて、従業員一人ひとりの主体的な成長を促進し、専門性と創造性の向上を図っています。さらに、多様な人材が能力を最大限発揮できる職場環境の整備に取り組むことで、自律型人材の育成・確保を推進してまいります。

 

②従業員の給与・報酬の額や内容に関する決定方針

 当社は、一人ひとりの成果、組織への貢献度およびチャレンジを重視し、成果・努力・自己成長に報いる公正な処遇を行うことを基本方針としています。

 この方針のもと、基本給は役割(グレード)を明確化した等級制度に基づき決定しています。賞与および昇給については、当社の全体の戦略目標から各部門の「部門目標」、そして「各従業員の個人目標」へと垂直的に連動させる「戦略連鎖(目標連鎖)」の仕組みを構築しています。期初に設定されたこれら連鎖目標に対する達成度、および目標達成に向けた行動プロセスを厳正に判定し、あらかじめ設定・周知された客観的な算定基準に基づいて決定しています。

 処遇水準については、昨今の物価上昇を含む社会経済環境の変化を注視するとともに、株主還元、成長投資および人的資本投資のバランスを踏まえながら、従業員の生活基盤の安定、エンゲージメント向上および生産性向上に資するよう、教育訓練等への投資も含めた総合的な観点から決定しています。

 これらの取組みを通じて、当社の持続的な成長を担う人材の確保・定着および従業員のさらなる活躍を促進し、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

住宅建材設備事業

2,161

発電事業

12

合計

2,173

(注)従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除く就業人員です。また、嘱託契約の従業員を含み、パートタイマー及び派遣社員は除いています。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

1,175

44.1

20.3

5,148

4.3

 

セグメントの名称

従業員数(名)

住宅建材設備事業

1,163

発電事業

12

合計

1,175

(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。また、嘱託契約の従業員を含み、パートタイマー及び派遣社員は除いています。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

③労働組合の状況

 労使関係について特に記載すべき事項はありません。

④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

提出会社

当事業年度

補足説明

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2

労働者の男女の賃金の額の差異(%)(注)1、3

全労働者

うち正規雇用労働者

うち非正規労働者

1.6

93.3

76.8

75.1

99.4

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

3.平均勤続年数、管理職比率など男女間に差異があることで賃金に差が出ていますが、賃金制度・体系において性別による処遇差は一切ありません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 当社グループのサステナビリティ経営

 当社グループは、再生可能な自然資源である木を植え、育てるところから事業を始めています。大切に育てた木を余すことなく建材として活かし、また植林する。その繰り返しの中で私たちは、人に優しい「住まい」づくりを追求し、自然と人と社会が循環共生する持続可能な社会を目指しています。

 

① ガバナンス

 当社グループは、自然と人が循環共生する持続的な社会と企業の持続的な成長を同時に目指すサステナビリティ経営を推進することを目的として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。

 サステナビリティ委員会の主な役割は以下の通りです。

1. 基本方針や戦略、重要課題(マテリアリティ)の審議、決定

2. 基本方針や戦略、重要課題(マテリアリティ)に沿った施策の推進および目標に関する進捗管理

3. その他上記すべてに関連する事項

 また、戦略統括本部内に「サステナビリティ推進室」を設置し、委員会の事前協議や事務局機能を担っています。

組織体制

② 戦略

 当社グループは、事業活動におけるESGのマテリアリティ(重要課題)を特定し、以下の通り取り組んでいます。

a. E/環境(Environment)

環境については、「森林育成・保全を地球環境の最重要課題とした持続可能な経営」をマテリアリティと捉えています。基本的な考え方として木の価値を最大限に生かした地球を守る経営を目指し、持続可能性や環境に配慮した木材・資材調達のため、自ら森を育て、加工・販売までを一貫して行う森林経営の徹底と気候変動の要因となる森林減少などの社会課題の解決に貢献することで、森林資源の持続的な活用と保全を行っています。

主な取組みとして、ニュージーランドで木を植え、育て、伐採し、また木を植える、木の年間成長分だけ毎年伐採を行う法正林施業によって森林資源を保全しながら、森林面積を減らすことなく、木材を永続的に収穫できる状態を保つ正しい林業のあり方を実践した持続可能な森林経営を行っています。これに加えて、ニュージーランド以外から調達する木材については、合法木材の利用を促進し、森林資源の保全にも努めています。

また、当社グループはカーボンニュートラルの実現およびサーキュラーエコノミーの推進を目指しています。その一環として、長年にわたり生産過程で発生する木くずを単なる廃棄物とせず、貴重なエネルギー資源として循環させるバイオマス発電を実施してまいりました。この発電電力を活用することで、化石燃料依存からの脱却と温室効果ガス(GHG)の削減を同時に達成しています。さらに、自社のバイオマス発電所由来の再生可能エネルギーの利用を推進し、CO₂排出量実質ゼロの電気を国内全ての製造拠点で使用しています。加えて、ニュージーランドの自社森林で育てた木材から製造加工した内装建材の製品カタログにCO₂固定量を明記することで、製品ごとの環境価値を見える化し、お客様が木質建材を選択する際の指標の一つとして活用していただくとともに、木質建材の環境価値を訴求する取組みも行っています。このほか、クリーンな材料調達の証として、ニュージーランドの全森林・全工場及びフィリピン、インドネシアの海外生産拠点、ならびに日本国内の木質建材工場において森林認証を取得しています。

2025年6月からは、社名ロゴ入りの鉄道輸送専用コンテナを導入し、広島・埼玉間での運行を開始しました。これは「ホワイト物流」推進の一環であり、ドライバーの労働環境改善とCO₂排出量削減を同時に実現するものです。

事業活動に伴う環境負荷低減のためには、使用電力の削減、廃棄物の削減と再資源化、ペーパーレス化の推進、輸送時の環境負荷低減などにも継続して取り組んでいます。

こうした取り組みを基盤に、当社はTCFDの提言に基づき、気候変動に関連するリスクと機会を特定・評価し、経営戦略へ統合しています。今後も自然と人と社会が循環共生する持続可能な社会の実現を目指し、脱炭素社会への貢献と企業価値向上を両立させつつ、透明性の高い情報開示を継続してまいります。

ア)分析のプロセス

TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社の事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討しました。

シナリオについては、1.5℃シナリオと4℃シナリオを用いており、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)に関する分析と、気象災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施しました。

 

イ)気候変動シナリオ

1.5℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行に伴い、炭素価格の導入や再生可能エネルギーへの転換などの施策・規制が進むことによる事業への影響が考えられます。4℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行が進まず、異常気象の激甚化による洪水被害などの物理的な面での影響を想定しております。

出典:IPCC AR6 WGI SPM Fig. SPM.8(a)より作成

 

 

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

社会像

2100年までの平均気温上昇を2未満に抑えるため、脱炭素社会を実現する施策・規制が実施される世界

2100年までの平均気温が約4上昇することにより、気候変動による異常気象の激甚化が進行し、物理的影響が生じやすい世界

参照シナリオ

(物理)IPCC(注)2  SSP(注)3 1-1.9

(移行)IEA(注)4 NZE(注)5

(物理)IPCC SSP5-8.5

(移行)IEA STEPS(注)6

対象

当社グループ  木質建材設備事業、発電事業

(注)1.TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)。G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により設立された気候関連財務情報の開示に関するタスクフォースで、企業等に対し、気候変動が及ぼす財務インパクトを把握し、開示することを推奨している。TCFDは、国際財務報告基準の策定を担うIFRS財団に監督機能を引き継ぎ、2023年10月に解散した。

2.IPCC:気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)

3.SSP:共通社会経済経路(Shared Socioeconomic Pathways)

4.IEA:国際エネルギー機関(International Energy Agency)

5.NZE:ネットゼロ排出シナリオ(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)

6.STEPS:公表政策シナリオ(Stated Policies Scenario)

 

ウ)主要なリスク及び機会と影響度

気候変動シナリオをもとに当社の事業に与えるリスク・機会を分析し、以下の通りまとめております。各リスク・機会の項目が事業に与える影響については、定性・定量評価を実施したうえで、対応策を立案し、レジリエンスを高めております。分析したリスク・機会と影響度は次の通りです。

 

主要なリスク及び機会と影響度

分類

考えられるリスク/

機会が当社へ及ぼす影響

財務対象

時間軸

(注)1

影響度

(注)2.3

対応策

市場

市場での低炭素型商品ニーズの増加に合わせた新商品の開発や、既存商品の製造方法の転換などによる研究開発費や設備投資額の増加

費用

中期~長期

・顧客ニーズを詳細に分析し、確実に需要が見込める技術・製品に集中投資する

・初期投資の回収期間を短縮できる価格設定や販売計画を立案する

木材需要の逼迫による原材料調達コストの増加

費用

中期~長期

・複数の供給元を確保し、特定の地域やサプライヤーへの依存度を低減する

電源構成における再生可能エネルギー比率の増加にともなう電力コストの上昇

費用

中期

・省エネルギー型の設備やLED照明、効率的な空調システムを導入し、エネルギー消費を削減する

評判

ステークホルダーの環境意識の高まりにともなうGHG削減の取り組み遅れや情報開示不足による顧客からの評価の低下

売上

中期

・継続的なステークホルダーへの情報開示を強化する

・CDP等の外部格付けへの対応を強化する

・SBT基準の削減目標の設定及び認定取得を検討する

急性

サプライヤーの被災によるサプライチェーンの分断にともなう生産量の低下

売上

中期

・複数の供給元から資源を調達し、リスクを分散することで、一地域の気候変動影響に左右されない安定供給を実現する

・供給網が寸断された場合に備え、代替輸送ルートを事前に計画する

自社拠点の事業活動停滞/停止にともなう販売機会の喪失と売上の減少

売上

中期

・BCP(事業継続計画)強化により稼働停止リスクの低減を図る

資源効率

製造ラインにおけるデータ利活用の高度化等による製造プロセスの効率化にともなうエネルギーコストの削減

費用

中期~長期

・工場での製造DXの推進によるIoTの活用などエネルギー効率(電力使用量・稼働状況)のモニタリングと継続的改善を実施する

省エネ設備導入によるエネルギー消費と製造コストの削減

費用

中期

・省エネ設備・機材を導入する

エネルギー源

再生可能エネルギーの導入による電力購入コストの削減

費用

中期

・自社のバイオマス発電を有効利用する

製品

及び

サービス

環境配慮型製品の開発による売上の増加

売上

中期~長期

・環境負荷の低減に資する短工期かつ容易に施工できる商品(リフォームしやすい内装部材等)の開発を一層推進していく

 

 

分類

考えられるリスク/

機会が当社へ及ぼす影響

財務対象

時間軸

(注)1

影響度

(注)2.3

対応策

機会

市場

再生可能な原材料や製品の価値上昇にともなう売上の増加

売上

中期~長期

・植林からの一貫生産体制を構築している製品群の新規開発、売上拡大・国内外の原木・立木の調達先を増やし、供給能力を強化する

政府の2050年カーボンニュートラルを見据えた施策による中大規模建築物への木材利用の推進と売上の増加

売上

中期~長期

・長期間炭素貯蔵し、建築時のGHG排出量を抑制できる構造材の特徴を活かしたブランディングを強化する

・中大規模建築物向けの耐久性の高い工法等の開発を強化する

 

(注)1.気候変動のリスクと機会の検討における「中期」「長期」の定義

時間軸基準

影響期間設定

期間

中期

2030年

長期

2050年

 

2.影響度の定義

財務インパクト

影響度基準

影響度設定

売上への影響度

(金額/年)

費用、投資への影響度

(金額/年)

10億円以上

6億円以上

5億円以上~10億円未満

2億円以上~6億円未満

5億円未満

2億円未満

 

3.影響度については今後も検討を行い、適宜更新を行う予定です。

 

b. S/社会(Social)

社会については、第一に「安心・安全・快適な住空間の実現」をマテリアリティと捉えています。「人が生き、そして暮らす」という住宅の本質を踏まえ、お客様にとって住宅がいつまでも美しく丈夫で長持ちし、安全で快適なものであり続けることが重要であると考えます。当社グループは木材を扱うプロとして、常に木材が持つ「安心・安全・快適」という本質的価値を追求した住宅部材を提供していきます。

主な取組みとして、長寿命化住宅の実現に向け、強靭な構造用LVL「JWOOD」を専用金物で緊結した強固な構造体「JWOOD工法」を採用し、耐震性能に関する国内最高基準である「耐震等級3」を確保したシステム住宅「ワンズキューボ」の提供、設計から品質管理に至るISO9001認証に基づく継続的な改善活動を実施しています。また、2025年4月に発売した国産材桧の無垢フローリング「コンビットソリッドJ」を含む2商品が「ウッドデザイン賞2025」を受賞するなど、地域材の付加価値向上と意匠性を両立した商品展開を強化しました。さらに、無垢フローリングの美しさを研磨して蘇らせる「サンディングサービス」を展開し、資源を永く大切に使うメンテナンス文化の醸成に努めています。加えて、脱炭素社会の実現に向け、木造4階建て宿泊施設の構造見学会や展示会への出展を通じ、中大規模建築物等の非住宅分野における木質化を推進しています。

第二に「労働生産性向上の実現」をマテリアリティと捉えています。深刻化する建築現場の職人不足等の課題に対し、現場の声を反映した省施工システムの提案を通じて社会課題の解決に貢献していきます。

主な取組みとして、建築現場での加工を最小限に抑え、労務工数の効率化に寄与する「ジャストカット階段」等の省施工商品の拡充や、構造設計の見直しによる省施工化を推進しています。また、施工説明書のデジタル化をはじめとするデジタルコンテンツの充実を図ることで、作業効率の向上と品質の均一化に継続して取り組んでいます。

第三に「挑み、成長できる組織づくり」をマテリアリティと捉えています。当社グループは、全ての従業員とその家族が心身ともに健康であり、多様な価値観が尊重され、一人ひとりがその能力を十分に発揮できる企業を目指しています。

 

主な取組みとして、2026年3月に「健康経営」を経営戦略として導入することを決定しました。従業員の心身の健康維持・増進を重要な経営資源と捉え、組織の活性化と労働生産性の向上を図ることで、中長期的な企業価値向上を目指します。また、2025年9月には次世代育成支援として「はつかいち子育て応援宣言企業」の認定を取得し、育児休業の取得促進や職場体験の受け入れを積極的に実施しています。

なお、具体的な人材育成方針や社内環境整備方針、及び関連する指標の詳細については、後記「(2) 人的資本経営」に集約して記載しております。

 

c. G/ガバナンス(Governance)

ガバナンスについては、当社グループでは「公正かつ健全な事業活動の継続」をマテリアリティと捉えています。経営の透明性・健全性を確保するための監視・監督体制として、取締役会による重要事項の決定および監督に加え、監査役会による厳正な監視を実施しています。さらに、財務報告の正確性と信頼性を確保するための内部統制システム強化の一環として、内部監査室が監査役、会計監査人および関係部署と連携し、各部門に対する定期的な監査を行うことで管理体制の充実を図っています。

主な取組みとして、「コンプライアンス・マニュアル」等の行動規範に基づき、全部署を対象とした定期的なコンプライアンスチェックや継続的な教育活動を実施し、高い企業倫理の育成と健全な企業風土の醸成に努めています。また、内部通報制度とサプライヤーホットラインの適切な運用や、インサイダー取引管理規程の遵守徹底により、法令遵守、人権尊重、および公正な事業慣行の維持に注力しています。なお、法令や社会的ルールに抵触する疑いがある事案が発生した場合には、コンプライアンス委員会を招集し、迅速かつ適正な対応を行う体制を整えています。

 

③ リスク管理

当社グループでは、リスク管理を企業価値向上の重要な基盤と位置付けています。社会的責任を果たし、社会的信用を確保することで、経営方針の実現を阻害するリスクを最大限排除することが重要であると考えています。このため、当社では事業活動や投資家の判断に重大な影響を及ぼす可能性があるリスクを定期的に評価・抽出し、想定される重大リスクについては、重要課題(マテリアリティ)としてサステナビリティ委員会で審議・決定のうえ、取締役会へ報告し審議・承認を受ける統合的なプロセスを運用しています。また、全社的なリスク管理を推進するため、「リスク管理規程」に基づき、総務担当取締役をリスク管理担当役員として任命しています。リスク管理担当役員のもと、総務人事部が事務局となって体制構築・運営を行うとともに、内部監査室によるリスク管理に関する内部監査を実施し、体制の有効性を検証しています。さらに、各部門およびグループ会社においては、顕在的および潜在的リスクの検証を行い、リスク現実化の未然防止策および対応策を策定しています。

特に気候変動関連のリスクについては、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、1.5℃および4℃のシナリオ分析を通じて、移行リスク(原材料調達コストの増加等)や物理リスク(異常気象による自社拠点の事業活動停滞/停止やサプライチェーンの分断等)の特定・評価を行っています。特定された重大なリスクへの対応策については、サステナビリティ推進室が事務局となり、関連する部門やグループ会社と連携して施策の推進および進捗管理を行う仕組みづくりに努めています。

 

④ 指標及び目標

当社グループでは、ニュージーランド子会社における森林経営において、二酸化炭素を吸収する森林面積を減らすことなく、一定の周期で毎年一定の木材を永続的に収穫することを基本方針とし、資源循環型の環境経営を目指しています。あわせて、木材製品を生産し長寿命化住宅を実現することは、植林で吸収した二酸化炭素を炭素として固定する貯蔵庫を生産しているといえます。さらに国内においては、バイオマス発電事業や再生可能エネルギーによる電力利用を推進することにより、カーボンニュートラルを目指しています。これらの取組みに加え、クリーンな材料調達の証として、ニュージーランドの全森林・全工場及びフィリピン、インドネシアの海外生産拠点、ならびに日本国内の木質建材工場において森林認証を取得しています。

このように、当社グループの事業活動自体がサステナビリティに関する諸問題に対処する重要な取組みであり、経営目標となります。これらの活動の進捗と成果をより明確に評価・開示するため、以下の指標を掲げています。なお、人的資本に関する指標については、後記「(2) 人的資本経営 ② 指標及び目標」に記載しております。

 

提出会社

指標

目標

実績

(前連結会計年度)

実績

(当連結会計年度)

CO₂排出量(Scope1+2)

売上高100万円あたりの原単位

2030年までに0.048t-CO₂

0.059t-CO₂

0.055t-CO₂

電気使用量

売上高100万円あたりの原単位

2030年までに0.523千kWh

0.540千kWh

0.533千kWh

返品率

2030年までに0.21%

0.24%

0.25%

 

(2) 人的資本経営

人的資本経営に関する戦略、指標および目標については、次のとおりです。なお、人的資本経営に関する取組みは連結子会社各社で行われていますが、規模・制度の違いが様々であり、連結グループでの記載が困難であることから、提出会社の記載を行っています。

 

① 戦略

人材育成方針・社内環境整備方針

 当社は、人材ビジョンを「木と人を観る力・活かす力で、独創的な新市場を創り続け、『木のぬくもりと豊かな暮らし』を世界の人々に提供し続けるプロフェッショナル人材」と定義づけ、人事ポリシーを「成果・組織貢献に報いる仕組みを設け、各人と当社の成長のためにチャレンジする行動力のある人材を生み出す」と定めています。従業員一人ひとりの自主自立を軸に、個々の成長を支援するとともに、当社の成長戦略を実践できる人材育成を目指しています。

 この実現に向けた経営戦略と連動した具体的な「人材戦略に関する方針」および「従業員の給与・報酬の額や内容に関する決定方針」につきましては、後述の「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に一括して記載しています。

 

 主な社内環境整備面での取組みとしては、一人ひとりの成果・組織貢献・チャレンジを軸に、これらの要素を適切に反映した分かりやすい評価制度と、各人の成果・努力・自己成長に報いる処遇制度の確立を目指して、2023年4月より新人事制度の運用を開始し、その定着化に努めています。

この人事制度は、女性社員の仕事と育児等の両立を支援するための育児休暇、時短勤務、職場復帰や男性従業員による育児休暇の各種制度と連携し、女性や若手社員の活躍推進、シニア従業員等高齢者の活躍に対応できるものとなっているほか、変化の激しい市場環境に迅速に対応し、スピード感をもって事業を創造できるスペシャリストの活用を強化するための専門職制度等の新たな仕組みも導入しています。さらに、従業員の健康を経営の重要課題と位置付け、「ウッドワン健康宣言」のもとで健康経営を推進しており、全従業員の健康診断受診率100%の維持や、ストレスチェックを通じた良好な職場環境の形成、ワークライフバランスの充実に注力しています。こうした多様性の確保や心身の健康への投資を通じて、全従業員が健康で、かつ高い生産性を発揮できる基盤を整え、持続的な成長を支える組織づくりを推進してまいります。

 

② 指標及び目標

当社では、上記「(2)人的資本経営 ①戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、及び社内環境整備に関する方針に基づき、取組みの進捗と成果を測るため、以下の指標及び目標を掲げています。

当該指標に関する実績は、次のとおりです。

提出会社

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

2030年までに10%

1.6%

男性労働者の育児休業取得率

2030年までに85%

93.3%

労働者の男女の賃金の額の差異

2030年までに80%

76.8%

有給取得率

2030年までに70%

68.4%

(注)実績の詳細は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。