2026年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

DNPグループは、地球環境の持続可能性を高め、健全な社会と経済、快適で心豊かな人々の暮らしを実現していく新しい価値の創出に努めており、それによって当社自身の持続的な成長を達成していきます。社会環境の急変など、経営に影響を与える変動要因がますます多様かつ広範囲になるなか、全社のリスクを適切に評価・分析して中長期的な経営戦略に反映し、事業機会へと転換するプロセスを強化することが、よりサステナブルな社会への貢献と、当社が標榜する「未来のあたりまえ」につながると考えています。こうした考えに基づき、中長期的なリスクの管理と事業機会の把握、経営戦略への反映を担う「サステナビリティ推進委員会」を代表取締役社長が委員長に就いて運営しています。また、自然災害やサイバー攻撃による事業停止をはじめとする有事の際も社員の安全を確保して生産活動を維持し、企業継続を担保する「BCM推進委員会」、企業継続の基本となる社員のコンプライアンス意識の向上を図り、リスクの低減を図る「企業倫理行動委員会」を合わせた3つの委員会が互いに連携し、全社的リスクを網羅する体制を構築して、統合的なリスクマネジメントを推進しています。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1)DNPグループの重要なリスクと重点対応施策

当社は、事業活動を通じて識別したサステナビリティ関連のリスク及び機会について重要性評価を行い、「重要なリスク及び機会」として特定しています。また、当社は、これらの重要なリスクへの対応として重点的に推進する施策を位置付けており、「情報セキュリティ」「サプライチェーンマネジメント」「人権」を重点対応施策としています。本項では、これら重点対応施策の対象となる主要なリスク及びその対応状況について記載しています。

重要なリスクの特定プロセス及び対応方針の考え方については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。

 

①情報セキュリティに関するリスクへの取り組み

当社は、顧客企業や生活者に関する個人情報及び機密情報を多く取り扱っており、サイバー攻撃、不正アクセス、委託先を含むサプライチェーンを起点とした情報漏えい、改ざん、システム停止等のリスクを重要な経営課題と認識しています。これらが発生した場合、信頼低下、対応費用の発生、事業活動の停止等により、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅰ)ガバナンス

当社は、本社に情報セキュリティ委員会及び情報セキュリティ本部を設置し、グループ全体を統括するとともに、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置し、サイバーセキュリティインシデント対応体制を構築しています。この体制のもと、「組織的・人的・技術的対策」を柱に多層的な対策を推進しています。

 

(ⅱ)戦略

当社は、「セキュリティ・バイ・デザイン」に基づき、企画・設計段階から対策を組み込むとともに、外部機関による客観的評価を活用して有効性を検証し、継続的な改善を図っています。

人的対策としては、全社員から経営層まで階層別教育・訓練を実施し、技術的対策としてはゼロトラストの採用やXDR(Extended Detection & Response)、サイバーハイジーンの導入により、予防・防御力の強化を図っています。

一方で、DXの進展に伴うAI・データ利活用の拡大や技術革新、地政学リスク等を背景にサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、これらのリスクを完全に防止することは困難であるとの認識のもと、インシデント発生を前提としたレジリエンス強化に取り組んでいます。

 

具体的には、事業継続計画(BCP)の再評価を行い、事業・業績への影響度に応じた優先順位付けや重要システムを特定し、影響最小化による復旧時間の短縮と復旧プロセスの高度化を進めています。これらの取り組みは、BCM推進委員会や企業倫理行動委員会等で定期的に報告を行い、取締役会にも報告しています。また、重大インシデントを想定したシナリオに基づき、経営層を含む訓練を実施し、意思決定及び対応能力の向上に努めています。

 

<情報セキュリティの取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.115~123>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

(ⅲ)リスク管理

当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。情報セキュリティの取り組みを経営における重要課題として取り上げ、対策を講じています。

 

②サプライチェーンに関するリスクへの取り組み

サプライチェーンに関する取り組みは、当社が特定した「重要なリスク」への対応として重点的に取り組んでいる施策の一つであり、地政学リスク、自然災害、物流混乱、法規制の変化等により、原材料や部材の調達が滞った場合、当社の事業活動や社会的信頼に影響を及ぼす可能性があるリスクに関するものです。

当社は、半導体関連部材をはじめとするエレクトロニクス分野やモビリティ分野、生活・社会インフラを支える幅広い製品を提供しており、グローバルかつ多層的なサプライチェーンを有しています。近年、世界情勢の不安定化や経済安全保障の要請の高まりにより、従来の効率重視のサプライチェーンから、持続性・強靭性を重視した体制への転換が求められています。

当社は、こうした環境変化を踏まえ、サプライチェーンの安定性確保を重要な経営課題の一つと位置付け、ガバナンス、戦略、リスク管理の観点から、継続的な強化に取り組んでいます。

 

(ⅰ)ガバナンス

サプライチェーンに関する方針や重要事項については、BCM推進委員会等において議論を行い、必要に応じて経営層による意思決定・監督のもとで対応しています。新型コロナウイルスによる感染症拡大を契機に、原材料調達から製造・物流に至るまでのリスク認識を全社で共有する体制を整備し、部門横断での情報共有や定期的な点検を継続しています。

また、サプライチェーン上で重要な事案が発生した場合には、関係部門が連携し、影響の把握と迅速な対応を行う体制を構築しています。さらに、サプライヤーとの協力関係を重視し、平時からリスクや調達上の重要性について認識を共有することで、有事においても安定的な供給の確保に努めています。

 

(ⅱ)戦略

当社は、サプライチェーンに関するリスクを中長期的な経営環境の変化として捉え、事業の持続性を高める観点から、以下の取り組みを進めています。

・情報を活用したサプライチェーン管理の高度化

世界各地の情勢変化、法規制動向、物流状況等に関する情報を収集・分析し、自社の事業活動への影響を評価する仕組みを整備しています。これにより、潜在的なリスクを早期に把握し、対応策の検討につなげています。

・複線化による安定調達の確保

調達リスクを低減するため、特定の供給元への依存を抑え、複数の調達先の確保や代替材料の検討を進めています。研究開発段階から関係部門が連携し、安定的な供給を前提とした製品設計・生産体制の構築に取り組んでいます。

・戦略的な在庫管理

外部環境や調達状況を踏まえ、必要に応じて安全在庫の水準を見直すなど、資本効率とのバランスを考慮しながら、事業継続性を確保するための在庫管理を行っています。

 

(ⅲ)リスク管理

当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。サプライチェーンマネジメントの取り組みを経営における重要課題として取り上げ、継続的な把握と管理を行っています。重要な製品や材料については、直接の取引先に加え、その上流に位置する供給網についても把握を進め、供給途絶の可能性や影響度を評価しています。

また、自然災害や地政学的緊張、物流の制約等が想定される地域やルートについては、状況の変化を注視し、必要に応じて調達・物流の見直しを検討しています。加えて、経済安全保障に関する法制度や国際的な規制動向についても情報収集を行い、特定地域への過度な依存を避けるとともに、供給網の分散を図っています。

これらの取り組みを通じて、当社はサプライチェーンに内在する不確実性の低減に努め、事業の安定的な運営と社会的責任の両立を目指しています。

 

③人権に関するリスクへの取り組み

人権に関する取り組みは、当社が特定した「重要なリスク」への対応として重点的に取り組んでいる施策の一つであり、人権侵害が発生した場合には、社会的信頼や事業継続に影響を及ぼす可能性があるリスクに関するものです。

当社は、「人権の尊重」について、企業が社会の一員として果たすべき責任の一つであると認識しており、「社員」「地域社会」「サプライヤー」「顧客」「株主・投資家」といった多様なステークホルダーとの対話を通して、人権デュー・ディリジェンスの取り組みを強化しています。

 

(ⅰ)ガバナンス

人権尊重の取り組みの方針や戦略などについては、サステナビリティ推進委員会での議論を経て、取締役会にて審議・決定しています。サプライチェーン全体における人権に関する課題については、取締役会においてその重要性及び取り組みの必要性を審議しており、2022年度からサプライチェーン管理の強化を図っています。2024年度には、サステナビリティ推進委員会において人権デュー・ディリジェンス推進に向けた審議を行いました。なお、取締役会に付議しないテーマの意思決定や業務執行については、取締役会で担当委任された各基本組織の担当取締役または執行役員が適切に実施しています。

 

(ⅱ)戦略

当社は、全ての社員が取るべき行動を示した「DNPグループ行動規範」のなかに「人類の尊厳と多様性の尊重」を掲げ、あらゆる人が固有に持つ文化、国籍、信条、人種、民族、言語、宗教、性別、年齢や考え方の多様性を尊重することを定めています。2020年には、取締役会の審議を経て、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「DNPグループ人権方針」を策定しました。この方針では、「国際人権章典」や「労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」等が定め、国際的に認められた人権をDNPグループが尊重することを表明しています。その他にも、人権尊重に資する「DNPグループ 環境方針」や「DNPグループ サステナブル調達ガイドライン」(2024年7月改訂)を定めて、さまざまな活動を推進しています。

当社は、自社の事業活動が、社員だけでなく、サプライヤーや地域社会をはじめとする、事業活動のサプライチェーン上の全てのステークホルダーの人権に影響を及ぼすことと、それにともなって人権尊重への取り組みが企業に求められていることを深く認識しています。当社は常に、社員の労働安全衛生や職場環境に関するリスク、サプライチェーン上の人権問題等の負の影響を防止・軽減する各種施策を実行しています。近年は特に、人権を尊重する企業の取り組みの重要性が高まっており、2024年度からは当社の事業活動に関わる人権リスクの特定・評価を加速させています。具体的には、社外の専門家を起用して、当社の国内外の拠点(一部の子会社等を除く)に人権リスクに関するアンケート及びヒアリングを実施し、潜在的なリスクの分析を行いました。これらの結果と、印刷関連業界特有の人権リスクの特徴を踏まえ、当社として考慮すべき人権リスクの全体像を見極めるとともに、特に重要な人権リスクを特定し、予防・改善施策の実行と実効性の評価を進めています。また、AI活用が広がり、差別やプライバシーの侵害など新たな人権課題が顕在化するなか、当社は「DNPグループAI倫理方針」及び社内向けの「AI倫理ガイドライン」を策定しており、AI監査体制の構築や運用体制の整備を進めるとともに、負の影響の最小化に取り組んでいます。

 

人権デュー・ディリジェンスで求められる救済へのアクセスを確保するために、退職者を含む社員やビジネスパートナーなどのステークホルダーが利用できる通報窓口として、弁護士が相談・通報を受け付ける外部窓口の設置や、多言語対応により実効性を強化するなど、ステークホルダーとの対話の促進に努めています。サプライチェーンにおける人権リスクについては、取引規模や事業継続の観点での重要なサプライヤーを対象として、「サステナブル調達ガイドライン」に基づく書面調査やヒアリングを継続的に行い、各社の遵守状況の確認と課題の改善に取り組んでいます。さらに、人権課題の実態を把握するため、サプライヤーの人権マネジメントの方針・体制等の整備状況や、強制労働の懸念、紛争状態にある国・地域との関与についても併せて確認しています。

 


 

特に、深刻な人権リスクの懸念があり、当社の事業活動にも欠かせない鉱物資源については、OECD「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に基づいて「DNPの責任ある鉱物調達フレームワーク」を定め、RMI(Responsible Minerals Initiative)のRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)を用いて責任ある鉱物調達に取り組んでいます。

 

(ⅲ)リスク管理

当社は統合的なリスクマネジメントを推進しており、その取り組みについては「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。人権尊重の取り組みを経営における重要課題として取り上げ、対策を講じています。

 

<人権の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.44~49>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

 

(2)中長期的な経営環境の変化によるリスク及び機会

当社は、事業環境へ中長期的に影響を及ぼし得る外部環境の変動要因を、以下のとおり整理しています。これらはリスク及び機会の両面で当社に影響を及ぼし得るものであり、その識別及び評価の詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)DNPグループのサステナブル経営の取り組み (ⅲ)リスク管理」に記載しています。

 

①経済に関する主要な変動要因

・経済活動関連

‐市場・サプライチェーンのグローバル化

‐地政学的要因に伴う事業環境・サプライチェーンの変化

‐経済手段を通じた国家間対立(地経学的リスク)の顕在化

‐経済環境・金融市場の変動

‐各国・地域の規制・制度の高度化

‐グローバル化に伴う知的財産・資本市場を巡る競争環境の変化

・技術的動向関連

‐DXの推進・生成AI、ロボティクスの技術進展と社会実装

‐AI活用基盤(スキル・データ)の地域・企業間格差の拡大

‐生活・ワークスタイルの変化、デジタルネットワークの高度化

‐情報・サイバーセキュリティへの脅威の増大、各国規制の強化・多様化

‐情報格差の拡大やプライバシー侵害への懸念の高まり など

 

「経済活動」における中長期的な動向は、企業の持続的な成長に直結する重要な要素であり、グローバル化の進展に伴う市場及びサプライチェーンの拡大・複雑化に加え、地政学的要因や経済手段を通じた国家間対立(地経学的リスク)の顕在化等により、事業環境の不確実性が高まっています。これらの変化は、サプライチェーンの混乱や再構築に伴う対応負荷の増大、事業展開地域・市場アクセスの制約、資源・エネルギー価格や為替等の変動を通じて、当社の事業運営及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。さらに、各国・地域における規制や制度の高度化・多様化、金融市場の変動、並びに知的財産や資本市場を巡る競争環境の変化に対し、企業には戦略的かつ継続的な対応が求められています。

「技術的動向」の観点では、DXの推進に加え、生成AIやロボティクス等の技術進展と社会実装が急速に進んでおり、ビジネスモデルやワークスタイル、価値提供の在り方に影響を与えています。生産性向上や新たな顧客接点の創出といった機会が拡大する一方で、AI活用を支えるスキル、データ等の基盤の地域・企業間格差の拡大が、新たな競争条件となる可能性があります。また、デジタルネットワークの高度化に伴い、情報・サイバーセキュリティへの脅威の増大や各国・地域規制の強化・多様化への対応が不可欠となっており、情報格差の拡大やプライバシー侵害に対する懸念の高まりも、企業活動に影響を及ぼすリスクとなっています。

こうした状況に対して当社は、経済環境及び技術動向の変化に対応するため、事業ポートフォリオの継続的な見直しを行っています。具体的には、各事業について成長性及び収益性の観点から評価を行い、「注力事業」「成長ポテンシャル事業」「基盤事業」「再構築事業」の4つに区分し、資源配分の最適化を図っています。

また、デジタル技術の進展やAIの活用拡大を踏まえ、リアルとデジタルを融合した価値創出や事業化の迅速化に取り組んでいます。AIの利活用にあたっては、「DNPグループAI倫理方針」に基づき、リスクに適切に対応しながら活用を推進しています。加えて、サイバー攻撃の高度化・巧妙化や各国規制の動向を踏まえ、情報・サイバーセキュリティへの備えが重要であると認識しています。

原材料の調達における経済的変動要因に対しては、国内外の複数の供給元から印刷用紙やフィルム材料等を調達することで、安定的な供給確保と調達価格の最適化に努めています。しかしながら、地政学的リスクや地経学的対立の影響、資源・エネルギー価格の変動、為替の不安定化、新興国における需要の急増、天然資源の制約などにより、需給バランスが大きく変動する可能性があります。為替リスクに対しては、現地生産化や為替予約等により一定のヘッジを行っていますが、急激な変動が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社は、これらの経済関連の中長期的なリスクに対して、戦略的な事業運営とリスクマネジメントの高度化を通じて対応し、持続可能な成長の実現を目指しています。今後も、不確実性の高い事業環境において柔軟かつ迅速に対応するとともに、技術革新への継続的な取り組みにより企業価値の向上を図り、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

なお、事業ポートフォリオマネジメントの詳細については、中期経営計画における事業戦略に記載しています。また、情報セキュリティ及びサプライチェーンマネジメントの取り組みについては、「3.事業等のリスク (1)DNPグループの重要なリスク」に記載しています。

 

<中期経営計画(2026-2028年度)>

https://www.dnp.co.jp/ir/library/presentation/pdf/dnp_25Q4pre.pdf

<DXによる価値創造:統合報告書2025 P.14>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf

<知的資本の強化:統合報告書2025 P.34~35>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf

<事業部門別戦略:統合報告書2025 P.20~28>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/ir/library/annual/DNP_integrated2025j.pdf

<情報セキュリティ:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.115~123>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

<サプライチェーンマネジメント:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.124~132>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

②社会に関する主要な変動要因

・人的資本関連

‐グローバルビジネスの進展、グローバルでの人口増加

‐国内生産年齢人口の減少、少子高齢化、AI・ロボット活用を前提とした働き方への転換

‐多様性・心理的安全性の重視とウェルビーイングに関する社会的要請の拡大

‐サプライチェーンにおける人権デュー・ディリジェンスの重要性の高まり

‐経済的な格差の多様化と機会の不均衡

・バリューチェーン関連

‐地政学的リスク・カントリーリスクの高まりに伴う物流・資源・サプライチェーンへの影響の増大

‐地域ごとの文化・制度・ルールの多様化

‐企業の社会的責任・倫理的行動の重要性の高まり

‐SNS等を通じた情報拡散によるレピュテーションへの影響の拡大 など

 

社会関連の中長期的な動向は、当社の事業運営及び企業価値の維持・向上に影響を及ぼし得る重要な要素となっています。

「人的資本」の観点では、グローバルビジネスの進展や世界人口の増加、国内の少子高齢化の進行により、労働市場や人材獲得環境が大きく変化しています。国内における生産年齢人口の減少に伴う労働力不足に加え、AI・ロボットの活用を前提とした働き方への転換が進むなかで、企業にはこれまで以上に高度な専門性や適応力を持つ人材の確保・育成が求められています。これらへの対応が不十分な場合、競争優位性の低下等を通じて事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、多様性の尊重や心理的安全性の確保、ウェルビーイングの向上に関する社会的要請が拡大しており、企業には社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる職場環境の整備が求められています。また、サプライチェーン全体における人権デュー・ディリジェンスの重要性が高まっており、対応が不十分な場合には、事業活動への制約やレピュテーションの毀損につながるリスクがあります。加えて、経済的格差の多様化や教育・機会の不均衡の拡大により、社会的分断が深まることも懸念されており、企業にはこうした社会課題への対応が一層求められています。

 

「バリューチェーン」の観点では、地政学的リスクやカントリーリスクの高まりにより、物流や資源調達、サプライチェーンの安定性への影響が増大しています。また、各国・地域における文化・制度・ルールの多様化により、事業運営における対応の複雑性も高まっています。さらに、企業の社会的責任や倫理的行動に対する要求が強まるとともに、SNS等を通じた情報拡散の影響力が拡大しており、不適切な対応は迅速にレピュテーションリスクへと波及する可能性があります。一方で、これらの課題に適切に対応し、信頼性の高い事業活動を実現することは、ステークホルダーからの信頼獲得を通じた企業価値向上の機会にもつながります。

こうした状況に対して当社は、“人に対するDNPグループの普遍的・基本的な考え方”を「人的資本ポリシー」として制定し、人的資本の強化・最大化を加速させるため、社員の心理的安全性が高く、健康で活力ある職場の実現に注力しています。当社は、人的資本ポリシーに基づき、人財の確保・育成や組織基盤の強化を通じて、社会環境の変化に対応できる経営基盤の強化を進めています。また、事業活動にかかわるステークホルダーへの配慮を含め、社会的要請への対応を継続的に強化しています。

これらの取り組みを通じて当社は、社会関連の中長期的なリスクに適切に対処するとともに、変化する社会環境を踏まえた価値創造を推進し、持続可能な成長につなげています。企業としての社会的責任を果たしながら、変化する社会環境に柔軟に対応することに加え、当社自らが変革を起こしていくことが、今後の発展にとって不可欠であると考えています。

なお、サプライチェーンマネジメント及び人権の取り組みの詳細については、「3.事業等のリスク (1)DNPグループの重要なリスク」に記載しています。

 

<社会関連の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.42~100>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

③環境に関する主要な変動要因

・気候変動及び自然劣化に伴う物理的リスクの顕在化・激甚化

・生物多様性損失や化学物質・プラスチック汚染の深刻化

・自然資本へのアクセス制約の顕在化、サプライチェーンレジリエンスへの関心の高まり

・ネイチャーポジティブ・カーボンニュートラル・循環経済への移行加速、制度の急激な変更・強化

・環境ポジティブ市場及び関連技術の急成長

・金融・投資家による開示要請の高度化とトランジション課題の顕在化 など

 

地球環境の持続可能性を高めていくことは、企業活動における重要課題となっています。気候変動及び自然劣化の進行に伴い、渇水や洪水といった水リスクの高まりに加え、自然災害の頻発・激甚化等の物理的リスクが顕在化しており、原材料調達や生産活動、さらにはサプライチェーン全体の安定性に影響を及ぼす可能性があります。加えて、生物多様性の損失や化学物質・プラスチック汚染の深刻化、自然資本へのアクセス制約の顕在化等も、企業経営における重要な課題となっています。

また、ネイチャーポジティブ、カーボンニュートラル、循環経済への移行がグローバルで加速しており、制度・規制の変更や強化等の移行リスクが高まっています。これらへの対応が不十分な場合、コスト増や競争力の低下等が生じる可能性があります。一方で、環境ポジティブな製品・サービスや関連技術の市場は拡大を続けており、こうした変化は新たな事業機会の創出にもつながります。

さらに、金融機関や投資家によるサステナビリティ関連情報の開示要請は高度化しており、気候変動に加えて自然資本や生物多様性に関するリスク・機会の把握及び開示、並びにトランジションに伴う課題への対応が求められています。これらへの対応が不十分な場合、資金調達や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

こうした状況に対して当社は、事業活動と地球環境の共生を絶えず考え、「DNPグループ環境ビジョン2050」を掲げて「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。このビジョンの実現に向け、2030年をターゲットとした中期目標を設定し、環境負荷の低減・削減を計画的に推進しています。一方で、GHG排出量削減のさらなる強化に加え、脱石化製品への移行や代替素材への切り替え要請の高まり、自然資本への依存低減に向けた対応などにより、目標水準の引き上げや製品・サービス仕様の見直しが必要となる場合があり、その際には事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、当社の事業は、印刷用の基材である紙やプラスチックフィルム、鉱物資源等の原材料、製造工程で使用する水やエネルギー等の資源、事業所における土地利用など、さまざまな形で自然資本に依存しています。加えて、グローバルなサプライチェーンを通じて、原材料の原産地やビジネスパートナーが所在する地域の自然環境・社会とも密接に関係しています。これらの関係性を踏まえ、サプライチェーン全体での持続可能性の確保とレジリエンス強化が重要となっています。

現在はさらに、気候変動及び生物多様性・自然資本に関する法規制や政策の強化が各国・地域で進展しており、不確実性も高まっています。当社は、こうした変化を先取りし、迅速かつ柔軟に対応していくことに加え、自ら主体的に「より良い未来」の実現に向けた変革を起こすことによって、価値創造と基盤強化の両輪で環境課題の解決に取り組んでいます。

 

<環境関連の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.19~41>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

(3)事業運営に関するリスク

①法令・社内規定の遵守

近年は特に、企業の社会的責任や倫理的な行動を重視する傾向が強まっており、法令や社内規定を遵守することは、企業の信頼性を維持・向上させるためにますます不可欠となっています。コンプライアンス違反の発生は、企業のブランドイメージや顧客の信頼を損なうだけでなく、法的な責任や経済的損失を引き起こすリスクがあり、コンプライアンスリスクは、当社グループの事業運営にも深刻な影響を及ぼす可能性があると認識しています。当社グループは、あらゆるステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、事業活動を遂行するにあたり、社員一人ひとりが単に法令を遵守するだけでなく、高い倫理観を持つ必要があると考えています。それによって、常に公正・公平な態度で秩序ある自由な競争市場の維持・発展に寄与することで初めて、社会から信頼を得ることができると認識し、グループ全体で企業倫理の浸透・定着を図っています。

具体的な取り組みの一つとして、当社グループは社員に対する研修・教育を徹底し、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。企業活動において、全ての社員が取るべき行動指針として「DNPグループ行動規範」を制定し、そのなかで「法令と社会倫理の遵守」など10項目を定めています。本行動規範については、社会環境などの変化を踏まえて定期的な見直しを行うとともに、「階層別研修」や国内外の全グループ社員を対象とした「自律的企業倫理研修」を通じて、浸透・定着を図っています。

また、本社各主管部は「コンプライアンス評価制度」に基づき、各組織におけるコンプライアンスへの取り組み状況を毎年客観的に評価しています。評価結果を踏まえて課題を抽出し、経営層への報告及び各組織へのフィードバックを行うことで、改善を進めています。さらに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上と、誠実な企業文化の醸成を目的として、毎年「コンプライアンス・アンケート」を実施しています。アンケート結果は分析のうえ経営層に報告を行うとともに、各組織へフィードバックし、企業倫理の浸透・定着に活用しています。

加えて、不正行為等に関する相談・通報体制として、社員が上長や周囲の社員に相談できる体制に加え、自部門での解決が困難な場合の相談・通報窓口として、2002年に「オープンドア・ルーム」を設置しました。2015年には弁護士が対応する外部窓口を設け、2020年には多言語に対応した「グローバル内部通報窓口」を整備するなど、内部通報制度の充実を図っています。これらの取り組みを通じて、組織の自浄能力が当社グループ全体で適正に機能する体制を構築しています。

 

<コンプライアンスの徹底:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.110~114>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

②労働安全

近年、働き方の多様化や労働環境の変化が進むなか、社員の健康と安全を確保する企業の責任は一層重要性を増しています。特に、労働災害やメンタルヘルスに対する社会的関心は高まっており、企業には具体的かつ実効性のある対応が求められています。また、各国・地域において労働安全に関する法令や規制が強化されており、違反が発生した場合には企業の信用低下や経済的損失につながるリスクがあります。当社グループは、これらの環境変化が事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があると認識しています。

 

こうした状況を踏まえ、当社グループは、社員が業務に起因して負傷することはあってはならないとの基本認識のもと、人権上の重要課題である労働安全の確保に取り組んでいます。労使一体となってグループ全体の安全衛生水準の向上を図るとともに、人的資本ポリシーに基づき策定した「DNPグループ安全衛生憲章」及び「DNPグループ健康宣言」のもと、代表取締役社長をトップとして安全衛生活動を推進しています。

労働災害の防止に向けては、国の示す労働災害防止計画や社内の労働災害発生の動向を踏まえ、3年ごとに基本計画を見直し、具体的な活動を強化・推進しています。製造部門の全拠点においては、「真に健康と安全を全てに優先させる風土」の実現に向け、「月1時間の対話・教育(ツキイチキョーイク)活動」を継続的に実施しています。特に重篤災害につながる可能性のある設備については、既存・新規を問わず全ての設備について、リスク部位を抽出して“見える化”を行い、重篤度の高い部位から優先的に対策を講じています。全ての職場において、当社が独自に策定した設備安全規格に準じた安全対策を展開することで、「不安全な状態」や「不安全な行動」の見直しと改善を徹底し、リスクアセスメント活動とそれに基づく対策に取り組んでいます。

さらに、化学物質や有機溶剤等を取り扱う作業においては、作業環境管理の徹底を図り、適切な作業環境測定の実施及び評価に基づく改善を推進しています。また、発散源対策や局所排気装置の適正な設置・維持管理を前提に、化学物質や有機溶剤に関する知識の向上を目的とした社員への教育を継続的に実施し、社員一人ひとりのリスク認識の向上を図ることで、ばく露リスクの低減と社員の健康確保につなげています。

これらの施策に加え、労働安全全般の基盤として、心理的安全性の高い職場風土の醸成に取り組んでいます。これにより、ヒヤリ・ハット事例や潜在的リスクに関する積極的な報告、現場からの問題提起や改善提案を促進するとともに、対話を通じたコミュニケーションの質の向上を図っています。こうした取り組みを通じて、安全に関する気づきの共有と未然防止活動を強化し、労働災害の防止及び安全衛生水準の継続的な向上につなげています。

 

<労働安全衛生:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.65~67>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

③製品・サービスの安全と品質

製品・サービスの安全と品質は、企業の社会的信頼の基盤を形成する重要な要素です。顧客企業や生活者は、企業が提供する製品やサービスに対して高い安全性や正確性を求めており、これに応えることは企業の責務です。近年はこうした企業責任に対する社会からの要請が一層高まっており、世界の各国・地域で安全と品質に関する新たな規制や基準の検討・制定が進行しています。このような環境変化は、当社グループの事業活動に対して深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、製品の不具合や品質問題が発生した場合、企業のブランドイメージや顧客からの信頼に対するダメージは非常に大きく、法的な責任や経済的損失を引き起こす可能性があります。したがって、製品・サービスの安全と品質に関するリスクを適切に管理し、継続的な改善を図ることが不可欠です。

当社は「品質経営」の基本方針として、自社の製品・サービスに関して、必要な規格や法の規制に適合させることはもちろん、顧客企業や生活者のニーズと期待を上回る安全と品質を提供し、企業としての社会的責任を果たすことを定めています。その実現に向けて当社は、製品・サービスの安全性と品質の確保のために実施すべき事項を全社ルールとして定めるとともに、品質マネジメントシステムと製品安全管理の体制を構築・運用しています。また、当社が提供する全ての製品・サービスに対し、設計段階からリスクの抽出・評価を行い、リスクに対して適切に対応することで、安全と品質の両面から、顧客企業や生活者等が安心できる品質・価値の継続的な提供に努めています。

また、品質マネジメントシステムの運用状況の確認や品質不正の防止の観点から、本社の品質保証統括部門による「品質システム検査」を年1回実施しています。この点検の結果は「DNPグループ品質保証・製品安全委員会」及び「企業倫理行動委員会」に報告し、各委員会からの指示に基づく改善を進めています。

 

<製品・サービスの安全性と品質:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.79~83>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

 

④責任ある調達

グローバル・サプライチェーンの拡大に伴い、人権・労働、汚職・腐敗等の社会課題や、気候変動をはじめとした環境問題など、企業活動が社会と環境に及ぼす影響は一層大きなものになっています。そのなかで、原材料の調達から生産・利用・廃棄・リサイクルまでのサプライチェーン全体を見据え、起こりうるリスクを把握・分析して、適切に課題を解決するマネジメントの強化がさらに重要となっています。加えて、グローバルに広がるサプライチェーン全体のリスクを的確に捉え、多様な課題を解決して持続可能な社会に貢献するため、国内外のサプライヤーや業務委託先(以下「ビジネスパートナー」)とともに「責任ある調達」に取り組むことがますます重要になっていると、当社は認識しています。

当社は、「DNPグループ サステナブル調達ガイドライン」を定め、これに則した取り組みを条項の一つとして定めた「取引基本契約書」をビジネスパートナー各社と締結しています。特に重要度が高い個別のテーマについては、「DNPグループ 印刷・加工用紙調達ガイドライン」や「DNPグループ 化学物質に関するグリーン購入ガイドライン」などを制定し、ビジネスパートナー各社の指導に努めています。また、ビジネスパートナーに対する定期的な「サステナブル調達ガイドライン」遵守状況の調査とその結果のフィードバック、各種説明会を通じたサプライチェーンマネジメントの強化なども継続的に行っています。毎年、年間購入額の上位9割程度を占めるサプライヤーや事業継続上重要なサプライヤーに対し、「サステナブル調達ガイドライン」に基づく調査、人権問題並びに紛争鉱物問題に関するサプライヤー実態調査及びリスクアセスメントを実施しています。リスクが認められる一部のサプライヤーに対しては、改善計画の提出を求め、書類指導や個別面談を行い、課題や改善策を確認して次年度の活動に反映するといった継続的なマネジメントを行っています。

 

<責任ある調達の取り組み:サステナビリティウェブアーカイブ2025 P.124~132>

https://www.global.dnp/content/dam/dnp-global/pdf/ja/sustainability/report/archive2025.pdf

 

(4)事業継続に関するリスク

気候変動による風水害リスクの高まり、大規模地震や火山噴火発生リスクの高まり、新たな感染症の発生によるパンデミックリスクなど、自然災害等によるリスクは増大しています。仮に甚大な規模の自然災害等の緊急事態が発生して、社員や家族の安全が脅かされ、建物・設備・インフラや取引先・サプライヤー各社の被害によって事業活動が中断することは、自社だけではなく、顧客企業や取引先で働く人たちをはじめ、さまざまなステークホルダーに影響を及ぼすことになります。

当社は、これらのリスクの負の影響を低減するため、対策推進組織として本社に「BCM推進委員会」を設置するとともに、各事業部に事業部グループBCM推進委員会を設置しています。この体制のもと、「災害発生時の人的安全対策を最優先すること」及び「会社の災害に対する対応力と復旧力を高めること」を基本方針として、日常的に災害リスクを正しく認識し、適切な予防対策の推進に取り組んでいます。

具体的には、製造設備やその他の主要施設に防火・耐震・水害対策等を施すとともに、製造拠点や原材料調達先の分散を図ることで、生産活動の停止や製品供給の混乱を最小化する事業継続計画(BCP)を策定しています。あわせて、これらのBCPを適切に運用・管理するための事業継続マネジメント(BCM)を推進しており、BCMや防災活動を通じて、継続的にBCPの見直しや訓練等を実施しています。

また、各種保険を活用したリスク移転にも取り組んでおり、事業の存続に重大な影響を及ぼす緊急事態が発生した場合においても、事業活動の早期復旧が可能となる体制の整備を進めています。

防災体制としては、当社グループ全体の基本的な防災対策を整備・推進する「中央防災会議」、各事業の特性に応じた具体的な防災対策を推進する「事業部・グループ会社防災会議」、地区・エリアでの連携を推進する「地区防災会議」を設置し、防災計画の策定及び予防対策の推進を行っています。災害等の不測の事態に備え、「DNPグループ災害基本規程」において基本方針及び推進体制を定め、社員及びその家族、関係者の安全確保を図るとともに、多様なステークホルダーに安心していただけるよう、継続的な防災対策を進めています。

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、利益の配分については、株主の皆様に安定的かつ継続的に行うことを基本とし、中長期の経営視点から、財務基盤の安定性を維持しつつ、成長事業への投資と株主還元のバランスを考慮した上で、業績や配当性向などを総合的に勘案して実行していきます。また、将来の事業展開に備えて、適切な内部留保を確保し、経営基盤の強化を図ります。

内部留保資金については、資金需要や市場動向を鑑みながら、今後の新製品・新サービス・新技術の開発投資、新規事業展開のための設備投資、戦略的提携やM&A、それらを支える人財への投資などに充当していきます。こうした施策は将来にわたる利益の増大に寄与し、株主の皆様への利益還元につながるものと考えております。

この方針に基づき、当期の配当金については、期末配当金を1株当たり22円とさせていただく予定です。中間配当金(1株当たり18円)とあわせて、年間配当金は40円となり、前期の38円注1から2円の増配となります。

当社は会社法第454条第5項に定める中間配当をすることができる旨を定款に定めており、中間配当と期末配当との年2回の剰余金の配当を行っております。剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2025年11月14日

取締役会決議

7,943

18.00

2026年6月26日

定時株主総会決議(予定)

9,492

22.00

 

 

また、2026年5月13日に公表した「2026-2028年度 中期経営計画」の株主還元方針においては、持続的な利益成長に応じた累進配当および配当性向注2の引き上げにより、配当水準の向上を図ることを掲げております。

 

(注)1.前期の年間配当金は1株につき54円でありますが、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、当該株式分割を考慮すると前期の年間配当金は38円となります。

2.特別損益等の一過性の要因を除いた親会社株主に帰属する当期純利益を基準とする配当性向