リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社がとっている経営方針について
当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業の基本ビジネスモデルとしては、当社及び各子会社の開発・製造した製品を中心に「ミライ」「JIMBO」ブランドにて、少数の特約代理店制度を採ることなく全国の電材・管材問屋に直接販売を進め、特定顧客への売上依存の回避と同時に与信面のリスク低減を図っております。
しかしながら、販売店数の増大は、製品受注単位の小口化及び即納体制に伴う物流費負担の増加原因でもあり、既存の物流会社に物流の多くを依存していることから、物流市況動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、共同配送の利用などによる物流効率の向上や運賃交渉、物流拠点・倉庫の集約などにより物流費用の低減に努めております。
(2) 財政状態及び経営成績の変動について
当社は、連結子会社を7社擁しておりますが、その各子会社の業績が上昇しない場合、子会社個々の外販比率と当社グループにおけるその事業の機能を見極め、事業の譲渡及び清算等を含めた企業編成再構築を行った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、「子会社管理規程」を定め、子会社の経営成績・財政状態の把握のため、損益を主とした月次報告や四半期毎決算書類等の提出を求め、適宜指導を行っております。
(3) 特定事業への依存について
①新設住宅着工状況の動向について
当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業は、ともに住宅建築業界に大きく依存しており、なかでも新設住宅着工状況の増減により、当該事業の業績に影響を受ける可能性があります。
当該リスクへの対応策として、ビルや工場などの住宅建築業界以外向けの新商品の開発や既存商品の新たな市場の開拓を推し進めることにより販路の拡大を図っております。
②価格競争について
当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業は、ともに住宅建築業界における設備資材市場において価格下落圧力等の激しいなかで、適正な製品価格設定による事業経営を行っております。しかしながら、当社グループの想定以上の製品価格競争にさらされた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、製品開発において差別化を図り、他社との価格競争での優位性を確保するよう努めております。
③原材料の調達及びその市況の動向について
当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業は、プラスチック成形加工品の製造及び販売を主に営んでおり、現状は生産活動のためのプラスチック原材料を国内商社から調達しております。しかし、購入先からの供給が中断した場合やポリエチレンをはじめとしたプラスチック原材料の価格が当社グループの想定以上に上昇し、かつ製品販売価格に転嫁できなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、使用量の多い原材料等につきましては、ナフサ連動型を採用することにより市場価格に連動した価格安定化を図っております。また、製品販売価格への転嫁については、市場動向等を勘案しながら必要に応じて行ってまいります。
(4) 製造物責任について
当社グループの全ての製品において全く予期せぬ欠陥が生じない保証はないため、潜在的に製造物責任を負う可能性があります。当該責任を負う場合には多大な費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、当社グループの製品におけるその品質は、電気用品安全法、水道法等の各種法令に定められた品質基準及び社内品質基準に基づき、万全を期して製造及び販売しております。
(5) 減損損失に関するリスク
当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、当社経営企画部門が業績管理を行うとともに、当社経理部門が遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を早期に捉えることに取り組んでおり、業績悪化の兆候等を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。
(6) 災害等に関するリスク
当社グループの主たる事業である電材及び管材事業や配線器具事業の事業拠点は、日本各地に展開しており、自然災害やテロ行為等により人的被害や事業拠点の崩壊、インフラ停止などが発生した場合には、当社グループの事業活動に大きな支障をきたす可能性があります。また、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復等に多大な費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、主要事業所において事業継続計画(BCP)を策定し、地震等の自然災害やテロ行為等が発生した場合の緊急対応と早期の事業復旧へ向けた方策を遂行する体制を整えております。
配当政策
3【配当政策】
株主の皆様に対する利益還元の基本方針は、2024年3月期から2026年3月期につきましては、利益率向上を図りつつ、株主還元の一層の拡充を目指すこととし、配当性向50%を目安に配当を実施することとしております。また、留保する利益の一部を研究開発や生産設備等への投資に充当しております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」旨定款に定めております。
当期の剰余金の配当につきましては、上記方針により、中間配当金は1株につき50円、期末配当金につきましては1株につき100円を実施しました。従って年間配当金は1株につき150円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向は、49.3%となりました。
内部留保資金につきましては、生産体制の合理化推進のため資金需要に備えるとともに、今後の研究開発活動に活用し事業の拡大に役立てる計画であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下の通りであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年10月26日 |
900 |
50 |
取締役会決議 |
||
2024年5月13日 |
1,721 |
100 |
取締役会決議 |