2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

楽器 音響機器 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
楽器 304,924 65.5 - - -
音響機器 142,684 30.6 - - -
その他 17,960 3.9 - - -

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、子会社61社及び関連会社5社で構成され、楽器事業、音響機器事業及びその他の事業の3つのセグメントで、グローバルに事業を展開しております。音・音楽を中心にした事業を通じて磨いてきた感性と多彩な技術を融合し、それぞれの事業領域で、当社グループならではの価値を生み出しております。

 

(1) 楽器事業

 楽器の製造・販売、音楽教室等の運営、音楽・映像ソフトの制作・販売など多彩な事業を展開しております。初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに評価されるこれらの製品・サービスは、アーティストとの対話により進める研究開発やグローバルに展開するきめ細かな営業・サービス活動に支えられております。

 

(2) 音響機器事業

 「音・音楽」をコアとして培ったデジタルとアコースティックの技術を生かし、コンシューマー向けから業務用まで多彩なソリューションを提供しています。ホームオーディオ機器、音楽制作・配信機器、業務用音響機器、ネットワーク機器、モビリティ音響機器など幅広い製品で構成されております。

 

(3) その他の事業

 自動車用内装部品、FA(Factory Automation)機器、ゴルフ用品及びリゾート事業でも、楽器の製造・販売を通じて蓄積した技術・ノウハウを生かして、お客様に満足いただける製品とサービスを提供しております。

 

各事業における主要製品及びサービスとその概要は、以下のとおりであります。

事業

主要製品及びサービス

概要

楽器

鍵盤楽器

130年を超える歴史の中で培われた知見と熟練技能に裏付けられたアコースティックピアノから、先進のデジタル技術を駆使した電子楽器、そして、これらの技術の融合により生まれたハイブリッドピアノまで、豊富なラインアップを提供しています。

 

管楽器

60年にわたる管楽器製造で培った匠の技と、木材・金属を精密に加工する生産技術力を結集して、最高の音色、響きと吹奏感を生み出しています。

 

弦楽器

アコースティック、エレクトリックに加え、ヤマハ独自のサイレントシリーズまでカバーする弦楽器は、多くの人に演奏する楽しみを提供しています。

 

打楽器

世界中のトップアーティストとともに追求してきた音・打感、そして高い信頼を得てきた操作性・堅牢性により、プレイヤーのパフォーマンスを最大限に引き出します。

 

教育楽器

リコーダーやピアニカなどの教育楽器の提供を通じて、子どもたちに音楽の楽しさ、演奏する喜びを伝えています。

 

防音室

楽器演奏はもちろん、動画配信用のプライベートスタジオや在宅勤務などにも幅広く使える防音室は、用途を問わず最適な音環境を作り出します。

 

音楽教室(YAMAHA MUSIC SCHOOL)

英語教室

40以上の国と地域で幼児から大人までを対象にYAMAHA MUSIC SCHOOLを展開し、音楽文化の普及に貢献しています。英語教室は、歌やリズムで楽しく生きた英語が身につくヤマハならではのレッスンが人気です。

 

メディア・

エンタテインメント

楽譜・書籍・雑誌の出版、音楽および楽譜の配信、アーティストマネジメント、音楽出版、レコードレーベル等、エンタテインメント関連の事業を幅広く展開しています。

 

 

 

事業

主要製品及びサービス

概要

音響機器

ホームオーディオ

機器

イヤホン・ヘッドホンから、サウンドバー、そして本格的なホームシアターやHiFiオーディオまで、多彩な音楽の楽しみ方を提案しています。音楽の感動を知り尽くしたヤマハが、目の前でアーティストが演奏しているかのような本物の音体験―True Sound-を届けます。

 

音楽制作・配信機器

ソフトウェア技術とシームレスに融合した音楽制作機器は、音楽をつくる楽しみを身近にし、より表現力豊かな音楽制作を可能にしています。また、直感的な操作と独自の音声処理を備えた配信機器は、配信者と視聴者双方に没入感の高い音楽・ゲーム体験を提供します。

 

業務用音響機器

オーディオネットワーク技術を生かした業務用音響機器は、世界の著名なホール、劇場、コンサート会場などに導入されているだけでなく、店舗、会議場などの商業空間に向けた音のトータルソリューションも提案しています。

 

ネットワーク機器

業種を問わず、中小規模の企業拠点や店舗などに広く採用されており、ルーターやスイッチ、無線LANアクセスポイント、セキュリティ機器などで安定したネットワークを提供しています。

 

モビリティ音響機器

音響機器の開発で培った技術力をベースに、“音楽が生まれた瞬間の感動を届けたい”という想いのもと、自動車ごとのコンセプトにふさわしい音響空間を創り出す車載オーディオ製品を提案しています。

その他

自動車用内装部品

木材加工や塗装の技術、デザイン力などを生かし、上質で快適な空間を演出する自動車内装用意匠パネル製品を提供しています。

 

FA機器

ヤマハの生産技術とシステムエンジニアリングで差別化を図り、信頼性の高い機器を製造しています。

 

ゴルフ用品

(注)

ヤマハが持つ技術力と契約プロゴルファーからのフィードバックを生かし、機能と感性を両立させた魅力あるゴルフクラブを開発しています。

 

リゾート事業

豊かな自然の中で非日常の空間と高品質なサービスを提供し、ヤマハにしかできない豊かな時間をつくり出しています。

 

(注)当連結会計年度において、ゴルフ用品事業の終了を決定しました。

 

上記の事業の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一です。

また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報 (1)報告セグメントの概要 報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。

 

 

事業の系統図及び各事業に携わる主要な関係会社の名称は以下のとおりであります。


業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、その性質上、実際の結果と異なる可能性があります。

重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績

当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、欧州市場での消費や投資減速、米国の追加関税、中国経済の停滞、地政学リスクの高まりや世界的な物価上昇など、経済・市場環境は厳しく、中期経営計画策定時の想定を大きく超える変化も生じ、当社グループを取り巻く事業環境は、今後も一層その不透明さが増していくものと認識しています。このような環境の中、当社グループは、2025年5月に中期経営計画「Rebuild & Evolve」を発表し、低下した競争力・収益性を早期に回復させ、当社の強みとなる領域に積極的に投資することで再び成長軌道を描く3年間と位置づけ、3つの戦略方針「強固な事業基盤の再構築」、「未来を創る挑戦」、「経営基盤の強化」を掲げて各施策を進めてきました。

財務目標については、売上収益は主要市場の消費減速、プロフェッショナル音響機器におけるコロナ後の高需要一巡などにより、円安の追い風を受けながらも前年並みにとどまりました。事業利益は米国の追加関税、部品・原材料費、人件費、物流費等のコスト上昇が重なり、課題事業の構造改革や価格の適正化を進めるも、当初の目標を下回りました。また、重点戦略の達成度合いを測るKPIについては、「戦略投資額」と「セグメント別ROIC」を除き、目標に向け概ね順調に進捗しました。

各戦略方針について、具体的な取り組みの進捗を説明いたします。

 

《強固な事業基盤の再構築》

中期経営計画初年度は「Rebuild」(強固な事業基盤の再構築)に注力しました。特に、収益性が低下しているピアノ、ギター、ホームオーディオ、国内楽器事業について、今中期経営計画期間内での抜本的な収益性改善を最優先事項として取り組んできました。ピアノ事業では、生産拠点再編による収益性改善は計画通りに進捗していますが、欧州、中国を中心とした主要市場で需要回復が遅れており、市場在庫を適切にコントロールしながら、品質維持とコスト低減を両立させる取り組みをさらに進め、事業全体の利益率の向上を実現します。ギター事業では、固定費の削減、製造工程の効率化、高付加価値商品の拡充等が順調に進捗し、計画を前倒しして収益性を改善することができました。ホームオーディオ事業では、販売地域の絞り込み及び趣味層を対象にした中高級製品への絞り込みと、外部委託生産拡大による開発・製造固定費削減を進めました。国内楽器事業については、価格の適正化、商品ラインアップの見直し、店舗・教室の統廃合を進めているものの、市場自体の冷え込みもあり、目標に対する進捗には遅れが生じておりますが、目標達成を最重点課題の一つとして取り組みを強化していきます。

中期経営計画における経営目標と当連結会計年度の進捗は以下の通りです。

 


 

《未来を創る挑戦》

音・音楽の愉しみ方を広げる体験価値の提供を通じて、事業ドメインの拡大に取り組んでいます。ミュージックコネクト事業(学び・表現・人のつながり創出)では、Yamaha Music School Onlineや楽器演奏をより愉しむためのスマートフォン用アプリなどのコンテンツを拡充しました。また、Yamaha Music IDを活用した多様な製品・サービスから顧客に最適なコンテンツを提供するメンバーシッププログラムの運用を欧州より開始しました。新規事業開発戦略については、2025年4月より新規事業開発部を新設し、「楽器・音響機器メーカー」の枠を超えた事業領域へ拡大していくためのグランドデザインと事業開発のメカニズム構築を進めています。米国シリコンバレーのYamaha Music Innovations, LLCによる事業開発戦略については、アフリカで1億人以上の利用者がいる音楽配信プラットフォーマーAudiomack社との協業や、音楽キャリア支援プラットフォームを運営する米国スタートアップ企業Groover社との協業など、立ち上げから2年という短い期間でスタートアップ12社との協業、7件の投資を実施しました。2026年3月には、ヤマハ及びパートナー企業の幅広いサービスをワンストップで提供し、より快適かつ効果的な音楽制作を実現するサブスクリプションサービス「Yamaha Creator Pass」を立ち上げました。このように外部リソースを活用したスピード感ある事業開発を進めています。また、オープンイノベーションの仕組みの一つとして、「未来を創る挑戦を、世界中のイノベーターと共に」という狙いのもと、グローバルビジネスコンテスト「TRANSPOSE Innovation Challenge」を開催しました。63か国から300件を超える優れたビジネスアイディアが寄せられ、「音・音楽とテクノロジーによる社会課題解決」に大きなポテンシャルがあることを確信しました。このような様々な挑戦的な取り組みの中で、成長領域には積極的に投資し、10年後の新たな成長領域となる事業を育てていきます。

中期経営計画における経営目標と当連結会計年度の進捗は以下の通りです

 


 

《経営基盤の強化》

資本・資産効率向上については、課題事業のターンアラウンドに向けた迅速な取り組み、そして成長事業への積極的な投資が行われるよう事業ポートフォリオマネジメントの仕組みを整備し、定期的な事業評価を進めています。その一つとして、2026年2月にゴルフ用品事業の終了を発表しました。今後も新陳代謝を高め、経営資源を成長分野に集中していきます。また、遊休不動産の処分や政策保有株式の縮減による資産の圧縮も進めました。人的資本の強化については、「組織力の強化と個の成長」の実現に向け、事業・部門戦略に沿った人材の獲得・育成等を行うための人事組織・体制の強化、公募制度や学びの機会創出、勤務体系の柔軟化など人事共通基盤・制度の整備も同時に進めました。グループガバナンスについては、執行スピードと実効性を両立させるべく、適切性・有効性を十分に考慮した上で現場に権限を移し、細部の手順を定めた規程は柔軟な運用が可能なガイドラインに移行するなど、現場の自律的かつスピーディな行動を促す改善を進めました。また、監査・モニタリングにおいてはリスクアプローチを一層進め、リスク低減の実効性は担保しつつ、監査・モニタリングの対象を削減することで、本社・グループ子会社の業務負荷軽減も進めました。コーポレートガバナンスについては、取締役会での中長期戦略および、事業ポートフォリオ議論を充実させ、実効性向上と監督機能のさらなる強化を進めました。

中期経営計画における経営目標と当連結会計年度の進捗は以下の通りです

 


 

《サステナビリティを価値の源泉に》

社会課題の解決に向けても様々な取り組みを進めました。「おとの森」プロジェクトでは、タンザニアにおけるアフリカンブラックウッドの植林に加え、インドでのローズウッド資源保全のプロジェクトが本格化しました。スクールプロジェクトでも、インド、フィリピン、エジプトでパイロット展開の準備が進み、累計で500万人以上の子どもたちに楽器を使った音楽教育の機会を届けることができました。他にも、音楽を通じて人と人がつながる場を創るCommunity Building with Music、演奏することを諦めかけた人を技術で支えるVXDなど、ヤマハならではの価値提供を続けています。これらの取り組みは、当社がどのような企業でありたいのかを社会に示すとともに、中長期の企業価値向上にもつながる極めて重要なものであり、今後も着実な施策実行と情報発信を進めていきます。

中期経営計画における経営目標と当連結会計年度の進捗は以下の通りです

 


 

財務目標については、中期経営計画における経営目標「売上成長率5%」「ROE 10%」「事業利益率13.5%」「総還元性向50%以上」に対して、当連結会計年度の進捗はそれぞれ「0.7%」「5.1%」「6.9%」「112%」となりました。

 


 

(イ)セグメントごとの売上収益の状況

当連結会計年度の売上収益は、中国でのピアノの販売減や、業務用音響機器の高需要一巡が影響したものの、北米を中心としたギターの販売増や全地域での電子楽器の販売増などにより、前期に対し32億50百万円(0.7%)増加の4,653億30百万円となりました。

セグメントごとの状況を示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「電子デバイス事業」の名称を「モビリティ音響機器事業」に変更し、「その他の事業」セグメントから「音響機器事業」セグメントに組み替えております。前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいております。

 

楽器事業は、中国でのピアノの販売減があったものの、北米を中心としたギターの販売増や全地域での電子楽器の販売増などにより、前期に対し88億24百万円(3.0%)増加の3,049億24百万円となりました。

商品別では、ピアノは、主要市場の中国における販売低迷が底打ちしたものの、インフレ等による個人消費の下押しを受け中国以外の市場も需要が弱く、減収となりました。電子楽器は、市場在庫の過剰感が解消され、市況が安定する中でトップシェアを堅持したことに加え、シンセサイザーやポータブルキーボード、エレクトーン等の新商品が高い評価を受け、増収となりました。管弦打楽器は、コロナ後の吹奏楽活動の再開により各地で堅調な市況が続き、増収となりました。ギターは、中高級ラインアップの拡充、マルチエフェクターのフラッグシップモデルの投入等により大幅な増収となりました。

地域別では、日本は、インフレにより家計の負担が増す中で高額品の購入に慎重姿勢が見られ、アコースティックピアノが苦戦したものの、ピアノ需要をデジタルピアノで取り込んだほか、エレクトーンのフラッグシップモデルが好調、また管弦打楽器で一般趣味層の需要が堅調に推移したことにより、全体では増収となりました。北米は、ピアノで高額品の需要が弱く減収となったものの、ギターはアコースティックギターとアンプ、エフェクター等の周辺機器において大幅な増収となりました。欧州は、ピアノと電子楽器では種々の販促策の導入、管弦打楽器では学販需要期における普及品販売の好調、ギターでは市況低調による競争激化の中、販促強化と競争力ある新商品の投入が寄与し、全体で増収となりました。中国は、アコースティックピアノにおいて、市中在庫の消化を優先する中で第3四半期連結会計期間以降は増収に転じるものの、それ以前の大幅な販売減により通期では減収、全体でも減収となりました。その他の地域では、中近東では中東情勢の悪化により急ブレーキがかかる一方で、ブラジルをはじめとする中南米やインド、オーストラリアは好調であり、地域全体としては前期からの成長基調を維持し増収となりました。

 

音響機器事業は、業務用音響機器の高需要一巡が影響し、前期に対し53億20百万円(3.6%)減少の1,424億44百万円となりました。

商品別では、コンシューマー音響機器は、ホームオーディオの展開モデル・地域を絞り込み、構造改革を推進したことにより減収となりました。プロフェッショナル音響機器は、中南米市場の活況が続きスピーカーの拡売を進めたものの、前期の欧州を中心とした業務用音響機器の高需要が一巡したことで減収となりました。モビリティ音響機器は、日本の自動車メーカーでの採用が広がったものの、競争激化により事業環境が悪化する中国自動車メーカー向けの販売が減少し、減収となりました。

 

その他の事業は、前期に対し2億53百万円(1.4%)減少の179億60百万円となりました。

自動車用内装部品、FA機器は需要堅調で増収となった一方で、ゴルフ用品は海外主力市場の縮退により販売が落ち込み減収となりました。

 

(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費

売上原価は、前期に対し44億19百万円(1.5%)増加の2,903億58百万円となりました。売上原価率は、前期から0.5ポイント上昇し62.4%となりました。

売上総利益は、前期に対し11億69百万円(0.7%)減少の1,749億71百万円となりました。売上総利益率は、前期から0.5ポイント下落し37.6%となりました。

販売費及び一般管理費は、前期に比べ36億72百万円(2.6%)増加の1,430億91百万円となりました。売上収益販売管理費比率は、前期から0.6ポイント上昇し30.8%となりました。

 

(ハ)事業利益

事業利益は、前期に対し48億41百万円(13.2%)減少の318億79百万円となりました。

報告セグメントごとの事業利益では、楽器事業は、為替による23億円の増益影響があったものの、前期に対し8億50百万円(3.9%)減少の212億18百万円となりました。音響機器事業は、為替による3億円の増益影響があったものの、前期に対し35億86百万円(25.0%)減少の107億74百万円となりました。その他の事業は、為替による1億円の増益影響があったものの、前期に対し4億4百万円減少の1億13百万円の損失(前期は2億91百万円の利益)となりました。

要因別には、為替影響(27億円)や前期構造改革効果(22億円)等の増益要因に対し、米国追加関税のネット影響(18億円)や減産モデルミックス他(65億円)等の減益要因により、前期に比べ減益となりました。

(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものです。

 

(ニ)その他の収益及びその他の費用

その他の収益は、前期に対し3億65百万円(16.1%)増加の26億34百万円となりました。その他の費用は、ゴルフ用品事業終了に伴う構造改革費用19億54百万円を計上したものの、前期にピアノ生産設備の減損損失等、構造改革費用142億63百万円を計上した影響により、130億55百万円(71.4%)減少の52億40百万円となりました。

 

(ホ)金融収益及び金融費用

金融収益は、主として為替差益により、前期に対し20億98百万円(45.3%)増加の67億29百万円となりました。金融費用は、主として前期に為替差損を計上した影響により、21億47百万円(75.0%)減少の7億17百万円となりました

 

(ヘ)税引前当期利益

税引前当期利益は、前期に対し128億25百万円(57.1%)増加の352億87百万円となりました。売上収益税引前当期利益率は、前期から2.7ポイント上昇の7.6%となりました

 

(ト)法人所得税費用

法人所得税費用は、主として税引前当期利益の増加により、前期に対し24億78百万円(27.6%)増加の114億72百万円となりました。

 

(チ)親会社の所有者に帰属する当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に対し103億69百万円(77.7%)増加の237億20百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期の27円58銭から52円70銭となりました

(注)当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益を算出しております。

 

(リ)為替変動とリスクヘッジ

海外子会社の売上収益は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前期に対し約2円円高の151円となり、前期に対し約19億円の減収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前期に対し約11円円安の175円となり、前期に対し約64億円の増収影響となりました。また、人民元など、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前期に対し約4億円の減収影響となり、売上収益全体では、前期に対し約41億円の増収影響となりました。

また、事業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外子会社の事業利益の換算等により、約3億円の減益影響となりました。ユーロの決済レートは、前期に対し約9円円安の173円となり、約34億円の増益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前期に対し約27億円の増益影響となりました。

 

(ヌ)生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

楽器

253,490

105.7

音響機器

128,676

96.7

その他

14,565

101.9

合計

396,732

102.5

 

(注) 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

 

(b) 受注実績

当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

楽器

304,924

103.0

音響機器

142,444

96.4

その他

17,960

98.6

合計

465,330

100.7

 

(注) 金額は外部顧客に対する売上収益であります。

 

② 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の5,912億78百万円から262億90百万円(4.4%)増加し、6,175億68百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末から130億11百万円(3.7%)増加し、3,649億45百万円となり、非流動資産は、132億78百万円(5.5%)増加し、2,526億23百万円となりました。流動資産では、為替による海外子会社の資産評価が増加したことに加え、税引前当期利益や投資有価証券の売却により、現金及び現金同等物が増加しました。非流動資産では、割引率の見直しによる退職給付債務の減少により、退職給付に係る資産が増加しました。

 

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末の1,411億65百万円から33億27百万円(2.4%)減少し、1,378億37百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末から86億49百万円(8.1%)減少し、980億8百万円となり、非流動負債は、前連結会計年度末から53億21百万円(15.4%)増加し、398億28百万円となりました。流動負債では、有利子負債が減少しました。

 

 当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末の4,501億13百万円から296億17百万円(6.6%)増加し、4,797億30百万円となりました。自己株式の取得及び配当金の支払いによる株主還元を行ったものの、当期利益により利益剰余金が増加したことに加え、為替変動の影響によるその他の資本の構成要素の増加により、全体では増加となりました。

 

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ91億33百万円増加(前年同期は17億68百万円減少)し、期末残高は1,089億52百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税引前当期利益により457億77百万円の収入(前年同期は主として税引前当期利益により552億81百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得による支出により79億7百万円の支出(前年同期は主として投資有価証券の売却による収入と、有形固定資産の取得による支出により81億6百万円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主として自己株式の取得、配当金の支払い等により377億75百万円の支出(前年同期は主として自己株式の取得、配当金の支払い等により631億40百万円の支出)となりました。

 

(イ)資金需要

当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。

当連結会計年度の設備投資額は、前期の199億59百万円から55億69百万円(27.9%)減少し、143億90百万円となりました。設備の更新改修を中心として減価償却費(141億48百万円)と同程度の設備投資を行いました。

研究開発費は、前期の269億77百万円から7億43百万円(2.8%)増加し、277億20百万円となりました。売上収益研究開発費比率は前期の5.8%から0.2ポイント上昇し、6.0%となりました。

 

(ロ)資金調達

運転資金及び設備投資資金について、当社及び国内子会社、一部の海外子会社においてグループ内資金を有効活用するためグループファイナンスを運用しています。また、当社及び一部の子会社においては、借入金額・期間・金利等の条件を総合的に勘案し、金融機関から借入を行っております。

セグメント情報

 

5.セグメント情報

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社グループは、経済的特徴及び製品・サービス内容の類似性に基づき、「楽器」及び「音響機器」の2つを報告セグメントとしており、それ以外の事業は、「その他」に含めております。

楽器事業は、ピアノ、電子楽器、管弦打楽器等の製造販売等を行っております。音響機器事業は、オーディオ機器、業務用音響機器、情報通信機器(ICT機器)、モビリティ音響機器等の製造販売等を行っております。その他には自動車用内装部品事業、FA機器事業、ゴルフ用品事業、リゾート事業等を含んでおります。

 

(報告セグメントの変更等に関する事項)

当社は2025年4月1日付で組織改正を行い、モビリティ音響機器等の製造販売を行う電子デバイス事業部を音響事業本部に編入し「モビリティソリューション事業部」へと改称いたしました。この組織改正に伴い、当連結会計年度より、従来「その他」に含めていたモビリティソリューション事業部の関連事業の報告セグメントを「音響機器」へと変更しております。
 なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを記載しております。

 

(2) 報告セグメント情報

報告セグメント情報は、次のとおりであります。

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性のある会計方針」における記載と同一であります。

また、当社グループは、事業利益をセグメント利益としております。事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものであります。

 

前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

 

報告セグメント

 

その他

 

合計

 

調整額

 

連結財務諸
表計上額

 

楽器

 

音響機器

 

 

 

 

 

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への
売上収益

 

296,100

 

147,765

 

443,865

 

18,214

 

462,080

 

 

462,080

セグメント間の
売上収益

 

 

278

 

278

 

 

278

 

△278

 

 

296,100

 

148,044

 

444,144

 

18,214

 

462,358

 

△278

 

462,080

事業利益
(セグメント利益)

 

22,068

 

14,361

 

36,430

 

291

 

36,721

 

 

36,721

その他の収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2,269

その他の費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△18,295

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20,695

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4,631

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△2,864

税引前当期利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22,462

その他の項目
(注)2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び
償却費

 

△10,850

 

△4,150

 

△15,001

 

△652

 

△15,653

 

 

△15,653

減損損失

 

△12,766

 

△41

 

△12,808

 

△3

 

△12,811

 

 

△12,811

資本的支出

 

14,957

 

4,154

 

19,111

 

1,306

 

20,417

 

 

20,417

 

(注) 1 セグメント間の売上収益は市場実勢価格に基づいております。

2 資本的支出は、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の支出を伴う増加額を記載しております。減価償却費及び償却費は資本的支出に対応する金額を記載しております。

 

 

当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

 

報告セグメント

 

その他

 

合計

 

調整額

 

連結財務諸
表計上額

 

楽器

 

音響機器

 

 

 

 

 

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への
売上収益

 

304,924

 

142,444

 

447,369

 

17,960

 

465,330

 

 

465,330

セグメント間の
売上収益

 

 

239

 

239

 

 

239

 

△239

 

 

304,924

 

142,684

 

447,608

 

17,960

 

465,569

 

△239

 

465,330

事業利益
(セグメント利益または損失)

 

21,218

 

10,774

 

31,992

 

△113

 

31,879

 

 

31,879

その他の収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2,634

その他の費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△5,240

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

29,274

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6,729

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△717

税引前当期利益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

35,287

その他の項目
(注)2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び
償却費

 

△10,433

 

△4,325

 

△14,759

 

△685

 

△15,444

 

 

△15,444

減損損失

 

△213

 

△17

 

△231

 

△58

 

△290

 

 

△290

資本的支出

 

9,517

 

4,378

 

13,896

 

1,008

 

14,905

 

 

14,905

 

(注) 1 セグメント間の売上収益は市場実勢価格に基づいております。

2 資本的支出は、有形固定資産、無形資産及び使用権資産の支出を伴う増加額を記載しております。減価償却費及び償却費は資本的支出に対応する金額を記載しております。

 

(3) 製品及びサービスに関する情報

「第1 企業の概況 3 事業の内容」、「(1) 報告セグメントの概要」及び「(2) 報告セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

(4) 地域に関する情報

売上収益及び非流動資産の地域別情報は、次のとおりであります。

① 売上収益

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

日本

 

106,819

 

111,771

北米

 

122,277

 

124,201

(うち、米国)

 

(102,259)

 

(104,686)

欧州

 

95,990

 

98,426

中国

 

50,375

 

43,175

その他

 

86,617

 

87,754

合計

 

462,080

 

465,330

 

(注) 1 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

2 日本及び中国以外の区分に属する主な国又は地域は、次のとおりであります。

北米:米国、カナダ

欧州:ドイツ、フランス、イギリス

その他:オーストラリア、インド、韓国

 

② 非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度
(2025年3月31日)

 

当連結会計年度
(2026年3月31日)

日本

 

88,373

 

88,705

北米

 

13,924

 

16,098

欧州

 

6,988

 

8,799

中国

 

12,208

 

12,209

その他

 

26,971

 

27,754

(うち、インドネシア)

 

(16,852)

 

(17,323)

合計

 

148,466

 

153,566

 

(注) 日本及び中国以外の区分に属する主な国又は地域は、次のとおりであります。

 北米:米国、カナダ

 欧州:ドイツ、フランス、イギリス

 その他:インドネシア、インド、マレーシア

 

(5) 主要な顧客に関する情報

単一の外部顧客との取引による売上収益が当社グループの売上収益の10%を超える外部顧客が存在しないため、記載を省略しております。