2025年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 

(1)エネルギー情勢への依存度

 熱機器事業の施設園芸用温風暖房機は、その燃料の大半を石油に依存しており、原油価格の動向は生産者の設備投資意欲に影響を及ぼす可能性があります。

 その対策として、電気を動力とする施設園芸用ヒートポンプの生産・販売を推進することにより、リスク分散をしております。

 

(2)競争激化による価格競争

 熱機器事業の施設園芸用暖房工事について、農業事業の規制緩和による異業種からの参入に伴う価格競争が収益に影響を及ぼす可能性があります。

 その対策として、アグリネットの推進などを進めて、特定の事業収益に頼らない体制を構築していきます。

 

(3)社会情勢

 熱機器事業の農用機器については、国内農業人口の減少、高齢化、後継者不足等による新規設備投資の減少、台風等の自然災害による施設園芸用ハウスの倒壊等による撤退により、施設園芸用温風暖房機等の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 衛生機器事業については、下水道の普及による簡易水洗便器の市場縮小などが業績に影響を及ぼす可能性があります。

 その対策として、弊社の熱と流体を制御する技術を、異なる業界へ転用する用途開発を進め、新たな事業基盤を獲得してまいります。

 

(4)制度利用

 施設園芸業界は、施設園芸農家支援のための国、地方自治体が行う公的資金を利用した事業がかなりを占め、この予算の推移が業績に影響を及ぼす可能性があります。

 その対策として、弊社の熱と流体を制御する技術を異なる業界へ転用する用途開発を進め、農用機器売上に依存しない体制を構築してまいります。

 

(5)季節変動

 猛暑及び暖冬が、熱機器事業の施設園芸用温風暖房機の稼働に影響し、メンテナンスサービスによる収益が減少する恐れがあります。

 その対策として、弊社の熱と流体を制御する技術を異なる業界へ転用し、不需要期への稼働を促進できる製品開発を進めてまいります。

 

(6)為替の変動

 海外取引を拡大することにより、為替の変動が業績に影響を及ばす可能性があります。

 その対策として、海外取引が拡大し、金額の重要性が増した場合は、為替予約などのヘッジ手段を取り入れます。

 

(7)CO2排出削減への対応

 世界的な脱炭素化に向けた議論が進む中、熱機器事業の施設園芸用温風暖房機の大半が化石燃料の燃焼に伴うCO2を排出しており、その排出量の削減が暖房機使用者等より、今後一層求められることが予想されます。

 その対策として、電気を動力とする施設園芸用ヒートポンプの生産・販売を推進するとともに、化石燃料に代替するエネルギーを利用する新たな施設園芸用暖房機の開発についても、今後、検討してまいります。

配当政策

3【配当政策】

 当社は、予測不能な経済環境においても、将来の事業展開に向けて内部留保充実による企業体質の強化を図りつ

つ、安定的な配当水準も維持していくことを基本方針としています。また、当社は、中間配当と期末配当の年2回

の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 しかし乍ら、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額とし

て3億1千7百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失が2億8千万円となりましたことから、誠に遺憾

ではございますが、無配とさせて頂きます。

 次期につきましては、更なる成長のための研究開発投資等への資源配分を優先する一方、親会社株主に帰属する

当期純利益につきましては可能な限りの株主還元を実施する方針とし、1株当たり配当金12円(当期より12円増額)

を予定しております。

 なお、当社の剰余金の配当決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会でありま

す。

 中間配当につきましては「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準として中間配当を行うことができる」旨

を定款で定めております。