2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

シール製品事業 機能樹脂製品事業 シリコンウエハーリサイクル事業他 その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
シール製品事業 40,616 67.6 5,274 93.0 13.0
機能樹脂製品事業 16,334 27.2 567 10.0 3.5
シリコンウエハーリサイクル事業他 3,161 5.3 -172 -3.0 -5.4

事業内容

3【事業の内容】

 当企業集団は㈱バルカー(当社)および子会社14社、関連会社3社で構成されており、シール製品事業・機能樹脂製品事業およびシリコンウエハーリサイクル事業他の製造・販売を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。

 当社グループにおける事業およびその主要な構成製品と、当社、子会社および関連会社との関係は、次のとおりであります。

セグメントの名称

主要な構成製品

会社名

製造会社

販売およびサービス会社等

シール製品事業

プラント・機器 関連製品

エラストマー製品

自動車部品

その他シール製品

(国内)

㈱バルカー シール ソリューションズ

九州バルカー㈱

㈱バルカーミカワフロンテック

㈱新晃製作所

㈱オーエヌエラストマー

大東パッキング工業㈱

(海外)

バルカーシール(上海)有限公司

VALQUA KOREA CO.,LTD.

台湾バルカー国際股份有限公司

VALQUA VIETNAM CO.,LTD.

VALQUA INDUSTRIES(THAILAND),LTD.

 

(国内)

当社

㈱バルカーテクノ

㈱バルカーエスイーエス

九州バルカー㈱

㈱バルカーミカワフロンテック

(海外)

VALQUA AMERICA INC.

VALQUA NGC,INC.

バルカー(上海)貿易有限公司

VALQUA KOREA CO.,LTD.

台湾バルカー国際股份有限公司

VALQUA VIETNAM CO.,LTD.

VALQUAINDUSTRIES(THAILAND),LTD.

VALQUA INDUSTRIES SINGAPORE PTE.LTD.

機能樹脂製品事業

ふっ素樹脂製品等

 

(国内)

㈱バルカーミカワフロンテック

(海外)

VALQUA NGC,INC.

バルカーシール(上海)有限公司

台湾バルカー国際股份有限公司

 

シリコンウエハーリサイクル事業他

シリコンウエハーリサイクル

太陽光発電等

(国内)

九州バルカー㈱

 

 (注)1 「シリコンウエハーリサイクル事業他」を構成している㈱バルカー・エフエフティは、当社の保有する全株式を2025年3月21日に譲渡しましたが、当連結会計年度の同社の実績は、連結会計年度の末日までを計上しております。

2 ㈱バルカーエスイーエスおよびVALQUA NGC,INC.は、現在会社清算手続き中であります。

3 ㈱バルカーメタルテクノロジーは、2025年1月に㈱バルカーミカワフロンテックへ社名変更しております。

4 ㈱オーエヌエラストマーは、株式を追加取得したことにより持分法適用の関連会社となりました。

5 上海沃特華本半導体科技有限公司は、出資持分を譲渡したことにより持分法適用の関連会社から除外しております。

 

 

  以上に述べた企業集団の状況についての概要図は次のとおりであります。

 

 

 

 (注)1 ※印は持分法適用会社であります。

2 前連結会計年度において連結子会社でありました㈱バルカー・エフエフティは、当社の保有する全株式を2025年3月21日に譲渡しましたが、当連結会計年度の同社の実績は、連結会計年度の末日までを計上しております。

3 ㈱バルカーエスイーエスおよびVALQUA NGC,INC.は、現在会社清算手続き中であります。

4 ㈱バルカーメタルテクノロジーは、2025年1月に㈱バルカーミカワフロンテックへ社名変更しております。

5 ㈱オーエヌエラストマーは、株式を追加取得したことにより持分法適用の関連会社となりました。

6 上海沃特華本半導体科技有限公司は、出資持分を譲渡したことにより持分法適用の関連会社から除外しております。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度において当社グループは、当期から開始している中期経営計画“New Frontier 2026”(NF2026)で掲げた「ステークホルダーの最高満足に向けて新たな価値創造に邁進する」という視点に立ち、半導体景況の回復と今後の市場拡大に備えたサプライチェーンの整備など施策を迅速に実施しつつ、将来におけるさらなる成長を展望した収益力の強化と健全で持続的な成長を支え得る企業基盤の構築に向けた取り組みを推進しました。

 一方、2024年9月25日に公表いたしました当社元執行役員および従業員による不正行為につきまして、全てのステークホルダーの皆さまには多大なるご迷惑とご心配をお掛けする事態となりましたことを深くお詫び申し上げます。当社は、再発防止策を同11月27日に公表し、速やかかつ着実に実行をしております。

当社グループの当連結会計年度の経営成績は売上高が601億1千3百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益が56億6千9百万円(同20.2%減)、経常利益が59億9千9百万円(同18.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が46億7千6百万円(同4.7%減)となりました。

 

なお、第4四半期連結会計期間(3か月)における受注高は主に先端産業市場の顧客からの発注増加を反映し、153億2千6百万円、当連結会計年度の受注残高は110億3千1百万円となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(シール製品事業)

シール製品事業は、機器市場向けが設備投資減勢の影響を受けたものの、先端産業市場向け高機能シール製品の販売が回復を示したことにより、売上高は406億1千6百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント利益は52億7千4百万円(同68.0%増)となりました。

(機能樹脂製品事業)

機能樹脂製品事業は、先端産業市場・プラント市場向けのフッ素樹脂特殊タンク製品の需要が調整局面となったために大きく減少し、売上高は163億3千4百万円(前年同期比24.3%減)、セグメント利益は5億6千7百万円(前年同期比85.8%減)となりました。

(シリコンウエハーリサイクル事業他)

シリコンウエハーリサイクル事業他は、主力事業の需要やデジタルソリューション顧客獲得は堅調に推移したものの、後者の開発費用が先行し、売上高は31億6千1百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント損失は1億7千2百万円(前年同期はセグメント損失3千4百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の資産につきましては、総資産が前連結会計年度末に比べ33億3千5百万円増加し、778億2千3百万円となりました。

流動資産は464億3千万円となり、26億2千8百万円増加しました。この主な要因は、原材料及び貯蔵品の増加21億4千2百万円、現金及び預金の増加15億8千3百万円、電子記録債権の増加7億5千3百万円、商品及び製品の増加6億2千1百万円、売掛金の減少17億9千6百万円、受取手形の減少8億5千4百万円等によるものであります。有形固定資産は226億2千4百万円となり、28億5千2百万円増加しました。この主な要因は、建設仮勘定の増加43億1千6百万円、機械装置及び運搬具の減少6億円、建物及び構築物の減少4億2千8百万円、土地の減少2億7百万円、工具、器具及び備品の減少1億6千5百万円等によるものであります。無形固定資産は18億7千6百万円となり、5千3百万円減少しました。この主な要因は、無形固定資産のその他の減少5千9百万円等によるものであります。投資その他の資産は68億9千1百万円となり、20億9千1百万円減少しました。この主な要因は、投資有価証券の減少19億5千6百万円等によるものであります。それらの結果、固定資産は313億9千3百万円となり、7億6百万円増加しました。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ15億4千6百万円増加し、273億2百万円となりました。流動負債は185億6千9百万円となり、20億9百万円増加しました。この主な要因は、短期借入金の増加21億4千万円、支払手形及び買掛金の減少5億2千4百万円等によるものであります。

固定負債は87億3千2百万円となり、4億6千3百万円減少しました。この主な要因は、繰延税金負債の減少10億2千6百万円、長期借入金の増加6億6千8百万円等によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17億8千9百万円増加し、505億2千1百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加20億3千6百万円、為替換算調整勘定の増加7億9千3百万円、その他有価証券評価差額金の減少4億2千1百万円、退職給付に係る調整累計額の減少3億9百万円等によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億8千3百万円増加し、当連結会計年度末には79億6千9百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、48億7千万円(前年同期比177.0%増)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益62億7百万円、減価償却費28億4百万円、売上債権の減少14億9千7百万円、棚卸資産の増加27億6千5百万円、法人税等の支払額17億円、仕入債務の減少5億7百万円、関係会社株式売却益5億7百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、48億8千7百万円(前年同期比2.8%増)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出64億2千9百万円、無形固定資産の取得による支出5億3千8百万円、関係会社出資金の売却による収入13億2百万円、投資有価証券の取得・売却による純収入6億4千7百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果収入となった資金は、15億7千3百万円(前年同期比70.4%増)となりました。

これは主に、長期借入金の純収入24億4千2百万円、短期借入金の純収入19億8千6百万円、配当金の支払額26億3千2百万円、リース債務の返済による支出2億5百万円等によるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

シール製品事業(百万円)

15,377

123.1

機能樹脂製品事業(百万円)

5,652

49.6

シリコンウエハーリサイクル事業他(百万円)

2,933

102.2

合計(百万円)

23,963

89.6

 (注) 上記の金額は、販売価格によっております。

b. 仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

シール製品事業(百万円)

11,915

94.7

機能樹脂製品事業(百万円)

7,016

101.6

シリコンウエハーリサイクル事業他(百万円)

297

546.2

合計(百万円)

19,229

98.4

 

c. 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

シール製品事業

41,716

115.5

6,840

119.1

機能樹脂製品事業

15,883

82.6

4,179

90.3

シリコンウエハーリサイクル事業他

2,754

84.8

11

2.8

合  計

60,354

103.0

11,031

102.2

 

d. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

シール製品事業(百万円)

40,616

109.3

機能樹脂製品事業(百万円)

16,334

75.7

シリコンウエハーリサイクル事業他(百万円)

3,161

105.3

合計(百万円)

60,113

97.4

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度のグローバル経済は、世界各地での紛争やインフレの進行などの影響を受け、全体として伸び悩む結果となりました。また、当社グループが属する国内製造業における生産動向は、原材料価格や人件費のコスト増加分を販売価格に反映する動きが見られたものの、国内外の設備投資や半導体生産の回復が遅れ、全体的に勢いを欠く状況となりました。

当社の事業セグメントでは、機能樹脂製品事業が主要顧客における設備投資が調整局面にあった一方で、シール製品事業、特に高機能シール製品は、順調に回復基調が見られました。

そのような状況下、当社は事業環境の変化に対応しながら、成長基盤の構築に注力してまいりました。当連結会計年度における重点施策と進捗状況は以下のとおりです。

 

・成長投資の推進:愛知県田原市およびベトナムで新工場を建設し、先端産業向けの生産体制を拡充。

・サプライチェーンの見直し:地政学的リスクに対応するため、グローバル供給体制の再構築を加速。

・事業ポートフォリオの最適化:選択と集中の方針に基づき、シリコンウエハーリサイクル事業を売却。

・デジタルソリューション強化:プラント向けシステムが採用されるなど、収益化フェーズへの移行を開始。


 これらの施策は、将来の成長に向けた基盤づくりとして着実に進展した一方で、今期の業績にはなお厳しい環境の影響が残りました。
 当社グループの当連結会計年度の売上高は601億円(前期比△2.6%)、営業利益は56億円(同△20.2%)と減収・減益となりました。減収・減益の要因としては、為替変動の影響は売上及び営業利益共にプラスに寄与したものの主にフッ素樹脂タンクなどの機能樹脂製品における回復の遅れに加え、原材料の評価見直しや廃棄損など売上原価における会計処理により約8億円の損失を計上したことが挙げられます。また親会社株主に帰属する当期純利益については、政策保有株式の売却益や事業ボートフォリオの最適化の一環で発生した子会社売却益を計上する一方、サプライチェーンの見直しに伴う中国子会社に関連する事業構造改善費用及び不正対応関連損失等の特別損失を計上したことで46億円(前期比△4.7%)となりました。

これらの結果、当社グループの経営上の目標として重要な指標と位置付けている「総資産当期純利益率(ROA)」は6.1%(前年同期比0.7ポイント悪化)、「自己資本利益率(ROE)」は9.5%(前年同期比1.0ポイント悪化)となりました。
 

次期に向けては、米国の関税政策、各国間の外交関係の悪化、東アジア・ウクライナ・中東の情勢など世界全体の経済に影響を与え得る多くの不透明要素が存在しております。また、当社グループ周辺においては、世界的な設備投資のさらなる減速、半導体関連景況の本格的な回復の遅れ、人手不足と人件費の上昇などが懸念され得る状況となっております。

 

このような事業環境下において当社グループは、3か年中期経営計画NF2026で掲げた基本方針、

 

《世界の分断が急激に進み

デジタル化によるビジネスモデルが激変する環境下において

「THE VALQUA WAY」のもとマルチ視点で

ステークホルダーの最高満足に向けて新たな価値創造に邁進しよう》

 

1.激変する世界において本質を追求する目線の確立とそれに伴う人材育成

2.地政学リスクの増大に対応した更なるサプライチェーンの改革と強靭化

3.デジタルイノベーション加速による新たなAI/ITソリューション事業のマネタイズ

4.「技術流出」の徹底防止と新領域・新技術の見極め

5.「Think Globally, Act Locally」によるグローカリゼーションの徹底

 

のもと、創業100周年期にあたる2027年3月期に向けて設定した長期経営目標数値『連結売上高800億円、ROE15%以上』の達成をより確かなものにするとともに、さらなる将来における持続的な価値創造の実現を展望して、諸戦略を着実にかつ迅速に推進いたします。

 

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度はエラストマー製品等のシール製品事業、ふっ素樹脂製品等の機能樹脂製品事業、シリコンウエハーリサイクル事業他にて設備投資を実施するなどの既存事業の成長に向けた投資を着実に推進しました。

このように、当社グループにおける主な資金需要は、健全で持続的な成長を実現するための成長投資と考えており、これらの投資資金は、内部留保金の配分とともに、金融機関からの借入金等により充当しております。なお、借入金のうち、短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金は、主に設備投資に係る資金調達であります。

手許の運転資金につきましては、グループファイナンスを通じて、国内連結子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。

また、現預金残高と有利子負債残高を一定範囲にコントロールし、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保しながら資金管理を行っております。

当社グループにおける当連結会計年度における流動比率は250.0%(前連結会計年度264.5%)となっており、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は2.8倍となりました。直近5ヵ年における以下の数表の通りであります。

 

第121期

2021年3月期

第122期

2022年3月期

第123期

2023年3月期

第124期

2024年3月期

第125期

2025年3月期

流動比率(%)

275.9

261.9

248.5

264.5

250.0

自己資本比率(%)

67.7

66.0

66.0

64.7

64.9

時価ベースの自己資本比率(%)

71.4

78.1

88.3

121.1

70.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)

0.9

1.0

1.3

5.7

2.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

66.3

84.3

39.5

9.0

22.7

 

当社グループでは、業績の大幅な悪化による手許資金減少、或いは生産会社の稼働停止や主要顧客の稼働停止等不測の事態に備え、主要取引銀行との間で30億円のコミットメントラインの締結を行っております。このように、リスクに対応するとともに、今後の事業展開においても、相互関税をめぐる市場の変化等の芽を的確に捉え、スピーディーに対応してまいりたいと考えております。2026年3月期の新規の設備投資は、事業基盤の再構築を目指し、キャッシュ・フローを重視しながら、次なる飛躍に繋げてまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。したがって、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。

当社は、特に以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。

 

a. 固定資産の減損処理

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

b. 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を慎重に計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積に依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、製品・サービス別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

 したがって、当社は事業部を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「シール製品事業」、「機能樹脂製品事業」及び「シリコンウエハーリサイクル事業他」の3つを報告セグメントとしております。

 「シール製品事業」はプラント・機器関連製品、エラストマー製品、自動車部品及びその他シール製品を製造・販売しております。「機能樹脂製品事業」はふっ素樹脂製品を中心とする機能樹脂製品を、「シリコンウエハーリサイクル事業他」はシリコンウエハーリサイクル及び発電事業を中心とするその他製品をそれぞれ製造・販売しております。

 

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表を作成するために採用される会計方針に準拠した方法であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

(注)

 

シール

製品事業

機能樹脂

製品事業

シリコン

ウエハーリサイクル事業他

合計

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

37,160

21,580

3,002

61,744

61,744

セグメント間の内部売上高又は振替高

37,160

21,580

3,002

61,744

61,744

セグメント利益又は損失(△)

3,140

3,996

△34

7,102

7,102

セグメント資産

43,954

16,323

2,590

62,868

11,619

74,487

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,910

350

206

2,466

2,466

持分法適用会社への投資額

272

1,260

1,533

1,533

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

2,902

1,563

111

4,578

4,578

(注)セグメント利益又は損失の合計額は、連結損益計算書の営業利益と同額となっております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

(注)

 

シール

製品事業

機能樹脂

製品事業

シリコン

ウエハーリサイクル事業他

合計

売上高

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

40,616

16,334

3,161

60,113

60,113

セグメント間の内部売上高又は振替高

40,616

16,334

3,161

60,113

60,113

セグメント利益又は損失(△)

5,274

567

△172

5,669

5,669

セグメント資産

49,170

17,693

314

67,178

10,644

77,823

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

1,908

461

216

2,586

2,586

持分法適用会社への投資額

380

380

380

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

3,575

3,070

108

6,753

6,753

(注)セグメント利益又は損失の合計額は、連結損益計算書の営業利益と同額となっております。

 

 

4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

(単位:百万円)

 

資産

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

62,868

67,178

全社資産 (注)

11,619

10,644

連結財務諸表の資産合計

74,487

77,823

(注)全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない本社の現金及び預金、投資有価証券等であります。

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

日本

アジア

米国

その他

合計

41,915

14,790

4,943

95

61,744

(注)1 売上高は、顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に区分しております。

   2 本国以外の区分に属する主な国又は地域の内訳は、次のとおりであります。

     アジア ・・・・・ 中国・台湾・タイ・シンガポール・韓国・ベトナム

     その他 ・・・・・ ヨーロッパ

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

日本

台湾

ベトナム

韓国

米国

アジア

合計

11,576

2,562

589

2,407

1,219

1,417

19,772

(注)1 有形固定資産の国又は地域の区分は、地理的近接度により区分しております。

   2 アジアの区分に属する主な国又は地域の内訳は、中国・タイ・シンガポールであります。

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

 連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客への売上高がないため、記載は省略しております。

 

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

日本

アジア

米国

その他

合計

41,022

14,004

4,952

133

60,113

(注)1 売上高は、顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に区分しております。

   2 本国および米国以外の区分に属する主な国又は地域の内訳は、次のとおりであります。

     アジア ・・・・・ 中国・台湾・タイ・シンガポール・韓国・ベトナム

     その他 ・・・・・ ヨーロッパ

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

日本

台湾

ベトナム

韓国

米国

アジア

合計

13,592

2,565

2,245

2,163

1,158

899

22,624

(注)1 有形固定資産の国又は地域の区分は、地理的近接度により区分しております。

   2 アジアの区分に属する主な国の内訳は、中国・タイ・シンガポールであります。
 

(表示方法の変更)

 前連結会計年度において、「アジア」に含めておりました「台湾」および「ベトナム」は重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しました。また前連結会計年度において独立掲記しておりました「中国」は重要性が減少したため、当連結会計年度より「アジア」に含めて表示しております。

 この表示方法を変更するため、前連結会計年度の「2.地域ごとの情報(2)有形固定資産の組換えを行っております。この結果、前連結会計年度において、「アジア」に表示していた3,728百万円の内、3,151百万円を「台湾」2,562百万円、「ベトナム」589百万円として組み替えております。また前連結会計年度において「中国」に表示していた840百万円は、「アジア」として組み替えております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の顧客への売上高がないため、記載は省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

シール

製品事業

機能樹脂

製品事業

シリコンウエハーリサイクル事業他

その他

全社・消去

合計

減損損失

191

191

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

シール

製品事業

機能樹脂

製品事業

シリコンウエハーリサイクル事業他

その他

全社・消去

合計

減損損失

194

238

432

(注)上記の減損損失には「事業構造改善費用」に含まれる減損損失が含まれております。