2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,466名(単体) 74,927名(連結)
  • 平均年齢
    43.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    14,213,845円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    7.7%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要な課題への対応 ②人的資本」において当社グループの人財戦略について記載しております。

 

②従業員の給与等の額及び内容の決定に関する方針

(a)従業員の報酬制度の概要

 当社は、人財を重要な経営資本と位置付け、人財戦略の実現及び企業価値の持続的向上を支える観点から、従業員の成果及び役割に公平公正に報いる報酬制度を構築しております。

 従業員の報酬は、基本報酬としての固定報酬と、業績連動報酬としての賞与で構成しております。

 

(b)従業員の報酬額の決定方法

 当社は、人的資本への投資の一環として、報酬水準の見直しや給与改定を実施しております。

 これらの決定にあたっては、経営執行会議等において事業環境や人財戦略等を踏まえた議論を行い、その内容を基に労使間での十分な対話を経て、最終的に社長決裁により決定しております。また、本プロセスを通じて、決定の客観性及び透明性の確保に努めております。

 これにより、事業戦略の遂行に必要な人財の質及び量の確保を図るとともに、従業員の能力開発及び自己研鑽を促進しております。

 今後も、事業環境や人財戦略の変化等を踏まえ、必要に応じて制度の見直しを行ってまいります。

 

(c)従業員の報酬額の決定に関する方針

 固定報酬は、従業員の能力等を踏まえた職能等級制度を基礎として決定しており、各等級に応じた給与水準を設定しております。また、一定の等級以上においては単一の給与水準としております。

 賞与は、全社業績を基礎として標準支給水準を決定する業績連動報酬とし、個人の成果や役割発揮の状況等を踏まえて支給額を決定しております。

 固定報酬と賞与との比率は、前事業年度における連結税引前利益の増加に応じて、賞与の割合が高くなるものといたします。

 また、報酬水準の決定にあたっては、外部労働市場や同業他社の動向等も踏まえ、優秀な人財の確保及び定着に資する競争力のある水準となるよう努めております。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

メタル+(Plus)

4,437

(289)

 

サーキュラーエコノミー

8,435

(157)

 

サプライチェーン

13,961

(1,442)

 

モビリティ

12,264

(115)

 

グリーンインフラ

3,081

(245)

 

デジタルソリューション

4,835

(223)

 

ライフスタイル

4,043

(440)

 

アフリカ

20,879

(2,351)

 

その他

2,992

(168)

 

合計

74,927

(5,430)

 

(注)1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員等は除いております。)は( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.その他として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

2,466

43.0

16.7

14,213,845

7.7

 

セグメントの名称

従業員数(人)

メタル+(Plus)

222

サーキュラーエコノミー

353

サプライチェーン

291

モビリティ

207

グリーンインフラ

224

デジタルソリューション

95

ライフスタイル

168

アフリカ

175

その他

731

合計

2,466

(注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であります。

2.平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は海外現地社員92人を含んでおりません。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.その他として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

③労働組合の状況

 特記すべき事項はありません。

 

④管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

(a)提出会社

当事業年度

任意の追加的な記載欄

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

(注)2

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)3

男女の賃金の差異(注)1(注)4

全労働者

(%)

(注)5

うち正規雇用労働者(%)

うちパート・有期労働者

  (%)

9.5

91.9

61.9

60.5

43.8

男女の賃金の差異は主に以下事由による

<正規雇用労働者>

相対的に賃金の高い管理職、海外・国内異動を伴うグローバル職における女性比率(14.7%)が低いため

<有期労働者>

60歳以上の再雇用嘱託社員における上位等級者の女性比率が低いため

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「管理職に占める女性労働者の割合」を性別・国籍に関わらず、多様な人財が活躍できる場・機会の拡大を進める指標として、「男性の育児休業取得率」をワークとライフの両立支援や働き方改革、多様なキャリアパスの実現を進める指標として設定し、多様な人財の活躍機会の拡大に努めてまいります。詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)重要な課題への対応 ②人的資本」に関する開示に記載しております。なお当社において「管理職」は「マネジメント職」と称し、同参照先において「管理職に占める女性労働者の割合」は「女性マネジメント職比率」と記載しております。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、当該割合に育児目的休暇その他これに類する休暇(慶弔休暇等)は含めておりません。

4.男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一価値労働の賃金に差はありません。

5.全労働者には派遣社員を含んでおりません。

 

(b)重要な連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の育児休業取得率

(%)

(注)2

男女の賃金の差異(注)1(注)3

全労働者

(%)

(注)4

うち正規雇用労働者(%)

うちパート・有期労働者(%)

豊田スチールセンター㈱

0.0

90.0

71.0

70.4

44.1

豊通マテリアル㈱

7.3

44.4

61.7

61.0

157.5

㈱ユーラスエナジーホールディングス

6.0

68.2

62.4

63.1

33.5

㈱豊通マシナリー

0.0

66.7

59.4

57.5

77.5

㈱ネクスティ エレクトロニクス

11.2

67.0

67.0

72.0

43.0

エレマテック㈱

2.8

58.0

56.0

55.2

0.0

㈱トーメンデバイス

7.4

64.5

64.0

36.9

豊通ケミプラス㈱

2.8

71.4

61.2

61.8

61.8

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一価値労働の賃金に差はなく、比較的賃金の高い職種、等級や労働時間別の人員構成の差によるものであります。

4.全労働者には派遣社員を含んでおりません。

5.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

6.豊田スチールセンター㈱は2026年4月1日付で豊通メタルソリューションズ㈱に社名変更しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、地球及び社会の一員として、企業活動と地球環境や社会の持続可能性が直結していることを強く認識しております。気候変動や生物多様性の喪失、資源の有効活用といった課題は、すでに当社の事業に大きな影響を及ぼしており、当社グループの存在意義をも脅かしかねないものであります。 こうした認識の下、当社グループはサステナビリティを「経営そのもの」と位置付け、持続的な成長と価値創出を支える要と捉えております。環境・社会課題を解決するのみにとどまらず、新たな機会と捉え、持続可能な事業モデルへの進化を加速することで、より信頼される企業を目指してまいります。 また、当社グループのMissionには「子供たち」という言葉を加えており、これは、次世代により良い地球と社会を引き継ぐという私たちの責任を明確にするものであります。私たちは、未来の子供たちが安心して暮らせる地球環境と持続可能な社会を実現することを重要な使命と考えております。

 

(1)ガバナンス

 当社グループのサステナビリティ経営の推進体制は下図のとおり、取締役会の監督の下、社長がサステナビリティ推進委員会を招集し、その議論・決定事項を取締役会に報告する体制になっております。また、取締役はESGに関する豊富な能力・経験を有しており、取締役会による適切な監督が行われる体制を整えております。サステナビリティ関連の指標は、取締役(除く社外取締役)を対象とした報酬制度の一要素としております。取締役の報酬の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。さらに、各関連会議体にてサステナビリティに関する個別のテーマについての議論を行っており、特に気候変動については社長を議長として毎月開催されるカーボンニュートラル推進会議で脱炭素社会への移行に向けた戦略を議論しております。サステナビリティ推進委員会では、サステナビリティ担当役員であるCSOの下、経営企画部サステナビリティ推進室が事務局となり、各営業本部・コーポレート部門・グループ会社と協働しながら、サステナビリティ推進施策を実行しております。

 

 サステナビリティ推進体制(2026年3月現在)

 

(2)リスク管理

 当社ではサステナビリティ推進委員会を年1回開催しております。社長が同委員会の委員長を務め、副社長、営業本部の責任者である営業本部CEO、海外地域の責任者である極CEO 、コーポレートの関連役員に加え、アドバイザーとして社外取締役4名、オブザーバーとして会長と副会長と常勤監査役を招集しております。同委員会ではサステナビリティに関する重要な方針を決定するとともに、社会動向の把握と当社の対応等について議論・決定しております。2025年12月に開催された同委員会の主な議題は以下のとおりであり、審議内容については2026年1月の取締役会で報告を行っております。

<主な議題>

・当社のサステナビリティの基本的な考え方について

・マテリアリティ実現に向けた取り組みの進捗

・サプライチェーンを含む当社グループの取り組みの進捗(下記3つのトピックを含む)

  ネットゼロ

  ネイチャーポジティブ

  ヒト・地域との共生

・各営業本部、海外極特有の課題報告と対応

 

<委員長と社外取締役からの主な講評>

・真の競争力強化のため、本業の中心にサステナビリティを据えること

・経済合理性を重視しつつ、社会全体にとって困難な課題に積極的に挑戦すること

・外部からの要求事項を適切に把握し、取り組み推進につなげること

・地政学リスクなど、複雑かつ幅広いサステナビリティリスクへの対応に向けて、全社連携と専門性の強化に努めること

 

<今後の取り組み>

・外部環境の変化を踏まえたマテリアリティとKPIの継続的な見直し

・ネットゼロに向けた、収益性の確保を前提とする着実な取り組みの推進

・自然資本の棄損への対応を、ビジネス機会へとつなげる取り組みの推進

・人権を最も優先すべき課題と捉え、リーダーシップの発揮と法令遵守の徹底

・当社らしい社会貢献活動の強化

・サステナビリティ各種取り組みを社員の誇りや仕事のやりがいにつなげる施策の実施

 

 

 

(3)重要な課題への対応

 当社グループは経営戦略に基づき注力していく地球課題を明確にするために、6つのマテリアリティを特定しております。

 

 

「地球課題の解決と会社の成長を両立する最重要課題」

・交通死傷者ゼロを目指し、安全で快適なモビリティ社会の実現に貢献

・クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCOを削減することで、脱炭素社会移行に貢献

・廃棄物を資源化することで、モノづくりを支え、循環型社会に貢献

・アフリカをはじめとした開発途上国とともに成長し、事業を通じて社会課題の解決に取り組む

「会社の成長を支える土台となる最重要課題」

・安全とコンプライアンスの遵守をビジネスの入口とし、社会に信頼される組織であり続ける

・人権を尊重し、人を育て、活かし、「社会に貢献する人づくり」に積極的に取り組む

 

 地球課題の解決と会社の成長を両立する4つのマテリアリティの一つである「クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCOを削減することで、脱炭素社会移行に貢献」では、気候変動を重要な経営課題の一つと認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに基づいた取り組みの拡充を図り、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーを推進し解決に向け取り組んでおります。

 また、会社の成長を支える土台となる2つのマテリアリティの一つである「人権を尊重し、人を育て、活かし、『社会に貢献する人づくり』に積極的に取り組む」では、グローバルな視点で事業創造ができる人財、世界の市場で活躍できる人財の育成に注力するとともに、地域コミュニティでの職業訓練機会の提供などを通じ、社内外で社会に有用かつ貢献する人づくりに積極的に取り組んでおります。

 

①気候変動

(a)ガバナンス

 当社グループでは気候変動に関わる事業リスク・機会をマテリアリティの一つとして選定しております。マテリアリティについては、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会(年1回開催)(※1)でその取り組み内容を確認し、同委員会の構成メンバーである各営業本部CEOを通じて、事業戦略に反映させております。2020年よりマテリアリティに係るKPIを設定し、同委員会がその進捗を確認、議論内容を取締役会へ報告しております。また取締役は気候変動も含めたESGに関する豊富な能力・経験を有しており、適切な監督が行われる体制を整えております。

 気候変動については社長を議長とするカーボンニュートラル(CN)推進会議(毎月開催)(※2)において脱炭素社会への移行に向けた戦略を議論するとともに、当社が排出する温室効果ガス(GHG)削減の進捗管理も行っております。同会議の事務局は2022年4月に設置されたカーボンニュートラル推進部が務めており、同部は専門組織として脱炭素への取り組みをさらに加速させる役割を担っております。

 省エネに関する目標達成状況や気候変動に関する法令改正及び新たな要求事項への対応状況については、年に1回、安全・環境会議(※3)で審議し、その進捗の確認を行っております。その審議内容は、同会議の構成メンバーである各営業本部・グループ会社担当者を通じて、事業活動に反映しております。

 なお、当社はGHG排出削減を促進するために、社内カーボンプライシング制度を導入しております。この制度では、GHG排出削減への各営業本部の取り組みの進捗状況を各営業本部の業績に反映しております。また、GHG排出削減は、取締役(除く社外取締役)及び営業本部CEOの報酬に反映させております。取締役の報酬の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。

 

※1

サステナビリティ推進委員会

気候変動を含むマテリアリティに係る方針、重要事項の決定

委員長

今井 斗志光(取締役社長)

担当役員

富永 浩史(CSO)

事務局

経営企画部 サステナビリティ推進室

 

※2

カーボンニュートラル推進会議

カーボンニュートラル実現に向けた戦略の決定

議長

今井 斗志光(取締役社長)

担当役員

唐戸 潤(CTO)

事務局

カーボンニュートラル推進部

 

※3

安全・環境会議

気候変動に関する法令対応などの進捗管理

議長

綿貫 辰哉(取締役副社長)

担当役員

綿貫 辰哉(取締役副社長)

事務局

安全・環境推進部

(注)2026年3月現在

 

 

(b)戦略

[ⅰ]シナリオ分析

 当社は、気候変動の影響が大きい事業を選定し、TCFD提言に沿った形でシナリオ分析を実施しております。

 事業への影響については、影響が大きい要素を選定してシナリオ分析を実施いたしました。リスクでは移行リスク(政策・規制、技術、市場、評判)及び物理リスク(急性・慢性)を、機会では資源効率、エネルギー源、製品及びサービス、並びに市場を考慮しております。

 また、当社グループでは2030年にGHG排出量におけるScope1、2(※1)を2019年比50%削減し、Scope3(※2)を27.5%削減することを目指しており、今回のシナリオ分析においても同様に2030年を分析のタイムフレームとしております。

※1 Scope1:自社での燃料使用等による直接排出

   Scope2:自社購入の電気・熱の使用による間接排出

※2 Scope3:製品の原材料調達から製造、販売、消費、廃棄に至るまでのバリューチェーン全体の排出

 

<参照シナリオ>

 気候変動に起因して、当社グループの事業環境が大きく変化した際に、新たなビジネスの機会及び事業レジリエンスを評価し、事業への影響を分析することを目的として、IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)及びIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などの下記シナリオを参照しております。

 

 

<対象事業選定>

 当社グループ事業のうち、気候変動の影響が大きい事業(下記A~Dの観点)を対象事業として選定し、リチウム事業、資源循環事業、再生可能エネルギー事業、自動車販売事業、自動車部品物流事業についてシナリオ分析を行いました。

 

 

 当シナリオ分析におけるシナリオ・事業環境認識は、国際的な機関などが提示する主なシナリオを基にしており、当社グループの中長期の見通しではありません。

 

[ⅱ]各事業におけるシナリオ分析結果

 

<リチウム事業>

 当社グループは、電動車に不可欠な車載用リチウムイオン電池の原料を供給するため、アルゼンチンのオラロス塩湖で炭酸リチウムの生産を2014年に開始しております。また、日本国内では、福島県双葉郡楢葉町において水酸化リチウムの製造工場を建設しており、2022年に生産を開始しております。

 

 

当社グループの対応策

 電動車の本格的な普及に伴うリチウムの需要増加に対し、既存能力の増強により長期安定的な供給体制構築を目指しております。また、今後の電池高容量化に伴う水酸化リチウムの需要増加を見込み、事業領域を拡大し、安定供給に向けた体制構築を進めてまいります。

 

<資源循環事業>

 当社グループのリサイクルの歴史は古く、1970年代から約50年にわたり、サーキュラーエコノミー(CE)を事業として推進してまいりました。当社グループは、「全てのモノは資源」と考えており、廃棄物を回収し、それを選別、再資源化し、モノづくりを支える「資源循環」を推進しております。

 

 

当社グループの対応策

 当事業は重点分野である「循環型静脈」の主要事業と位置付けられており、リサイクルバリューチェーンの川上から川下までの機能強化を図り、クローズドループの構築を進めてまいります。

 

<再生可能エネルギー事業>

 当社グループは、風力、太陽光、水力、地熱、バイオマスなどの発電事業をグローバルで展開しており、アフリカ、新興国での開発促進、洋上風力開発などの事業にも注力しております。

 

 

当社グループの対応策

 当事業は当社グループの重点分野である「再生可能エネルギー・エネルギーマネジメント」と位置付けられており、既存ビジネスモデルを強化してグローバル展開を加速させるとともに、電源メニューの多様化やエネルギーマネジメントなど、事業領域の拡大を図っております。競争力のある再生可能エネルギーの安定供給で、より良い地球環境づくりに貢献してまいります。

 

<自動車販売事業>

 当社グループは、トヨタグループを中心とした自動車・輸送用機器メーカーが国内外で生産する乗用車、バス・トラックなどの商用車、産業車輌、補給部品を世界各国へ輸出しております。また、世界150ヵ国に及ぶグローバルネットワークを通じて、輸入販売総代理店や販売店の事業を展開しております。

 

 

当社グループの対応策

 新車販売市場は新興国を中心に今後も拡大していくことが想定されていることから、当社グループは全世界での販売体制を強化してまいります。また、電動車ラインアップの拡充に併せて、その基幹部品である電池素材の資源確保や電池の3R(リビルト、リユース、リサイクル)の事業領域を開拓し、電動車の普及を促進いたします。

 

<自動車部品物流事業>

 当社グループは世界中に現地法人及び事業体を展開し、各拠点・物流網を駆使し、最適な部品の一貫物流体制を整えることにより、グローバル規模での自動車部品サプライチェーンを構築しております。

 

 

当社グループの対応策

 グローバルでの自動車生産台数の増加に伴い、自動車部品市場は今後も拡大することが予想されております。当社グループは電動化における新たな部品パートナーとの連携強化・グリーンな物流を推進し、自動車部品サプライチェーンの持続的な成長に貢献してまいります。

 

(c)リスク管理

 当社グループは気候変動を含む環境リスクを高い基準で管理しております。気候変動に関わる事業機会とリスクは、CN推進会議、安全・環境会議とサステナビリティ推進委員会で審議され、その構成メンバーが事業戦略策定や活動に取り入れております。特に、CN推進会議は社長を議長として毎月開催、外部環境を踏まえた気候変動のリスク・機会の識別や当社への影響の評価、また気候変動に関連する事業の進捗を確認しております。統合リスク管理委員会では、グローバルなリスクマネジメント状況を検証するために、最も注力すべき10のリスク項目を定義、その一つとして、環境を掲げ、全社的なリスク管理プロセスの中でも気候変動リスクを管理しております。さらに、そのリスク管理プロセスをモニタリングするために、当社は環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14001を取得しており、3年に1度国内外の連結子会社を対象に本社による環境内部監査を実施しております。

 

<投融資案件>

 投融資委員会には副社長・CSO・CFOが、投融資協議会にはCSO補佐・CFO補佐が、また、投資戦略会議には社長・副社長・CSO・CFO・経営企画部長がメンバーとして参加することで、投資案件がESGに与える影響を確認しております。投融資委員会・協議会の評価項目の中には環境リスクがあり、投融資委員会または投融資協議会に上げられた一定要件以上の案件は、CNに関する事前評価を必須としており、投資に伴って増加するScope1、Scope2の排出量の把握とその削減方法、また、その投資によるScope3の削減効果、社会のGHG削減に貢献する効果について確認をしております。

 

(d)指標及び目標

[ⅰ]GHG排出削減目標と今後の取り組み

 当社グループは、パリ協定を支持し、2021年に策定した自社排出(Scope1、2)に関する削減目標を更新すると同時に、当社グループのミッションである”未来の子供たちにより良い地球を届ける”を実現するために、新たにサプライチェーン排出(Scope3)について野心的な削減目標を定めております。これにより、2030年までに2019年比でScope1、2排出量を50%、Scope3排出量を27.5%削減し、自社及びサプライチェーンを含めたバリューチェーン全体のGHG排出量(Scope1+2+3)において、2050年の実質ネットゼロ達成を目指してまいります。そして、当社グループは引き続き、徹底的な省エネ・再エネ推進(LED化、太陽光発電設備の設置等)を実施してまいります。さらに、サプライヤーや取引先企業のお客様に対して、再生可能エネルギーやリサイクル製品などを供給し、自社及びバリューチェーン全体のGHG排出量削減に取り組んでまいります。また、GHG排出量削減に向けた取り組みをより一層推進するため、2025年度より「CN/CE関連の取組」をライン部長の人事評価指標に反映いたしました。これにより、管理職層におけるカーボンニュートラルへの意識向上と、現場での具体的な行動の促進を図ってまいります。目標の実現に向けて、GHG排出量削減に資する「豊田通商ならでは」の取り組みを産業ライフサイクルを通じて全社レベルで推進できる強みを活かし、脱炭素社会の実現に一層貢献してまいります。

 

 

 

[ⅱ]GHG排出量データ

2025年度 Scope1、2排出量

 

排出量(千t-CO

Scope1

499

Scope2(ロケーション基準)

385

Scope2(マーケット基準)

250

Scope1+2(ロケーション基準)

884

Scope1+2(マーケット基準)

749

 上記数値は、第三者保証取得済みの確定値であります。詳細に関しましては別途当社ウェブサイトにて開示いたします。

 

2025年度 Scope3 排出量

カテゴリー

排出量(千t-CO)

1 購入した製品・サービス

70,832

2 資本財

538

3 燃料・エネルギー関連

136

4 輸送・配送(上流)

3,531

5 事業から出る廃棄物

36

6 出張

9

7 雇用者の通勤

30

8 リース資産(上流)

対象外

9 輸送・配送(下流)

1,344

10 販売した製品の加工

141

11 販売した製品の使用

35,038

12 販売した製品の廃棄

458

13 リース資産

21

14 フランチャイズ

6

15 投資

903

合計

113,024

 上記数値は、第三者保証取得済みの確定値であります。詳細に関しましては別途当社ウェブサイトにて開示いたします。

 

 

②人的資本

(a)ガバナンス

[ⅰ]人的資本に関するガバナンス体制

 当社グループは、事業戦略と整合した人事戦略の推進にあたり、全社人事機能に対して指揮命令を行う最高責任者としてCHROを設置しております。CHRO主導の基、人事制度、労務、人財の確保・育成、組織開発、DE&I、人的資本経営の推進を担う人事部が人的資本経営を推進しております。人的資本に関する重要事項については、人事部で立案した後、CHRO、CSO、社長との議論、さらには議題の内容により経営会議での議論を経て、全社施策として実行・運営されます。決定事項はCHROから取締役会に定期的に報告し、取締役会が進捗及びリスク対応状況を監督する体制としております。あわせて、各営業本部・海外拠点(極)における人財・組織の課題に関しては取締役が参加するサステナビリティ推進委員会にて報告・討議され、グループとしての対応状況をモニタリングしております。

 

[ⅱ]執行体制

 当社では、8つの営業本部が世界約130ヵ国・地域にわたるネットワークを活かし、グローバル市場を視野に入れた事業戦略を担っております。また、海外には主要な地域ごとに地域統括会社及び事業会社を配置し、各地域の特性やニーズに応じた柔軟かつ迅速な事業運営を実現しております。このようなマトリクス型の事業運営体制により、「営業本部」及び「海外拠点(極)」が一体となって価値創造を図ることが可能となっております。 このグローバルな事業運営体制を支えるため、当社では戦略的かつ機能的な人事体制を構築、以下の4つの役割に分けて設計しております。

・CHRO(Chief Human Resources Officer/最高人事責任者)

 事業戦略と整合した人事戦略を策定し、全社人事機能を統括いたします。

・CoE(Center of Excellence)

 当社人事部が採用・育成・評価・DE&I等の専門性に基づき、全社共通の人事戦略・制度の企画・立案・推進を担っております。また、グローバル共通の人事基盤を整備することで、全社の一体感と各極の自主性の両立を図っております。

・OPE(Operational Excellence)

 給与・評価・労務管理等の制度運用、並びに人事システム/データ整備・運用を担う人事オペレーション機能として、業務効率化と人事情報の可視化を推進しております。当社人事部だけでなく関連会社である豊通ヒューマンリソース㈱と密接に連携し、効率的かつ一貫した運用体制を構築しております。

・HRBP(Human Resources Business Partner)/RHR(Regional Human Resources)

 営業本部及び海外極に密着し、人財配置・育成・組織開発等を通じて事業戦略の実行を支援するとともに、現場の声を本社へフィードバックするハブ機能を担っております。このような機能を実現するために、当社人事部から各営業本部にHRBP、各極に人事駐在員を派遣しております。

 

   

 

 また、上記体制に加えて、社長を議長とし、主に経営幹部で構成される全社会議体Human Company Task Force(HCTF)にて毎月、実現の鍵となる人財・組織の課題(ヘッドピン)の特定と、解決に向けた具体的なアクションの議論を行い、人事部、本部、極横断で解決に取り組んでおります。

 

(b)戦略

 当社グループは、中期経営計画における「異能の総合商社」実現に向け、人と組織の中期ビジョンを定めております。

 

 

 当社では社員一人ひとりが当社のMission・Vision・Values(MVV)に共感しながら(「志をつなぐ」)、様々な挑戦・経験を経て「潜在能力を開放する」、「DNAの覚醒」、各組織の多様な社員が自ら考えながら(「自律し調和する」)、新たなアイディアを生み出すとともに、組織間での協創を推進する(「多様に・革新的に」)「躍動する生命体組織」の実現を目指しております。これら「DNAの覚醒」、「躍動する生命体組織」の構築を通じて、グローバル7万人の多様な人財が当社の価値観を継承しつつ自律的な挑戦・協業を促すことを目指しております。これにより一人当たりの付加価値とエンゲージメントの向上、イノベーション創出促進を図り、「7万人の大旅団の次元上昇」を通じた成長につなげてまいります。

 

 当社グループの「人と組織の次元上昇」を実現するため具体的取り組みは、次のとおりであります。

 

 

[ⅰ]採用

 当社は「未来の子供たちにより良い地球を届ける」をミッションとして、約130ヵ国で事業投資に留まらず、現場に入り込みながら事業経営を推進しております。このような事業を支える上で、当社の特徴及び当社がこれまでの歴史を通じて培ってきたValues(大切にする価値観・行動原則)である豊田通商DNA(Humanity・Gembality・Beyond)に共感し、価値創造に主体的に取り組める人財の採用が必要不可欠であります。このような当社の特徴を理解し、魅力を感じていただける人財を獲得するために、「豊田通商インスタグラム」を開設し、当社の特徴、取り組みを知っていただく機会を増やしております。また、当社の多様な事業ポートフォリオを維持・拡大するには、性別・国籍にとらわれない多様な人財の確保が求められております。そのため、留学生、外国籍人財に特化したアプローチも充実することにより、採用者の拡大等を行っております。

 

[ⅱ]配置(適所適材)

 事業戦略と連動した人財配置を実現するため、グローバル人事委員会において重要ポスト(グローバルポスト)の後継者育成計画及び育成状況をモニタリングし、グローバルポストを担う人財を継続的に供給しております。また、社員本人の自律的なキャリア形成を促すために、各部署が募集する公募ポストに対して、自らが応募することのできる「チャレンジポスト制度」、自ら異動したい部署に手を挙げ、異動先部署のニーズを満たせば異動を実現する「チャレンジローテーション制度」を設けております。

 

[ⅲ]個の育成

 急速に変化するビジネス環境において、当社が今後拡大を目指す事業領域(社会課題解決、環境課題解決)において価値創造を実現するためには、社員一人ひとりが新たな挑戦を通じて継続的に成長し続けることが不可欠であります。「事業を通じて社会課題を解決し、持続的に価値を創出し続ける企業」への変革を実現するためには、多様な事業を担い、価値創造をリードできる人財の存在が前提となります。当社における人的資本は、単なる経営資源ではなく、事業の創出・成長を通じて企業価値を生み出す中核そのものであります。当社では豊田通商DNAを基盤としながら、社員の成長を「志す(WILL)」、「任される(NEED)」、「自ら挑む(CAN)」、「タグをつくる(GROW)」の4つのプロセスとして定義し、それぞれにおいて目指す状態を明確にした上で、必要な施策を展開してまいります。この成長サイクルを通じて、個々のDNAの覚醒を促し、事業創出力へとつなげております。

 

「志す(WILL)」

 「志す(WILL)」とは、自らの意思で社会や顧客に対する価値創造に挑む志と視座をもつことを指します。

 当社では、世界基準の高い視座・志を有し、多様な個性を活かすことができる「未来を切り拓くグローバル経営リーダー」の育成を目的に、海外のトップビジネススクールと提携した「Global Advanced Leadership Program(GALP)」を展開しております。こうした取り組みを通じて、事業の枠を越えて価値創造を構想できる人財の排出を目指しております。

「任される(NEED)」

 「任される(NEED)」とは、社会や事業の成長を担う役割を託される人財へと成長することを指します。

 当社では、国内外の連結子会社(約800社)の次世代経営者の育成を目的に、「CEO Essential Program(CEP)」を実施しております。また、若手社員に対しては早期から海外での実務経験を提供することで、グローバルな環境で責任ある役割を担う力を養成しております。これにより、事業の拡大とともに経営を担う人財基盤の強化を図っております。

「自ら挑む(CAN)」

 「自ら挑む(CAN)」とは、自ら機会を取りにいき、主体的に挑戦する行動を指します。

 当社では、「チャレンジポスト制度」、「チャレンジローテーション制度」に加え、他企業への出向や、新規事業創出を目的とした全社横断プロジェクト「Toyotsu Inno-Ventures Project(TIVP)」を推進しております。社員の想いを起点としたアイディアが事業へと昇華されるプロセスを通じて、新規事業の創出と人財の成長を同時に実現しております。

「タグをつくる(GROW)」

 「タグをつくる(GROW)」とは、挑戦と経験を通じて得た学びを、自ら意味づけし、再現可能な知見として蓄積するプロセスを指します。

 当社では、顧客課題への挑戦を通じた実務経験(OJT)と、研修等による学び(OFF-JT)を結びつけ、経験を単なる出来事で終わらせるのではなく、自身の成長資産として整理・言語化することを重視しております。これらの知見は人事システムに蓄積され、本人と上長の対話を通じてキャリア形成や配置に活用されるとともに、組織全体の知として循環しております。

 

 当社は、人財育成体系に基づき、役割や成長段階に応じた体系的な育成施策を提供することで、個々の成長を事業の成長へとつなげてまいります。人的資本の強化と事業戦略の実行を一体的に推進することで、持続的な企業価値の向上を実現してまいります。

[ⅳ]評価・報酬

 役割や貢献の可視化を通じて、社員の納得感と成長意欲を高める評価・報酬制度の高度化に取り組んでおります。評価に関しては、豊田通商パーソンとして求められる行動様式(コンピテンシー)に基づく発揮能力評価、自部署の方針に基づき各自の個別目標に対して達成状況を評価する成果評価、またマネジメント職に期待される職務に応じて評価する職務評価を設けるとともに、評価者/被評価者研修を通じて社員一人ひとりの貢献と評価に対する納得度を高めるための取り組みを行っております。報酬に関しては、業績の成長に応じて賞与フォーミュラに基づき配分するとともに、採用マーケットにおける競争優位性を確保するために、毎年初任給及び基本給の見直しを検討しております。

 

[ⅴ]活力ある組織づくり

 しなやかで、変化に強い「生命体組織」への進化を目指し、常識や前例にとらわれず、社員の潜在能力の最大化を推進いたします。当社は社員エンゲージメントを重要な経営指標と位置づけ、役員検討会やHuman Company Task Force(HCTF)を通じて、課題の把握と改善施策の検討を行っております。社員エンゲージメント向上に向け、エンゲージメントサーベイ結果を社内外に共有し、社員エンゲージメントを高めあう風土を目指しております。また、社長と従業員が直接対話する場としての「タウンホールミーティング」を実施し、経営の方向性を理解・共感する場を用意しております。各職場では、職場の自己革新力を高めるための学習コミュニティとしての「組織づくりの実践道場」を設け、上司と部下がペアとなり、組織づくりに役立つ実践からの学びをコミュニティ内で共有し、実践に活かす機会を設けております。

 

[ⅵ]社員の潜在能力を最大化する基盤づくり

 社員の潜在能力を最大化するためには、社員が安心・安全に働ける環境・基盤を設ける必要があります。当社は2017年10月に経営トップより「豊田通商グループ健康宣言」を行い、健康経営に取り組んでまいりました。健康戦略マップを設け、生活習慣病やメンタル不調、感染症、がん罹患それぞれの未然防止施策、また生活習慣改善、心的負担低減やセルフケアに向けたサポートを行っております。これらの取り組みの結果、当社は東京証券取引所の上場会社の中から、社員の健康管理を経営視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を選ぶ「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に6年連続で選定されております。

 

[ⅶ]DE&I

 当社グループは全世界約130ヵ国・地域、約1,000社の連結子会社及び持分法適用会社において、グローバルに多様性に富む約7万人の社員が働いております。また海外収益比率も70%以上を占めており、DE&Iの推進は当社の事業を支える根幹と言っても過言ではありません。また、当社事業もこれまでの自動車を中心としたビジネスから、社会課題・環境課題解決に貢献する事業へ展開するにあたり、ジェンダー・経験にとらわれない「異能」な人財の活躍を実現していくことが求められております。当社は特に女性マネジメント職比率の向上、定年後キャリア支援施策、障がい者雇用を通じ、多様な人財が活躍できる環境整備を進めております。

 女性マネジメント職の育成に向け、誰もがもちうるアンコンシャスバイアスの研修を全社員に実施し、上司・同僚・本人の意識変容を促し、女性がさらに活躍しやすい風土醸成を進めております。また、女性が働きやすい環境づくりのために、男性も含め育児休業を本人・家族・職場の成長・進化の機会と考えるコンセプト「育習」を社内で発信し、取得を推奨しております。このような取り組みの結果、経済産業省と東京証券取引所が共同で行う「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」に関する取り組みが特に優れた企業を選定する「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」に2年連続で選定されております。

 定年後キャリア支援施策としては、自らのアサイン(キャリア)を考える「キャリアリブートキャンプ」、外部での活躍機会を得る「キャリアリブートサポート制度」、内部でのさらなる活躍を促す報酬制度を設け、定年退職後にさらなる活躍を促すための支援を行っております。

障がい者雇用については、単なる雇用の創出にとどまらず、障がい者と健常者がともに働くことで、相互理解と共生の意識を育むことを目指した「トスWork」という仕組みを設けております。これにより、障がいのある従業員が実際の業務を通じてスキルを発揮し、成長できる機会を得ると同時に、当社の従業員も日常的に障がいのある従業員と関わることで、自然な形でのコミュニケーションや協働が生まれております。

 

[ⅷ]AI時代を見据えた人事機能・システム基盤

 社内向け生成AIのライセンス付与や重要DX案件の推進力向上を目的とした全社会議体「DX² AI Beyooond イニシアティブ」の全社員への動画配信を通じて、全社のDXの機運を高めております。また人事情報データベース・ダッシュボードの構築を進め、AI時代に対応した人事機能・システム基盤の強化を行っております。

 

(c)リスク管理

 当社は人的資本に関するリスクを以下のとおり認識し、対応策を講じております。

リスクタイプ

リスクの具体例

対応策

雇用プロセスに関するリスク

・当社で働くことを魅力に感じ、グローバルで活躍できる人財の確保が困難となるリスク

・当社で働くイメージを具体的にもち、その魅力を実感していただくために、社員との接点を重視した多様なイベント(座談会、インターンシップ等)を実施し、求職者とのミスマッチが起こりにくい仕掛けを行っております。

・公正な採用選考のため、面接にあたる関係者に対してトレーニングを実施しております。

後継者確保に関するリスク

・展開国数約130ヵ国・地域、約1,000社の連結子会社及び持分法適用会社のマネジメントを担う人財が不足するリスク

・グローバル経営上、重要なポストを特定し、グローバル人事委員会にて重要なポストの後継者の充足・育成状況を把握しております。

労働法に関するリスク

・長時間労働により労働基準法、労働安全衛生法に違反するリスク

・労働時間の適切な管理のため一定の時間を超える残業をする場合の事前申請や、長時間労働者に対する産業医面談の実施を行っております。2017年より早期退社を促す20時の社内一斉消灯を実施し、残業時間の削減にも寄与する試みを続けております。

差別またはハラスメントに関するリスク

・海外駐在先で、現地の文化・宗教・ジェンダー規範に関する理解不足から差別的言動と受け取られるリスク

・性別・国籍・年齢等に関する不適切な言動が起こるリスク

・差別・ハラスメントとなる行動を防止するため、出張者及び駐在員には海外渡航前に赴任前研修を実施しております。また、各国・宗教に対するタブー集をまとめ、駐在員に展開しております。

・グローバル行動倫理規範(Code of Conduct&Ethics,COCE)を制定し、差別・ハラスメントを行わないことを規定しております。
また、毎年COCE、コンプライアンスに関する感度を高めるためのイベント「COCE・コンプライアンス Days」を実施しております。

健康及び安全に関するリスク

・治安の不安定な地域への駐在・出張に伴い、誘拐、強盗、テロ、デモ、内乱などの危険にさらされるリスク

・長時間労働、時差、深夜対応、移動頻度の高さにより、過労、睡眠不足、メンタル不調が起こりやすいリスク

・海外危機管理に関する特設サイトを立ち上げ、外務省を始め各セキュリティコンサルタントによる各国のリスクを確認できるようにしております。また、出張時には当該国のリスクを鑑み、リスクが高い国へ出張する場合は、コンプライアンス・危機管理部との協議の下、人事部長が承認しております。万が一、出張・駐在中に紛争が発生した場合、速やかに退避するような退避プロセスを整備しております。

・トヨタグループで推進する8つの健康習慣(適正体重、運動、飲酒、禁煙、朝食摂取、間食、睡眠、 ストレス)の改善に取り組む活動「健康チャレンジ8」を導入しセミナー開催や参加型イベントを通じて、ヘルスリテラシー向上と行動実践のきっかけづくりとしております。
また、深夜勤務翌日の勤務間インターバル制度、海外出張間及び出張中のインターバルの確保及び海外出張者への産業医面談の実施についてガイドラインを整備しております。

 

(d)指標及び目標

 人財戦略の進捗を把握するため、当社において設定している主要指標は以下のとおりであります。

中期経営計画 関連指標

前事業年度実績

(2025年3月期)

当事業年度実績

(2026年3月期)

目標

人財・組織戦略

社員エンゲージメント

68%

72%

維持・良化

領域

主要指標

前事業年度実績

当事業年度実績

目標

採用

女性の採用比率(注)1

25.2%

26.7%

2031年3月期

30%

配置

グローバルポストにおける後継者準備割合

97.3%

100.0%

100%

個の育成

経営人財育成プログラム累計参加者数

700人

775人

継続的な増加

活力ある組織づくり/

社員の潜在能力を最大化する基盤づくり

健康経営優良法人

(ホワイト500)の取得

取得

 

取得

(6年連続)

継続取得

社員を活かす環境

67%

70%

維持・良化

DE&I

女性マネジメント職比率(注)2

8.4%

9.5%

2031年3月期

20%超

男性の育児休業取得率(注)3(注)4

61.9%

91.9%

2031年3月期

90%

 (注)1.新卒・キャリア採用の合計

    2.当社において「管理職」は「マネジメント職」と称し、女性マネジメント職比率とは、管理職に占める女性労働者の割合を示しております。

    3.育児から学ぶ「育習」を推奨するとともに、育児休業期間のうち最大20営業日を有給化することで、育児休業制度の理解と利用しやすい風土作りを行っております。また子供が生まれた男性社員全員とその上長宛に育児休業取得を勧める個別案内を送付し、男性の育児参画を促進しております。

    4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。なお、当該割合に育児目的休暇その他これに類する休暇(慶弔休暇等)は含めておりません。