2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    2,224名(単体) 19,573名(連結)
  • 平均年齢
    43.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.9年(単体)
  • 平均年収
    13,543,475円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

19,573

(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。

2 当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

3 前連結会計年度末に比べ従業員数が1,871人増加しております。主な要因は、業容の拡大に伴う採用の増加に

よるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

2,224

43.5

14.9

13,543,475

(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含め、ストックオプションによる株式報酬費用は除いております。

3 当社は単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

 特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 2025年3月期の国内女性管理職比率は2024年3月期比0.2ポイント増の3.3%となりました。国内各社において、労働者全体に占める女性構成比、男女間の職種及び年齢構成の違い等から、女性管理職比率に差が生じておりますが、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり「管理職に占める女性労働者の割合」の目標値(2027年3月期までに、日本:5.0%、当社グループ全体:8.0%)を定めており、その達成に向けて経営層の強いコミットメントのもと各種施策を進めております。施策の例としては、採用活動では、当社グループ労働者の大半を占めるエンジニアの採用対象となる理工学専攻の女性が極めて少ないという背景はあるものの、新卒採用・中途採用ともに採用者に占める女性割合向上を目指しリクルーターの活用やブランディング活動を積極的に行っております。女性労働者に対しては、社内外の女性向けプログラム(注)への参加を通じ、キャリアデザイン・リーダーシップに関する基礎知識の習得やロールモデル設定により、管理職・上級管理職に挑戦する意欲の向上を促進しております。加えて、性別を問わずすべてのライフステージにおいて働きやすい労働環境を整備するとともに、女性が大半を占める一般職群から総合職群への早期転換、ダイバーシティを取り入れた後継者育成計画の策定、経営幹部への計画的な登用などに取り組んでおります。

 当社グループでは、育児・介護などの様々なライフイベントに合わせてフレキシブルな働き方ができるよう、法令等で定められている制度に加え、国内においては、当社グループ独自の制度を設けております。育児休業制度については性別を問わず利用を推進しており、男性労働者も安心して子育てに専念できるよう、例えば、過去に育児休業を取得した男性労働者の座談会の開催等、啓蒙活動を継続してまいりました。そうした取り組みの結果、国内グループ会社全体の取得率では前年比10.8ポイント増の65.1%となりました。今後とも労働者のワーク・ライフ・バランスの実現しやすい環境整備を行いながら、ライフスタイルや社会情勢に対応した働き方を可能とする制度の整備に努めるとともに、男性労働者の育児休業取得率の向上を目指してまいります。

 

 男女の賃金差異に関して、国内グループ会社の労働者は総合職群と一般職群で構成されています。総合職群は基幹業務において主体的に役割を担い、一般職群は総合職群を補佐し事務処理業務全般を担う職種です。当社グループでは、正規雇用労働者及びパート・有期労働者のいずれにおいても、同一職群・同一等級において男女の賃金差異はございません。昇進・昇給や採用基準等においても、能力や実績等に基づく人材登用を行っております。差異が生じている理由は、等級上位層に男性労働者が多いことに起因しております。なお、2025年3月期における国内の男女の賃金差異は総合職群の管理職で91.1%、非管理職で90.1%、一般職群で108.2%となっております。また、パート・有期労働者において男女の賃金差異がより大きくなっている理由は、男性有期労働者の多くが定年後の有期嘱託労働者であるのに対し、女性有期労働者の多くは有期パートタイム労働者であるためです。2024年1月に定年後の有期嘱託労働者を対象とする制度変更を行い、正規雇用労働者と同様の等級制度を適用いたしました。年齢に関係なくやる気・能力のある労働者に対し公正な評価と適切な報酬を提供しており、有期嘱託労働者の男女の賃金差異の水準は正規雇用労働者の水準に近づいております。

(注) ①キャリアデザインセミナー for Women:グローバルの全女性労働者を対象にキャリアについて考える機会を提供し、主体的なキャリアデザインの推進を目的とした研修

②J-Win(女性リーダー育成選抜外部研修):ダイバーシティマネジメントの推進を支援し、企業の競争力強化に貢献するというミッションのもとに活動するNPO法人による研修

 

提出会社及び連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1,2,3,4

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)1,5,6

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1,2,5,7,8,9

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

提出会社

8.0

60.0

59.9

60.7

57.5

東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱

2.0

77.1

63.2

63.4

57.1

東京エレクトロン九州㈱

0.8

63.4

59.8

60.5

35.0

東京エレクトロン宮城㈱

1.8

56.9

66.8

67.7

東京エレクトロンFE㈱

0.9

91.6

59.8

60.6

23.3

東京エレクトロンBP㈱

2.7

75.0

69.1

69.4

54.4

(注) 1 対象期間は2025年3月期(2024年4月から2025年3月まで)です。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3 管理職は、課長級以上の高度専門職労働者を含んでおります。

4 「管理職に占める女性労働者の割合」は期末日時点の所属会社での労働者数をもとに集計しております。

5 「男性労働者の育児休業取得率」は、育児休業等及び育児目的休暇取得時点、「労働者の男女の賃金の差異」は、期末日時点の所属会社での労働者数をもとに集計しております。ただし、提出会社については当社国内子会社以外からの出向者、当社国内子会社については提出会社及び当社国内子会社以外からの出向者を除いております。

6 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

7 賃金は、賞与及び基準外賃金を含め、ストックオプションによる株式報酬費用は除いております。

8 中途入社・退職者及び休職者、復職者、派遣労働者は人員数から除いております。

9 正規雇用労働者は、正社員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の労働者を含んでおり、パート・有期労働者は、定年後の有期嘱託労働者及び有期契約労働者、有期パートタイム労働者を含んでおります。また、パートタイム労働者については若干名のため、フルタイム換算をせず実際に支給した賃金に基づき算出しております。なお、表中の「-」は、各労働者区分が女性又は男性のみであることを示しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループにおけるサステナビリティの考え方や取組については以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

 当社グループはサステナビリティ統括部を本社の経営戦略本部に設置し、グループ全体で取組を推進しております。年2回開催するサステナビリティグローバル会議には、国内外のグループ会社において、サステナビリティ全般の取りまとめをおこなうサステナビリティマネージャーが参加し、全社方針に沿った取組の共有やグローバルプロジェクトの推進などについて話し合いをおこなっております。またサステナビリティ担当執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会には、ディビジョンオフィサー及び国内外のグループ会社社長が出席し、短・中長期目標の設定及び進捗管理、サステナビリティ関連方針の策定、個別テーマに関する討議を実施しております。企業価値向上に関わる重要案件については執行側の最高意思決定機関であるコーポレートオフィサーズ・ミーティングで決議をおこなうとともに、適宜取締役会で報告し、取締役会はそれを監督しております。

 なお、提出会社におけるコーポレート・ガバナンスの体制の概要等は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

会議名称

主な参加者

会議内容

取締役会

・取締役会メンバー

・サステナビリティに関する重要案件の
 報告

コーポレート
オフィサーズ・
ミーティング

・コーポレートオフィサー

・サステナビリティに関する重要案件の
 決議

サステナビリティ
委員会

・サステナビリティ担当執行役員

・ディビジョンオフィサー

・国内外のグループ会社社長

・短・中長期目標の設定や進捗管理

・サステナビリティ関連方針の策定

・個別テーマに関する討議

・全社プロジェクトの推進

サステナビリティ
グローバル会議

・ディビジョンオフィサー

・国内外のグループ会社の
 サステナビリティマネージャー

・全社方針に沿った取組の共有

・グローバルプロジェクトの推進

 

(2) 戦略

 当社グループにおけるサステナビリティの取組は、「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」というビジョンの実現による「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念の実践です。

 この取組は、企業の独自の資源や専門性を生かして、社会課題を解決する“CSV”、すなわちCreating Shared Valueの考え方に基づいております。当社グループとしてのCSVをTSV、「TEL's Shared Value」と定め、事業活動において社会的価値と経済的価値の融合により中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上を実現していきます。

 当社グループでは事業において優先して取り組む重要事項をマテリアリティ(重要事項)として特定しております。この特定においては、事業環境や社会課題、またステークホルダーからのご要望などについて整理し重要事項を抽出した上で、CEOが参加するコーポレートオフィサーズ・ミーティングで討議をおこない、取締役会で承認を得ております。バリューチェーンにおいてこれらのマテリアリティを軸とした事業活動を展開しております。

 事業活動においてさまざまなサステナビリティの取組を推進するとともに、革新的な技術をもつBest Productsや付加価値の高いBest Technical Serviceの提供により、産業や社会の課題解決や発展に貢献することで社会から高く信頼され愛される企業を目指します。

 社会において地球環境保全の重要性がより一層高まる中、当社グループでは主に以下の3つの観点において、お客さまやパートナー企業さまと連携し、サプライチェーン全体で半導体の技術革新と環境負荷低減に取り組むことにより、事業リスクの低減や新たなビジネス機会の創出に注力しております。具体的には、E-COMPASS(Environmental Co-Creation by Material, Process and Subcomponent Solutions)の推進により、様々な活動を展開しております。

・ 半導体の高性能化と低消費電力化に貢献

・ 装置のプロセス性能と環境性能の両立

・ 事業活動全体におけるCO2排出量の削減

 

 2024年3月期には環境中期目標について、2025年3月期にはネットゼロ目標についてSBT(注)の認定を取得し、科学的根拠に基づく目標の確実な達成に努め、サプライチェーン全体における温室効果ガスの削減に取り組んでおります。また、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会についてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づく取組を推進するとともに、生物多様性が事業に及ぼすリスクと機会についてTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の理念に沿った活動を展開しております。

 気候変動に対する継続的な対応策を講じるとともに透明性の高い情報開示を行うことで企業としてのレジリエンス(対応力)の向上に努めております。

 詳細につきましては、当社ウェブサイト(URL https://www.tel.co.jp/sustainability/management-foundation/environment/index.html)をご参照ください。

 

(注) SBT:Science Based Targets。SBTはパリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する目標

 

 人的資本の分野においては、「企業の成長は人。社員は価値創出の源泉」という考えのもと、やる気重視経営を実践しております。社員へ積極的に投資し様々な施策を展開するとともに、個々の可能性を生かし高い目標に向けてチャレンジできる多くの機会を提供しております。

 当社グループでは経営層の強いコミットメントのもと、人材の多様性の確保に向けて、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを、継続的なイノベーションの創出や企業価値の向上につながる経営の柱として積極的に推進しております。「ONE TEL, DIFFERENT TOGETHER™」をスローガンに、3GすなわちGlobal(国籍)、Gender(性別)、Generation(世代)を多様性に向けた大きなテーマとして捉え、地域の特性を考慮した目標を設定しております。主な取組は以下のとおりであります。

 

・ 世界で多様な経験をもつ社員(国内社員と海外社員の比率=概ね55:45)が活躍できるよう、グローバル共通の人事制度を基盤とし、国や地域を跨いだキャリア形成・人材交流を促進

・ サクセッションプランニングにおいて、ジェンダーダイバーシティを意識したタレントパイプライン(人材育成計画)形成をおこない、女性管理職比率(高度専門職を含む)を2027年3月期までに日本5.0%、当社グループ全体8.0%にする目標に向けた取組を実施。女性社員の比率の推移を考慮の上、今後グローバル水準を目指し、さらなる目標値を設定

・ 社員の大半をエンジニアが占める当社グループの状況を踏まえて、リクルーターの活用やブランディングなどへの積極的な投資をおこない、各地域における理工学専攻の女性比率と同等以上の女性エンジニアを採用

・ 2025年3月期からの5年間において、グローバルで合計10,000人の新卒及び中途採用を計画。また、日本国内においては当社グループで培った経験や知見・スキルを生かせるよう定年後再雇用制度の処遇を改善。こうした取組を通じて、幅広い世代の社員が能力を最大限に発揮できる環境を整備

・ 男性労働者の育児休業取得率について、日本国政府が設定している2030年の85%を前倒しで達成するために、2026年3月期の目標として70%を設定。育児休業を取得しやすくするため復職後の手続きの簡素化を行うとともに、既取得者によるセミナーの開催などを実施

 

 また、社員エンゲージメントの向上についても積極的に取り組んでおります。社員エンゲージメントは、企業におけるパフォーマンスの最大化や持続的な成長に不可欠な要素であり、社員の定着率の観点からも重要であると考え、「エンゲージメント・サーベイ」を2016年3月期から定期的に実施しております。
 サーベイから得た結果や社員の声をもとに、より良い職場環境の整備に努めるとともに全社員が自由闊達な雰囲気の中で個々の能力を最大限に発揮しながらいきいきと活動し、建設的な議論や意見を交わせる風土・文化の醸成に向けて取り組んでおります。

 経営層による継続的なメッセージの発信や社員集会などにより経営層と社員が会社の現状や将来について直接対話をおこなう機会を増やし、また安全・品質・コンプライアンスなど経営の基盤となる事項について社員の意識をより高める研修などをおこなっております。その結果、エンゲージメント・サーベイのスコアは、導入時から継続して向上しており、今回までに19ポイント向上しております。当社グループがさらに成長する上で、人材の獲得・活躍機会の拡大、生産性を高める業務推進環境の改善、組織間のコラボレーションの強化などに取り組んでまいります。

 加えて当社グループでは、急速に変化するビジネス環境に適応し、グローバルに活躍できる人材の育成に取り組んでおります。社員一人ひとりのパフォーマンスを最大化するために、社員のやる気を重視し、会社と社員がともに成長し続けるための人材戦略を展開しております。

 

 社内の教育機関として設立したTEL UNIVERSITYを中心に学びの文化の醸成に努め、社員一人ひとりが自己成長できる機会を提供しております。TEL UNIVERSITYでは集合研修のみならずオンライン学習などを積極的に活用し、世界中どの拠点からも学ぶことができる共通のプラットフォームを構築しております。

 また国内外の大学とのコラボレーションを含む産学官連携プログラムの推進により、半導体業界における人材育成の強化にも継続的に取り組んでおります。2024年3月期に公開された「半導体の人材育成と研究開発に関する未来に向けた日米大学間パートナーシップ(UPWARDS)(注)」をはじめ、各種プログラムへ参画し、技術革新をリードする学生や研究者の輩出に寄与することを目指しております。

 

(注) U.S.- Japan University Partnership for Workforce Advancement and Research & Development in Semiconductors

 

(3) リスク管理

 当社グループでは、半導体を取り巻く地政学や市場変化などの様々なリスクに適切かつ迅速に対応するとともに、持続的な成長を実現すべくリスクマネジメント体制を構築し展開しております。事業を遂行する上で直面し得るリスクについて、将来を見据えて十分に検討をおこなうことにより、影響を最小化するのみならず、それらを事業機会として捉え、適切に対応することが社会から信頼される企業であるために不可欠であると考えております。

 グループ全体としてより実効的な活動を推進するため、コーポレート企画&リスクマネジメント推進室(CPRO)を本社の経営戦略本部に設置し、エンタープライズリスクマネジメント(注)1のさらなる推進に努めております。

 

 事業活動における重要なリスクについては、以下のようなPDCAサイクルをグループ全体で展開しております。

1. CPROと各領域の担当所管部門が連携して事業活動におけるコンプライアンス、人事・労務、事業継続などに関する様々なリスクを当社グループへの影響度と蓋然性から網羅的に洗い出し、主要な16のリスク項目(注)2を特定するとともに各リスクオーナーを設置

2. 特定した16のリスク項目については各リスクオーナーが参加するリスクマネジメント委員会において報告・議論を実施

3. リスクへの対応は業績向上に直接つながる機会であるという認識のもと、CEO及びコーポレートオフィサー、ディビジョンオフィサーが参加する四半期レビュー会議では、主要な16のリスク項目のうち特に課題がある項目について取組状況の確認と改善策について討議

 

 2025年3月期においては、経営成績や財政状態、キャッシュ・フロー、また将来的なビジネスなどへの影響の観点から、主要なリスクについて項目や内容の見直しをおこない、取組をさらに進めました。

 当社グループのビジネスに影響を与える可能性のある新興リスクなど、幅広いトピックについてもリスクマネジメント委員会にて定期的に討議しております。

 当社グループにおけるリスクマネジメントに関する活動は定期的に取締役会に報告し、取締役会は各リスクオーナーを中心に実行される様々な取組についての監督をおこなっております。今後も、自律性及び実効性の高いリスクマネジメントを実践していくために、グループ全体で機動的なオペレーションを展開していきます。

 また、主要なリスク項目の一つである環境対応については、TCFDのフレームワークに則り、次表「気候変動の影響により想定されるリスクと機会、当社の対応」のとおり取り組んでおります。当社グループのガバナンス体制に沿って、1.5℃シナリオにおける移行リスクや4℃シナリオにおける物理リスクに加え、エネルギーコストの減少や売上高の増加などの機会についても評価・分析をおこなっております。

 

(注) 1 エンタープライズリスクマネジメント:リスクマネジメント活動に関する全社的な仕組みやプロセス

(注) 2 主要なリスク16項目につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。16の項目には、環境対応や人材、調達・生産・供給などサステナビリティに関連の深い項目が含まれております。

 

 

・ 気候変動の影響により想定されるリスクと機会、当社の対応

以下は、2024年3月期における評価・分析結果であります。2025年3月期の情報については統合報告書2025年度版において2025年9月に公開予定です。

時間軸:短期5年以内、中期2030年、長期2050年

採用シナリオ:1.5℃シナリオ(気温上昇1.5℃の場合)、4℃シナリオ(気温上昇4℃の場合)

範囲:当社グループ全体及び上流・下流を含むバリューチェーン全体

※ 1 影響度の評価:当社内にてリスク影響度を評価した結果を記載

※ 2 炭素税:温室効果ガス排出に伴う増税分はIEA(International Energy Agency: 国際エネルギー機関)のNZEシナリオ(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)を参照。1米ドルを145円で換算

※ 3 取引先BCPアセスメント:調達額の80%以上(2023年3月期より調達額85%以上)を占める資材系のお取引先さまに対し、2014年3月期より継続的にBCPアセスメントを実施

 

(4) 指標及び目標

 中長期的な利益の拡大と継続的な企業価値の向上において財務のみならず非財務における指標の達成は重要であり、今後も当社グループ全体で活動を展開していきます。また各指標の意義については定期的に確認し、具体的なアクションを確実に実行することで中長期指標の達成を目指しております。上記「(2)戦略」において記載した地球環境保全や人的資本の取組における主な指標及び目標、実績は以下のとおりであります。

 

・ 環境に関する主な指標

対象分野

指標

目標

実績(当連結会計年度)

中期環境目標

事業所

CO2総排出量

CO2総排出量85%削減(注)

(2031年3月期まで、2019年3月期比)

73%削減
(2019年3月期比)

再生可能エネルギー

使用比率

再生可能エネルギー使用比率100%

(2031年3月期まで)

89%

製品

CO2排出量

ウェーハ1枚当たりのCO2排出量

55%削減

(2031年3月期まで、2022年3月期比)

21%削減
(2022年3月期比)

長期環境目標

自社の活動

(スコープ1,2)

CO2排出量

2040年までにネットゼロ

47千t-CO2

自社以外の活動

(スコープ3)

CO2排出量

2040年までにネットゼロ

12,694千t-CO2

(注) 2031年3月期70%削減の目標は2024年3月期に達成済みのため、2025年3月期に新たな目標を設定

 

・ 人的資本に関する主な指標

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

(女性管理職比率)

日本:5.0% (2027年3月期まで)

当社グループ全体:8.0% (2027年3月期まで)

日本:3.3%

当社グループ全体:6.4%

キャリア

一人ひとりが上長や周囲のサポートを実感し、自分の将来(キャリアパス)をイメージしながらやりたいことにチャレンジすることで、会社の成長や社会のために価値創出できる環境を構築(2027年3月期まで)

キャリアの可視化、自立的なスキル取得の仕組み(仕事図鑑、トレーニングプログラムなど)を導入

・エンゲージメントサーベイスコア「キャリア機会」

 日本:前回比+3ポイント

 グローバル:前回比+1ポイント

・キャリアに関するオンライン学習利用者の増加率(年間)

 グローバル:+24ポイント(56%)

エンゲージメント

エンゲージメント・サーベイのスコア(定期的に実施)

継続的な改善(前回比スコア上昇)、もしくは各地域における他社平均値を超えるスコアを達成

・スコア上昇:19ポイント(グローバル全体、2016年3月期から2025年3月期)

・各地域の状況:7拠点中5拠点で他社平均を上回る

社員の定着率(注)

日本:99%

海外:業界平均以上

日本:99.1%

海外:業界平均以上(97.6%)

男性労働者の育児休業取得率

日本:70% (2026年3月期まで)

日本:65.1%

(注) 定年などによる退職は除く

 

 「サステナビリティに関する考え方及び取組」に関する詳細な情報については、当社ウェブサイト(URL https://www.tel.co.jp/ir/library/ar/index.html)において公表している統合報告書2024年度をご参照ください。統合報告書2025年度版につきましては、2025年9月に同ウェブサイトにおいて公表予定です。