人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,404名(単体) 16,464名(連結)
-
平均年齢40.9歳(単体)
-
平均勤続年数14.9年(単体)
-
平均年収8,621,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年12月31日現在 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
パーソナルケア |
15,278 |
(1,377) |
|
ペットケア |
548 |
(94) |
|
その他 |
502 |
(108) |
|
全社(共通) |
136 |
(38) |
|
合計 |
16,464 |
(1,617) |
(注)1.従業員数は就業人員です。
2.従業員数の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
3.従業員数の(外書)は、契約、パートを含めております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
2024年12月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
1,404 |
40.9 |
14.9 |
8,621 |
(404) |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
パーソナルケア |
1,206 |
(350) |
|
ペットケア |
62 |
(16) |
|
その他 |
- |
(-) |
|
全社(共通) |
136 |
(38) |
|
合計 |
1,404 |
(404) |
(注)1.従業員数は、就業人員です。
2.従業員数の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
3.従業員数の(外書)は、契約、パートを含めております。
(3)労働組合の状況
当社及び一部の連結子会社には、労働組合が組織されております。労使関係について、特記すべき事項はございません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異
①提出会社
前事業年度 |
||||||
管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1 |
男性労働者の育児休業取 得率(%)(注)2、3 |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、4 |
||||
全労働者 |
正規労働者 |
パート・有期労働者 |
正規労働者 管理職 (幹部社員) |
正規労働者 一般社員 |
||
15.0 |
95.4 |
63.3 |
73.1 |
67.6 |
85.2 |
85.0 |
当事業年度 |
||||||
管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2、3 |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1、4 |
||||
全労働者 |
正規労働者 |
パート・有期労働者 |
正規労働者 管理職 (幹部社員) |
正規労働者 一般社員 |
||
18.6 |
104.7 |
65.0 |
74.9 |
66.2 |
89.0 |
86.8 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
出向者を出向先の社員として集計しております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
出向者は出向元の社員として集計しております。
3.「育児休業取得者数÷配偶者が出産した社員数×100」の算式で算出しております。なお、過年度に配偶者が出産した男性労働者が、当事業年度に育児休業等を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
4.賃金差の要因は、正規労働者と非正規労働者で異なります。正規労働者の場合、女性社員比率や女性管理職比率の低さ、女性社員の勤続年数の短さなどが影響していますが、管理職(幹部社員)・一般社員それぞれの男女賃金差は、全労働者と比較すると20%ほど縮小する傾向にあります。(正規労働者の基本給における男女差異は80.6%)一方、非正規労働者では、定年再雇用後の給与水準が高い男性社員が多いこと、勤続年数の短い女性社員が多いこと、パートタイム労働者の多くを女性が占めており、賃金水準が低いことなどが賃金差の要因となっています。なお、正規・非正規労働者の区別なく、給与規程や評価制度において男女で差異は設けていません。
②連結子会社
前事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%)(注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%)(注)2、4 |
労働者の男女の賃金の差異 (%)(注)1 |
||
全労働者 |
全労働者 |
正規労働者 |
パート・有期労働者 |
||
ユニ・チャームプロダクツ㈱ |
4.3 |
106.3 |
88.8 |
90.2 |
78.3 |
ユニ・チャーム国光ノンウーヴン㈱ |
- |
50.0 |
87.2 |
94.9 |
63.5 |
ユニ・チャームメンリッケ㈱ |
52.8 |
33.0 |
95.0 |
98.0 |
78.0 |
コスモテック㈱ |
5.0 |
25.0 |
77.3 |
81.6 |
68.3 |
ペパーレット㈱ |
8.3 |
- |
78.0 |
77.0 |
82.0 |
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性 労働者の割合 (%)(注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%)(注)2、4 |
労働者の男女の賃金の差異 (%)(注)1 |
||
全労働者 |
全労働者 |
正規労働者 |
パート・有期労働者 |
||
ユニ・チャームプロダクツ㈱ |
3.3 |
110.3 |
86.3 |
87.6 |
71.9 |
ユニ・チャーム国光ノンウーヴン㈱ |
- |
100.0 |
89.3 |
89.9 |
69.9 |
ユニ・チャームメンリッケ㈱ |
51.4 |
- |
98.0 |
100.1 |
85.8 |
コスモテック㈱ |
5.0 |
75.0 |
78.4 |
85.1 |
65.3 |
ペパーレット㈱ |
7.7 |
50.0 |
77.4 |
78.8 |
77.3 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
出向者を出向先の社員として集計しております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
出向者は出向元の社員として集計しております。
3.その他の連結子会社については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
4.「育児休業取得者数÷配偶者が出産した社員数×100」の算式で算出しております。なお、過年度に配偶者が出産した男性労働者が、当事業年度に育児休業等を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ経営
①ガバナンス
当社グループでは、ステークホルダーに期待されるサステナビリティに関する取り組みを円滑に推進するべく、以下のような体制を構築しています。まず、社長執行役員を委員長としたグループ横断の推進組織「ESG委員会」を四半期に1度、年4回開催し、サステナビリティ全般及びガバナンスに関する方針及び活動内容について審議・決定し、その進捗状況をモニタリングしています。ESG委員会には、取締役や執行役員といった経営層に加えて、営業部門や開発部門、マーケティング部門、コーポレート部門、国内外の連結子会社の責任者が出席することで、決定したサステナビリティ関連の諸活動を迅速に実行できる体制を構築しています。なお、ESG委員会での審議・決定内容については、ESG担当執行役員より年1回以上取締役会に報告しています。
>>サステナビリティ推進体制図
>>ESG委員会における主な取り組みテーマと分類
ISO26000 中核主題 |
組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティ参画および開発 |
|
主な取り組みテーマ |
E |
・気候変動: 温室効果ガス、エネルギー使用管理、気候変動リスク ・水資源:水使用、水使用量削減 ・汚染と資源:廃棄物、資源使用、リサイクル ・サプライチェーン:サプライヤー方針、環境問題、持続可能な森林資源・持続可能なパーム油調達 ・生物多様性 ・環境配慮型商品の開発 |
S |
・労働基準:児童労働の禁止、強制労働の禁止、差別禁止、結社の自由、団体交渉権、最低賃金、ハラスメントの防止 ・健康、安全 ・人権:デュー・ディリジェンス、子どもの権利、児童労働の禁止、地域雇用、苦情処理 ・社会:コミュニティ投資、社会貢献活動 ・顧客に対する責任:責任ある広告とマーケティング、顧客満足 ・サプライチェーン:児童労働の禁止、強制労働の禁止、差別禁止、結社の自由、団体交渉権、最低賃金、健康安全、デュー・ディリジェンス、能力開発 ・商品品質、商品安全 |
G |
・腐敗防止:贈収賄、インサイダー取引、内部通報制度、教育、リスク評価 ・コーポレート・ガバナンス ・全社的なリスクマネジメント:環境、社会、コーポレート・ガバナンス ・コンプライアンス ・税の透明性 |
②戦略
>>中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」
当社グループはコーポレート・ミッションに「『共生社会』の実現に寄与する」を掲げ、事業活動によって自然環境問題や社会課題の解決に貢献することを目指しています。具体的には、2020年10月に中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030 ~ For a Diverse, Inclusive, and Sustainable World ~」(以下、「Kyo-sei Life Vision 2030」)を公表しました。この「Kyo-sei Life Vision 2030」の策定では、当社が想い描く『2030年のありたい姿』を具体化し、この将来像と現状のギャップを埋めるために必要なアプローチを整理しました。「Kyo-sei Life Vision 2030」を着実に実行することによって、自然環境問題や社会課題の解決はもちろん、消費者や地域社会へ継続的に貢献します。
>>「Kyo-sei Life Vision 2030」の位置付け
当社グループはSDGsの達成に貢献することを「パーパス」(存在意義)と考えています。このパーパスを「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3つに分けて具体化しました。
まず「ミッション」とは「何を成したいか」を示したもので、具体的には「『共生社会』の実現に貢献すること」です。なお「共生社会」とは、「全ての人が自立し、互いに助け合うことで、自分らしく暮らし続けられる社会」です。
続く「ビジョン」とは「どのようにして『共生社会』を実現するか」を示すもので、当社の理念である「NOLA & DOLA (Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities)」を実践するとしています。この「NOLA」には、「生活者がさまざまな負担から解放されるよう、心と体をやさしくサポートする」ことを、「DOLA」には「生活者一人ひとりの夢を叶えることに貢献する」という想いを込めています。
そして「バリュー」とは「ミッション」「ビジョン」を支える根底にある「志」「使命感」で、全世界のユニ・チャームグループ社員全員で「共振の経営」という統一されたマネジメントモデルを推進することです。
以上の「パーパス=ミッション・ビジョン・バリュー」をより強力に推進することを目的に、「Kyo-sei Life Vision 2030」を策定しました。
>>2050年・「共生社会」の実現に必要なアプローチ
「『Kyo-sei Life Vision 2030』の位置付け」に記したように、当社のミッションは「共生社会」の実現に貢献することです。2050年に「共生社会」が実現されると仮定して、「理想の将来像」を具体化し、この将来像と現状のギャップを埋めるために必要なアプローチを整理しました。
>>Kyo-sei Life Vision 2030策定プロセス
③リスク管理
当社グループでは、中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」の着実な推進にあたって、取締役会の下に設置されている「ESG委員会」(委員長・社長執行役員)が全体の管理・監督を行っています。日々の業務と密接に関連する重要取り組みテーマの運用は、関連部門が主体的に推進し、あらかじめ設定した管理項目・KPIに照らしてゲート管理を行い、PDCAサイクルを回しています。重要取り組みテーマの進捗状況の把握はESG本部が担い、四半期に1度、年4回開催しているESG委員会に報告します。ESG委員会での報告内容、討議事項については、ESG担当執行役員より年1回以上取締役会に報告しています。
また、「Kyo-sei Life Vision 2030」の重要取り組みテーマは、各部門の目標に落とし込み、部門から個人の目標や、週単位の行動計画に紐づけるといったきめ細かい活動を行っています。
④指標及び目標
>>「Kyo-sei Life Vision 2030」重要取り組みテーマ・指標・目標・実績一覧
重要取り組みテーマ |
指 標 |
実績 |
中長期目標 |
|||
2022年 |
2023年 |
目標値 |
目標年 |
|||
私たちの健康を守る・支える 全ての人が「自分らしさ」を実感し、日々の暮らしを楽しむことができる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開を目指します。 |
||||||
|
健康寿命延伸/QOL向上 |
どのようなときも、誰もが“自分らしさ”を実感して暮らすことのできる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
性別や性的指向等により活躍が制限されない社会への貢献 |
世界中全ての人が、性別や性的指向等によって制限を受けることなく活躍できる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
パートナー・アニマル(ペット)との共生 |
パートナー・アニマル(ペット)が、家族はもちろん、地域に暮らす人々から歓迎される社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
育児生活の向上 |
赤ちゃんと家族が、すこやかに、かつ、ほがらかに暮らすことのできる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
衛生環境の向上 |
一人ひとりの努力で、予防可能な感染症(接触感染、飛沫感染)を抑制する活動に貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
社会の健康を守る・支える 提供する商品・サービスを通じて、お客様の安全・安心・満足の向上と、社会課題の解決や持続可能性への貢献の両立を目指します。 |
||||||
|
「NOLA & DOLA」を実現するイノベーション |
さまざまな負担からの解放を促し、生きる楽しさを満足することに貢献する商品・サービスの展開比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
持続可能なライフスタイルの実践 |
持続可能性に貢献する社内基準「SDGs Theme Guideline」に適合した商品・サービスの展開比率。 |
10.5% |
5.9% |
50% |
2030年 |
|
持続可能性に考慮したバリューチェーンの構築 |
環境・社会・人権の観点を踏まえ、地域経済に貢献する『地産地消』で調達した原材料を用いた商品・サービスの展開比率。 |
開発継続中 |
開発継続中 |
倍増 (2020年比) |
2030年 |
|
顧客満足度の向上 |
消費者から支持を獲得している(=No.1シェア)商品・サービスの比率。 |
23.7% |
23.2% |
50% |
2030年 |
|
安心な商品の供給 |
品質に関する新たな安全性の社内基準を設定し、認証を付与した商品の比率。 |
100%継続 |
100%継続 |
100% |
2030年 |
|
地球の健康を守る・支える 衛生的で便利な商品・サービスの提供と、地球環境をより良くする活動への貢献の両立を目指します。 |
||||||
|
環境配慮型商品の開発 |
今までにないユニ・チャームらしい考え方で「3R+2R」を実践する商品・サービスの展開件数。 |
2件 |
2件 |
10件 以上 |
2030年 |
気候変動対応 |
事業展開に用いる全ての電力に占める再生可能電力の比率。 |
11.0% |
22.8% |
100% |
2030年 |
|
リサイクルモデルの拡大 |
紙おむつリサイクル設備の導入件数。 |
1件 |
1件 |
10件 以上 |
2030年 |
|
地球の健康を守る・支える 衛生的で便利な商品・サービスの提供と、地球環境をより良くする活動への貢献の両立を目指します。 |
||||||
|
商品のリサイクル推進 |
資源を循環利用した不織布素材商品のマテリアル・リサイクルの実施。 |
開発継続中 |
開発継続中 |
商業利用開始 |
2030年 |
プラスチック使用量の削減 |
プラスチックに占めるバージン石化由来プラスチックの比率。 |
開発継続中 |
開発継続中 |
半減 (2020年比) |
2030年 |
|
ユニ・チャーム プリンシプル 全てのステークホルダーから信頼を得られるような公正で透明性の高い企業運営を目指します。 |
||||||
|
持続可能性を念頭においた経営 |
外部評価機関による評価レベルの維持・向上の推進。 |
- |
- |
最高レベル |
26年から毎年 |
バリューチェーンにおける重大な人権違反の発生件数。 |
1件 (是正済) |
1件 (是正済) |
発生 ゼロ |
毎年 |
||
適切なコーポレート・ガバナンスの実践 |
重大なコンプライアンス違反件数。 |
発生 ゼロ |
発生 ゼロ |
発生 ゼロ |
毎年 |
|
ダイバーシティマネジメントの推進 |
女性社員に様々な機会を提供することによる管理職における女性社員比率。 |
23.2% |
24.7% |
30% 以上 |
2030年 |
|
優れた人材の育成・能力開発 |
社員意識調査の「仕事を通じた成長実感」における肯定的な回答の比率。 |
89.2% |
88.7% |
80% 以上 |
2030年 |
|
職場の健康と労働安全システムの構築 |
心身ともに社員が健康で安心して働くことができる職場環境整備による心身の不良を原因とした休職者の削減比率。 |
7名 (日本) |
9名 (日本) |
半減 (2020年比) |
2030年 |
2024年度の実績は2025年6月発行予定の当社「統合レポート 2025」をご参照ください。
(2)気候変動対応
文中の将来に関する事項は、事業年度末時点において当社グループが判断したものです。
①ガバナンス
当社グループでは、気候変動に関するリスクと機会の評価、CO₂排出量削減目標の設定と施策に関する責任は社長執行役員が担っています。また、社長執行役員が委員長を務め、社内の取締役及び全執行役員が委員を務めるESG委員会を四半期に1度、年4回開催し、気候変動関連を含む自然環境活動全般(当社グループ中長期環境目標「環境目標2030」及び中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」の進捗状況も含む)及び社会課題への対応やガバナンス上の重点について報告・審議を行っています。開催にあたっては、全社の自然環境関連問題対応部門であるESG本部で各拠点の自然環境データ、活動状況の情報を毎月収集しチェックを行っています。その情報をESG担当執行役員と協議して、ESG委員会の議題を選定しています。
ESG委員会の活動状況は、ESG担当執行役員より年1回以上取締役会に報告し、取締役会の監督を受けています。ESG委員会や取締役会では、「環境目標2030」「Kyo-sei Life Vision 2030」の進捗状況に応じてチェックや指導、活動の指示を行います。加えて目標を達成するために投資回収年数や投資判断を適宜検討して必要な施策を実行し、目標達成を目指しています。具体的な計画については、TCFD※1の提言に基づき2021年から「環境目標2030」「Kyo-sei Life Vision 2030」をベースに情報公開を行っています。
また、取締役や執行役員が先頭に立ちESG戦略・目標の完遂を実行するために、2020年より取締役(監査等委員である取締役を除く)及び執行役員の評価指標にESG項目を導入しました。また、2023年より人事評価指標のESG項目導入を一般社員にまで拡大しました。
※1 TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures/気候関連財務情報開示タスクフォース
②戦略
当社グループは1年ごとの状況(短期)、経営計画に合わせた状況(3~5年の中期)、国際的な見通し(SDGsやパリ協定などのように10年、20年といった長期)に応じてリスクや機会を捉えています。また、ERM※2の考え方を踏まえ、全社的なリスクを抽出し、その中のひとつとして気候変動のリスクに取り組んでいます。抽出したリスクや機会に対応するために、財務計画とも連動して対応していきます。
>>シナリオ・プランニング
推定される物理的影響を計算するためのベースとして、RCPシナリオ※3を使用します。これには、海面が上昇する沿岸地域でのプラントの運用に関連するリスク、サイクロンなどによって引き起こされるサプライチェーンの混乱に関連する運用リスク、熱波による赤道地域のGDP低下のリスク、陸上生態系の変化による森林資源の生育や、農作物等の収穫の遅れのための原材料コスト上昇の影響などが含まれます。地球温暖化は地球環境だけでなく、当社の事業展開にも深く影響を及ぼします。パリ協定を遵守すべく、さまざまなステークホルダーと協働して対応を進めます。また、このような地球温暖化問題が深刻化する状況は、当社が有する「使用済み紙パンツ(紙おむつ)のリサイクル技術」を広める機会でもあります。この技術によって森林保護や脱炭素といった取り組みに貢献していきます。
気候変動に関する最も重要なビジネス上の戦略への影響は、COP21パリ協定の2℃目標に科学的アプローチで参加することだと考えています。当社はSBT※4で2030年の削減目標の承認を受けたことから、2030年に向けた「Kyo-sei Life Vision 2030」と、当社の2050年のあるべき姿である「2050ビジョン」に向けたグループ全体の自然環境重点目標「環境目標2030」の目標達成に向けて、マーケティング部門と開発部門においては商品開発戦略の中に環境配慮を掲げ、生産部門においては省エネ活動、再生可能電力の導入など短期・長期それぞれの視点で計画を戦略に落とし込み、実施しています。
※2 ERM:Enterprise Risk Management/統合型リスク管理
※3 RCP(Representative Concentration Pathways/代表濃度経路)シナリオは、代表濃度経路を複数用意し、それぞれの将来の気候を予測するとともに、その濃度経路を実現する多様な社会経済シナリオを策定できる
※4 SBT:Science Based Targets/科学的根拠に基づく目標
③リスク管理
当社グループは、ERMの考え方を踏まえ、全社的なリスクを抽出し、その中のひとつとして気候変動のリスクにも取り組んでいます。グループ全体での気候関連のリスク評価は、ESG本部が行います。まず、TCFDの推奨に基づいて、重大度、範囲、移行リスク(カーボンプライシング、エネルギー価格など)を含む気候変動の影響のシミュレーションを行い、IPCC※5気候変動レポートやIEA※6のWorld Energy Outlook 2021などの情報を使用して、2050年までの複数の定性的なシナリオを構築します(1.5℃目標シナリオと4℃目標シナリオ)。
これらのシナリオと、サイトレベルのリスク評価の一部として計算された被害の推定値は、グループ各社の被害の合計値を推定するために使用します。評価の結果はESG委員会及び取締役会に報告され、それに応じて事業戦略及び事業計画の策定にリンクされます。取締役及び全執行役員が参加するESG委員会が上記のシナリオに影響を与えると判断した場合は、対応担当部門を設定し、 ESG本部を事務局として計画を立案します。次回のESG委員会で承認後、担当部門が計画を実施します。さらに、担当部門はESG委員会で計画の進捗状況を報告します。
※5 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change/気候変動に関する政府間パネル
※6 IEA:International Energy Agency/国際エネルギー機関
④指標及び目標
当社グループは気候変動緩和策の具体的な対応計画立案のため、国際的イニシアチブであるSBTに2017年5月より賛同し、2045年までのシミュレーションを行い、削減計画を立案しました。SBTと協議し2℃目標に整合した計画として、2018年6月に日本で17番目の認定を受けました。このため具体的なCO₂排出量削減の長期目標はScope1※7及びScope2※8のそれぞれについて設定しています。また、COP26を受け、1.5℃目標への修正を申請し、2024年10月にSBTより認定されました。
また、当社グループは「2050ビジョン」と「環境目標2030」で、気候変動に関する中長期のビジョンと目標を定めています。気候変動対応に関する目標としては、ライフサイクルにおけるCO₂の排出量の割合が高い「原材料調達時CO₂排出量削減(Scope3 Category1※9)」「製造時CO₂ 排出量削減(Scope1、Scope2)」「使用済み商品廃棄処理時CO₂排出量削減(Scope3 Category12※9)」を設定しています。Scope1及びScope2については、各拠点の活動推進者と年4回省エネ推進・再エネ導入ワーキング活動を行い、年間計画と進捗を確認しています。Scope3の大部分を占める購入した資材のCO₂排出量については、商品機能とCO₂排出量の観点より設計段階から商品ごとのLCA※10によるCO₂排出量を計算し、商品開発者とESG本部で協議して対策を検討します。
※7 Scope1:自社の工場・オフィス・車両などからの直接排出
※8 Scope2:電力など自社で消費したエネルギーを起源とする間接排出
※9 Scope3:Scope1、2以外の間接排出(事業活動に関連する他社の排出)。企業活動を分類した15個のCategoryから構成される。Category1は購入した商品・サービス、Category12は販売した製品の廃棄
※10 LCA:Life Cycle Assessment/製品の原材料調達から、生産、流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクルにおける投入資源、環境負荷、及びそれらによる地球や生態系への潜在的な環境影響を定量的に評価する手法
>>当社グループにおけるScope1、2、3の全体像
>>環境目標2030「気候変動対応」
実施項目 |
基準年 |
2022年 実績 |
2023年 目標 |
2023年 実績 |
2024年 目標 |
2030年 目標 |
2050 ビジョン |
|
原材料調達時CO₂ 排出量削減 Scope3 Category1 |
原単位 |
2016年 |
▲12.6% (日本) |
▲14.3% (日本) |
▲4.1% |
▲5.9% |
▲17% |
CO₂排出 “0”社会の実現 |
製造時CO₂ 排出量削減 Scope1,Scope2 |
▲35.2% |
▲38.6% |
▲55.4% |
▲57.8% |
▲34% |
|||
使用済み商品 廃棄処理時CO₂ 排出量削減 Scope3 Category12 |
▲11.6% (日本) |
▲14.2% (日本) |
▲35.1% |
▲37.0% |
▲26% |
>>Kyo-sei Life Vision 2030「地球の健康を守る・支える」
指標 |
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
2030年度目標 |
事業展開に用いる全ての電力に 占める再生可能電力の比率 |
7.3% |
11.0% |
22.8% |
100% |
>>当社グループにおけるScope別、カテゴリー別CO₂排出量 (千ton)
Scope |
カテゴリー |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
備考 |
Scope1 |
直接排出 |
35.5 |
31.6 |
29.2 |
|
Scope2 |
エネルギー起源の 間接排出 |
465.2 |
454.5 |
376.9 |
|
Scope3(注)1 |
1 購入 |
3,781.6 |
3,774.1 |
3,400.5 |
|
2 資本財 |
140.6 |
85.2 |
100.8 |
|
|
3 その他燃料 |
62.2 |
59.1 |
52.9 |
|
|
4 上流輸送 |
364.2 |
376.4 |
348.5 |
|
|
5 事業廃棄物 |
43.1 |
45.0 |
28.7 |
|
|
6 従業員の出張 |
2.1 |
2.1 |
2.1 |
|
|
7 従業員の通勤 |
12.5 |
12.7 |
13.1 |
|
|
8 上流のリース資産 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
9 下流輸送 |
108.3 |
110.5 |
111.3 |
|
|
10販売した製品の加工 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
11製品の使用 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
12販売した製品の廃棄 |
2,033.4 |
2,138.0 |
1,896.3 |
|
|
13下流のリース資産 |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
14フランチャイズ |
- |
- |
- |
(注)2 |
|
15投資 |
40.2 |
39.6 |
34.7 |
|
|
Scope3合計 |
6,588.2 |
6,642.7 |
5,988.9 |
|
|
合計 |
7,088.9 |
7,128.8 |
6,395.0 |
|
2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「サステナビリティレポート 2025」をご参照ください。
(注)1.海外分はScope3-1、3-2、3-3、3-5、3-6、3-7、3-12は活動量から算出しましたが、その他のカテゴリーは売上高比率による推計値としています。
2.対象となる業務はありません。
(3)人的資本
文中の将来に関する事項は、提出日時点において当社グループが判断したものです。
①ガバナンス
当社グループの人材育成については、社長執行役員を最高責任者として、グローバル人事総務本部が中心となり、「BOP-Ship※1を体現できる『共振人材』を世界中で育成する」ことを基本戦略として経営層へ定期的に報告し、承認を得て、グループ全体で人材育成戦略・人事施策の立案・実行を行っています。各種人材育成戦略や人事施策は、関連部門の人事担当者及びグループ関係会社の人事部門等が連動し、グループ全体に展開しています。
※1 BOP-Ship(ビーオーピーシップ):当社グループの活動の根幹を成す価値観
Best Practiceship(ベストプラクティスシップ):ベストプラクティスを集め、今までのこだわりを捨て、常にアップデートし、そのときの最高のものをスピード重視で取り入れていくこと
Ownership(オーナーシップ):何事も“自分事”として捉え、主体的に考え行動し、困難を突破していくこと
Partnership(パートナーシップ):利他の心で常に仲間と協働を重んじること
②戦略
当社グループ社員一人ひとりの「三つの豊かさ」を追求することを、人材育成の基本方針としています。「三つの豊かさ」とは、「志」「経済」「心と体」を指し、それぞれにバランスよく施策を運用することが肝要と考えています。
「志の豊かさ」では、高く広い視座を持ち、仕事を通じて社会全体に貢献することを目指します。当社では「私のキャリアビジョン&キャリアプラン」という独自のフォーマットを用いて、社員一人ひとりが主体的に自身のキャリア開発の計画を立案します。具体的には、まずは自身の価値観や大切にしたい事柄などを棚卸しし、これに基づいて10年後、3年後の「ありたい姿」をライフビジョンとキャリアビジョンに描きます。その後、そのビジョンを実現するためのキャリアプランを立案します。この際、社員一人ひとりの自己実現を支援するべく、各種教育メニューの充実を図り社員の学習意欲や成長意欲を高めるようにしています。
「経済の豊かさ」においては、常に業界トップクラスの報酬制度を構築・運用し、さらには中長期的なインセンティブが働くよう、譲渡制限付株式報酬制度を導入するなど、社員とのエンゲージメントの醸成・強化に努めています。
「心と体の豊かさ」においては、年1回の健康診断をはじめとした社員の健康維持・増進のためのさまざまな施策に加えて、メンタルヘルス対策に関する研修や、ストレスチェックによるモニタリングを通じて、社員が心身ともに健康で安心して働くことができる職場環境の整備に努めています。
以上のような取り組みを通じて、多様な人材がそれぞれの強みを最大限に発揮できる働きがいのある職場にすることによって、多様な人材一人ひとりを業績の達成と企業価値向上につなげるべく、人的資本への投資強化を推進しています。
>>ユニ・チャーム独自の経営手法「共振の経営」
当社グループは「共振の経営」と名付けた独自の経営手法を展開しています。具体的には「社員一人ひとりが革新の震源となり、個々の振動がより大きく会社全体で共鳴・変化しあい、それぞれのビジョンを実現できる企業経営の実践及び企業文化を創造すること」です。「共振の経営」の実践によって、経営陣は現場の生の情報や本音に頻度・鮮度良く触れることができ、現場の社員は経営陣との対話を通じて「経営者の視点、視座、時間軸」を学ぶことができるなど、それぞれに理解が進みます。こうして現場の社員と経営陣が目的や目標をしっかりと共有することによって、厳しくも心地よい一体感が醸成されます。このような、日々の工夫や知恵が現場と経営の間を行ったり来たりする「振り子」のような共振を目指しています。
>>人材育成プラットフォーム「KYOSHIN」
人材育成には、上司の適切な指導が欠かせません。この指導力をグループ全体で高めるべく、人材育成プラットフォーム「KYOSHIN」を2021年から運用しています。「KYOSHIN」の活用により、育成者による指導のバラつきを是正し、社員一人ひとりの成長履歴が確認できる体制をグローバル全体で整えています。具体的には「KYOSHIN」上に設定したフォーマットに半期毎に目標を入力し、上司は面談で内容を確認した後に承認します。その後、四半期ごとの面談で進捗確認とフィードバックを行います。上司と部下のコミュニケーションの頻度と質を高め、高い目標にチャレンジすることへの理解と納得を促すとともに、人材育成力を組織的に強化しています。
③リスク管理
>>OODA-Loop(ウーダループ)メソッド
当社グループは、2003年よりPDCAサイクルを主体的に回し、目標完遂に自発的に取り組む「SAPS経営モデル」を運用し、社員の能力向上と組織力向上に活用してきました。しかしながら、環境変化が常態化した今日においては、より機敏に変化に対応するモデルへの修正が必要となりました。
このような課題認識に基づき、2019年に「SAPS経営モデル」から「OODA-Loopメソッド」へと、アップグレードを図りました。
「OODA-Loop」とは、「現状観察(Observation)」によって変化を素早く察知し、適切な「状況判断(Orientation)」と「意思決定(Decision)」を行い、「行動(Action)」に移すという一連の流れをループを描くようにくり返しながら「やり方自体」を常に見直し、抜本的に変革を続ける仕組みです。この「OODA-Loop」を回すことによって、環境変化に素早く適応した状況判断と意思決定に基づく行動を自律的に行える人材を育成しています。
④指標及び目標
>>ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社グループは、「ユニ・チャームグループ行動憲章」に則り、多様な人材が国籍・人種・宗教・性別・性的指向・年齢・家系・障がいの有無などの違いを認め、互いに尊重し合うことで、個性や能力を最大限に発揮し、活躍できる企業を目指しています。
1.女性の活躍推進
当社は、性別に関係なく、どのようなライフステージにおいても常に活躍できる職場環境と人事制度の整備を進めています。また、若手社員の交流会など、女性活躍推進に向けた取り組みを強化しています。
女性社員のネットワークづくりにつながる支援策として、2021年度に女性メンター制度「Room L+(ルームエルプラス)」を開始し、メンタリングや座談会を通じてキャリアやライフの悩みの払拭・解消につなげています。産休や育休からの復帰を準備する社員を対象とした「産休育休Room L+」も設置し、職種に合わせた情報交換の場を提供し復職後の安心感を醸成しています。さらに、女性の部門長・役員候補者への個別支援として「エンパワーメント制度」を導入し、育成責任者(直属の上司)ではない執行役員との1対1での面談を実施するなど、情報交換会を通じて、役員候補者の育成を推進しています。2023年度からは、社長と女性リーダーのランチ会を開催し、経営トップとの直接対話で経営者の視座を学ぶ機会を設けています。
>>Kyo-sei Life Vision 2030「ユニ・チャーム プリンシプル」
指標 |
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
2030年目標 |
女性社員にさまざまな機会を提供 することによる管理職における 女性社員比率 |
22.5% |
23.2% |
24.7% |
30%以上 |
>>女性活躍推進関連実績
|
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
2024年目標 |
女性社員比率 |
36.8% |
35.8% |
36.4% |
- |
女性執行役員比率 |
3.7% |
3.4% |
3.6% |
3.4% |
日本女性役員数(注) |
2名 |
2名 |
2名 |
2名 |
海外女性役員数(注) |
14名 |
12名 |
10名 |
- |
2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「サステナビリティレポート 2025」をご参照ください。
(注)対象役員は、取締役(Director)、監査役とし、国内外問わず社外取締役・社外監査役を含めて選任された役員
但し日本においては、2023年11月に政府が公表した「女性版骨太の方針2023」に準じ、執行役員を含む。
2.多様な国籍の社員の採用と管理職登用
さまざまな国・地域で展開している現地法人では、経営幹部・管理職ともに、海外現地法人で採用された現地社員を中心としています。また、日本においても国籍・人種を問わない人材採用と幹部社員への登用を進めています。グループ全体でグローバルな人材交流を実施し、国籍・人種を問わず活躍できる体制づくりと、企業文化の醸成に努めています。
|
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
海外現地法人の経営幹部(本部長以上)に占める現地社員の比率 |
45.5% |
52.2% |
52.3% |
2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「サステナビリティレポート 2025」をご参照ください。
3.経験者採用と管理職登用
当社では、多様な経験やスキル、専門知識を有する経験者採用を進めています。経験者採用で入社した社員は、能力発揮や適性などを見極めつつ、積極的に管理職への登用を推進しています。また、家庭の事情等を理由に当社を一度退職した社員の再雇用も進めています。
4.障がい者雇用の促進
障がいの有無にかかわらず、意欲ある人材を積極的に雇用し、一人ひとりが能力を発揮し、成長意欲を充足できる職場を目指しています。具体的には、それぞれの能力と意欲に合わせた適切な目標設定を行い、成果を期待することによって、チームで達成感を味わう組織風土づくりを推進しています。2023年には、本社オフィスでマッサージルームを新設し、視覚障がいがあり国家資格を持つ専属のあん摩マッサージ指圧師を採用しました。
職場環境においては、スロープや手すりの設置、動線上の障害物の撤去による移動の安全確保、メールやチャットを用いた業務指示の配慮など、障がいの特性に応じて、一人ひとりが能力を発揮できる適切な労働環境の提供に努めています。
また、ユニ・チャーム株式会社の水戸サテライトオフィスでは、障がいのある社員がスキャン業務等に従事しています。
5.年齢を問わず活躍できる職場
50代社員を対象に、これまでのキャリアを棚卸しし、Will(やりたいこと)・Can(できること)・Must(やらなければならないこと)を明確にした上で、異なる部門に応募することができる「Re-Create」制度を導入しています。また、定年を迎えても、次世代の社員へ技術やノウハウを伝承できるよう、能力を活かして働き続けられる環境を整え、継続勤務を希望したベテラン社員をプロフェッショナル社員として引き続き雇用しています。
これまでの経験・スキル・知識、新たに身につけたスキル・知識等を活かせる職務役割に応じて処遇を決定し、職務内容と処遇の一致を図っています。なお、プロフェッショナル社員の処遇決定においては、発揮し得る能力の市場での評価を参照しています。また、この雇用による若年層の採用への影響はありません。
6.性的指向への配慮
社員一人ひとりの性的指向や性自認を含む多様な性を尊重し、自分らしい環境で能力を発揮できる職場環境を整備しています。2022年に「ハラスメント防止規程」を見直し、SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity/性的指向・性自認)・ハラスメントの禁止規定を追加した他、性的マイノリティへの理解を深めるためにeラーニングや階層別研修での啓発を進めています。
2023年は、ダイバーシティ&インクルージョン教育の一環として、性的マイノリティに関する基礎知識を深めるためのeラーニング、ハラスメントについて具体例を紹介し自分事として考えるためのeラーニング、アンコンシャス・バイアスについて動画を視聴しスクラム※2単位で事例や対処の仕方について話し合う勉強会を実施しました。また、2024年には、性的マイノリティも異性婚と同様の福利厚生を受けられるように「同性パートナーシップ制度」を導入するとともに、「アンコンシャス・バイアス勉強会」を開催し、無意識の偏見が組織に与える影響を知り、社員一人ひとりが自身の行動を見直す契機とすることで、多様性を活かす職場風土づくりを進めています。
※2 スクラム:グループや課といった最小単位の組織
>>優れた人材の育成・能力開発
当社グループは、人事理念に「企業価値の源泉は人にあり」を掲げており、これを具現化し続けるには次世代を担う人材育成が欠かせません。このため当社では、デジタル技術を駆使した教育プログラムを充実させ、いつでもどこでも学習できるようにサポートすることで、社員の自主性を尊重しつつ、一人ひとりが自分の夢やありたい姿に向かって自己研鑽に取り組める人事施策を拡充し、事業を通じて自然環境問題や社会課題の解決に貢献できる人材の創出につなげています。具体的には、社員の仕事に関する意識や満足度などを確認することを目的に、グループ全社で「社員意識調査」を毎年実施しています。海外現地法人で働く社員からも回答を得られるように8つの言語に翻訳し、継続的に調査することで、社員の活性化や、組織改革に活かすことはもちろん、さまざまな人事・経営施策を検討する際の参考にしています。当社は、「仕事を通じて社員が育ち、社員の成長によって業容が拡大する」といった好循環を目指しています。そのため、「社員意識調査」を活用して「仕事を通じた成長実感における肯定的な回答」の比率を確認しており、2023年は88.7%でした。
>>Kyo-sei Life Vision 2030「ユニ・チャーム プリンシプル」
指標 |
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
2030年目標 |
「社員意識調査」の「仕事を通じた成長実感における肯定的な回答」の比率 |
81.4% |
89.2% |
88.7% |
80%以上 |
2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「サステナビリティレポート 2025」をご参照ください。
>>リスキリング
仕事も環境も激しく変化するVUCA時代において新たな価値を創出するには、これまで以上に最新情報を学び続けることが重要です。
当社グループでは、全社員がデジタルを武器として課題解決できる人材に成長する土台づくりを実現するため、2023年度は営業社員を対象に「Python中級研修」を開催し11名が修了しました。さらに、ITのリテラシーを高めDX人材創出の底上げと資格取得を目標にリスキリングを推進するため、「ITパスポート」の取得を奨励し、資格取得者にはスキル手当を支給しています。2023年度は、200名を超える社員が「ITパスポート」を取得しました。
また、AIの基本的な活用方法を学び、業務で効果的に活用することを目的に、DX eラーニング「クイズで学ぶAI活用術」を2023年度は4回実施しました。ユニ・チャーム株式会社社員の72.5%、国内グループ社員の61%が受講し、生成AIの利用率が高まっています。
さらには、社員一人ひとりに成長機会を提供するために、時間や場所に縛られず自分のペースで受講できるオンライン学習プラットフォーム「LinkedIn Learning」を日本および12の現地法人で導入しており、2023年度は3,000名以上の社員が利用し、一人当たりの年間平均学習時間は約4.5時間でした。
今後も社員が継続的に学習し、スキル習得等の意欲を維持できるよう定期的な情報発信を行います。
>>社員の能力開発にあてられた時間/費用
|
2021年度実績 |
2022年度実績 |
2023年度実績 |
社員の能力開発研修にあてられた総研修時間 |
45,018時間 |
49,824時間 |
50,503時間 |
社員の能力開発研修にあてられた総研修費用 |
4,200万円 |
8,400万円 |
7,531万円 |
一人当たり研修日数 |
3.9日 |
4.4日 |
3.5日 |
一人当たり研修時間 |
31時間 |
35時間 |
28時間 |
一人当たり研修費用 |
28,669円 |
58,618円 |
42,119円 |
2024年度の実績は2025年5月発行予定の当社「サステナビリティレポート 2025」をご参照ください。
>>職場の健康と労働安全システムの構築
当社グループが「『共生社会』の実現に貢献する」には、社員が健康でいきいきと活躍することが不可欠です。このため、健康診断をはじめとするさまざまな健康管理に関する取り組みや、メリハリのある働き方の推進、メンタルへルスケアなどを通じて、社員が心身ともに健康で、最大限に能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。
具体的には、健康診断や体力測定会、パーソナルストレッチなどの社員の健康維持・増進に加え、毎月健康に関する旬なテーマをとりあげた「健康ラボニュースレター」を発行し、健康維持のポイントやメンタルヘルス維持のための情報提供、身体活動量の低下を防ぐための適度な運動推奨などを行っています。このような活動を通じて社員の健康リテラシーを高め、自らの健康を維持・増進できるように取り組んでいます。また、社員の健康を管理する状況から、さらに一歩踏み込み「予防」へと移行するために、メンタルヘルス対策に関する研修の実施や、ストレスチェックを年に1回実施しています。ストレス度合が高い社員を早期に発見し、産業医や保健師の健康相談につなげることで、社員が心身ともに健康で安心して働くことができる職場環境の整備に努めています。