2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    100名(単体) 1,741名(連結)
  • 平均年齢
    43.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    9.9年(単体)
  • 平均年収
    7,256,155円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)

901

[253]

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)

216

[154]

非エネルギー事業

524

[1,286]

全社(共通)

100

[20]

合計

1,741

[1,713]

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

100

[20]

43.2

9.9

7,256,155

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

全社(共通)

100

[20]

合計

100

[20]

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2.平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、当社から社外への出向者及び、社外から当社への出向者を除いています。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

5.従業員数減少の主な要因は、退職による減少及び事業会社への異動の増加等によるものです。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループには、主にシナネングループ労働組合(当社)が組織されており、上部団体には加盟していません。なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性

労働者の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、5

全労働者

労働者

臨時雇用者

(注)3

17.9

60.8

61.8

30.4

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期雇用社員の従業員を含み、派遣社員を除いています。

4.対象期間は2024年4月から2025年3月までです。

5.正規雇用労働者については、給与体系は同一の体系を適用しており男女のいずれかであることを理由に不利益が生ずることはありません。男女の賃金の差異は当社の人員構成の特性上、女性社員の平均年齢は男性と比較して低く、若年層の比率が高くなることや等級構成が影響し、平均給与に差が生じています。また臨時雇用労働者については、男女間における給与制度上の差はありませんが、職種や勤務時間等が異なるため、平均給与に差が生じています。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1、

全労働者

労働者

臨時雇用者

(注)3

全労働者

労働者

臨時雇用者

(注)3

ミライフ西日本株式会社

4.2

65.2

65.4

73.3

ミライフ株式会社

7.1

25.0

25.0

66.3

69.6

85.5

ミライフ東日本株式会社

8.0

64.4

72.2

66.2

シナネン株式会社

8.0

33.3

33.3

72.7

72.5

259.4

(注)4

シナネン石油株式会社

0.0

83.1

84.3

106.4

シナネンサイクル株式会社

0.0

100.0

100.0

87.5

108.0

54.7

シナネンアクシア株式会社

5.5

60.0

50.0

100.0

72.0

76.7

87.0

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期雇用社員の従業員を含み、派遣社員を除いています。

4.時間限定勤務の男性臨時雇用者が殆どを占めることによる数値となります。

5.対象期間は2024年4月から2025年3月までです。

6.正規雇用労働者については、給与体系は同一の体系を適用しており男女のいずれかであることを理由に不利益が生ずることはありません。男女の賃金の差異は当社の人員構成の特性上、女性社員の平均年齢は男性と比較して低く、若年層の比率が高くなることや等級構成が影響し、平均給与に差が生じています。また臨時雇用労働者については、男女間における給与制度上の差はありませんが、職種や勤務時間等が異なるため、平均給与に差が生じています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。

なお、文中の詳細に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を企業理念に掲げ、創業以来90年以上にわたって、お客様にエネルギーをお届けしています。

昨今、国連サミットでのSDGsの採択やCOP21におけるパリ協定の発効などを契機に、サステナビリティ・脱炭素に関する企業への対応要請が高まっており、事業やビジネスモデルの変革が必要不可欠となっています。

そういった状況の中、当社グループは、持続可能な社会の実現に貢献し、ステークホルダーの皆様の信頼に一層応えるべく、サステナビリティ基本方針を2022年5月、下記のとおり策定いたしました。

 

 

シナネンホールディングスグループは、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」という企業理念に基づき、お客様、お取引先、株主・投資家、従業員、地域社会などあらゆるステークホルダーを尊重し、企業活動を通じて「持続可能な社会の実現」に貢献するとともに、当社グループの「持続的な成長」と「企業価値の向上」を目指してまいります。

 

1.脱炭素社会の達成に向けて、社会・環境問題の解決へ真摯に取り組みます。

2.お客様・お取引先との相互の信頼と透明で公正な関係を築きます。

3.個人の人権、多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境を実現します。

4.安全安心な製品・サービスの提供により、社会生活基盤を支え、持続可能な社会の実現に貢献します。

5.経営情報を適時・適切に開示し、経営の透明性を高めます。

6.法令や社会規範を遵守し、公正、誠実な企業活動を実現します。

 

 

 

また、2023年4月からスタートした第三次中期経営計画の非財務目標を設定するにあたっては、国際的なガイドラインを参照しつつ、当社グループとステークホルダーの皆様にとって重要と考える社会課題を、網羅的にリストアップしました。そのリストアップした課題について、当社グループのミッションとバリューを踏まえ、課題の重要度と緊急度の両面から検証を行った後、経営陣での議論、取締役会の決議を経て、気候変動への対応として「脱炭素社会に対応した事業構造への転換」、人的資本経営の一環として「社員の市場価値の向上」の2つを、第三次中期経営計画の非財務目標に設定いたしました。なお、サステナビリティへの取組みとして、当社グループのマテリアリティ(重要課題)についても、同じ内容を掲げています。

 

①ガバナンス

当社グループでは、気候変動への対応及び人的資本への投資を重要な経営課題と捉え、「サステナビリティ推進委員会」を2022年度より設置し、サステナビリティ全般に関する課題をグループ全体で把握し、具体的な対応策や目標設定について協議を行っています。

サステナビリティ推進委員会は、2024年度末時点においては、当社代表取締役社長を委員長とし、リスク・コンプライアンス委員会の委員長であるチーフ・コンプライアンス・オフィサーを副委員長とすることでグループ全体のリスク管理の網羅性を高めるとともに、グループ全体の取り組みを管掌する関連部門責任者を委員とすることで、事業との連動性を強化する体制としていました。さらに2025年4月には、サステナビリティ推進委員会の委員長をサステナビリティ推進担当役員へと変更し、グループ企業の代表取締役社長を委員とすることで、よりグループ全体で「持続的な成長」と「企業価値の向上」を目指す体制へと移行しました。

委員会での議論・決定内容は取締役会に適宜報告し、取締役会においては対応策の承認と必要な助言を行う体制としています。

また、委員会の取り組み進捗状況については年1回以上各委員会より取締役会に報告する体制としています。

 

②リスク管理

当社グループは、気候変動関連の規制や事業への影響等のリスク要因を幅広く情報収集・分析しています。

留意すべき重要な機会とリスクについては「サステナビリティ推進委員会」で特定・評価を行い、事務局である成長戦略部が監督・モニタリングを実行してきましたが、2025年度の体制においては、「サステナビリティ推進委員会」がモニタリングの役割を担い、取締役会が監督します。リスク・コンプライアンス委員会の委員長がサステナビリティ推進委員会の副委員長を兼任し、両委員会で問題を共有できる体制としています。

また、グループ全体の人事戦略を推進するにあたり、当社は年2回、グループ企業合同による「グループ人事責任者会議」を開催し、人財に関する情報共有およびリスク低減に取り組んでいます。これまでに、労務モニタリングや女性活躍推進などのテーマについて議論を行いました。

経営戦略と連動した人事戦略の推進においては、「人財」および「組織」に関する課題が、企業活動に重大な影響を及ぼす経営リスクの一つであると認識しています。外部環境の変化を見据えた人財・組織課題については、経営層との継続的な議論を通じて対応を検討しており、グループ全体のリスクマネジメントを担う部門とも連携しながら、リスクの低減に努めています。

 

 

(2) 気候変動

①戦略

当社グループでは、気候変動への対応を重要な経営課題として認識しており、2022年6月には金融安定理事会が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明し、気候変動におけるリスク及び機会のシナリオ分析を実施しています。分析の対象は想定される財務インパクトの大きさから、当社グループ売上高の80%以上(2021年3月期実績)を占める石油事業、ガス事業としています。

分析の時間軸は、移行リスク、物理的リスクが大きく顕在化する2050年を分析時間軸と設定し、4℃・2℃それぞれのシナリオについて分析を行っています。

リスク分析の手法としては、SDGs目標やTCFD推奨開示項目から当社グループの事業と関連が深い項目を特定し、移行リスク、物理的リスクのそれぞれの算定を行っています。

分析作業は事業への影響度が高い移行リスクを中心とし、物理的リスクでは主に自社で所有する不動産に対する自然災害の影響度合いを算定しました。

各項目に対してリスクと機会を整理し、発生時期を短期・中期・長期、影響度を小・中・大に分類しています。

区分

項目

リスク

機会

発生

時期

影響度

対応方針

移行

リスク

政策規制

炭素税・炭素価格の導入

・炭素価格導入による化石燃料の需要減

・炭素価格導入による燃料調達コスト増

中~長期

・再生可能エネルギー事業の拡大

・再生可能エネルギー電源の調達・供給割合の増加

・バイオ炭・藻場等の事業の取組による炭素貯留

・バイオエタノール・SAF等の燃料の供給

・LPガス配送における配送効率の改善、配送車両のEV化

脱炭素目標の設定

・未達時のクレジット購入コスト増加

・達成時のクレジット販売による収益増加

中~長期

市場

エネルギーミックスの変化/エネルギー価格の増減

・運送費のエネルギー調達コスト増

・エネルギー価格高騰による需要減

・再生可能エネルギー事業の収益拡大

・石油代替燃料の販売拡大

短~中期

脱炭素製品の市場シェア向上

・電気自動車、水素自動車の普及によるガソリン需要減

・LPガスの低炭素燃料推進

短~中期

技術

脱炭素・低炭素新技術登場

・バイオプラ等、脱炭素素材の普及による石油等の売上減

・環境対応の車両等の機器導入コストの増加

・環境配慮車両の燃費向上、物流効率化に伴うコスト減

・スマートメータ導入・配送効率化による運送費の削減

短~中期

中~大

新技術開発への投資リスク

・再生可能エネルギー等の投資対象における、投資コスト増加および投資対象の陳腐化

・再生可能エネルギー等への投資における収益拡大

中~長期

レピュテーション

消費者の脱炭素選好による需要変化

・石油・ガス事業へのダイベストメントが加速する事による資金調達コスト増加

中~長期

ステークホルダーからの懸念の増加

・気候変動対応の要請増による対応コスト増

中~長期

小~中

物理的

リスク

急性リスク

台風/豪雨による水害の発生

・保有資産の毀損復旧費・対策費・保険料の増加

・営業可能日利用制限による収益減少

・配送遅延・事故の増加に伴うコスト増加

・サプライチェーン分断による事業継続への影響

・浸水リスクの高地域の物件の資産価値減少

・ライフライン分断にともなうLPガスの備蓄増加

短~中期

・事業継続計画の整備

・災害に備えた設備投資

・行政と連携した地域のレジリエンス強化

慢性リスク

海面水位の上昇

・湾岸エリア等に所在する工場、施設への浸水

・物件の移転コスト

中~長期

平均気温の上昇

・平均気温・水温上昇に伴う、ガス需要の低下

中~長期

 

リスク・機会の評価の中で選定した項目のうち、影響度が高い以下の項目について、関連するシナリオとパラメータの選定を行い、4℃・2℃それぞれのシナリオに関する財務インパクト評価を行っています。

シナリオ分析により特定した項目については、リスクの最小化、機会の最大化を実現すべく、中期ビジョン(2023~2027年度)に反映させており、今後戦略のレジリエンスを高めてまいります。

 

<影響度が高い項目>

気候変動による売上の変化

気候変動による費用の変化

需要減に伴う販売量減少

・炭素税・炭素価格の導入によるエネルギー価格の高騰とそれによるエネルギー需要減

・水素・電気自動車等の普及に伴う需要減

・脱炭素素材普及に伴う石油等の需要減

・気温上昇・水温上昇に伴うガス需要減

炭素税・炭素価格の導入に伴う費用の増加

・炭素税・炭素価格の導入による費用の増加

・炭素排出量未達に伴う炭素クレジットコストの費用増加

再エネ事業の販売拡大

運送費の増加

・エネルギー価格(ガソリン代、軽油代等)の高騰に伴う運送費の増加

・EV車両等の設備投資と運送コストへの価格転嫁による運送費の増加

化石代替燃料の販売拡大

設備投資の増加

・台風・洪水等の水害に伴う設備費の増加

 

 

②指標及び目標

当社グループは、気候変動のリスク及び機会を評価・管理するための指標としてGHG排出量と炭素生産性の2つを設定し、事業成長とGHG排出量の削減を同時に実現してまいります。

 

<GHG排出量>

Scope1~3全体の排出量を算定した上で、削減目標としては自社努力による削減余地が大きいScope1、Scope2に対象を絞り目標を設定しています。

対象年度

削減目標

2030年度

Scope1+Scope2 50%削減(2016年度対比)

2050年度

Scope1+Scope2 カーボンニュートラル(排出量実質ゼロ)

 

 

<炭素生産性>

事業成長と共に環境負荷が低い企業グループへと変革を遂げるべく、より少ない炭素排出量で効率的な企業活動を行う指標として設定しています。

対象年度

削減目標

2027年度

6%向上(2016年度対比)

 

※炭素生産性=売上総利益÷GHG排出量(Scope1~3)

Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

 

なお、当社グループの気候変動に関する考え方及び取組の詳細は以下をご参照ください。

https://sinanengroup.co.jp/sustainability/environmentalinitiatives/responsetotcfd/

 

(3) 人的資本

①戦略(方針・考え方)

当社グループは、2027年に創業100周年を迎えます。ビジョンとして掲げる「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」を実現するため、「国内事業基盤の再整備」および「リテールサービス戦略の強化」を成長戦略の柱としています。

この成長戦略の実現には、経営基盤である「人財」への投資が不可欠であると考えています。2020年には「選ばれ続ける人と組織になること」を目的に風土改革を始動し、100周年に向けた組織ビジョン「Spiral Up Company ~情熱とワクワクのエネルギー好循環組織~」を掲げました。

このビジョンの実現に向けて、社員一人ひとりの自律的成長を促す「風土改革」と、多様な人財から選ばれ続けるための「働き方改革」を両輪として推進し、社員の成長を支援するとともに、持続的に成長し続ける組織を目指します。

 

②指標及び目標

第三次中期経営計画において、「企業価値は社員の市場価値の総和である」という考えのもと、「社員の市場価値の向上」を非財務目標の一つに掲げ、特に重要と考える以下の3つの目標を設定しています。

イ. エンゲージメント

当社ではエンゲージメントを「社員と会社が対等で、相互に成長に貢献し合う関係」と定義しています。多様な働き方が進む中で、社員が「成長を実感できた」「人生が豊かになった」と感じられるよう、成長機会や働きがいのある環境を整備・提供することが会社の責務であると考えています。

このため、エンゲージメントは「社員の市場価値の向上」における最重要KPIと位置づけており、エンゲージメント指数(組織風土調査における満足度指数)を2023年3月期の3.3から、2028年3月期には4.0以上へと向上させることを目指します。

 

ロ. 教育投資

社員の自律的なキャリア形成を支援する仕組みを整備し、成長を実感できる組織を目指しています。教育機会の拡充により、社員1人あたりの年間教育訓練時間を2023年3月期の16.4時間から、2028年3月期には25.0時間へと増加させることを目標としています。

 

ハ. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

多様な価値観を取り入れ、新たな価値を創出するため、女性社員の登用を積極的に進めています。意思決定の場における女性の比率を高め、女性管理職比率を2023年3月期の5.1%から、2028年3月期には20.0%以上へと引き上げることを目指します。

 


 

指標

実績

目標

エンゲージメント指数

2025年3月期

3.48

2028年3月期

4.0以上

社員一人当たりの年間教育訓練時間

2025年3月期

16.1時間

2028年3月期

25.0時間

女性管理職比率

2025年3月期

6.6%

2028年3月期

20.0%

 

 

③具体的な取り組み・施策

イ. 風土改革:社員の自律的成長に向けた意識・行動・コミュニケーションの変革

 「個を高め、活かし合う」ことを風土改革の本質とし、「選ばれ続ける人と組織」の実現を目的に取り組んでまいりました。初期の3年間(2020~2022年度)は「風通しの良い環境づくり」、続く2年間(2023~2024年度)は「個の成長」に注力しました。

 2024年度は「共感できる方針」をテーマに、事業会社ごとに経営層から管理職層までの縦のつながりを強化し、経営と風土改革推進者との接続も深めました。研修や現場訪問を通じて、グループがONEチームとして機能し、グループミッションに基づいて働くことの重要性を繰り返し伝えました。

 2025年度は、「個の成長」からさらに踏み込み、「活かし合う組織づくり」を本格的に推進する年と位置づけています。これまでの改革により意識の変化は見え始めているものの、日常業務における具体的な行動変容には依然として課題が残っています。

 今後の成長戦略である「国内事業基盤の再整備」および「リテールサービス戦略の強化」を実現するためには、仕組みの再整備とともに、従来の延長線上ではない、一人ひとりの行動を本質的に変える“本気の取り組み”が不可欠です。

 まずは現場のリーダーが自ら本気で考え、行動すること。そして、従業員一人ひとりが「自分は何をすればお客様の期待を超える価値を届けられるか?」を常に問いながら行動し続けることが、組織全体に当事者意識と“やりきる力”を浸透させる鍵となります。

 風土改革は単なる意識醸成ではなく、当社の未来をつくる成長戦略そのものです。私たちは“人”の力を信じ、「個の成長」を「組織の成長」へとつなげ、「個を高め、活かし合う組織」を本気でつくり上げることで、地域のエネルギー会社から地域に根差したサービス会社へと進化し、次の100年に向けた価値創造に挑戦し続けます。

 

ロ.人財育成の推進

<社員の育成方針>

「人財」は当社にとって最も重要な資産の一つであり、社員一人ひとりの成長が会社の成長に直結すると考えています。この考えに基づき、社員教育を「投資」と位置づけ、教育機会を提供しています。中期経営計画における非財務目標として、社員一人あたりの教育訓練時間を2022年度の16.4時間から2027年度には25時間へと拡大する目標を掲げています。

 

<社員一人ひとりの成長実現に向けた人財育成ポリシー>

以下の4つを「人財育成ポリシー」として掲げ、具体的な施策を展開しています

1. 従来の階層別教育中心から、意欲ある社員に学ぶ機会を提供する公募型教育を重視し、徐々にシフトしていく

2. シナネンHDグループ共通の必須教育として、基礎力を整備する

3. キャリア支援制度(若手向けCDP※、社内公募制度など)を構築する

4. 経営人財を安定的に創出するため、選抜型による育成を強化する

 

<教育体系>


 

教育体系図に基づき、階層別教育に加え、キャリア支援制度、基礎教育、公募型教育、選抜型研修を実施しています。

 

公募型教育では、成長意欲の高い社員の個別課題解決に資する多様な研修を展開しました。2024年度の公募型教育の総訓練時間は1,152時間となり、前年の855時間を上回りました。これは、社員の市場価値向上への意欲の高まりを示す成果です。

 

一方、2024年度の教育訓練時間の実績は、一人あたり16.1時間となり、前年(2023年度)の16.4時間からわずかに減少いたしました。

この主な要因といたしましては、より効果的かつ実践的な学びの提供を重視するために、階層別教育研修内容の見直しを行い、対象者数及び研修日数が減少したこと、ならびに基礎教育として実施していた全社員向けE-ラーニングの実施回数が減少したことにあります。

今後も、教育訓練の質的な充実に加え、より一層社員の成長に資する量的な拡充にも取り組んでまいります。

 

 

キャリア支援制度では、社員の志向や希望を把握し適正配置に活かす「キャリア面談」を2023年度から導入しています。評価面談と実施時期を分け、「キャリアビジョンシート」に希望する働き方や上司からのフィードバック欄を追加しました。

また、2024年度には脱炭素分野の事業推進の一環として、環境省への出向社員を社内公募により選出しました。自ら手を挙げる機会を通じて、新たなキャリアの可能性を広げています。

若手社員向けには、CDP(キャリア開発プログラム)を2023年度から導入しています。OJTに加え、異なるチームの社員がメンターとして関わることで、職場内外での育成を支援しています。2024年度は、CDPの理解と運用促進を目的に、対象者向けに研修を年2回実施しました。

 

CDP概要図


 

経営者育成については、当社グループの将来を担う経営人財の創出を目的として、グループ横断的に育成を行っています。経営人財育成のために「人財パイプライン」を構築し、3階層にわたる選抜型研修を実施しています。

ポテンシャルの高い人財の早期発掘・育成と、候補人財の「量」と「質」の確保を目的に、PDCAサイクルを取り入れた育成体制を確立し、継続的な経営人財の輩出を図っています。

「人財育成方針」に則り、社員一人ひとりの成長と自律的なキャリア形成のための人財育成体系を整えています。

上記の人財育成方針に基づき、社員の市場価値の向上を目指して、多様な社員の自律的な成長を支援する仕組みの整備を、今後も継続的に進めてまいります。

 

 

ハ.多様な人財から選ばれ続ける仕組みづくり

当社グループは、多様な社員が安心していきいきと働き続けられる環境の整備、すなわちワークライフバランスの実現と社員の自律的なキャリア形成を促進する人事施策に取り組んでいます。

 

<ワークライフバランスの実現>

 2024年度には、長時間労働の是正を目的として勤怠システムの見直しを実施しました。労働時間の可視化が進んだ結果、グループ会社では、2024年4月時点で月平均残業時間が20時間39分だったものが、2025年2月には16時間9分まで削減されました。

 また、各グループ会社の実態に応じた労務課題の把握と迅速な対応を図るため、人事担当者や管理監督者向けにマニュアルを提供し、安全衛生意識の強化およびホールディングスからのサポート体制の強化を進めました。

 

<社員の自律的なキャリア形成の促進>

 当社グループの社員の平均年齢は43.2歳であり、介護や育児といったライフイベントに直面する社員が多く在籍しています。これらの社員が離職を選択することなくキャリアを継続できるよう、育児・介護それぞれに対応した両立支援制度、育休制度、介護保険制度、社内相談窓口などをまとめたハンドブックを作成し、社内に公開しました。

 また、女性活躍推進法および次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の見直しを行い、社内外に公開しました。今後も継続的な評価と改善を通じて、多様な人財が定着し、個々の強みを活かし合える組織づくりを目指します。

 

ニ. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

 当社グループにおけるD&Iの位置づけは、風土改革の本質であり、「個を尊重し、認め合い、強みを活かし合うこと」と定義しています。創業100周年を超え、次の100年に向けて新たな価値を創造していくためには、従来の価値観にとらわれない柔軟な発想と、多様な人財が持つ多様な価値観の受容が不可欠です。

 

<女性活躍推進>

 当社グループでは、2027年度までに女性管理職比率を20%に引き上げることを目標に、女性活躍推進に取り組んでいます。今後はエネルギー分野にとどまらず、地域すべてのお客様に、ワンストップで課題を解決するサービス企業を目指しています。その中で女性ならではの発想や地域とのつながりは、グループの成長に欠かせない重要な要素と考えています。

 2024年度の取り組みとしては、2022年度に発足した女性コミュニティ「CREADY(クレディ)」を継続し、「自分らしく影響力を発揮できる人財の育成」を目的に、「キャリアワークショップ」の実施と女性同士のネットワーク強化に取り組みました。ワークショップには、事業会社や年代を超えて32名が参加しました。

 キャリアワークショップでは、外部ファシリテーターを招き、全6回・5か月間にわたり、自己内省やワーク・ライフ両面からのビジョンの可視化、社員によるパネルディスカッションなどを通じて、自分軸の言語化を行いました。

 ネットワーク強化の取り組みとしては、毎月1回オンラインでコミュニティ活動を実施しました。社員同士のつながりを深めるとともに、会社や年代を超えた対話の場を提供することで、多様な価値観やキャリア観に触れる貴重な機会となりました。

 

<障がい者雇用>

 当社は、新たな障がい者雇用モデルの確立を目指し、志を同じくする大手企業20数社が参加する一般社団法人「企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)」に加盟しています。

 また、障がい当事者と支援者を中心とした社内コミュニティを通じて、社内報などによる理解促進・啓発活動を行っており、多くの社員から支持を得ています。こうした活動が評価され、2024年のACEアワードでは、障がいのある当社従業員が「ポジティブチャレンジ賞」を受賞しました。

 今後も、障がいの有無にかかわらず、個々の強みを活かし、安心して能力を発揮できる環境の整備と雇用の推進に努めてまいります。

 

ホ.健康経営

 当社グループは、社員の健康を重要な経営課題と位置づけ、活力あふれる企業風土の醸成に努めています。

 2020年2月には「シナネンホールディングスグループ健康宣言」を発表し、健康経営への取り組みを本格的に開始しました。2023年度からスタートした第三次中期経営計画においては、非財務目標の一つとして「社員の市場価値向上」を掲げ、その中に健康経営の推進を位置づけています。

 当社グループでは、健康診断結果に基づく課題分析と目標設定を行い、社員の健康管理を強化しました。その結果、経済産業省が主催する「健康経営優良法人」に、2023年、2024年に続き、2025年も認定されました。

 


 

 今後も、社員の健康保持・増進に向けた取り組みを通じて、社員のパフォーマンス向上、さらにはグループ全体の業績および企業価値の向上を目指してまいります。

 また、当社グループでは2023年度より、65歳定年後の70歳までの再雇用制度を導入しました。平均年齢の上昇や高年齢労働者の割合増加に伴い、健康診断で有所見となる社員や、疾患を抱えながら働く社員の増加が課題となっています。

 これを受けて、2023年4月より、がん・脳卒中・心臓病・難病などを発症した社員を支援するため、「治療と仕事の両立支援制度」を導入し、併せて「治療と仕事の両立支援ガイドブック」を作成・展開しました。

 この施策は、社員の健康保持・増進にとどまらず、継続的な人財の確保、モチベーションの向上、さらには多様性の促進による組織や事業の活性化にも寄与することを目的としています。

 

参考リンク:健康経営

https://sinanengroup.co.jp/sustainability/social/employee/health/