2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,776名(単体) 4,110名(連結)
  • 平均年齢
    37.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    11.8年(単体)
  • 平均年収
    5,015,594円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ホームセンター事業

4,067

(4,774)

その他事業

43

(66)

合計

4,110

(4,840)

 (注)従業員数は就業人員であり、パートタイマーは( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。なお、上記に嘱託社員337名は含まれておりません。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

3,776

(4,186)

37.8

11.75

5,015,594

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ホームセンター事業

3,776

(4,186)

合計

3,776

(4,186)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、パートタイマーは( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。なお、上記に嘱託社員224名は含まれておりません。

2.平均年齢、平均勤続年数は、受入出向者を除いて算出しております。

3.男女別の従業員数(2024年3月31日現在)は以下の通りです

区分

従業員数(人)

新卒入社社員数(人)

役職者数(人)

M相当職以上

平均年齢(歳)

平均勤続年数

(年)

男性

3,201

154

2,548

38.8

13.0

女性

575

66

238

32.3

5.0

合計/平均

3,776

220

2,787

37.8

11.8

4.平均年間給与はナショナル社員(総合職)における数値であり、基準賃金のほか時間外勤務手当等の基準外賃金及び賞与を含んでおります。なお、ナショナル社員(総合職)の男女別の従業員数及び平均年間給与等の状況(2024年3月31日現在)は、以下の通りです。

区分

従業員数(人)

平均年間給与(円)

男性

1,157

5,113,876

女性

155

4,228,646

合計/平均

1,312

5,015,594

 なお、女性の平均年間給与が男性より低い(男性平均年間給与比82.7%)理由は、勤続年数15年以上の女性の割合が1割を超える程度で上位役職者数が少ないこと、及び平均勤続年数も男性より約8年短いことが主な理由となっております。引き続き、性別にかかわらず様々な場面で女性の登用を行い、多様性の確保を図ってまいります。なお、ホーム社員につきましては、男女の賃金差異につきましては、101.2%と女性の平均年間給与が男性より多くなっております。

5.従業員のうち中途入社社員のリーダーマネジャー相当以上のストアサポートセンター(本社)管理職比率は20.2%となっております

 

(3)労働組合の状況

 当社には、上部団体であるUAゼンセン同盟に加盟しているコメリユニオンがあり、2024年3月31日現在の組合員数は10,638人(内、パートタイマー6,789人)であります。

 また、一部の連結子会社には企業別に労働組合が組織されております。

 なお、労使関係は良好に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異

①提出会社

 

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

7.4

30.5

44.6

77.5

97.9

正規労働雇用者のうち、転勤はせず一定地域で勤務(自宅から概ね25km以内)する社員であるホーム社員の男女賃金の差異につきましては、101.2%となっております。ナショナル社員(総合職)の男女賃金の差異は縮小傾向となっております。

(注)1.女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものでありますなお当社では課長係長という名称が無いため当社独自の基準で算出しております

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

②連結子会社

 

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める女性労働者の割合

 (%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率

 (%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

北星産業

0.0

100.0

69.2

91.0

83.6

 

㈱ビット・エイ

0.0

77.5

83.7

97.8

-は該当者不在になります。

㈱コメリキャピタル

0.0

50.0

56.5

48.8

91.3

 

㈱ライフコメリ

33.3

0.0

93.5

96.5

150.8

 

㈱ムービータイム

0.0

76.8

79.4

109.4

-は該当者不在になります。

(注)1.女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(基本方針)

 コメリグループは、遅れた分野の流通近代化を通して世の中に貢献することを目指すとともに、環境・社会・ガバナンス等の社会課題の解決にも努めております。経営理念である「コメリのねがい」を掲げ、「住まい」と「園芸・農業」に関する地域社会のインフラとして、ホームセンター事業を通じて地域社会、環境に貢献し、各種社会課題を解決し、持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指してまいります。そして、具体的な行動の指針である「コメリグループ行動指針」「行動基準」に沿って、各種サステナビリティの取り組みを推進してまいります。

(1)ガバナンス

 コメリグループでは、持続可能な社会の実現に貢献することを重要な経営課題の一つと認識しています。2024年3月末現在、経営企画担当の取締役常務執行役員をサステナビリティ推進担当とし、広報担当付の社員等がその業務を補佐しております。また、取締役会は、四半期毎に、サステナビリティに関する取り組みについての報告を受けるとともに、各商品部、SCM部、DX部等の関係部署が協議・連携を行い、各種取り組みを実施する体制を整備しております。体制図につきましては、「統合報告書2023」で開示しております。
 https://www.komeri.bit.or.jp/ir/report/

(2)戦略

 より良い商品をより安くより多くのお客様へご提供するため、お客様の潜在需要を顕在化させる商品やサービスを開発するとともに、環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現も目指し、事業活動を通じたサステナビリティの各種課題の解決に努めております。

①気候変動への対応

 当社グループは、気候変動に係るリスク及び収益機会が事業活動に重要な影響を与えていると認識しています。ホームセンター事業を「住まい・資材建材」分野、「園芸・農業」分野、「店舗・サプライチェーン」分野の3つに分類し、脱炭素・CO2削減に関する社会的課題の解決が新たなビジネスに繋がるととらえ、事業活動や財務に及ぼす影響を分析気候変動による将来リスクや事業機会の分析を行いました。

<シナリオ分析>

区分

1.5℃~2℃シナリオ

2.7℃~4℃シナリオ

政策・法規制

・脱炭素・省エネ等の規制の新設・変更

・気候変動対策の現状維持

・森林伐採規制の強化

・化学肥料使用低減

技術・市場

・省エネ商品の開発・改良

・省エネ商品の更なる進化・需要増加

・原材料価格の上昇

・農産物産地の更なる移動

・エシカル消費意識向上

 

・農産物産地の移動

 

店舗・サプライチェーン

・自然災害による店舗・物流網の被害増加

・物流の遅延、寸断の増加

・店舗電気代の増加

・店舗電気代の更なる増加

<シナリオ分析による考え方>

 2030年を想定した政策や法規制の変化がもたらす主な「移行リスク」につきましては、社会の脱炭素化に向けた政策・法規制によるコストの増加や、消費者の嗜好の変化が業績に影響を与えると予想されます。3分野の共通事項は、エネルギーコストの上昇や増税、省エネ規制強化によるコストアップがあげられます。また、「住まい・資材建材」分野につきましては、森林伐採規制強化やリフォーム需要の変化の影響、「園芸・農業」分野につきましては、化学肥料使用規制や食料生産技術・使用資材の変化、害虫・雑草管理方法の変更、農産物の産地移動等による影響、「店舗・サプライチェーン」分野につきましては、エシカル消費拡大による既存商品の販売減少やリユース・リサイクル・レンタル需要の増加、外出減少による店舗での買い控えの影響が考えられます。

 また、自然災害の増加による資産の損害等の主な「物理的リスク」につきましては、自然災害の増加による店舗・物流センターの被災、営業休止、供給網の寸断や、平均気温上昇による空調コストの増加、労働生産性の悪化、食料生産量減少の影響等が考えられます。

 

<気候変動によるリスク及び機会>

a.移行リスク・機会

・政策・法規制

リスク・機会の内容

住まい・資材建材分野

園芸・

農業分野

店舗・サプライチェーン分野

主な対応策

炭素税導入による各種コストの増加

CO2排出削減に向けた省エネ対応、再生可能エネルギー使用

電力小売価格の変動

省エネ設備の導入、再生可能エネルギー使用

運送に係る燃料費の変動・排出規制の強化

 

 

効率的な店舗配送ルートの策定・物流の効率化

各種省エネ規制強化

 

省エネ設備の導入、エンジン製品の電動化の推進、断熱リフォームの提案

補助金政策の新設・変更・廃止

 

補助金対象商品の販売強化

森林伐採規制強化

 

 

国産材利用推進、木材の廃棄物削減

総合的病害虫・雑草管理資材への対応

 

 

環境負荷の低い生産資材の取扱い増加・商品開発

・市場の変化

リスク・機会の内容

住まい・資材建材分野

園芸・

農業分野

店舗・サプライチェーン分野

主な対応策

食料生産技術・使用資材の変化

 

 

タイムリーな営農情報の入手、環境負荷の低い生産資材・低価格の生産資材の供給

リフォーム需要の変化

 

 

お客様の住まいのニーズへの変化対応、断熱リフォームの提案

外出減少による店舗での買い控え

 

 

EC事業の強化、店舗来店誘導施策の推進、お客様の住まいのニーズへの変化対応

リユース・リサイクル・レンタル需要の増加

レンタルサービス・修理サービスの拡充、不要品引取サービスによるリサイクルの推進

エシカル消費拡大による既存商品の販売減少

環境負荷の低い商品の開発・提供、廃プラスチック削減、サステナブルな情報発信

b.物理的リスク

分類

リスク・機会の内容

住まい・資材建材分野

園芸・

農業分野

店舗・サプライチェーン分野

主な対応策

急性

自然災害・異常気象の増加による被害の発生

サプライチェーンマネジメントの強化、従業員の安全・安心を踏まえた迅速な営業再開

自然災害・異常気象による食料生産量の減少

 

 

異常気象対応商品の提案、タイムリーな営農情報の提供

慢性

病害虫被害の増加

 

 

タイムリーな営農情報の提供、対象商品の機会損失防止とタイムリーな提供

平均気温の上昇

気候変動による過剰在庫の防止・売変の抑制・機会損失の防止

労働の生産性・労働環境の低下

異常気象に対応した商品開発の推進、従業員の安全・安心・健康な労業環境の確保

 

②人的資本投資

a.2023年3月期から2025年3月期の中期経営計画で掲げた4つの重点施策の1つである「成長基盤投資」に基づき、以下の対応を行っております。

・多様な人材がより能力を発揮し活躍できる環境整備に基づく業務生産性の向上

・賢和塾を中心とした教育体系に基づき、不易流行の精神を実践できる人材の育成

・職位別・役職別カリキュラムに則って経営理念研修管理職・後継候補者教育チェーンストア理論研修等の実施

b.2024年3月期の教育人財投資額につきましては、18.1億円(前年比104.0%)となっております。更なる営業力強化を目的として、主にマイスター1級・2級の取得を推進しました。

※ マイスター制度

 お客様のお困りごとの解決や要望に対する提案ができる接客技術の高い従業員の育成を行うための商品知識・サービス等販売業務に関する各種社内資格制度

c. 女性新入社員の積極的採用

 従業員の多様性確保の取り組みの1つとして女性新入社員の採用も積極的に増やしております2024年4月入社の女性社員比率は35%(前事業年度4月入社の女性新入社員比率30%)となっております

d.非正規社員の待遇改善への取り組み

・人手不足が強まる中、非正規社員の待遇改善が求められています。コメリでは、店舗で活躍している従業員の更なるキャリアアップや待遇改善の一環として、一定の条件を満たした非正規社員(準社員)の正社員への定期登用を行っております。非正規社員(準社員)から登用された正社員は、現在100名を超えております。

・優秀な従業員の定着を向上させることは、事業活動を継続する上で重要な課題の一つとなっております。引き続き、コメリ経営要諦の「人は事業の最も大切な柱である」に基づき、従業員の人権を尊重し、性別・国籍・年齢等に関係なく、多様な人材がより能力を発揮し活躍できる環境整備を継続してまいります。

e.女性活躍推進・多様な人材の確保

当社グループでは、すべての従業員がワークライフバランスを実現し、能力を発揮し活躍することが、当社が目指す「お客様の豊かな暮らしの実現」につながると考えます。仕事と子育ての両立をはじめ、安心・安全・健康に働くことができる環境づくりを推進しております。

当社は、2024年5月21日に、次世代育成支援対策法に基づく子育てサポート企業として、厚生労働大臣より「くるみん認定」を取得しました。

引き続き、従業員が安心・安全・健康に働くことができる「働きがい」を感じられる環境の確保に努めてまいります。

<多様性確保に向けた人財育成・社内環境整備方針>

 コメリ経営要諦の「人は事業の最も大切な柱である」に基づき、従業員の人権を尊重し、性別・国籍・年齢等に関係なく、多様な人材がより能力を発揮し活躍できる環境整備を行っています。計画的な配置転換、職種別・階層別教育を中心とする営業力・商品力の強化、生産性の向上を実現する人事制度や多様な教育制度を構築し、中核人材の育成と従業員が安心・安全・健康に働くことができる「働きがい」を感じられる環境の確保に努めてまいります。そして、具体的な行動の指針である「コメリグループ行動指針」「行動基準」に沿って、人財育成とその環境整備の取り組みを推進してまいります。

※ 「コメリグループ行動指針」「行動基準」は、以下のウェブサイトで開示しております。
  https://www.komeri.bit.or.jp/csr/koudousisin/index.html

 

(3)リスク管理

 サステナビリティの課題を含めた当社グループの事業へのリスク及びその管理の内容につきましては、後記「3 事業等のリスク」で開示しております。

 環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指し、商品や店舗運営、物流等、商品の生産から販売までのすべての過程において、省力化・効率化を行い、環境及び社会課題の解決に取り組むとともに、気候変動による将来リスクや事業機会の把握を行い変化対応型の事業展開を目指し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも進めてまいります。

 各種リスクに対する課題や具体的な取り組み内容は以下の通りです

事業環境の認識やリスクマネジメントの内容につきましては、「統合報告書2023で開示しております
  https://www.komeri.bit.or.jp/ir/report/

(4)指標及び目標(実績)

 サステナビリティに関する指標及び目標につきましては、以下の通り定めております。

①エネルギー使用量削減目標

2009年度の実績(使用原単位あたり)から毎年1%の削減

原単位(㏄/㎡・h)=エネルギー使用量(㏄)/コメリ施設総延床面積(㎡)×年間営業時間(h)

②人的資本に関する指標または目標

・女性管理職(店長職・本部M職)を300名にする(2026年度末まで)

・全従業員の月平均残業時間を13時間以内とする(2026年度末まで)

・育児休業取得目標を男性25%女性95%以上とする(2027年度末まで)

・社員全員の労働時間を削減(定時退社日の周知と有休・半日有休制度の利用促進)

詳細につきましては、「統合報告書2023」で開示しております。
 https://www.komeri.bit.or.jp/ir/report/

③エネルギー使用量(2024年3月期、単位:GJ)

区分

実績

 

区分

実績

電気

1,275,801

(1,461,591)

 

灯油

1,610

(1,618)

LPG

58,902

(59,725)

 

A重油

0

0

都市ガス

6,114

(6,114)

 

原単位

3.12

(3.56)

ガソリン

12,358

(12,802)

 

 

 

 

※エネルギー使用量は省エネ法に基づき算定しております。2023年の省エネ法改正に伴い熱量換算係数が改正されたため、( )内に改正前の省エネ法に基づく数値を、( )外に改正後の省エネ法に基づく数値を記載しております。

 

④CO2排出量(2024年3月期、単位:t-CO2)

カテゴリー

実績

Scope 1

燃料の燃焼に伴う直接排出

6,860

Scope 2

電力使用に伴う間接排出

60,554

Scope 3

1.購入した製品・サービス

1,861,506

 

2.資本材

27,379

 

3.Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

11,839

 

4.輸送、配送(上流)

13,164

 

5.事業から出る廃棄物

4,692

 

6.出張

1,229

 

7.雇用者の通勤

6,042

 

Scope 3合計

1,925,851

Scope 1・2・3合計

1,993,265

※Scope 3につきましては、上流側の範囲(カテゴリー1から7まで)で算定しております。

⑤太陽光発電量(2024年3月期、コメリ13店舗、北星産業4センター分合計)

10,806MWh

⑥廃棄物処理量(2024年3月期、単位:t)

区分

実績

産業廃棄物排出量

6,598

リサイクル廃棄物排出量

7,365

(5)人権への取り組み

①お取引における人権についての考え方

 生産から販売までのトータルプロデュースを行い、より良い商品・サービスをより安くお客様に提供するため、お取引先様とともに持続可能なサプライチェーンを構築するために、公正な取引を行うとともに人権の尊重も重要な課題の一つと考えております。

 コメリグループでは、「事業活動における人権の尊重」をサステナビリティの重要課題の一つとしております。特に海外のプライベートブランド商品のお取引先様との間の契約の中で、強制労働、違法労働、児童労働の禁止、人種や国籍等での差別の禁止を規定して、定期的にその確認を行うこととしております。

②公正取引の推進(腐敗防止の基本的な考え方)

 コメリグループでは、お取引先様との取引方針として、「お取引にあたってのお約束」を策定し、お取引先様との平等かつ対等な関係を築き、信頼される企業となるよう、公正かつ透明な取引の実現に取り組んでおります。贈収賄、不公正・不当な取引等の腐敗行為および腐敗行為に加担する行為を防止し、コメリグループ全体で、お取引先様と健全なパートナーシップの構築を目指してまいります。

③ハラスメント防止への取り組み

 コメリグループでは、従業員の人権の尊重についても、「コメリグループ行動指針」「行動基準」で規定し、安全かつ衛生的な職場環境の整備や従業員の健康を重視した働きやすい環境の実現を目指しています。労働災害の防止に取り組むとともに、差別の防止やパワーハラスメント及びセクシャルハラスメント防止等について、各種研修において従業員に教育を行っております。

(6)事業活動を通じたサステナビリティへの取り組み

 コメリグループではサステナビリティの基本方針に基づき「原材料調達、製造・生産、流通・販売・消費」の各過程において、事業活動を通じたサステナビリティに資する取り組みを行っておりますまたこのサステナビリティへの取り組みには防災や減災に繋がる森林や農地の維持に資する取り組みもあり森林や農地の維持は省エネや二酸化炭素の固定化による地球温暖化防止に寄与することにも繋がると言われています

 商品やサービスを通じたサステナビリティに関する主な取組内容は以下の通りです

a.国産杉を使用した針葉樹合板等の商品開発

b.住宅の床・壁・天井・窓・ドア等の断熱リフォームの提案

c.切り花流通加工を自社で行うフレッシュマネジメントセンターを通じた流通コスト等の社会的コストを削減した鮮度の良い切り花の安価での提供(2024年3月末現在新潟茨城・花巻の3ヵ所に設置)

d.ガーデニング・家庭菜園等の園芸商品の販売

e.大規模農家支援や農業協同組合との協業等の農業者の利便性の向上に資する取り組みによる農地の維持及び食料生産に関する社会的コスト削減の推進

f.不要品引取サービスによるリサイクルの推進

 

g.物流2024年問題への対応

コンテナラウンドユースやJRコンテナを利用したクロスドック配送の取り組みの実施

・物流センター活用による集荷配送の効率化による二酸化炭素排出量の削減

・複数のお取引先様の商品を物流センターへ納品するために一括集荷する専用便による共同配送の実施

・パレットによる商品の集荷・共同配送の推進

・「置き配」に対応できるPB商品「折り畳める宅配ボックス」の販売を開始(2024年3月22日から)

h.DXへの取り組み

・より便利で快適なお買い物環境を全国のお客様にご提供できるよう、国内1,200を超える店舗網を運営するストアサポートセンターのIT化及び店舗オペレーションのローコスト化等のDX推進の投資を行い、グループ全体で生産性向上に継続して努めております。

・連結子会社である(株)ビット・エイは、経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」の認定を2024年4月1日付で取得しました。

i.店舗で発生する段ボール・ビニール等を分別・集約する拠点である環境ステーションの設置によるリサイクルの推進(2024年3月末現在、新潟、岩手、群馬、茨城、三重、岡山の6ヵ所に設置)

j.災害発生時の社会インフラとして、NPO法人コメリ災害対策センターを通じた復旧資材・生活必需物資の供給

(7)農業振興への取り組み

 コメリの核カテゴリーの一つである農業資材分野への取り組みにつきましては農業資材の予約販売や収穫期払いの決済手段であるアグリカードの提供業界初のPB農薬カミオンの販売等の各種取り組みを行うとともにチェーンストアの仕組みを使い、肥料・農薬・農業資材をローコストに、より良いものをより安く提供できる仕組みを構築しております。

 JAとの協業につきましては、2020年3月1日からJA上伊那と協業を本格的に開始し、2024年3月末時点で5JA(JA上伊那、JA山形おきたま、JA紀の里、JA伊勢、JA多気郡)と協業を行っております。

 そのほか営業力強化に向けて社内資格である農業資材マイスター1級・2級の取得を推進しより専門的な知識をもって接客ができるよう人財教育投資も行いました

(8)社会貢献活動

 当社グループは、1990年にコメリ緑資金を設立し、以来33年間にわたり、毎年利益の1%相当額を原資として、地域の緑化活動や農業振興及び災害時における物資の安定供給の基盤整備、ならびに地域の文化振興・社会振興への支援を継続して行っています。1990年度から2022年度までの33年間の累計拠出額は25億1,217万円となっておりますまた当社グループの事業活動は、森林や植物、農業等の様々な自然の恵みを受けて成り立っているため、生物多様性保全活動の一環として、自然の恵みの持続可能な利用に努めております。

 更に事業活動を通じたサステナビリティへの取り組みに加え以下の公益を目的とした法人と連携した環境・社会貢献活動も行っております

①公益財団法人コメリ緑育成財団

 公益財団法人コメリ緑育成財団は、コメリ緑資金と1996年7月に設立した財団法人緑育成財団を起源とし、2012年11月に公益財団法人として設立されました。地域社会へのご恩返しのため、コメリ緑資金からの助成を受けて、公共性の高い環境保全活動や緑化活動を行っている団体様への助成を行う「コメリ緑資金一般公募助成」、コメリグループ従業員がボランティアとして幼稚園や小中学校等の緑化活動に参加する「コメリ緑資金ボランティア」、コメリ農場での農業体験イベント等を開催する「体験活動による農業の振興」の3つの活動を行っています。

 2024年3月期の主な活動実績は以下の通りです

・自然環境の保全に関する顕著な功績があった団体として、環境省より「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受賞いたしました。(2023年5月)

・コメリ緑資金一般公募助成・・・助成総数44件(25都道府県)助成金額1,008万円

・コメリ緑資金ボランティア・・・ボランティア件数429件、ボランティア参加従業員数489人

・コメリ農場での活動   ・・・5月田植え体験(20人)7月じゃがいも収穫体験(61人)

9月稲刈り体験(中止)10月さつまいも収穫体験(63人)

 

②NPO法人コメリ災害対策センター

 NPO法人コメリ災害対策センターは、災害対策に永続的に取り組むための活動基盤として、2005年9月に設立され、コメリ緑資金の助成を受けて災害時の物資供給のネットワーク構築、災害対策関連情報の提供、防災啓蒙活動等を行っています。2024年3月31日現在全国1,084ヵ所の自治体と災害時の物資供給に関する協定を締結しております

 2024年3月期の主な活動実績は以下の通りです

・災害時の物資供給に関する締結協定を74件

・2024年1月に発生した能登半島地震につきましては2024年3月末現在で30自治体延べ78件の要請にお応えし、土のう袋、ブルーシート、使い捨て食器、簡易手袋、乾電池、おむつ等、東日本大震災の203品目を上回る355品目の商品(10tトラック約14台分)の供給を迅速に行いました。

・家畜伝染病への対応

 鳥インフルエンザ豚熱の防疫作業に必要な35品目の商品を供給しました

・水害への対応

 2023年6月から9月に全国各地で発生した大雨への対応をしました(和歌山県石川県福島県)

・自治体が開催する防災訓練に参加(104件)

 2024年2月14日には国土交通省(国研)海上港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所の3者による南海トラフ地震を想定した災害時の支援物資輸送に係る実働演習に参加しました

・広報誌サポートNo.27の発行(9月)

 新潟県知事と理事長との官民連携に関する対談を掲載しました

③公益財団法人美術育成財団雪梁舎

 雪梁舎美術館は、コメリの創業者である捧賢一が設立し、1994年に新潟県新潟市に開館しました。

 若手作家の発掘と育成を目的とした全国絵画公募展「雪梁舎フィレンツェ賞展」は、2023年で25回展を数え、新潟展は2023年7月29日~9月10日まで、東京巡回展は同10月24日~10月30日まで展覧会を開催しました。